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家族狩り
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【この小説が収録されている参考書籍】
家族狩りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全111件 61~80 4/6ページ
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重い話である。しかしこのテーマに正面から向き合って、ストーリーを語り尽くさなければならない、と言う作家の使命感が伝わってくる。凄い作家だ。昔だったら石川達三、ちょっと斜に構えたら倉橋由美子などが取り上げそうなテーマに思える。 家庭内暴力を切り口に、親子の愛、対話の重要性、人同士の信頼とその回復など、いろいろな課題を筆者は投げかける。各登場人物には言動に至る理由があり、アプローチの仕方には硬軟があるが、みんなそれなりの正当性がある。彼らは自分の中の二面性に気づき悩み苦しむのだが、自分一人では問題を処理しきれず悶々として追いつめられてしまう。彼らを救うことが出来るのは対話が出来る相手だ。対話が理解を生む、まずは対話に至る道を切り開くこと。そういうメッセージも発信しているようだ。ここに作家の信じる人間の本来の姿、救いに至る道があるように思える。登場人物も読者も、そしておそらく作家自身も答えを見いだそうともがいている。・・・そんな印象を抱きながら読んでいると文庫版5分冊もあっと言う間だ。 | ||||
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終わりかたがすっきりしない。 はじめはよかったが、5巻にもなると気持ち悪くなる。 せめて、最後すっきり終わらせてほしかった。メッセージを強くしたいという気持ちはわかるのですが。 ぐだぐだ。5冊にする話じゃない。 | ||||
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今まで著者の作品は「永遠の仔」と「あふれた愛」しか読んだことがなく、読む前は「家族狩り」も前述の作品と似たイメージでとらえていたのですが、まったく違いました。家族の問題を扱ってる点では同じなのですが、「家族狩り」は内容も描写もとにかくハードで痛い。著者の荒々しい一面を見たような気がしました。 | ||||
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人は裏表がある。 表向き仕事一直線で、硬いと思われる人でも裏じゃ浮気だ裏取引だと…。 自分の家ではそんなことと思うかもしれないけど、意外と分からんもんです。 と思わされてしまうのがこの人の本。 うつ病・アルツハイマー・不登校・家庭内暴力など様々な「痛い」事項を、痛々しく、切実にぶつけてくる。 重いですが、考えさせられます。 | ||||
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天童荒太さんは、普通の家庭に育ったような気がします。それなのに砂の城のようにある日何かがきっかけで壊れてい家庭を見てきたかのように書き表すところがすごいなと思います。初めから終わりまで幸せで暖かな家庭を誰しもが望むはずなのにそうはいかないところに人間のもろさがあるのでしょうか?隣の家の事として読まないほうがいいかも知れません。 | ||||
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にあたり、すっかりその様相を変えたらしい。単行本では、ものすごく陰惨な話だったというわけだから、やっぱり永遠の仔色に染め替えたんだろうか。 | ||||
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普通の家族とは何だろう? 多少マスコミが煽っている感があるとはいえ、近年の未成年者の犯罪の多発は否めない。 ここで問題なのは未成年が犯罪を犯した場合、一体何処に、もしくは誰に責任があるのか?ということだ。「社会が悪いという」意見は私は論外だと思っている。そんなことを言ってしまうと全ての罪が薄められて、消えてしまうからだ。だからと言って家族や学校、地域という答えにも納得しがたいものがある。色々なものに原因はあるだろうが本質ではない。結局「罪」の責任は本人に帰結するのではないか。 しかしマスメディアはそれを許さない。やれ家庭がどうのだの、学校がどうだのと環境に責任を求める報道を繰り返し、ドラマ仕立てに仕上げることが多い。そしてそれを見て視聴者は思うのだろう、これは特殊なケースだ、普通の家族には起こるわけがない。 普通の家庭、一体そんなものは何処にあるのだろう?全ての家庭が大なり小なり問題を抱え、テレビドラマで見かけるような「普通の家族」なんてものは存在しないのではないだろうか? 等々長々と書いたが、これが家族狩り5部作を読み終えての感想だ。ここには書かないがこれ以外にもたくさんの大切なことがこの作品には詰め込まれていた。少年犯罪に疑問のある人、家庭がうまくいかない人、周りの人や環境に違和感を感じる人、何かを変えたいと思っている人、暇な人...そういう人はこの作品を読んでみたらいい。安心することができるかもしれないし、不安を感じるかもしれない。そしてもしかしたら何かをつかめるかも知れない... | ||||
