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綺想宮殺人事件
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綺想宮殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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小栗虫太郎『黒死館殺人事件』は、読了するのにだいぶ時間が掛かったのです。…まあ、途中で挫折しかかって暫く放って置いたんですけど。 正直『黒死館』の難解さは、戦前の作品ということで、現代社会の我々には取っ付き難い文体、というのが大きな要因のひとつだと思うのですが。 で、こちら『綺想宮殺人事件』は、当然ながらそこは無問題でありまして、奔流のようなペダントリィが、抵抗なく這入って来てくれます。 無論、理解なんかしてませんが。 最大のキモは多分、終盤にいきなりやって来る、大袈裟にいえば(?)パラダイム・シフトのような転回だと思うのですが(不要論もある)。 でもそこに至るまでの薀蓄博覧会も、フリとして活きているというか。 初めて目にするタイプの「死体の理由」には驚きましたし。 後期クイーン問題、或いは所謂「新本格」以降にも幾度となく言及されてきた「原理の問題」。 思えば久々に読んだテーゼでした。懐かしい、というか寧ろ新鮮。 まあ――あとがきにあるように、現代ミステリのひとつの主題的名作、なのかも。 そんなに青筋立てないで読んでみて。 | ||||
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地球は空洞であり、我々はその内側にへばりついているという説−−− 地球は曲面ではなく平面であることを「実証」した世界ゼテティック協会−−− もちろんそんなプロローグは本当に文字通りただの序曲に過ぎず、 万乗氏の居館であった「綺想宮」にたどりついたのちには「イヤ」というほどの膨大な無駄な知識が押し寄せてきます。 世界と日本の相似から見た歴史論、自動的に詩を紡ぐ機械「大発見」から奏でられるファウストの呪文、「世界誕生における調和」として選ばれた7曲が奏でられる中あらわれる惨殺死体に施された過剰な見立て・・・ これは明らか(これは明らかとして良いでしょう??)に「黒死館」を意識したスタイルですが、「黒死館」のソレが衒学的ながらも蠱惑的な響きを持って熊城検事や私たちを翻弄したのにたいして、「綺想宮」ではむしろ不快と思えるレベルにまで至っています。 このままでは「黒死館」のパロディになり損ねた残念作になる??いやいやそんなことはないはずだ、何があるんだ??と読み進めていきましたが、もちろん最後に痛恨の一撃が加わり途中感じた不安は(いい意味で)裏切られることになりました。 ただ読後のこの感じをなんと表現すればよいのか苦しみました。 「良作であり問題作であり、高揚感であり嫌悪感」 それらがごちゃ混ぜになったような感じでした。 あくまでも「作者」の主張があるのならそれは作品外、または作品中に技法を以て織り込んで欲しい、と思います。 またミステリはあくまでも娯楽の一部である、あって欲しいので、妙に現実の方にすり寄って欲しくはないこともあります。 これらが嫌悪感として噴出したのには、従来のミステリを読み込んでいたからこその、作品からのある種の絶縁状を叩きつけられてしまった感があるからなのかも知りません。 ただそうはいったものの、傑作には違いありません。明かされた真相(Why?への回答)は類を見ない壮絶なものですし、上の主張も含め今年のミステリの話題になることは違いありません。それらを踏まえても「今年刊行されたなかで読みたい一冊」のうちのひとつです。 あと帯に書いてあることですが、本作を「奇書」と呼ぶのには抵抗があります(同じく4つ目の「匣〜」も)。 傑作ですし、問題作でもありますが、、、 | ||||
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あらすじ 綺想宮を訪れた森江春策を待ち受けていたのは、 美しき案内人と七人の奇怪な滞在客だった。 森江の到着を待っていたかのように豪華絢爛な殺人劇が幕を開け… 感想 曲者・芦辺拓がありきたりな館モノを書くはずありません。 ミステリーを転覆させんとする企てがたっぷり込められています。 なんて言ったて、探偵小説の最期らしいですから。 その試みが上手くいったかどうかの判断は 人によって大きく左右しそうです。 事件の解決はバカミスに片足を突っ込んでいる気がしますし、 その後に語られる探偵小説論も人によって賛否が分かれそうです。 満を持して語られますが、個人的には 他の小説や漫画などでも使い古された論ですし、 なにを今更と言う気がしないでもありません。 ですが、そういったことを語らずにはいられなかった作者の 悲壮感にも似た想いがヒシヒシと伝わってきます。 たぶん、ミステリーを読みこんだ人であればあるほど 色々と考えさせられるものがある作品です。 読んでからの一言 セルフ突っ込みの連続! | ||||
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