■スポンサードリンク
神狩り2 リッパー
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
神狩り2 リッパーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.86pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
30年の時を経て書かれたこの続編は、作家の経験と知識を注ぎ込んだ大作になっている。その分、神概念の説明であるとか、宗教の起源、天使、脳科学的なメカニズムの説明などに紙幅がとられることが多く、これらの難解な解説で読書のリズムが崩れるところが、私にはちょっと重い感じがした。 神が人間の脳のメカニズムの中に宿るという着想が物語のポイントだが、そこに至る経路が複数ある。冒頭の銃撃混じりのドライブシーンでの哲学的かつヤクザな思弁的言葉の投げ合い。このシーンは淡々と進むのだが、読んでいる方としては冒頭から大変なところに来てしまったという緊張感を感じた。そして、まさに冒頭のやり取りの中に最後の段で重要になるキーワードが登場してくる。そして、これが後に続く脳科学的考察や、「神狩り」以来の登場人物の言葉で多面的に立証されていくところは良くできている構成だと感じた。 解説は瀬名秀明で、その中に「神の視点」という言葉が出てくる。読み通した後にこの言葉に触れると、瀬名の言うように「はっと我に還る」。じぶんもまた騙されていたのだという気持ちだ。解説も必読だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ご多分に漏れず私も「神狩り」で山田正紀にノックアウトされた人間です。 ですからこの「神狩り2」についても期待は凄くありました。 でも読んでみると「神狩り」の続編ではなく、むしろ「幻象機械」や「神獣聖戦 PerfectEdtion」の方の系譜、と考えた方がスッキリすると思います。 結局山田正紀さんにとって「想像できないものを想像する」というのは創作でのモチーフでもあり、呪いでもあったのだと思います。 「想像できないもの」を描写した瞬間、それは「想像できるもの」に変貌してしまう、その矛盾をどうやって解くのか。この難問を延々と山田正紀さんは抱えていて、最終的に「想像できないもの」を「更に想像できないもので記述する」という反則に近い手法で記述する方向になっている気がします。 だから「神狩り」の島津の様に意気軒昂であった山田さんはその呪いを受けて消耗し、この「神狩り2」の島津の様に満身創痍な状態になっており、しかし、であるからこそこのラストの非常に決まらない島津の啖呵が山田さんの今の状況に照応しているかのように読めて、異様な感動がありました。 奥泉光さんの「モーダルな事象」のラストのように! という訳で、これは「想像できないモノを想像する」というフレーズの呪いに立ち向かうぞ、という山田さんの宣言なのではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ご多分に漏れず私も「神狩り」で山田正紀にノックアウトされた人間です。 ですからこの「神狩り2」についても期待は凄くありました。 でも読んでみると「神狩り」の続編ではなく、むしろ「幻象機械」や「神獣聖戦 PerfectEdtion」の方の系譜、と考えた方がスッキリすると思います。 結局山田正紀さんにとって「想像できないものを想像する」というのは創作でのモチーフでもあり、呪いでもあったのだと思います。 「想像できないもの」を描写した瞬間、それは「想像できるもの」に変貌してしまう、その矛盾をどうやって解くのか。この難問を延々と山田正紀さんは抱えていて、最終的に「想像できないもの」を「更に想像できないもので記述する」という反則に近い手法で記述する方向になっている気がします。 だから「神狩り」の島津の様に意気軒昂であった山田さんはその呪いを受けて消耗し、この「神狩り2」の島津の様に満身創痍な状態になっており、しかし、であるからこそこのラストの非常に決まらない島津の啖呵が山田さんの今の状況に照応しているかのように読めて、異様な感動がありました。 奥泉光さんの「モーダルな事象」のラストのように! という訳で、これは「想像できないモノを想像する」というフレーズの呪いに立ち向かうぞ、という山田さんの宣言なのではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ラストで超空間に屹立する巨大な神に、 主人公のひとり、理亜(ユリア)が一撃を加えるシーンは、 たまらないカタルシスである。 神狩りの物語として、 認知科学や哲学の問題も登場するので、 知的な話題が好きな人は楽しく読めるであろう。 小説の視点は、一人称に近い三人称で、 トリックを仕込むことが可能だが、 語り手の正体は明示されない。 絶対、物語りの語り手の正体は、 悪魔に覚醒した人間だと思ったのだが…。 羽田空港の神秘ネタ、 明確に語ってないが、 小説としてOKですかね? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
