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天使に見捨てられた夜
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天使に見捨てられた夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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最後まで読み応えバッチリの本でした | ||||
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美人な著者の若い時が、主人公か、と思える、かっこいい探偵村野ミロ、ものがたりの中に、入り込んで、抜け出せなくぐいぐい読み進む。 | ||||
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「顔に降りかかる雨」を読んで、この作品を読みたくなったのに図書館になかったのです。女視点で女主人公で、男のサガに切り込んで行く、信頼できるものがあります。 | ||||
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本書が発表されたのは1994年であり、物語もその頃の設定。 主人公の村野ミロは新宿を拠点としており、当時の新宿や渋谷の街並みが固有名詞を出して描かれているのが嬉しい。 伊勢丹、三越、東急百貨店などが実名で登場する。 そして、第一勧銀、ヴァージンメガストアなども出てくるが、これらはもうない。 「懐かしいなあ。そういえば渋谷のあそこに第一勧銀あったなあ」と当時の街並みを思い出して懐かしい気分に浸れた。 そして、探偵の手段も時代を感じさせてくれる。 まず、今では当たり前に誰でも使用している携帯電話、ネットが当時はない。 なので、探偵でありながらも仲間や依頼人との連絡がすぐにつかない。 帰宅して留守番電話の録音を聴くまで誰かが連絡してきた事がわからないのだ。 「そういえば、当時は人と待ち合わせるのに苦労したなあ」とこれまた懐かしさを刺激してくれる。 ミロが調べものをするのもネットがないので、図書館や古書店で文献を調べる。 「そうだよな。今は何でもネットで検索できるけど当時は調べものするのは大変だったよ」とこれまた懐かしい。 さらには個人情報に関するゆるさ。 当時は一般家庭でも電話帳に名前を載せているのが普通で、電話帳には住所まで載っていたのだ。 なので名前さえわかれば電話も住所も簡単にわかる時代だった。 本書でミロも電話帳を利用しての調査を何回か行っている。 おまけに個人情報保護法なんてなかった時代なので、個人はもちろん企業とかでさえ、他人の電話番号とか家を簡単に教えてくれる! 個人情報という概念さえなかった時代だったのだ。 「そういえば、当時はクラス名簿とかあれば誰の住所でもすぐわかったし、プロ野球年鑑とかにはプロ野球選手の住所とか載ってたもんな」 とこれまた当時を思い出す。 約20年前の作品だが、隔世の感がある。携帯、ネットの登場が我々の生活を激変させた事が実感できる。 当時私は大学生だったのだが、「こんなに不便な生活してたっけ?今では考えられないな」という思いになった。 90年代の空気感が蘇ってきて嬉しかった。 物語自体もかなり面白くて一気に読めた。 主人公は女探偵の村野ミロだが、実はこの物語のもう一人の主人公は失踪したAV女優の一色リナだと思う。 (AV女優という言葉ももはや死語!) リナの歩んできた悲惨な人生に感情移入せずにはいられなかった。 あまり詳しく書くとネタバレになるので書かないが、リナの人生は涙なしでは語れないほど可哀想で気の毒なのだ。 リナの行方を捜すのがこの物語のメインストーリーなのだが、私は「どうかリナのその後の人生が幸せでありますように」と願わずにはいられなかった。 90年代の東京を知ってる人にはかなり懐かしい気分になれる作品。 読みながら当時の自分の生活を振り返るという楽しみもできる。 また、当時を知らない若い読者でも十分楽しめると思う。「90年代の東京ってこうだったんだ」ってのがわかると思う。 桐野夏生の初期の傑作。 | ||||
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真面目なレヴュのつもりです。 新装版第二弾。。。 桐野ファンなんですが、読んだことないと思い、 新装版だしで、買って、いざカフェで読み始める・・・ なんか違和感。 そう、、、以前昔昔、、、読んでいました。。。涙。 基本、限られた時間というプレッシャー?で一度読んだ本の再読は過去なく、常に新しい世界の本、小説以外でも読んでいて、、、だからストーリーは忘れているので、そのレヴュは書けませんが、こんな経験者いると思い、変わったレヴュです。 過去、単行本から文庫本に代わり、タイトルが変わった、小池真理子さんで、同じミスをしたことあります。 人の話としては映画でレンタルでそれ経験した人も知っています。 もし生意気いうなら、桐野作品としては記憶にあまり鮮明に残らない作品だったのかもしれないし、タイトルがなかなか覚えれない感じだから、、、も理由かな? OUT とかなら忘れないだろうし、作品ももち強烈だったし。。。 しかし文庫本といえど800円以上するわけで、、、 でもご安心を! 新装版故の表紙。 好きです。 好きなデザイン。 桐野さんが気に入られたとか。。。 インテリでも使えます。 本はそんな喜びもあります! 共感をだれかしてくれるレヴュと思います! 内容かけずごめんなさい!!! | ||||
