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神狩り2 リッパー



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【この小説が収録されている参考書籍】
神狩り 2 リッパー
神狩り〈2〉リッパー (徳間文庫)

神狩り2 リッパーの評価: 2.86/5点 レビュー 35件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全35件 1~20 1/2ページ
12>>
No.35:
(1pt)

カッコとてんてんの使いすぎ

カッコいいSFを期待しましたが、これはエンタメではありません
カッコで強調したい単語を括るのは昔の流行りだし、強調のための横点やフリガナで概念を伝えようとするやり方はもう古く感じてしまいました
ハイペリオンシリーズや三体シリーズが世に出てしまったからかもしれませんが、複数のストーリーが絡み合って最終決戦に向けて徐々に接近していくという手法は相当の魅力ある表現が必要なのですね
神狩り 2 リッパーAmazon書評・レビュー:神狩り 2 リッパーより
4198619905
No.34:
(3pt)

せっかくすごい話なのにとにかく文章がくどい

前作「神狩り」に続いて読みました。30年前のリアルタイムではなく両方とも現在にです(前作は長いこと積ん読になっていました)。
前作は背景が70年代、昭和の学生運動の時代と、雰囲気が違うことを差し引けばとてもユニークで斬新な作品だったと思います。それから30年、この740ページ超の続編が刊行されました。
結論から言うと、相変わらず斬新な作品ですが、手放しで称賛・・ではなく・・・。

原稿用紙で1600枚書いたものを1100枚に削り、それ以上はどうしても削れなかったということですが、個人的にはこの半分でいけた気がします。
とにかく話がくどい、説明が長い。ストーリーの核をかいつまんで言えば適当な長さで収まるくらいなのに、超大な大作に盛り上げようと言葉や展開を飾って大盛したため、全体的になんだか大げさな雰囲気になってしまいました。ざっと早読みした部分が結構ありました。最初からお腹いっぱいになります。
理論とアイデアは相変わらず斬新、人類と神という根源的なものを問うたのもすごい、前作に続き同じ人物やその次の世代が登場し、それぞれが個性的なのもいい、けれど・・なんだろう、表現が大仰でくどく感じるのがただただ残念です。

余韻を残した結末ではっきりした結果は描かれていません。けれどはっきりしたオチにするということは、人類が勝って神が負けるかまたはその逆なので、ではその後、地球は、宇宙はどうなるのか?人類は生き延びられるのか?そこからがさらに途方もない話にならざるをえないでしょうから、これ以上広げようがないという気もします。
根気は要りますが、SF史上に残る名作だと思うので読んでみて損はないと思います。
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4198619905
No.33:
(2pt)

ダラダラと長い部分が怠い。

全体のストーリーは面白いが、途中のダラダラと長い部分が読んでいて興ざめしてしまう。半分のページ数で簡潔、スピーディーな展開だったらもっと面白かったかも。
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No.32:
(1pt)

読書を選ぶ本

核心は語られていないので、読書が自分で考える余地か沢山有る本です。

考えるための基礎知識は大量の解説として提供されています。
例えば、銃撃戦中に、脳のどの細胞がどう活動して身体を動かしたを、詳細に延々と説明しています
例えば、自閉症の解釈が時代と共にどう変化したかの説明が延々と続く箇所もあります。
自閉症と脳のの関係について物知りになれますが、教科書を読んでいるかのようです。

大量の学術的解説により基礎知識を提供するものの、
神とは何かとった核心部を作者は語りません。影絵のように輪郭だけを書くだけに留めています。
影絵だけなので、読み終えてもスッキリしません。
後は自分で考えなさい、というスタンスの本です

じっくりと脳神経外科関連の解説を読み、自分で自由に考えることができれば楽しかったかもしれません
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No.31:
(1pt)

魅力のない文章

大学生時代、山田正紀のことを天才だと感じた時期があった。手に取る本、手に取る本、傑作の連続だと感じた。しかし、それから20数年経って、私の印象はがらりと変わった。
あまりにも文章に魅力がない。学生時代と違って、ただでさえ少ない時間をやりくりして読もうと思うほどの魅力を感じない。
途中で投げてしまった。
同じSF作家でも、小松左京などは、20年以上前の作品であっても、文章に魅力がある。
少ない時間を読書に投入しようと思っている我々に、もっと魅力的な文章を書いてください!!
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No.30:
(4pt)

