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掏摸
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掏摸の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全144件 101~120 6/8ページ
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著者の本は二冊目であるが、なんというか意味がとりにくいというか、輪郭がぼやけていて、物語として楽しめるようには書かれていないような気がする。そういう気がしながら、文章力の強さかな?読んでしまうのだけれど、読み終わった後、不満が残る。 この本も、天才スリ師の主人公が、よく解らない闇社会に取り込まれて、さまざまなことをやらされ、やり遂げたと思ったのにやっぱり(読者には意味が分からない形で)殺される、という結末。結末と書いたが、終わった感じがしない結末で、なんかもぞもぞした残尿感のような思いが残る。 また登場する万引き母子やほかの人物も、どこから来てどこに行くのか、あいまいな設定のままで終わってしまう。つまりそう書かれていると思うしかない物語である。 伊坂幸太郎氏に文体は似ているような気がするが、輪郭のはっきりしなさが違う。こちらを選ぶ人は深く沈潜した読書をする人だろう。私は違うが。 | ||||
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スリという材料に目を付けたはいいのだが、主人公の背景や思想、ラストの展開など 物語の構造としては物足りない部分が非常に目立った。 特にラストについては思わせぶりだっただけにもっとでかいどんでん返しを期待していたけど、 中途半端に投げ出した形で終わってしまうのが残念。 しかしスリの手口がリアルに描かれてるところはなかなか臨場感があって 少なくとも中盤までは一気に読ませる力はあると思う。 | ||||
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「遮光」の執筆から五年の時を超えて刊行された「掏摸」を読んだ。確かに著者の文章表現力はアップしていた。 著者解説の中で「この小説は反社会的な内容だけど、残酷な運命の中で生きる個人の抵抗を書いた物語」とあり、 せめてもの抵抗の姿勢は見るからに金持ちそうな人間から財布を掏ること。それも現金のみ限定で、 掏摸には掏摸の自分なりのプライドがある、ものなのだろう。 「この金は昨日の痴漢から取ったものだがその前の所有者は不明だった。この金はそれぞれの人生の瞬間を 見ているのだと思った。殺人の場面にいたかもしれず、殺人者からどこかの店員に渡り、どこかの善人に 渡ったかもしれなかった」これはお金が、人間の人生における喜怒哀楽に大きな影響力を持っていると 暗示した表現なのかもしれない。 「視界に親子の姿が入り僕は立ち止まっていた。痛んだを茶色の髪を後ろに縛った女が、子供に軽く膝を当て、 その瞬間、子供は持っていたユニクロの紙袋に魚の切り身を入れた」この万引き親子の登場によって 主人公の生き方が少しずつ変化していく。死にたくないという気持ちが子供を諭すうち、自身の内に湧いてくる。 最後に、著者は幾つかの「掏摸」に関する参考文献から、掏摸のテクニック、エピソードなどを交えて子供に 伝授する場面はネガティブではあるが、今、はやりの「絆」をかすかに見た気がする。 | ||||
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店員さんおPOPに惹かれ買おうと思ってた書籍でしたが、私好みのラストではなかったかな。なんか尻切れトンボ感がぬぐえない。 | ||||
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独特の文章表現だが、ストリーが平凡で最後まで意外性を裏切る展開でした。 | ||||
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ハードボイルド。 文体も歯切れ良くここちよい。 久々に面白い小説を読んだ。 | ||||
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王国を読んでみたくなりました。 いつか掏摸をつかまえてやる! | ||||
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題名からハラハラドキドキを期待してたけど何か淡淡と読み進めたような 気がします。 | ||||
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翻訳されていて、海外でも高評価ということで読んでみました。 思っていたより楽しめました。 「人を殺すということは最大の権力」的な悪の出てくる作品を読むことはありますが、 この作品では、それにさらに付加価値というか、物語をもたせて楽しむ悪人が出てきます。 ターゲットにされる方は迷惑極まりないです。 自分がなり得るとすれば、ターゲット側でしかあり得ないので、その理不尽さには怒りすら覚えてしまいます。 『何もかも憂鬱な夜に』の作中に(これを気持ち悪いと思える人は幸せ)のようなくだりがありました。 本作の悪に大して「怒り」に似た恐怖や違和感を感じるのはフツーで幸せなことかもしれません。 …と、こういったザワザワした感じを楽しむ作品かなぁと思います。 この作品を大好きとか、絶対おススメとは、言えないなぁ。 「人をえらぶ作品かも…」という書評がありましたが、えらばれなかったかな。 それに加えて、スリの対象にも選ばれないということが分かりました。所持品がチープなので。 | ||||
