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夜想
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夜想の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 41~47 3/3ページ
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心に食い込んでしまった悲しみがあっても、私達はそれを克服していかなければならない。 この本には、妻と娘を失った雪藤と、娘が消えた子安の二人が交互に描かれる。 喪失した問題を抱える2人がどう乗り越えるかのように見せてラストどんでん返しがくる。 悲しみを背負った人が、ある種の宗教的なものに走っていく様を描くように見せて、読者である私達にラストで明かすどんでん返しは、悲しみから目を背けたが故だけに溜飲ものだ。 | ||||
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突然の事故で妻子を失った雪籐。彼の落とした定期入れを拾った女性は、 物に触れるとそこに籠った思いを感じ取れる不思議な力を持っていた。 雪籐は、彼のために泣いてくれたその女性・・・天美遙のために生き ようと決意するのだが・・・。 さまざまな理由で救いを求める人がいる。絶望のどん底から誰かが救い 上げてくれないか、じっと待っている人がいる。遙の不思議な能力に すがろうとするたくさんの人たちがいても不思議ではない。最初は 個人的な好意のボランティアだったものが、有名になりすぎて暴走する。 遙が有名になるきっかけを作った雪籐にさえ止めることはできない。 遙は、自分が望む望まないにかかわらず、教祖に祀り上げられる。 その過程はぞくりとするほど怖い。救いを求める人に手を差し伸べる 遙だが、彼女自身の救いを求める心は誰が救ってくれるのか?また、 雪籐は本当に救われたのか?最後まで目が離せなかった。「自分を 救うのは自分自身しかいない。」この言葉が作品を凝縮したようで、 とても印象的だった。 | ||||
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この本に登場する団体は他人の目から見たら明らかに宗教だけど、 傷ついた人が何か(宗教)にすがるというのは間違ったことではない。 本当に怖いのは宗教そのものではなく、 何かに過度に依存してしまう執着心だ。 絶望も欠落感も無理に埋める必要はない。 その気持ちを忘れずにしっかり生きていく、これが重要なんだと思う。 妻と子を事故で失った主人公・雪籐は 特殊能力で人の心を読み取ることのできる美少女・遥と出会い、 悲しみから癒されていく。 また遙も雪籐との出会いにより自分の使命を見つけていく。 たたみかけるように悲しみや人間の心理の怖さが襲ってくるけど、 最後は明るい方向へ進んでいくお話なので希望が持てます。 テーマは重いけど、難しいことはまったくないのでテンポ良く読めました。 | ||||
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『慟哭』から14年。 貫井徳郎はミステリの体裁をとりつつも、あくまで人間の「心」の叫びを描き続ける。『空白の叫び』では犯罪を犯すに至ってしまった少年たちの悲痛な叫びを描き続けたが、本作で貫井は14年前にデビュー作で扱った、「家族を失った男」の御しきれない悲しみ……それを単なる「悲しみ」と表するするのはあまりにも陳腐すぎるからこそ、貫井はこうした体裁をとり続けるのかもしれない……を、新興宗教という組織を舞台に淡々と焼きとった。 『慟哭』では、ミステリ色を色濃く出し、宗教の持つ恐ろしさと心の弱さが全面に押し出されていたが、本作では“救済”をその最後に求めた。野心作であり、意欲作であることは高く評価したいが、今回の“救済”は甘さでもあった。 章立てがぶつ切りとなり、短いモノローグの交差が目立つラストは、中盤までの展開の期待感からすると、消化不良と、持久力の低下を実感させる。雪藤の破綻の露呈もまた、説明的すぎやしまいか。 個人的には、非常に意欲的なテーマに精力的に取り組む作家なので今後も応援したい。文庫化に際しては、ぜひ大幅な加筆・修正を期待する。// | ||||
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宣伝の『宗教・絶望』という単語に惹かれて買いました(ちなみにミステリー入門者です)。交互に展開される2つの物語が重なり、1つの物語を紡ぎ出す様に引き込まれて400ページを越える厚さにもかかわらず1日半で読破。絶望の淵に立たされた人間が何かを信じ、信じ過ぎた故に真実を視る目を潰す。救う者と救われる者、絶望と狂気。人間とは何なのか考えさせられる作品ですが、難しい単語もなく読みやすいと思いました。 | ||||
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貫井徳郎の作品は暗い作品が多い中、光を与える作品だったと思う。 宗教をテーマに書いたそうだが、人が生きていくうえで、何かに縋ること、救われようとすること、そういったことがなぜ起きていくのか。そして人を救うというのはどうゆうことかが描かれていると思う。文体そのものは読みやすく、かつ引き込まれて、読後にはいろいろと考えてしまう作品だったと思う。 「追憶のかけら」についで、生きることの良さが謡われている作品で読後感がよかった。 | ||||
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宗教をテーマに書かれた作品…。どうしても堪え難い悲しみや不幸のどん底に直面した時に宗教に頼る方って多い。この主人公の雪藤も愛する妻子を交通事故で亡くして悲しみのから抜け出せずに居た…。そんな時にある特殊な能力を持った女性と出会う…。そして、もう一方で母子家庭で娘亜由美と暮らしていた主婦嘉子の家庭でも…。家庭崩壊していまし娘が家出してしまう…。そこからも物語がリンクして行く…。中盤過ぎた当たりから怖いと感じずには居られなかった…。人への執着が、こんなにも凄まじく怖いとは…。嘉子の言動が、あまりにも過剰表現かなと思う所はあったが…。貫井さんらしい作風で考えさせられました。 | ||||
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