神はどこにいるのか。何のためにいるのか。

30年の時を経て書かれたこの続編は、作家の経験と知識を注ぎ込んだ大作になっている。その分、神概念の説明であるとか、宗教の起源、天使、脳科学的なメカニズムの説明などに紙幅がとられることが多く、これらの難解な解説で読書のリズムが崩れるところが、私にはちょっと重い感じがした。
 神が人間の脳のメカニズムの中に宿るという着想が物語のポイントだが、そこに至る経路が複数ある。冒頭の銃撃混じりのドライブシーンでの哲学的かつヤクザな思弁的言葉の投げ合い。このシーンは淡々と進むのだが、読んでいる方としては冒頭から大変なところに来てしまったという緊張感を感じた。そして、まさに冒頭のやり取りの中に最後の段で重要になるキーワードが登場してくる。そして、これが後に続く脳科学的考察や、「神狩り」以来の登場人物の言葉で多面的に立証されていくところは良くできている構成だと感じた。
 解説は瀬名秀明で、その中に「神の視点」という言葉が出てくる。読み通した後にこの言葉に触れると、瀬名の言うように「はっと我に還る」。じぶんもまた騙されていたのだという気持ちだ。解説も必読だ。
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No.29:
(3pt)

もっとぞくぞくしたかった

正直100%は理解できなかった。発想の飛躍のうち結果部分は把握したのだが、過程の部分でちょっと無理があるというかついていけないところがあり、そこだけ斜め読みしてしまったからだ。基本的な発想は面白いと思う。「脳は神を隠すために存在している」……刺激的だ。だが、そのアイデアを各分野から証明していくのはいいとしても、かなりくどすぎる。ページを割きすぎた感がある。
 逆に肝心の本来幹となるべきストーリーが弱いし、沢山登場する人物がしばらく何を目的に行動しているのかがはっきりしづらいから、物語を読み進める推進力が足らない。ページを捲る手を止められない小説とは正反対に、ときどき休まないと読み進められない小説だった。
 登場人物たちは最後には収束し、神と戦うのだが、ぞくぞくできたのはそこだけだった。あの天才山田正紀、あの「神狩り」の続編なのだから、最初からずっと神との追いつ追われつの激しいバトルを描いて欲しかった(多分そう書くこともできたと思う)。好みの問題なのだろうが期待が大きかっただけに残念。
 ただ、前作の不満点を解消した続編として快作の作品とはいかなかったものの、SF好きならこれは読んでおかないといけないくらいに内容はたっぷり。
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No.28:
(3pt)

リッパー

もう一度読む気にはなれないです。
それなりに面白いんですけどね。
色んな意味でちょっと複雑にし過ぎ。
解釈の仕方の尺度が広がり過ぎています。
自分が見たことも、聞いたこともないものを表現しようとすると、『訳が分からなくなる』事があります。
どのように表現すればもっともなのか。人それぞれ解釈の仕方が違いますから尚の事。
現象を追及すると複雑になる。複雑になると分からなくなる。
山田正紀はこの手のお話は苦手なのかもしれませんね。

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No.27:
(2pt)

空想科学読本のような天使あり

前作のような「神」自身のしたたかさや悪意があまり見られないのに加えて、期待したほど生き残った島田の動きもありません。苦労して苦労して「神」に一泡ふかせる・・・そんな物語を少し望んでいたからかもしれませんが、いつの間にか人類が神に触れるレベルになっていたような感じがして残念でした。

 イエス・キリストの扱い方や編集器官に過ぎない「脳」などの話は面白かったです。
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No.26:
(2pt)

空想科学読本のような天使あり

前作のような「神」自身のしたたかさや悪意があまり見られないのに加えて、期待したほど生き残った島田の動きもありません。苦労して苦労して「神」に一泡ふかせる・・・そんな物語を少し望んでいたからかもしれませんが、いつの間にか人類が神に触れるレベルになっていたような感じがして残念でした。

 イエス・キリストの扱い方や編集器官に過ぎない「脳」などの話は面白かったです。
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No.25:
(1pt)

駄作です

結論から言うと駄作です。くどくど、くどくどと、やたらとしつこい文体は老人の愚痴を聞かされているようで、うんざりします。この物語なら半分、いや三分の一の分量で丁度いいでしょう。それぐらいに切り詰めないと付き合ってられません。表現も無意味に大仰なものが多く「すごいでしょ、すごいでしょ、すごいんだよ、すごいんだよ」って繰り返されているだけのようで...だから何?あとがきを読むと「かっこいい」SFを書きたかったらしいですが、そのために振られたと思われる無意味なドイツ語や英語のルビがやたらと多く、無駄で、読み難くしているだけ。(しかも間違っているものもある)初々しさに溢れた前作の30年後に書かれた続編は、作者の老衰を際立たせ、読後には幻滅と脱力感だけが残りました。
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No.24:
(2pt)