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人と社会とのつながりが複雑になるとともに、家族のあり方も多面的に変わってきた。少子高齢化を迎えながらも、核家族化が進む矛盾をはらんだ社会。本作は、そうした不定形な家族に正面から対峙し、問題を掲げそのこたえをじっくりと模索する、意欲的な作品である。また、家族の中の個人のあり方、社会への関わりに到るまでまで、捉えようとするフィールドは広い。それゆえ、普段忙しさに追われて、忘れているそうした思考を再認識させてくれる。これほどいろいろなことを考えながら読んだ作品をいままで読んだ事がない。なお、この作品は、新書版をテクストとして、新たに書き下ろされた作品である。それゆえ、各巻ごとに筆者のあとがきが付与されているのだが、そこには執筆中に筆者が考えたこと、そしてそれを作中にどうやって反映させたかが書き記してある。 | ||||
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作者にとんでもなく重い荷物を持たされたような感じがする。問いかけても問いかけても、決して正確な答えなど出てはこない。「家族とは?」相手をどんなに愛していても、それがうまく伝わらないときもある。声をかけてもらいたくてもかけてもらえず、寂しさに震えるときもある。家族の心がうまくかみ合わないときに、悲劇は起こる。誰もがいつも、誰かから気にかけていてもらいたいと思っている。自分が必要な存在だと思われたいと願っている。家庭が、傷ついた心を癒せる場でなくてはならない。家族が、その人にとってかけがえのない存在でなくてはならない。今こうしている間にも、どこかでこの本に描かれているような悲劇が、起こっているかもしれない。できれば、そういう悲劇が一つでも減るようにと祈りたい。 | ||||
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95年に発表された「家族狩り」に大幅に加筆した、まったく新しい「家族狩り」。なぜ、このような作品が生まれるに至ったかは、文庫のあとがきで著者自身が丁寧に語っています。それぞれに家族の問題を抱えている人物が登場し、独立した問題を描きながらも、時にその登場人物同士が微妙に関わりあい、物語は進んでいきます。この本は全5巻中のはじめの1冊ということで、まだ序章的なイメージといえるでしょうか?今では新聞で読んでもたいして驚くこともなくなった家族内の事件。信じたくないようなヘビーな問題でありながら、この作品によって、どこの家庭も一歩間違えればズルズルと似たような状況に追い込まれてしまうのではないかという恐怖を感じました。あとがきの中で著者自身が“解決策などありえないとしても、経過報告だけでも届けたいと思う”と語っていました。確かにこのような悲しい現実に追い込まれている家庭があるということを知っているのと知らないのとでは、大きく違います。知ったことによって、自分の家族との関係を見つめなおしたり、家族への接し方を改めて考えてみる方もいると思います。また、身近にこのような問題で悩んでいる人がいて、手を差し伸べる気持ちがわいてくる方もいると思います。自分のことであれ、ほかの人のことであれ、悲しみから目をそらす事ができなくなるはずです。それだけでも読む意味のある作品だと思います。 | ||||
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天童荒太さんの小説の文庫化はやはり普通では終わりません。「孤独の歌声」同様、再構成され新たに書き下ろされた準新作のような形になっています。もっともこちらのほうはほぼ一新され、単行本時の表現は皆無と言って良いほどリスペクトされています。 まずその第1巻ということでこの部では主軸となる3人の登場人物の紹介がてら、それぞれに今後のキーポイントとなる事件の種を植え付けている章となっています。単行本を読んだ方ならある程度ストーリーは見えてくるでしょう。そして改めて、数々の伏線がすでに多く含まれている事を発見できて楽しめると思います。ただの文庫化では有りませんので、単行本を読まれた方ももう一度読んで見ても面白いと思いますよ。 なお単行本に比べて残酷描写が少し押さえられているのも特徴。単行本版のショッキングさに抵抗があった人には良いと思います。今回はあくまで人物で話を見せようと言う作者の意図が在るような気がしました。(第2部以降はどうなるかわかりませんが。笑) なお、文庫版にはすべて著者のあとがきがあり、どうしてこのような形になったのかの解説がありますので、そちらを読まれるとなおいっそうこの作品のメッセージがわかりやすいようになっています。 | ||||
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一気に5巻読破しました。天童さんの作品はこれが初めてだったのですが、それぞれの人物の心の内面をものすごく丁寧に描写されていて、素晴らしかったです。作品の扱うテーマは、とても心の重くなるものだけれど、物語の最後で登場人物達に少しだけ光が見えます。個人的な感想ですが、やっぱり犯人には共感できませんでした。正論だけど、それだけじゃ解決できないから問題になってるのだと思うので。けど、犯人が正論を唱えて犯罪を犯すからこそ、私はより一層「家族」について考えることが出来た気がします。 | ||||
