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夜想
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夜想の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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前半から中盤にかけては大変面白かった。 絶望に打ちひしがれていた主人公が活力を取り戻していく過程が巧みに描かれています。 しかし、ラストが今ひとつ。トリックを用いていますが、何だか物足りなさが残った。 全体的には上出来の作品なのに、ラストで損をしているような気がします。 | ||||
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事故で妻と娘をなくし、絶望の中を惰性でただ生きる雪籐。だが、美少女・天美遙と出会ったことで、雪籐の止まっていた時計がまた動き始める。やがて、遙の持つ特殊な力は、傷ついた人々に安らぎを与え始めるが…。あの傑作『慟哭』のテーマ「新興宗教」に再び著者が挑む。魂の絶望と救いを描いた、渾身の巨篇。 | ||||
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わたしのお気に入りの作家になりつつある貫井さんの作品です。 宗教法人の設立の過程での葛藤や苦悩は読んでいて とても面白かったです。集まりが、組織へと変わる際のさまざまな苦労や喜びがよく描けています。 宗教法人ではないですが、自分も会社を起業したので、会社がどんどん大きくなっていく際 さまざまに起こる問題や葛藤、また達成の喜びなど、昔を思い出しながら読めました。 解説で、新興宗教が絡む貫井さんのデビュー作『慟哭』との比較が書かれていましたが、 自分は、断然、『慟哭』の方が好きです。 この作品は、あまりミステリー色は薄く、人物はよく描かれていますが 突き抜けるものはありませんでした。 | ||||
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新興宗教というのは、このようにして発生して、途中のうよう曲折を経て、このような形で崩壊していくのだ…というのを物語風に詳しく描写してある小説。 この人は、慟哭というのもこんな感じの宗教の本らしい。 主人公は、自動車事故で愛妻と娘を一気に失い、(しかも自分だけは抜け出し、車は炎上、目の前で二人が焼け死ぬ…)失意のどん底にいた。たまたま出会った女性(それも若くてとてつもなく美人)が、特殊な才能を持ち、その人が触れたものに触るだけでその人の心が見えてしまう。 その娘は、その才能を生かして、喫茶店で簡単な占い師のような事をしているのだが、噂が噂になり、雑誌の取材を受ける事で、個人的な対応では無理な状態になってきて、今まで彼女が話を聞いてあげて助かった人たちがボランティア的に集まり、色々なお手伝いをする事になる。 交通事故で家族を亡くした主人公は、自分のアパートまで解放して、援助する。 そんな中、色々な人が出入りして、いろんな思惑があり、仲間割れ、男女間のもつれ、金銭トラブル、犯罪…という流れの中、美形の教祖が講演会で…。 その宗教とは関係ないレベルで、一人の頭の狂った女性が自分の娘を探しまわるストーリーも〜待ってくるのだが、その女性が、私が一番怖いと思っている小説「黒い家」の女にそっくり。 そんな感じの話です。 結局、弱い人、何かにすがりたい人がどんどんどつぼにはまって行く様子がよくわかります。 自分はああいう風にはならないのだろうかなぁ?? | ||||
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やはり貫井徳郎はプロの作家だ。とにかく読ませる。 高速道路上の大事故で奇跡的に助かるが、妻と娘は目の前で黒焦げに焼かれて死んだ。生きる望みを絶たれた主人公は、偶然、人の心が読める女子大生と出会う。 喫茶店でアルバイトをしている彼女は、時間のある時に客の相談にのったりしている。主人公も頻繁に通うのだが、やがて、よく当るという評判を呼び、事態が大事(おおごと)になってくる。 新興宗教に限らず、宗教というのは、その始まりはこういう些細な事からスタートしていくのではないかと思った。この女子大生の下にボランティアや色んな人が集まり、組織化されていく。主人公や女子大生は宗教ではないと言うのだが、現象面的に見ると、そう取られても仕方がない面もあった。やがて、或る事件が発生するのだが・・・・。 長い物語だが、ラストあたりになってくると、もっと書いてくれよと思わせる。そこが巧い。 | ||||
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やはり貫井徳郎はプロの作家だ。とにかく読ませる。 高速道路上の大事故で奇跡的に助かるが、妻と娘は目の前で黒焦げに焼かれて死んだ。生きる望みを絶たれた主人公は、偶然、人の心が読める女子大生と出会う。 喫茶店でアルバイトをしている彼女は、時間のある時に客の相談にのったりしている。主人公も頻繁に通うのだが、やがて、よく当るという評判を呼び、事態が大事(おおごと)になってくる。 新興宗教に限らず、宗教というのは、その始まりはこういう些細な事からスタートしていくのではないかと思った。この女子大生の下にボランティアや色んな人が集まり、組織化されていく。主人公や女子大生は宗教ではないと言うのだが、現象面的に見ると、そう取られても仕方がない面もあった。やがて、或る事件が発生するのだが・・・・。 長い物語だが、ラストあたりになってくると、もっと書いてくれよと思わせる。そこが巧い。 | ||||
