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家族狩り
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【この小説が収録されている参考書籍】
家族狩りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全111件 101~111 6/6ページ
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初めて天童荒太に手をつけてみたのだが、テンポよく進むストーリー。登場人物の描き方などは面白いものがある。第一部の終わり方も秀逸。次が楽しみで仕方ない。 高校の美術教師巣藤浚介は恋人とギクシャクしていた。氷崎游子は児童相談センターの所員で、父親の娘への虐待に胸を痛めていた。馬見原光毅刑事は、ある母子を見届けつつ、自分の子どもに対して遺憾を抱いていた。巣藤の学校の生徒である亜矢に署から呼び出されて、游子や馬見原と出会うことに。その後浚介が親子の変死体を見つけ、馬見原が駆けつけたところで第一部は終わる。 これだけでもものすごい重量感がある。終始どんよりとした雰囲気。精神的に病気を負ってしまった亜矢の視点から描かれているところも興味深い。それ以外に馬見原の背景が克明に書かれている為後半は小説の読み方が違ってくる。哀れであり、そういう風になってしまった馬見原。最後に驚愕の現場を目にするが、それが今後どのようにつながっていくだろうか。 天童荒太は初めてなので勿論単行本版の家族狩りは読んでいない。残酷なタイトルのままのストーリー。ただ書いているだけでなく、登場人物が素晴らしい。游子や浚介もこれから書いていくのだろうか。次が楽しみである。 | ||||
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元になった「家族狩り」かなり、エグかったですよね(笑)描写が....それに比べて、エグい描写がかなりカットされててオブラートに包まれているみたいでした。初めて読んだ時の衝撃ほどではなかったです。 内容も、かなり変更されてました。途中までほぼ「家族狩り」と同じような文章で、新鮮味がかけていましたが途中から、キャストも変わったりして面白かったです。 早く2弾がみたいです。 | ||||
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天道荒太の作品は重く辛い。それでも作品の背後に幽かに存在する希望、作者の怒りと祈りを感じる事で、読後何かが確かに伝わってくる。私は、『永遠の仔』よりも『家族狩り』の方が好きだ。より自分にリアルな家族を正面から扱っているからだ。その『家族狩り』から10年。日本の社会は何も変わっていない。現実にある問題や酷さを隠して表向き普通であるかのような顔をしている分だけ、より酷い状態になっているとも言えるだろう。作者が真摯に現実に向き合い単純な文庫化ではなく、今に合わせた形で新たに作品を作り上げた事は、素直に嬉しい。内容も期待を裏切らない、正直な作品だ。読んでいる間、家族、普通である事、子供と親など、感じる事が多く苦しいほどになるただ、この作品を5冊に分けた事は果たして成功だったのだろうかとも思う。作者が投げかける逃げては行けない問題が、分冊される事で薄くなってしまう気がするからだ。重く辛いテーマだからこそ、ずしりとくる一冊を通して共有したい、と私は思った。この先どう物語が進んでいくのか?楽しみだと言う言葉は最適ではないだろうが、待ち遠しい。 | ||||
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5部作の一冊目である本書。ベースとなっている山本周五郎賞受賞作の「家族狩り」の方は読んでいないので比べられませんが、どうやら期待できそうです。いくつかの話が交互に出てくるので、途切れ途切れに読む場合は気をつけてないと誰が何やら分からなくなるので注意を。一巻ということもあり、「すごくよかった!」ということはありませんが、月一冊の刊行をとても楽しみにさせてくれるものでした。 | ||||
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大改定を加え、五部作としてリメイクされることとなった作品。その第一部。作者の丁寧で静かな決意に満ちたあとがきから、この作品にかける思いの大きさがうかがわれる。95年度版では、残虐なシーンが畳み掛けるように繰り出されるところがあったが、本作では抑制されたトーンで、かえって緊張感が増している。 キャラクターも、95年度版より更に存在感が増し、行動の一つ一つに内面からの必然性を感じる。 時代は十年でますます変わった。耳を疑い眉をひそめる事件も、小説を凌駕するように凶悪化・深刻化している。そんな中で、天童が自らの題材を再び世に送り出すにあたり、最大限の力を注ごうとした姿は、誠実だといえよう。似たようなモチーフでキャラクター名を変え、「家族狩りⅡ」とでもすれば、さしずめ次の直木賞の有力候補になっただろうに。新作が文庫本書き下ろしとは、驚いた。 第一巻を読む限り、天童の小説世界は確実に深化している。 | ||||
