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完全恋愛
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完全恋愛の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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この本を読む前の予備知識は「2009年版このミステリーがすごい3位」のみ。 作者に対する知識とか全くなしに読み始めたが、登場人物の会話のわざとらしさに 代表される独特なミステリーおたくっぽい作風に対する拒否反応が・・・。 若い頃は、結構コテコテのミステリー作家の作品が好きだったが、どうも歳を取って からは所謂本格ミステリー界の住人たちの作風に馴染めません。 ベースとなっている恋愛・出生に関する話は大概の読者が推測出来るように、ヒント を分かるように書いてくれている。あまりにも分かりやすいので裏があるような疑心 暗鬼にも陥るが、それは考えすぎだった。 戦時中からつながる話しだからなのか、作者が75歳の頃の作品だからなのか、どうも 全体的に古っぽい感じがしてしまう。トリックもレトロな雰囲気だ。 「このミステリーがすごい」のランクと自分の好みが合わないのは今までにもあった が、どうにもこうにも年間3位は納得いかないなあ。 | ||||
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’01年から始まった「本格ミステリ作家クラブ」が主催する「本格ミステリ大賞」の’09年、第9回の受賞作。’08年、「このミステリーがすごい!」国内編で第3位、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で第6位にランクインしている。 牧薩次というのはベテラン・ミステリー作家・辻真先のもうひとつのペンネームで、自著に登場する探偵コンビ、牧薩次・可能キリコからとった名前である。 本書は、日本洋画界の巨星のひとり、柳楽糺(なぎらただす)・本名本庄究(ほんじょうきわむ)の、戦時中の少年時代から平成の世に亡くなるまでに遭遇した3つの不可解な殺人事件をからめた、大河ドラマを思わせる一代記である。 究は戦時中に家族を失い、山形県との県境にほど近い福島県の刀掛(かたなかけ)という田舎の温泉場の伯父のもとに預けられていたのだが、敗戦直後そこで起きた米進駐軍大尉の刺殺事件がひとつ。昭和43年に、西表島の現場から2300キロ隔てた福島の山村から凶器が“飛んできた”としか思えない不可能犯罪がふたつめ。そして最後は、昭和63年、東京にいるはずの彼自身が、ある変死事件の起きた福島にいたと証言される“究極のアリバイ”事件。 これらの事件の影には、少年時代に出会った“運命の女(ひと)”小仏朋音(こぼとけともね)への果たさぬ激しい恋心がからんでいた。戦後の昭和から平成にいたる、世情・事件・企業の盛衰などを巧みにストーリーに溶け込ませながら、正統派本格ミステリーの骨格に、「秘められた愛」「親子関係の秘密」を抱えて物語は展開する。 本書は、戦後から21世紀へ−ひとりの画家をめぐる<愛と犯罪>の物語であり、ミステリー界の長老・辻真先が放つ、渾身の力作である。 | ||||
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この「完全恋愛」は、2009年版の「本格ミステリ・ベスト10」など、各種ランキングの上位にランクされている作品なのだが、私が読中・読後を通じて、ずっと感じ続けていたのが、「これは、推理小説といえるのだろうか?」ということだった。というのも、通常、推理小説というのは、探偵役が、結末に向けて、1枚1枚薄皮を剥いでいくように、真相に近付いていく過程を描いていくものだと思うのだが、この作品には、その過程が全く欠けているからなのだ。 この作品では、昭和20年に起こった第1の事件の真相がただちに解明された後、昭和43年に、「ナイフは2300キロの時空を飛んで少女の胸を貫く」という第2の事件が起こる。しかし、この事件については、一応、刑事は登場するものの、「刑事からの連絡はそれっきり途絶えてしまったのである」の一言で、あっけなく捜査が終わってしまうのだ(しかも、この第2の事件発生までに、全438ページの半分以上も掛けている)。 その後の長い伏線の果ての、「彼は同時に二ヶ所に出現した」という昭和62年の第3の事件もまた然りで、平成7年に至り、突然、刑事が「新しい事実をみつけたのです」と現れるのでは、「これは、推理小説ではないだろう」と思ってしまうのだ。 また、第2、第3の事件の謎自体は、大向こう受けのする奇想天外なもので、素晴らしいとは思うのだが、明らかにされたその真相は、いずれも、とても納得のできるものではない。特に、第3の事件のトリックは、一応、それなりの伏線が張ってあることは認めるが、これが許されるのなら、不可能犯罪は何でもできてしまう安直過ぎる禁じ手だと思う。最後に明かされる主人公の純愛の真相も、とても現実にあり得るものとは思えない。 ただ、この小説を、純粋な推理小説として見るのではなく、純愛を描いたミステリ味の効いた一般小説と思えば、それなりに飽きずに読める作品ではあったと思う。 | ||||
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この「完全恋愛」は、2009年版の「本格ミステリ・ベスト10」など、各種ランキングの上位にランクされている作品なのだが、私が読中・読後を通じて、ずっと感じ続けていたのが、「これは、推理小説といえるのだろうか?」ということだった。というのも、通常、推理小説というのは、探偵役が、結末に向けて、1枚1枚薄皮を剥いでいくように、真相に近付いていく過程を描いていくものだと思うのだが、この作品には、その過程が全く欠けているからなのだ。 この作品では、昭和20年に起こった第1の事件の真相がただちに解明された後、昭和43年に、「ナイフは2300キロの時空を飛んで少女の胸を貫く」という第2の事件が起こる。しかし、この事件については、一応、刑事は登場するものの、「刑事からの連絡はそれっきり途絶えてしまったのである」の一言で、あっけなく捜査が終わってしまうのだ(しかも、この第2の事件発生までに、全438ページの半分以上も掛けている)。 その後の長い伏線の果ての、「彼は同時に二ヶ所に出現した」という昭和62年の第3の事件もまた然りで、平成7年に至り、突然、刑事が「新しい事実をみつけたのです」と現れるのでは、「これは、推理小説ではないだろう」と思ってしまうのだ。 また、第2、第3の事件の謎自体は、大向こう受けのする奇想天外なもので、素晴らしいとは思うのだが、明らかにされたその真相は、いずれも、とても納得のできるものではない。特に、第3の事件のトリックは、一応、それなりの伏線が張ってあることは認めるが、これが許されるのなら、不可能犯罪は何でもできてしまう安直過ぎる禁じ手だと思う。最後に明かされる主人公の純愛の真相も、とても現実にあり得るものとは思えない。 ただ、この小説を、純粋な推理小説として見るのではなく、純愛を描いたミステリ味の効いた一般小説と思えば、それなりに飽きずに読める作品ではあったと思う。 | ||||
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同じこのミスのベスト10内で、同じ恋愛+ミステリということで、多島斗志之さんの「黒百合」とつづけて読みましたが、あちらの洗練された印象と違って、こちらは急ぎすぎているところも多く、人物造形もやや中途半端な感じがしてしまい、いくつか仕掛けられたトリックは古くさいような印象を受けてしまいました。 | ||||
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