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桐野夏生は痛い人を書かせると日本一です。 痛い人に慈悲あふれる眼差しをおくるでもなく,蔑むでもなく, ただ「ああ,いるよね」と,とことんリアリティを追求します。 本作でも痛い人がパレードをなしていますが,まあそのリアルなこと。 ミステリとしてもハードボイルドとしても面白いですが,私には傑作痛い人図鑑としても楽しめました。 | ||||
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すごい楽しい!面白い!って訳じゃないのに、先が読めなくて、なぜか一気に読んでしまいました。 途中から、ホラー物?と思ってしまうぐらい先が読めなかった。 最後はもう少しグッとくる終わり方がよかったけど、よかったです。 OUTしか読んだことなかったので、違ったイメージを受けました。 | ||||
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安易に殺しすぎでは?? もう少し、何とかしようとするでしょう・・ 主人公の人間性が、今一はっきりしない気がします。 簡単に「AV」?ですか? 話は、面白いので まあ良いか? | ||||
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私立探偵・村野ミロを主人公とした女流ハードボイルド。江戸川 乱歩賞受賞作の『顔に降りかかる雨』の続編という位置づけと なっている。 一読して驚いた。『顔に降りかかる雨』は奇をてらい過ぎた感も あり、あまり楽しめなかったのだが、本作は同じ主人公を使った、 同じ作者の作品なのに、別人のように小説が上手くなっている。 主人公の村野ミロは失踪したAV女優・一色リナの捜索を依頼さ れる。最初の内は捜索がテンポ良く進み過ぎるような気がした。 また、登場人物達の言動や行動には疑問を感じる箇所もあった。 しかし、リナの捜索が進むに伴い物語に引き込まれて行く。 悲惨なリナの過去。被害者と思われていた立場が逆転する瞬間 の、恐怖感の盛り上げが見事。『天使に見捨てられた夜』という タイトルも上手く合っている。 個人的には落ち込んでいるミロの描写が面白かった。落ち込ん でいるミロを見るともっといじめたくなるような気がした。 お勧めの作品です。 | ||||
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ミロとその家族を描いたシリーズでは一番面白かった。新宿二丁目の風俗、アダルトビデオ産業の周辺が良く描かれている。ハードボイルドである。プロットがしっかりしている。ミステリーである。どんでん返しが上手い。第一級のミステリーであるとともに、文体が読んでいてとても心地よい。他のミロシリーズものには、話に無理がある場合があり、違和感を覚えることがあるけれど、本篇は著者のハードボイルド作品ではベストではないかな。 | ||||
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意外な展開が最後まで続くサスペンスフルでトリッキーな作品。 色々なキャラクターが随所に散りばめられて賑やかに展開しながらも捜査依頼の真相の核心に近づいているようで近づいていないスリルが刺激的で最後まで一気に読みました。 | ||||
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私立探偵村野ミロシリーズの第二作。桐野夏生の初期の作品ですが第一作同様、作者が随所でプロの仕事をしている事の伺われる作品です。先読みさせず、さりとて二転三転のストーリーにありがちな唐突さも感じられず、途中で何度も予想を裏切られました。ストーリーテリングだけで十分面白い探偵小説に仕上がっています。 しかし秀逸なのは主人公村野ミロをはじめとした人物描写。登場人物の苦悩を丁寧にストーリーの中に浸みこませています。その描き方、登場人物の多彩さなどのハードボイルドテイストは多くの優れた日本の女性作家でも随一でしょう。またそのテイストは決してストーリー展開の邪魔をせず、むしろ厚みを持たせています。よくこの長さ(文庫本413ページ)にこれだけの物を盛り込んだと思いました。ディテールを気にすれば展開が緩慢になり、全体も長くなってしまいます。かといってストーリー展開を重視すれば、テンポはよくなりますが文章の密度が薄くなってしまいます。このバランスの妙を持つ日本人作家は本当に少ない。作者はかなり海外ミステリーを読み込んでいると思いました。 | ||||
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今回は失踪したAV女優を探すということから始まり、事件に巻き込まれていくというものです。 北海道に移り住んだ父親も出てきます。 そしてまたもや危ない男女の物語もあったり・・・。 あとがきにも書かれているのですが、その事件の黒幕と思われる男とミロは関係を持ちます。 危険だから近づいてはいけない!と思いながらも惹かれてしまうのです。 しかし、その間に殺人事件が起こり、その男と一緒だったミロはその事を知られたくなくて刑事にも隠すのです。 しかし、あっけなくバレてしまい、それはそれはみっともないです。 読んでる自分も恥ずかしくなるくらい。 でも、こういう事って人生には何度もありますよね。 男女間の事だけに、恥ずかしいけど分かるな〜って思いました。 そして、ミロと隣人のトモさんとの関係。 トモさんはホモなんで愛しても友達以上にはなれない、そんなミロの恋心みたいなのも切なかったです。 八田牧子は最初からすごく妖しかったけど、リナの姿をして現れるところが怖かったです。 すでに、どこかおかしくなってるんだけど、実に冷静だったのが余計に怖かったです。 | ||||