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タイトルは読後の感想です。 「……で?」ってなります。なりました。 スリの「HOW TO本」かと思うくらい、犯行シーン、ターゲットに対するゆすり方法がリアルです。 それで終わりです。 主人公はクールぶってるんだか、人間味を出したいんだかよくわからない。 どっちかにしてほしい。 あと、なんか意味深な宿敵らしき男が登場するんですが、 この男はそれらしい講釈たれるだけで、それほど脅威や威厳、怪しさを出すことなくフェードアウト……。 しかもこの男、どっかの国だかの長ったらしい寓話をドヤ顔で披露し、あまりにもな説明口調で今作のテーマを表示します。 ただの便利キャラです。 なんだか、全体的にもったいない作品でしたね。下書きかと思うくらい、もったいない。 この中村さんだったら、もっと面白く出来なかったのかな……と。 “あとがき”が掲載されていましたが、あれは蛇足ですね。 「昔、塔が見えてた――」みたいな筆者の思いで話を読んでゾッとしました。ダイジョブか? この人……。 でも、海外では高く評価されているらしいですね。 それと俳優のあの人が絶賛してる、という広告がありましたが、 私は「いい歳こいて、こんな作品を評価するのか?」とあの俳優にたいしても不信感がうまれてしまいました。 中村さんの作品を読むなら、ぜひ別のものをどうぞ。 | ||||
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文庫本にして183ページ。一気に読めてしまう。 文体は,読みやすいが,どこか突き放した,冷めた視線のよう。 会話文に少し違和感を感じる。 それでも本書には,人を惹きつける何かがある。 天才掏摸師と闇社会の大物という設定の妙なのか。 格別生活に困っている訳でもなく,その天才的な腕前で淡々とスリを続ける主人公の男。 人生から得られるものを,余すことなく味わうために,理不尽に人の人生を支配する闇世界の男。 この二人の男が出会ったとき,物語が生じる。 はたして主人公も,同様に闇社会の男に人生を支配されることになるのか。 自分の運命とは。 そういったことを,ふと思わせる作品でもある。 | ||||
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何と言ってもスリという設定がまず面白いと思う。 中村文則を読んだのは3冊だけで、その印象で言うのだが、 おそらくこの作者の描く主人公は、 常に世界との関わりにアンバランスなものを抱えている。 心の闇と言い換えてもいいかもしれない。 何か不全なものを背負っていて、そこで世界とどう付き合うか、と、 手さぐりするのが基本パタンのようにみえる。 それをどう表現するか。 『土の中の子供』ではそれが土の中という表象であり、『銃』では拾った銃だった。 ここではそれがスリという職業、あるいは行為になる。 そうしたスリのモチーフの使い方は、 ロベルト・ブレッソンの映画『スリ』でも同様だった。 この映画を中村は参考文献に挙げているが、映画から着想を得たものか、 それとも着想の後に映画を見て参考にしたものか、興味のあるところだ。 主人公西村に、木崎という悪役が絡む。 木崎は暗殺その他の手段で裏から国を牛耳ろうというテロリストで、 闇の帝王というところ。 物語は、この木崎と絡んでしまった西村がどうなるのか、という興味で展開する。 途中、話の展開はまったく読めず、スリリング。 結論については、読者それぞれに思うところがあるだろう。 その結末はやや曖昧である。 絶対の力を持つ木崎は、悪の権化にもみえるし、 悪意としか思えない運命の象徴でもあろうか。 西村の木崎との関わりは、だから西村の世界との関わり方を問うものでもある。 悪としての世界に絡め取られてしまった西村に救いがあるのかどうか。 話として面白かったし、作者も満足している旨の後書きがあるのだが、 一方、どこかもう一つ、狙った深みに到達できていないような印象が残った。 作者は大物への道を着実に歩んでいるように見えるが、 目指すものが大きいだけに、まだ未完とも思える。 しかしそれはやや物足りない気もする一方で、今後への期待感を増してもいるのだ。 いずれにしても、次を読んでみたいと思える作品だったし、 そして既に、グレードアップしているらしいより新しい作品もいくつかある。 まだまだ楽しみが続くということだから嬉しい。 | ||||
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読み上げてしまいました。 怖いのにやめられない、こんな小説は他にないと思います。 驚く箇所が幾つかありますが忘れられない小説です。 | ||||
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一瞬本当の話の様で、ぐいぐい引き込まれろスリル満点の小説です。 | ||||
