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悪魔が来りて笛を吹く
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【この小説が収録されている参考書籍】
悪魔が来りて笛を吹くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 41~60 3/4ページ
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本作は、斜陽族や帝銀事件等、当時の時事的な事例をちりばめ、推理小説と言う形式をとりながらも、 前近代的な因縁話ともいうべき内容が語られます。 横溝は、継承される悪魔の紋章や偶然の相似等々、通常の推理小説では許されないような要素を、 確信犯的に盛り込むことによって、推理小説とは合理性だけが支配するものではないと言いたかった のではないかと感じました。 本作の金田一は、この呪われた因縁をめぐる物語の単なる案内役でしかありません。その点で推理小説 としては確かに物足りないのですが、全編を覆う陰鬱な雰囲気と特異な登場人物達(シリーズ中でも屈指) の絡み合いによって、忘れ難い読後感を与えてくれます。 またラストの一抹の爽やかさは「獄門島」と共通したものがあり、このような印象を残すことができるのは、 金田一のキャラクターだからこそのような気がします。 | ||||
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解こうとする謎の適度な複雑さ。 読者が捕捉できる程度の伏線の敷き方。 当時の風俗を垣間見ることができる社会描写。 過去と現在、東京と地方を行き来するスリリングな展開。 陰惨な事件ながらフィクション性を前面に出すことによる娯楽性。 そして、厭味が少なく不思議と飽きが来ない金田一シリーズのマンネリズム。 ミステリーの教科書のような作品だが、冤罪かもしれないと言われた帝銀事件とはトーンが違いすぎる。 | ||||
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解こうとする謎の適度な複雑さ。 読者が捕捉できる程度の伏線の敷き方。 当時の風俗を垣間見ることができる社会描写。 過去と現在、東京と地方を行き来するスリリングな展開。 陰惨な事件ながらフィクション性を前面に出すことによる娯楽性。 そして、厭味が少なく不思議と飽きが来ない金田一シリーズのマンネリズム。 ミステリーの教科書のような作品だが、冤罪かもしれないと言われた帝銀事件とはトーンが違いすぎる。 | ||||
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『獄門島』をクローズドな空間を舞台にした端正なパズラー(静)とすると、 本書は東京⇔関西と金田一耕助が捜査のために移動する、トラベルミステリ (動)の色合いの強い作品。 降霊術、密室、集団毒殺(帝銀事件がモチーフ)、亡霊など、ディクスン・ カー(カーター・ディクスン)ばりの趣向が凝らされていて、その趣味の 人にはたまらない一冊といえるだろう。 この作品の一番の謎は「椿男爵と思われる人物の正体」にあり、集団毒殺 事件に関する伏線の張り方はさすが大横溝。本格推理としては物足りない かもしれないが、没落貴族の悲劇を描くなど、風俗作家としての技量が いかんなく発揮されていると思う。表紙は相変わらず、怖い。 | ||||
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『獄門島』をクローズドな空間を舞台にした端正なパズラー(静)とすると、 本書は東京⇔関西と金田一耕助が捜査のために移動する、トラベルミステリ (動)の色合いの強い作品。 降霊術、密室、集団毒殺(帝銀事件がモチーフ)、亡霊など、ディクスン・ カー(カーター・ディクスン)ばりの趣向が凝らされていて、その趣味の 人にはたまらない一冊といえるだろう。 この作品の一番の謎は「椿男爵と思われる人物の正体」にあり、集団毒殺 事件に関する伏線の張り方はさすが大横溝。本格推理としては物足りない かもしれないが、没落貴族の悲劇を描くなど、風俗作家としての技量が いかんなく発揮されていると思う。表紙は相変わらず、怖い。 | ||||
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私が読んだ横溝作品、いやあらゆる推理小説の中で最も恐ろしく、暗い物語。 終戦直後という時代、没落貴族という舞台。そして、血をめぐる悲惨な結末と驚愕の事実。 物語が佳境を迎えたとき、まさしく私にも悪魔の姿が目の前に想像できた。 傑作です! | ||||
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私が読んだ横溝作品、いやあらゆる推理小説の中で最も恐ろしく、暗い物語。 終戦直後という時代、没落貴族という舞台。そして、血をめぐる悲惨な結末と驚愕の事実。 物語が佳境を迎えたとき、まさしく私にも悪魔の姿が目の前に想像できた。 傑作です! | ||||
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月並みですが、金田一シリーズの中では一番好きです。 館に響く妖しげなフルートの音、常に先手を打ってくる姿を出さない悪魔。 妖しげでスリリングな展開に、一気に読んでしまいました。 そして、悪魔が最後に笛を吹くときに起こること! ミステリに興味がある人にはぜひ読んでほしいと思います。 表紙のイラストが怖いです。 | ||||