前作と同じレベルを期待してはいけません

私は作者の小説は好きなので多くの作品を読んでいます。前作「神狩り」を読んだときは、読み進めるにつれて、動機が激しくなっていったのを覚えています。「早く次のページをめくりたい、先が知りたい!」と。その続編が出ているのを知って即、購入しました。前作のレベルを期待してはいけません。はやり(?)の脳科学を取り入れたのはいいですが、専門用語が多く出てくるのでイメージが沸きません。ヒットラーがユダヤ人殺戮にいたる動機の説明なぞ、飛躍しすぎて自分の理解力の問題かと思い何度も読み返しました。キリスト教の成り立ちの説明は面白かったですけど。時代が前後するのは作者の得意とするところですが、これも今回は失敗していると思います。(ミステリオペラはすばらしかったのですけどね)多くの場合、続編は失敗するというものの見本です。
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No.23:
(1pt)

神は死んだ

いつからだろう・・この人の書く小説が急激に、ホントに急激につまらなくなったのは・・
中坊時代に読んだ「神狩り」と「弥勒戦争」を読んだときの衝撃があまりに強すぎたのは確か。
醒めるきっかけになったのは、「謀殺のチェス・ゲーム 」の中に、モートン.D・デービスの「ゲームの理論入門」からのあまりに表面的な引用
(その時はそう思った。その後正確な検証をしているわけではないので悪しからず)を見つけたことかなあ・・
「ゲームの理論入門」は専門書ではなくブルーバックスだったんだから、読んでるヤツ多いことに気は回らなかったのかな・・と猜疑心を抱いたのはよく覚えている。
当時はゲーム理論を小説の形で世に問うというだけで、斬新な出来事だったのかもしれないが・・
それにしても、「神狩り2」が小説の形をなしていないことには恐れ入った。
1600枚の原稿を必死で1000枚近くまで削ったようなことをあとがきの中で書いているが
20代の頃の山田正紀ならば確実にこの三分の一いや五分の一で書けた内容だろう。
論理の飛躍、大いに結構。認知科学で神の「実在」を探るのもよし。
我々が同質のクオリアを共有できる事実も確かに興味深い。
だが、全編にわたってダラダラダラダラ同じような繰り言を羅列するのは勘弁して欲しい。
どうせ論理ジャンプを行うならば、神の言語には二つしか論理記号がない、というところから
奇想天外なストーリーを組み立てて欲しかった・・というのが個人的感想。
それと、ラスト。
ヒロインが炎だらけの異空間でオッパイむき出しでショットガン構えて神と対峙するのが「カッコイイSF」というのならば
もう私には山田正紀は必要ない。
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4198619905
No.22:
(3pt)

思い出に郷愁を、記憶に感情を織り込む夢

30年前、「神狩り」を読んだときには、山田正紀に魅せられて、続けざまに弥勒戦争や宝石泥棒などを読みあさりました。ジャコーモ・リッツォラッティがマカクザルの下前頭皮質に電極を刺してミラーニューロンを発展したのが1996年なので、仕方ないとは言え、あまりに待たされすぎました。
自身も30年たち、人間もスレて、余計な知識も付いたので、あらたなアイデアが見えなかった、と言うか、ごちゃ混ぜにしすぎのような印象です。
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No.21:
(5pt)

賛否両論になるのは凄く分かるがあえて傑作と言おう

ご多分に漏れず私も「神狩り」で山田正紀にノックアウトされた人間です。
ですからこの「神狩り2」についても期待は凄くありました。
でも読んでみると「神狩り」の続編ではなく、むしろ「幻象機械」や「神獣聖戦 PerfectEdtion」の方の系譜、と考えた方がスッキリすると思います。
結局山田正紀さんにとって「想像できないものを想像する」というのは創作でのモチーフでもあり、呪いでもあったのだと思います。
「想像できないもの」を描写した瞬間、それは「想像できるもの」に変貌してしまう、その矛盾をどうやって解くのか。この難問を延々と山田正紀さんは抱えていて、最終的に「想像できないもの」を「更に想像できないもので記述する」という反則に近い手法で記述する方向になっている気がします。
だから「神狩り」の島津の様に意気軒昂であった山田さんはその呪いを受けて消耗し、この「神狩り2」の島津の様に満身創痍な状態になっており、しかし、であるからこそこのラストの非常に決まらない島津の啖呵が山田さんの今の状況に照応しているかのように読めて、異様な感動がありました。
奥泉光さんの「モーダルな事象」のラストのように!
という訳で、これは「想像できないモノを想像する」というフレーズの呪いに立ち向かうぞ、という山田さんの宣言なのではないでしょうか。
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No.20:
(5pt)