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小説。掏摸<スリ>(中村文則・河出文庫・470円+消費税)。 タイトルの通り掏摸(電車で財布をとったりするアレです)が主人公。 この世界を映画や漫画で表現するのは困難で「小説(文章)は、こういう世界を表現する時に最も力を発揮する」と文章表現について、あらためて考えさせられる小説。その意味で、これは「ザ・小説」。 舞台は現代の東京。読者が登場人物に感情移入するタイプの小説と違い、最初から最後まで主人公を観察者として追っていくタイプの小説。よって、ハラハラドキドキはないものの「で、この後はどうなるの?」という静かな関心が継続する楽しさ。 読点(、)の多い文体になじむことができれば、この独特の世界(表現、発想、思想)に触れる価値あり。村上春樹(「ノルウェイの森」より前、鼠や羊男の頃)を初めて読んだ時の「なんだこれ(←いい意味です)」感をふと思い出した一冊。 | ||||
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まっとうで心が浄化されるような小説もいいけれど このごろは、人間の内なる黒い部分と そうでない部分を併せ持つ深みのある 小説に惹かれ、作者のものは愛読しています。 現実味がないのでよくわからないものの、 スリを行う、という細かい所作が存分に描かれているのが 興味深いし、 主人公の暖かい部分に、希望が感じられる ヒトに勧めたい一作です。 | ||||
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この作品における作者の文章に違和感を禁じ得ず、つっかえつっかえ読み進めているところです。 芥川賞作家なので、もしかしたら凡人には理解しがたい斬新な文体/文章力をお持ちなのかもしれませんが。。。 表現が陳腐、語彙が乏しい、日本語としておかしいんじゃないか???と思われるような箇所が多々あります。 海外で高い評価を受けているとのことですが、もしかしたら翻訳された文章では上記のような欠点(?)が 消えて、作品としてより良いものに仕上がっているのかもしれません。 色々腑に落ちないのですが、他の作品も読んでみたいとは思います。 | ||||
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スリとして天才的な腕を持つ私には昔相棒であった石川という男がいました。が、今は一匹狼です。都会の喧騒を餌場としてひっそりと生活しています。そんな私が会いたくなかった、過去の一件で一緒に仕事をした立花という男と出会ってしまい・・・というのが冒頭です。 「私」の一人称で語られる、ピカレスクロマンに見えなくも無いストーリィなんですが、これがざらっとした読後感を残す非常に上手いつくりになっていまして、唸らされました。 特に一人称の扱い方の上手さは良かったです。私と俺と僕では印象がかなり違ってくるのを、とても上手く扱っていて、私、という人称の客観性と、僕、という人称では、客観性の距離感が違ってくると思うのですが、その違いを非常に上手く演じ分けていると感じました。誰しもが経験あると思いますけれど、相手や気分によって違う心情を上手く察せられます。 モチーフと言いますか主題は、正直何処かで見たような手垢のついた、よくある話し、なんでしょうけれど、それがこんなに新鮮に見えるのは、まさに文章の上手さと、見せ方の上手さ、そして同時代性とも言えるリアルさにあると思います。 地名は数箇所出てくるものの、かなり巧妙に隠されているというか薄められていて、海外の翻訳、とも思わせるかのような印象を持たせてくるのも、面白いと感じました。なんと言いますか、いわゆる村上春樹が最初に出てきた時の、一度本文を英語で書いて、それを訳して日本語にしたかのような消毒されたかのような文体がこの小説に合っていると思います。 ただ、この本の長さについては、構成については、少々気になる部分も無くは無いです。あくまで私見ですけれど、淡々と描いてきた割には、ある重要人物との邂逅から後が短く感じました。もっと時間かけても良いと思いますし、それまでの経過、過去の見せ方からしても分量として脆弱に感じてしまいます。丁寧に過去や心情、関係性や葛藤を描いてきているのに(無論そう見せたかったのでしょうけれど、落差を作っているんでしょうけれど)、重要人物との後は完全に寄り道なしの(唯一「塔」にだけ割かれるからこそ、鮮明にしたかったのでしょうが)一本調子な印象になってしまい、もったいないと感じました。 とても映画化しそうな題材。そしてこれ海外でもヒットしそうな作品だと思います。映画化するなら是非「ドライブ」のニコラス・ウィンディング・レフン監督に作品にして貰いたいです、きっとスタイリッシュに仕上がって楽しめそうです。 新しいハードボイルドやピカレスクに興味のある方にオススメ致します。 | ||||
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掏摸という行為のあれこれ、秘密組織に対応するスリリングな進行など面白く読めました。ただ最終場面が暗示的なのが今イチ納得ゆかない感じも…。 | ||||
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俳優 綾野ごう 推奨の本 面白いです。 最後はちょっと だけど? アマゾンで本を買うと カバーに困る 古い本の汚い紙カバーを付けると 「さあ読むぞ」という気持ちが・・・ カバーは売って無いのですか? | ||||
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