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月並みですが、金田一シリーズの中では一番好きです。 館に響く妖しげなフルートの音、常に先手を打ってくる姿を出さない悪魔。 妖しげでスリリングな展開に、一気に読んでしまいました。 そして、悪魔が最後に笛を吹くときに起こること! ミステリに興味がある人にはぜひ読んでほしいと思います。 表紙のイラストが怖いです。 | ||||
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個人的に横溝正史の最高傑作だと思っています。 横溝氏はトリックで勝負する作家というよりも、不気味な 仕掛けで読者をゾクゾクさせるのが上手い人だと思います が、この作品ではそのテクニックが存分に発揮され、最初 から最後まで、こちらをゾクゾクさせてくれます。 この作品にはリアリティーがないという批判がありますが、 この手の作品にリアリティーを求めることはナンセンスだと 思います。 映画「スターウォーズ」が徹底的に非現実的でも面白いのと 一緒で、現実には実現不可能なトリックでも、その世界の 中で納得できれば、私はいいと思います。 この作品はタイトル通り、笛(フルート)がキーワードで、 作中で本当に悪魔が笛を吹くわけですが、はたしてその悪魔とは 誰のことなんだ?というのが最大の謎になっています。 そしてその謎が解けたとき、私は戦慄を覚えました。 その悪魔の正体にではなく、その人物がなぜ悪魔になったのか、 その理由にです。 映像化された作品もいくつか見ましたが、はっきり言って原作の 足元にも及ばないと感じました。 この作品を知らない人はぜひ原作を先に読んで、金田一探偵と一緒に 悪魔の足跡を辿ってみてください。 | ||||
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個人的に横溝正史の最高傑作だと思っています。 横溝氏はトリックで勝負する作家というよりも、不気味な 仕掛けで読者をゾクゾクさせるのが上手い人だと思います が、この作品ではそのテクニックが存分に発揮され、最初 から最後まで、こちらをゾクゾクさせてくれます。 この作品にはリアリティーがないという批判がありますが、 この手の作品にリアリティーを求めることはナンセンスだと 思います。 映画「スターウォーズ」が徹底的に非現実的でも面白いのと 一緒で、現実には実現不可能なトリックでも、その世界の 中で納得できれば、私はいいと思います。 この作品はタイトル通り、笛(フルート)がキーワードで、 作中で本当に悪魔が笛を吹くわけですが、はたしてその悪魔とは 誰のことなんだ?というのが最大の謎になっています。 そしてその謎が解けたとき、私は戦慄を覚えました。 その悪魔の正体にではなく、その人物がなぜ悪魔になったのか、 その理由にです。 映像化された作品もいくつか見ましたが、はっきり言って原作の 足元にも及ばないと感じました。 この作品を知らない人はぜひ原作を先に読んで、金田一探偵と一緒に 悪魔の足跡を辿ってみてください。 | ||||
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2007年正月のドラマの原作だそうで、稲垣吾郎が演じる金田一がこの作品に挑戦するらしいです。 この作品の感想は、やはり悲しい!ということ。 没落貴族の行く末、出生の秘密、フル−トのメロディ―の秘密。 どれをとっても、悲しく救いようのない事件です。 昭和の転換期に社会に翻弄される、特権階級の無軌道な行動が数々の悲劇を生む。 視点を変えて読めば、日本戦後の不の遺産を表面化した作品とも読めると思います。 ドラマが楽しみです | ||||
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2007年正月のドラマの原作だそうで、稲垣吾郎が演じる金田一がこの作品に挑戦するらしいです。 この作品の感想は、やはり悲しい!ということ。 没落貴族の行く末、出生の秘密、フル−トのメロディ―の秘密。 どれをとっても、悲しく救いようのない事件です。 昭和の転換期に社会に翻弄される、特権階級の無軌道な行動が数々の悲劇を生む。 視点を変えて読めば、日本戦後の不の遺産を表面化した作品とも読めると思います。 ドラマが楽しみです | ||||
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黄金のフルートから奏でられる悪魔が来たりて笛を吹くのメロディ。そこには悪魔を暗示する秘密が…… 没落貴族ものとしては太宰治の斜陽より面白かった。ただ近親相姦ものなので全体的には暗い。そこがまたいいのだか…… | ||||
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黄金のフルートから奏でられる悪魔が来たりて笛を吹くのメロディ。そこには悪魔を暗示する秘密が…… 没落貴族ものとしては太宰治の斜陽より面白かった。ただ近親相姦ものなので全体的には暗い。そこがまたいいのだか…… | ||||