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ミロシリーズは、初めて読んだのですけれど、ミロが情に流されてセックスしてしまう弱さなどもあり、普通の推理小説のよくできたクールな探偵とはまた違って、人間味が感じられ、新鮮で面白かった。 女性から見た「性」を書いているところが興味深く読めたし、物語自体も、まあまあだし、読書に熱中できた。 | ||||
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ミロのダメさ加減が最高にいい味を出している。 次の展開が楽しみでスグ読んでしまった。 本当に面白いけど、小説(証明シリーズ)や事件(AVの)からのネタ元って読んでいる人はみんな知ってますよね? 別にモチーフとしているだけなんで全然いいし関係ないんですけど、AVの事件の方は、自分と解釈が違うから何か違和感が。。。 ミロの魅力はダメなところと再認識。 | ||||
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僕自身としては、前作「顔に振るかかる雨」よりもこっちのほうが面白かったような気がする。確かに他のレビュアーの方も書かれているように、AV女優であることと物語の展開との関係性が、前半と後半ではかなり違ってしまっている。ちょっとちぐはぐな感じがする。 それでもAV女優である必要があったのは、「強制的な撮影」問題があるから。AVやフェミニズムに対する桐野氏のスタンスが、とても興味深い。これと八代との関係を含めて、文庫本あとがきで松浦英理子氏が論じているように、桐野氏が「オンナのどうしようもなさ」みたいなものに寄り添いつつも、それでも立ち上がろうとしているところが心から共感できる。なるほど、松浦氏の解説をよんで、後作「OUT」などで引っかかっていた描写の意味がよくわかったようにおもう。解説は必読。 | ||||
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新宿に事務所を構える私立探偵『ミロ』の活躍を描いた2作目。文章は、すべて『私(ミロ)』としての一人称で描かれる。そのためか、ストーリーが淡白で、特に記憶に残るシーンもなく進んでいく。しかし、そうした客観的な文章が、ドライな新宿の街や人を象徴しており、ハードボイルドとして成り立っているとも言える。ストーリーは、先ほど述べたように地道な探偵作業が淡々とつづくのだが、矢継ぎ早に起こる疑問とその解決によって、読み手を飽きさせずに最後まで連れて行ってくれる。このストーリー展開の作為は、著者のこれ以降の作品にも見られる構成の巧みさを予感させるに十分だ。シリーズものなのに、わたしは間違えていきなり2作目を読んでしまった。少し後悔しているが、1作目の『顔に降りかかる雨』も是非読んでみたいと思った。 | ||||
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これほど引き込まれた小説は久々でした。衝撃的な始まりとクライマックス。読めば読むほど引き込まれていきました。正に、ジェットコースターのよう。 私とほぼ同年代ともあり、主人公村野ミロと自分が重なる部分もあってか共感できたのもまた、引き込まれた理由の一つでしょう。能力はあるも仕事を決して愛しているわけではない、男達との間の感情に傷つきながらも安らぎを求める、そんな女性らしさ、人間味を漂わせつつも凄まじい展開で事件を一つ一つ解明していく姿に感動。 ある程度までくると、話の筋が読めてしまったのが「玉に傷」ですが、これほど心をわしづかみにされた本は本当に久しぶりです。 | ||||
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雨の化石の「雨」とは、全てのひとの涙だったのだろう。誰もが見捨てられて、誰もが涙を流している。歌舞伎町の雑多な風景、六本木のタワーの人工的な暖かさ。それらを覆うように雪が舞う。私は東京の雑草は抜く気がしない。健気過ぎて。東京で暮らし始めた頃、そう思ったことを思い出した。それでも天使は、実は、誰も見捨ててはいないと信じたい。 | ||||
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自分は今、ミロの女らしい雄雄しさの虜だ。ミロの持っている弱さ、脆さ、強さ、情熱。どれをとっても彼女は一級品だと思う。自分がもし男だったらこんな女と寝てみたい、そう思った。また、作者の人物表現がはっきりした所も好きである。例えば外見が綺麗か、醜いか賢いか、稚拙か裕福か、貧困かその位置づけが人物の幸福に比例していないのがいい。ストーリーは終盤の展開がやや強引気味だが、随所におかれた伏線であっという間に読めた。ただ読み終わったあとにやり切れない微妙な後味が残った。それを補うように他の作品を読んでしまうのだろうな。 | ||||
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