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家族とは、どうあるべきなのか。この本を読んで、色々と考えさせられた。家庭内暴力、自殺など、色々な問題がこの本には溢れている。だが、答えが用意されているわけではない。この本は色々な可能性、方向性を提示してくれる。そしてあくまで答えを出すのは、この本を読んだ読者だ。犯人側を必ずしも悪いとは言い切れないような切なさが、この本には溢れている。ぜひ一度は読むべき傑作。 | ||||
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~執筆に膨大な時間と精神力を使った小説だと感じた。家族を物語の核として、この社会のつらく、醜い部分を描いた作品であり、読者は少なからず、読み進むうちに胸を痛めると思う。倉本聡の「北の国から」が、同じ家族をテーマにしながら人間のすばらしさを表現しようとしているのとは対局の「心地悪さ」だが、異常な磁力で物語にぐいぐいと引き込まれる。夏目~~漱石が、森鴎外が、「時代に心を添わせて」苦しんで書いた小説が現代でも価値を失わないように、本作品もこの時代を後世に伝える貴重な作品になると思った。~ | ||||
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~止まらなくて、5冊一気に読んだ。登場人物それぞれに共感し、また、反感を持った珍しい本だった。犯人の想いにすら、共感するところがあった。そう、みんなどこかひりひりとした傷を持ちながら生きている。普段は忘れている自分の傷と、思いやれない他人の傷。そして世の中で起こっているさまざまな事件。悲しむのもおかしくて麻痺することもでき~~ない。今の私の感覚に、とても迫ってきた1冊だった。だからといって読後感がやるせないわけではない。ちょっとだけ優しくすれば、少しはひりひりするのもおさまるのかな、そんな希望が生まれた。~ | ||||
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どの家庭にも、この本に出てくるような問題が沸き起こる可能性があると思います。いくつも人、家族が大変な問題を抱えています。これを読んで、子どもを持つ、人を育てる、という重さを感じました。いつか、自分も親になるのかもしれませんが正直怖くなりました。でも決して目をそらしてはいけない、考えなければいけない問題だと思います。 | ||||
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家族狩り5部の最初の一部であるこの作品では登場人物と、これからはじまる大きな悲劇の波紋を起こす小さな石が投げ込まれた感じの物語が進みます。普通の人の生活がちょっとしたことでどんどん崩れていってしまう。もろい砂の城のような現代の私たちの生活。まさに、「うたかた」「幻世」。どうしてこんな小さなことがこんな大事件になってしまうのか。どうして、どうして、とぐんぐん作品に引き込まれました。ただ、作者の文体はとても独特なので好き嫌いがあるかもしれません。登場人物もかなり癖があり、私個人はあまり共感できない部分も多かったです。しかし、考えさせられることも多く、単なるミステリーとして読むだけでは勿体無いので、じっくりと読んでいただきたい本です。 | ||||
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何なんでしょうか。。面白いのに読むのは苦痛です。たぶん文体の問題。内容も非常に泥臭いので気分はめいります。この作者独特の境地がすばらしいです。読む苦痛に浸りながらも全巻読みきってしまいました。読み終わると満足感があるのが不思議。久々の大物作家っていう感じがします。 | ||||
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「家族」がテーマの小説です。普段は真面目でいい子だった息子・娘が両親との軋轢や学校でのいじめによって、家庭内で暴力をふるい、自分自身も傷つけてしまう。親の子供に対する無関心や過度の期待が原因の一つだと思います。学校でのいじめはなくならないと思います。いじめに対し、親がどうサポートできるのか?根本的な解決は、子供自身で見つけださなければならないと思います。 子供の教育の問題は簡単な解決法はないと思います。この本を読んで、実際にこういうケースがあるのだろうと思いました。子供教育問題について考えされられるとともに、一級のサスペンス小説だと思いました。 5巻まで一気に読めます。一巻ずつ買うのではなく、まとめて買うのがおススメです。 | ||||
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1995年に書かれた『家族狩り』を全面的に書き直し、発表された5部作の第1部。凄惨な事件も織り込まれ、ミステリとしての読み応えも充分ですが、『家族』とは、『社会』とは、『生』とは、『死』とは――そのようなことを考えさせられる、深い深い作品です。孤独さがにじみ出てくるかのような文章。そして、まさに魂が込められたような圧倒的な内容に衝撃を受けました。とにかく、「是非読んで下さい」としかいえません。本当にオススメです。 | ||||
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