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個人的には「獄門島」と並ぶ著者の最高傑作である。最初に読んでから25年以上経っているのだが何度読んでも飽きない。 著者の“推理”小説で扱われる題材は、古い因習が色濃く残る農村(岡山・長野)、戦後の没落貴族の血の因縁を描いたもの、そして東京を舞台にした一般人?を扱ったものの3つに分類されるが、中でも最も陰惨なのが没落貴族を描いた作品である。その代表的な作品が「仮面舞踏会」とこの「悪魔が来りて笛を吹く」であろう。前者もいい作品なのであるが、やはり推理小説としての出来が素晴らしいのは本作である。数多く張り巡らされた伏線が良く練ってある。言葉のイントネーション、登場人物の発する一言、小物の使い方、どれも素晴らしい。そして何より最後に明かされる「悪魔が来りて笛を吹く」の“意味”…。 著者の作品の特長の一つはセリフを読んだだけで誰が話しているのかがすぐにわかり、その人となりまでも表現してしまう“会話体の上手さ“である。これが作品を魅力的なものとしているのだが、この作品ではその特長が際立っている。この事件の捜査は東京と関西(神戸・淡路島など)をまたにかけて行われるのだが、東京からきた刑事(あるいは金田一)と関西弁を話す旅館の女将の会話などは素晴らしい。 金田一耕助は名探偵ではないという意見は結構ある。否定できない部分も確かにあるが、これ程数多くの人に愛された探偵はいないのではないか。 すでに古典とされる作品であり、粗探しをすればないこともないが、日本的な設定やトリックを描き続けた作家横溝正史が生んだ傑作の一つである。 | ||||
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個人的には「獄門島」と並ぶ著者の最高傑作である。最初に読んでから25年以上経っているのだが何度読んでも飽きない。 著者の“推理”小説で扱われる題材は、古い因習が色濃く残る農村(岡山・長野)、戦後の没落貴族の血の因縁を描いたもの、そして東京を舞台にした一般人?を扱ったものの3つに分類されるが、中でも最も陰惨なのが没落貴族を描いた作品である。その代表的な作品が「仮面舞踏会」とこの「悪魔が来りて笛を吹く」であろう。前者もいい作品なのであるが、やはり推理小説としての出来が素晴らしいのは本作である。数多く張り巡らされた伏線が良く練ってある。言葉のイントネーション、登場人物の発する一言、小物の使い方、どれも素晴らしい。そして何より最後に明かされる「悪魔が来りて笛を吹く」の“意味”…。 著者の作品の特長の一つはセリフを読んだだけで誰が話しているのかがすぐにわかり、その人となりまでも表現してしまう“会話体の上手さ“である。これが作品を魅力的なものとしているのだが、この作品ではその特長が際立っている。この事件の捜査は東京と関西(神戸・淡路島など)をまたにかけて行われるのだが、東京からきた刑事(あるいは金田一)と関西弁を話す旅館の女将の会話などは素晴らしい。 金田一耕助は名探偵ではないという意見は結構ある。否定できない部分も確かにあるが、これ程数多くの人に愛された探偵はいないのではないか。 すでに古典とされる作品であり、粗探しをすればないこともないが、日本的な設定やトリックを描き続けた作家横溝正史が生んだ傑作の一つである。 | ||||
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こういったミステリーは読み進めながら犯人や隠された秘密を推測してゆくものなのですが、横溝正史の小説だけは犯人が最後の瞬間まで分かりません。 そして必ずぞっとするような真相が事件の闇深くに用意されているのです。 あいつが怪しい、こういう可能性はないか、などなどあらかじめ考えうる可能性は全て金田一耕介も考えるのですよね。彼によって読者が考えそうな推測は全て語りつくされ、考えつくされ、この上どう足掻こうとも真相が掴めない、という迷宮の中に巧みに誘われてしまうのです。 悪魔が来りて笛を吹く これ程この物語を集約し、かつ犯人を指し示しているものはありません。 この物語を終始占め続ける陰鬱な空気と、知らない方が良い真実でも知りたい、と思わずにはいられない悪魔的な誘惑。 金田一耕介と共に考え、迷宮を彷徨って、途方に暮れていたはずが、この天才探偵はその間に思いも寄らない可能性や推測に当たっているのです。読者は金田一と共に考えているつもりが、実は常に一歩先を見据えていた鋭い視点に終盤になる程に驚かされます。 一昔前の探偵小説だと思いきや、これは現代でも充分に通じる最強のミステリーです。 | ||||
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こういったミステリーは読み進めながら犯人や隠された秘密を推測してゆくものなのですが、横溝正史の小説だけは犯人が最後の瞬間まで分かりません。 そして必ずぞっとするような真相が事件の闇深くに用意されているのです。 あいつが怪しい、こういう可能性はないか、などなどあらかじめ考えうる可能性は全て金田一耕介も考えるのですよね。彼によって読者が考えそうな推測は全て語りつくされ、考えつくされ、この上どう足掻こうとも真相が掴めない、という迷宮の中に巧みに誘われてしまうのです。 悪魔が来りて笛を吹く これ程この物語を集約し、かつ犯人を指し示しているものはありません。 この物語を終始占め続ける陰鬱な空気と、知らない方が良い真実でも知りたい、と思わずにはいられない悪魔的な誘惑。 金田一耕介と共に考え、迷宮を彷徨って、途方に暮れていたはずが、この天才探偵はその間に思いも寄らない可能性や推測に当たっているのです。読者は金田一と共に考えているつもりが、実は常に一歩先を見据えていた鋭い視点に終盤になる程に驚かされます。 一昔前の探偵小説だと思いきや、これは現代でも充分に通じる最強のミステリーです。 | ||||
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ナイナイのやべっちお勧めです。映画も是非。 | ||||
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