簡単にまとめれば、「小さくまとめるより、大きくぶっ壊れた物語」です。 この小説の欠点を挙げようと思えば、たやすくいくつも指摘できるでしょう。 しかし、私はこの小説が示す想像力がもたらす強烈な力強さを評価したいと思います。空を飛ぶ天使、ヒトラーの見る人類を監視するパノプティコン、ラスト数ページに描かれる情景描写などなど。禍々しく、時には美しいとさえいえるイメージの力強さに、私はただただ圧倒されました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
簡単にまとめれば、「小さくまとめるより、大きくぶっ壊れた物語」です。 この小説の欠点を挙げようと思えば、たやすくいくつも指摘できるでしょう。 しかし、私はこの小説が示す想像力がもたらす強烈な力強さを評価したいと思います。空を飛ぶ天使、ヒトラーの見る人類を監視するパノプティコン、ラスト数ページに描かれる情景描写などなど。禍々しく、時には美しいとさえいえるイメージの力強さに、私はただただ圧倒されました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
やっと読みました(^_^;。後半は結末に向かっての怒涛の展開で一気に読めたところはさすがです。前半はどうも人物が動かずに退屈したし、語り手が扇情的なせりふで煽りまくるのに辟易ぎみでしたが、これならエンターテイメントとして十分なできだと思いました。 とはいっても、あの超傑作の「神狩り」の続編を名乗っているのですから、比較しないわけにはいきません。前作でよかったのは、「神」と呼ばれる存在が絶対的なものでなく、意外にもつけいる隙があり、人間も対抗できる余地がある、というところだったと思います。超能力者的な人物も出てきましたが、あくまでも神に対抗するのは普通の人間だったのですね。ですから、続編でも、やはり普通の人間が知力を駆使して対抗するという形でなければならなかったのではないかと思います。 それが、神に対抗するには、人間が別の次元に進化したり(もしくは覚醒したり、何でもいいんですが)、神と同じところまでいかなくてはならないというのであれば、それはちょっと違うんじゃないか、という印象を持ちました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
やっと読みました(^_^;。後半は結末に向かっての怒涛の展開で一気に読めたところはさすがです。前半はどうも人物が動かずに退屈したし、語り手が扇情的なせりふで煽りまくるのに辟易ぎみでしたが、これならエンターテイメントとして十分なできだと思いました。 とはいっても、あの超傑作の「神狩り」の続編を名乗っているのですから、比較しないわけにはいきません。前作でよかったのは、「神」と呼ばれる存在が絶対的なものでなく、意外にもつけいる隙があり、人間も対抗できる余地がある、というところだったと思います。超能力者的な人物も出てきましたが、あくまでも神に対抗するのは普通の人間だったのですね。ですから、続編でも、やはり普通の人間が知力を駆使して対抗するという形でなければならなかったのではないかと思います。 それが、神に対抗するには、人間が別の次元に進化したり(もしくは覚醒したり、何でもいいんですが)、神と同じところまでいかなくてはならないというのであれば、それはちょっと違うんじゃないか、という印象を持ちました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前作から30年、よく続編を書いてくれました。この30年の間に僕らは余分な経験や,必要の無い知識を身につけよい読者ではなくなってしまったと思います。物語が成立しづらくなっている中でこんな話を送り出してくれた作者に感謝です。ぜひ、続編をお願いします。ただ,30年後だと読めない可能性が大なので早めにお願いします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前作から30年、よく続編を書いてくれました。この30年の間に僕らは余分な経験や,必要の無い知識を身につけよい読者ではなくなってしまったと思います。物語が成立しづらくなっている中でこんな話を送り出してくれた作者に感謝です。ぜひ、続編をお願いします。ただ,30年後だと読めない可能性が大なので早めにお願いします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山田正紀氏は対談で「神狩り2は、神がいないことを天使たちが人間から隠そうとしている話」ということを漏らしていたが、それを読んで「神がいないなら、前作の神はなんだったんだ?」と解釈した人も少なくないかと思う。その誤解は本作を読めばすぐに解ける。「人の脳は神を隠すようにできている」それが神の不在、ということだったのだ。大脳生理学の研究から、神の存在へのアプローチをこころみ、キリスト教史から神の偽装を暴いていく。その闘争は前作と変わらず絶望的に彩られているが、入り組んだストーリーと構成で、天使、神との戦いに赴く人間達を描写していくさまは、これまでの山田正紀氏の神シリーズのなかでも圧巻といえるだろう。前作を読んでいる方なら、ぜひ読んで欲しい一冊だ | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!