賛否両論になるのは凄く分かるがあえて傑作と言おう

ご多分に漏れず私も「神狩り」で山田正紀にノックアウトされた人間です。
ですからこの「神狩り2」についても期待は凄くありました。

でも読んでみると「神狩り」の続編ではなく、むしろ「幻象機械」や「神獣聖戦 PerfectEdtion」の方の系譜、と考えた方がスッキリすると思います。
結局山田正紀さんにとって「想像できないものを想像する」というのは創作でのモチーフでもあり、呪いでもあったのだと思います。
「想像できないもの」を描写した瞬間、それは「想像できるもの」に変貌してしまう、その矛盾をどうやって解くのか。この難問を延々と山田正紀さんは抱えていて、最終的に「想像できないもの」を「更に想像できないもので記述する」という反則に近い手法で記述する方向になっている気がします。

だから「神狩り」の島津の様に意気軒昂であった山田さんはその呪いを受けて消耗し、この「神狩り2」の島津の様に満身創痍な状態になっており、しかし、であるからこそこのラストの非常に決まらない島津の啖呵が山田さんの今の状況に照応しているかのように読めて、異様な感動がありました。

奥泉光さんの「モーダルな事象」のラストのように!

という訳で、これは「想像できないモノを想像する」というフレーズの呪いに立ち向かうぞ、という山田さんの宣言なのではないでしょうか。
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No.19:
(2pt)

どうかな?

脳に関する専門書ではないので、当然SFとして読むべき本です。
ですが、SFとして楽しもうとすると、脳に関する専門用語による記述がくどすぎて、楽しみにくいです。
そして、一番盛り上がる終盤、大雑把な感じがします。「『神々の埋葬』のエンディングに注文がついた」という話を聞いていますが、それをさらに雑にした感じです。
少なくとも、「神狩り」の続編として読むと、期待を裏切られることは間違いないでしょう。
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No.18:
(2pt)

うーん・・・・。

前作「神狩り」から時間が経ちすぎた・・・。そんな印象。前作は謎に満ちていた。最後は全てを失った島津が、それでも立ち向かうのだ、という決意で終わっていた。当然続きもそこから始まると思いこんでいたのだが・・・・・。島津はとうに老いていて、物語の世代は一世代先。物語のテンポはとてもいい。しかし、突然特殊能力に目覚める人間がどんどん出てきて・・・・。そんな唐突な話があるだろうか。そして、最後はやはり消化不良。結局「神」とはなんだったのか。「古代文字」の謎という伏線はなんだったのか。残念ながら成功作とは思えなかった。というか、続編ではなくて全く別な作品を読んでいるような読後感だった。
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No.17:
(4pt)

残酷な狂った神が、嘲う

ラストで超空間に屹立する巨大な神に、
主人公のひとり、理亜(ユリア)が一撃を加えるシーンは、
たまらないカタルシスである。
神狩りの物語として、
認知科学や哲学の問題も登場するので、
知的な話題が好きな人は楽しく読めるであろう。
小説の視点は、一人称に近い三人称で、
トリックを仕込むことが可能だが、
語り手の正体は明示されない。
絶対、物語りの語り手の正体は、
悪魔に覚醒した人間だと思ったのだが…。
羽田空港の神秘ネタ、
明確に語ってないが、
小説としてOKですかね?
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No.16:
(1pt)

30年越しの悪意。

神=絶対創生者=作者による30年越しの悪意と取らずに、どうやってこの本を遇すればいいというのか。
前作において、『決してあなたの死を無駄にはしない』と誓った主人公、島津圭介に痺れたSFファンなら、この凄まじく主体のぶれた語り口(意識しての配慮と思いたい)と、延々と続く仕掛けの解説、完膚なき程に貶められたかつてのヒーロゥの姿に、自分自身を(そして幸福な読書体験を)侮辱されたような怒りを覚えたのではなかったか。『宝石泥棒2』にも既にその片鱗は見えていたけれど、このときは『作者のオトシマエ』として受け流すことができた。書かずにはおれなかったのだろうな、と作中の自虐的キャラクターに同情することもできた。しかし、『神狩り』においては、やって欲しくなかった、決して! 
70年代の山田氏の文体は硬質でとても美しかった。ご本人もインタビュウで語っていたと思うが、同世代の丸山健二、マイクル・クライトンや矢作俊彦を意識した、どうかするとレン・デイトンまで連想させるような、若くて、シャイで、抑制の効いた、陰影を秘めた美しさを持っていた。
それがこの作品においてはどうだ。
これが本当の意味での『オトシマエ』なら諦めもつくが、『あとがき』を読むとそうではないと仰る。(最後に嘆息してしまった)
カッコイイSF、大いに結構!我々には何年でも待つ覚悟がある。だが、語られる文体が鈍らでは、我々はせっかくのイマジネーションに取り込まれる幸福感を味わえない。
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4198619905

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