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やはり貫井徳郎はプロの作家だ。とにかく読ませる。 高速道路上の大事故で奇跡的に助かるが、妻と娘は目の前で黒焦げに焼かれて死んだ。生きる望みを絶たれた主人公は、偶然、人の心が読める女子大生と出会う。 喫茶店でアルバイトをしている彼女は、時間のある時に客の相談にのったりしている。主人公も頻繁に通うのだが、やがて、よく当るという評判を呼び、事態が大事(おおごと)になってくる。 新興宗教に限らず、宗教というのは、その始まりはこういう些細な事からスタートしていくのではないかと思った。この女子大生の下にボランティアや色んな人が集まり、組織化されていく。主人公や女子大生は宗教ではないと言うのだが、現象面的に見ると、そう取られても仕方がない面もあった。やがて、或る事件が発生するのだが・・・・。 長い物語だが、ラストあたりになってくると、もっと書いてくれよと思わせる。そこが巧い。 | ||||
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良く、「慟哭」と比較される作品です。 貫井氏は、丁度、真逆のストーリーで書こうとしたのでしょう。 「慟哭」は宗教に染まり、それを利用する攻撃的な話。 「夜想」は宗教にしてはならない、利用させてはならないとする、防御する立場の話です。 長編ということもあり、ファンの一人として、かなり期待したのですが、 正直、うーんといったところです。 まず、会の設立に関するエピソードが描かれる中盤が無駄に長いと思います。 これらをカットして400ページ程度に納めた方が良かったのではないでしょうか。 また、犯人の動機、心情的な変化も少し強引で、伏線としては弱いです。 (似たようなケースで「崩れる」の最初のエピソードですと納得できるのですが。) ファンの方には☆4,そうでない方には☆3といったところでしょうか。 貫井氏には焦らずに時間をたっぷり使い、内的に充実した作品だけを書いて頂きたいものです。 | ||||
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初出が『別冊文藝春秋』第261号から第269号の連載小説だった本書は、貫井徳郎が衝撃のデビュー作『慟哭』のテーマ<新興宗教>に再び挑んだ作品。 32才の雪藤(ゆきとう)は、交通事故で愛する妻と幼い娘を失い、絶望の中にいた。ある日、他人の持ち物からその人の「過去」や「思い」が“見えて”しまうという特殊な能力を持った女子大生、遥(はるか)と出会い、彼女が雪藤の落し物から彼の「哀しみ」にシンクロして涙を流してくれたことにいたく感激する。やがて彼女から“救われた”と信じる雪藤は遥の能力をもっと多くの人に役立てたいという力に巻き込まれてゆく。 有名になった遥は、次第に組織化され、遂に≪コフリット≫という会員制の団体の代表にならざるを得なくなり、会社を辞めた雪藤は、世間から見れば新興宗教の教祖としかうつらない彼女を助けて奔走する。貫井徳郎の筆は、あくまで状況を粛々と描いているが、肥大化する遥をとりまく環境に突き進んでゆくその姿は、ある意味狂気を宿したかようでもある。 ストーリーは、≪コフリット≫がふたりの手の届かない部分で次第次第に大きくなってゆき、組織作りの経験者を名乗るいまひとつ心を許せない男の登場、若いスタッフたちとの軋轢などがあって、クライマックスの遥の講演会へと進んでゆく。そこで起こる事件が転機となり、結末に至るのだが、“救われた”と思っていた雪藤は、はじめて自らの立ち位置を自覚するのである。 本書は、特殊能力を題目にしたエスパー小説でもなければ、<新興宗教>を主眼に置いた社会派小説でもない。あえて言えば“救われる”とはどういうことなのかを世に問うた、貫井徳郎が抑えた筆致で切々と綴る人間ドラマの秀作である。 | ||||
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雪藤は幼子との初めての遠出の帰路、交通事故に巻き込まれ眼前で妻子を失う。以来、居るはずのない妻と会話する異常に気づく事もなく深い悲しみの闇の中に居た。仕事に復帰してもミスが続き同僚からは同情からやがて苦々しく思われるようになり、孤独を一層強め世界にたった一人になったように感じていた時、天美遥と不思議な出会い方をする。不思議な出来事の真偽を確かめたくて遥を探し始めると・・・。突然降りかかる悲しみに茫然自失となった時どうしたら立ち直れるのでしょう?他に縋る事で救われようとしてしまう心の弱くなった時、笠置の言った『悲しみってのは絶対に乗り越えなければならないものでも立ち向かい克服して心の奥底にしまい込まなければならないものでもなく、悲しければ悲しいままでもいいんじゃないか。乗り越えられない悲しみもある。だったら無理に乗り越える必要はない。』は硬くなった心を解してくれるようです。 | ||||
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内容はともかく、貫井作品を読むときにスピード感、意外な展開を求める者としては、少々拍子抜けした。宗教というテーマに挑戦する意欲は買うが、まだご本人の中でこなれていないかな。「新興宗教のつくり方」では物足りない。ちなみに私は著者と同い年だが、こんなふうに落ち着かれてしまってはかなわない。もうちょっと走ろうよ、貫井さん。 | ||||
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『慟哭』から14年。 貫井徳郎はミステリの体裁をとりつつも、あくまで人間の「心」の叫びを描き続ける。『空白の叫び』では犯罪を犯すに至ってしまった少年たちの悲痛な叫びを描き続けたが、本作で貫井は14年前にデビュー作で扱った、「家族を失った男」の御しきれない悲しみ……それを単なる「悲しみ」と表するするのはあまりにも陳腐すぎるからこそ、貫井はこうした体裁をとり続けるのかもしれない……を、新興宗教という組織を舞台に淡々と焼きとった。 『慟哭』では、ミステリ色を色濃く出し、宗教の持つ恐ろしさと心の弱さが全面に押し出されていたが、本作では“救済”をその最後に求めた。野心作であり、意欲作であることは高く評価したいが、今回の“救済”は甘さでもあった。 章立てがぶつ切りとなり、短いモノローグの交差が目立つラストは、中盤までの展開の期待感からすると、消化不良と、持久力の低下を実感させる。雪藤の破綻の露呈もまた、説明的すぎやしまいか。 個人的には、非常に意欲的なテーマに精力的に取り組む作家なので今後も応援したい。文庫化に際しては、ぜひ大幅な加筆・修正を期待する。// | ||||
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