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単行本の『家族狩り』は、本当にショックな作品でした。『永遠の仔』の計算つくされた構成とは異なり、ぐいぐい心臓をえぐってきました。本書は、時代背景と天童氏の想いを再構成したもので、あらすじがある程度読めるとはいえ、新たなわくわくと感動があり、月1回の刊行が楽しみです。 | ||||
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以前発売された家族狩りを大幅加筆して出版された、五部作のうちの第一作目です。第一部ということで物語が始まったところで終わってしまっているのですが、これからどうなってしまうのか目が離せない内容となっています。後半目を覆いたくなるような悲惨な事件の描写がありますが、その分リアリティーがあり、今後どうなっていくのかが気になります。現代の社会に潜む家族の闇の部分について、考えさせられる作品だと思います。 | ||||
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本作品は、95年11月に発刊され山本周五郎賞を受賞した「家族狩り」の文庫化にあたり、作者が全面的に書き下ろした新作である(家族狩りの文章を1行も使っていない!)。本作の第1部を皮切りに、全5作が毎月発刊される。残虐な方法で夫婦が殺害され、その子供が自殺体で発見されるという事件が相次いでおこる。子供たちは事件前から家庭内暴力を起こしておりその果てに起きた事件として処理されるが、事件現場に立ち会った警部補・馬見原は、その結論に疑問を抱く・・・。一方、作品に登場する主要な登場人物それぞれが「家庭・家族」にトラブル・トラウマを持っており、第1部では主に馬見原の事情が描かれる。「家族の崩壊」と「そのしわ寄せに苦しむ弱者・子供」という本作品のテーマは、99年の大ベストセラー「永遠の仔」に通じるテーマである。「家族狩り」が発刊された95年当時と比べて家族を取り巻く状況は悪化し、様々な事件が現実に多発している。これらの社会情勢の変化にあわせ、作者がどの様なメッセージを私達に与えてくれるのだろうか?いずれにせよ、発刊を待ち焦がれただけあり、一気に読了させてもらった。期待に違わぬ出来で、ミステリーファンならずとも絶対買いである。一方、第2部まで1ヶ月も待たなくてはならないというのは拷問に等しい。あなたは毎月読みますか?それともまとめて読みますか?本シリーズは2004年の出版界最大のニュースとなるであろう。 | ||||
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ひたすら凄惨な殺人描写や、読むのが辛くなるような各家族の崩壊エピソードの数々(よく思いつくもんだと感心したものです)がこれでもかと叩きつけられて、まさに身を斬られるような思いで一気に読みふけった記憶があります。最後の犯人とのやり取りがいかにもサイコホラー然としていて、それまでの独特の重苦しさからするとやや類型的になってしまって残念ですが、読んでいる間、ほかのことに全く手が付かなくなるような、そういう力がみなぎっている作品です。後の永遠の仔は、はっきりと救済に踏み込んだためか、あまりセンセーショナルにならないようにという配慮を感じたのですが、この作品ではエンターティナー天童荒太の、下世話なほどの読者をひきつける技がおなかいっぱい味わえます。個!人的には永遠の仔よりこっちのほうが好きです。堂に入ってる気がします。 | ||||
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人を縛りつける鎖でもあり、優しく包みこむ繭でもある家族。 家族の間に究極の愛は存在するのか。 それを求めることが人として生きる最終目的なのか。 全ての問いの答えは血と慟哭に昏く染まる家の中に……。 冒頭からの凄惨な暴力の描写は同著者の『孤独の歌声』を思い出させる。『永遠の仔』しか読んでいないと、あまりの明度の違いに驚かされるので注意。 ミステリーとしてはあまりに早く犯人がわかってしまう分、長々と続く中盤が少々辛い。犯人とのニアミスも多すぎるのでは。しかし、後半の盛り上がりはかなり凄くて、多くは語れないが、手に汗握ると言っても言い過ぎではないはずだ。 エピローグは爽やかだ。少し綺麗にまとめ過ぎのきらいもあるが、救いがある。しかし、裏エピローグとも言えるあの会話があるから素晴らしいのだ。ページ数は多いが、ぜひ御一読のほどを。 読んでいる間、ストーリーの概要だけ知っている名作ゲーム(らしい)『家族計画』の匂いを感じ取ったのだが、その辺りはどうなんでしょうか。 | ||||
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本を開いた途端に身も凍るような残虐な殺しが目に入る。そのあまりの衝撃ゆえに、私は本に対する価値観までも変わってしまった。「家族」というものを、社会の中で生活の中で、そして人の命を通してどう考えていけばいいのか?思わず目をつぶってしまうようなスタートからそのアプローチが始まる。いままでのミステリーとは一線を画す作品。ミステリー好き、「家族」を考え直して見たい方は必読。 | ||||
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