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春期限定いちごタルト事件
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春期限定いちごタルト事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全67件 61~67 4/4ページ
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自らの本性を隠し,「小市民」として学園生活を送るため,パートナーを組んだ高校一年生小鳩君&小佐内さん。 等身大で日常的な高校生活のなかで出会う小さな事件,そしてふたりは一体何があってこういう生活をしようと思ったのか,隠された本性とはどのようなものかを,軽妙なユーモアを交えて描き出していく。 キャラクター設定の面白さ,ミステリーとしての構成もしっかりしていて読ませます。ライトノヴェルと侮る事なかれ。 小佐内さんの「本性」が爆発する続篇「夏季限定トロピカルパフェ事件」も一緒にどうぞ。 | ||||
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ミステリにおいて〈名探偵〉とは、 世間の常識に囚われず、独自の視点から 事件を分析できる、一種の〈装置〉として 設定されている存在と言えます。 しかし、もし現実に〈名探偵〉がいたとしたら? 空気を読まずに事件を暴きたて、 誰も望まぬ「真実」を関係者に 突きつけて悦に入る― といったような実に鼻持ちならない人物に なる可能性が高いです。 本作の主人公・小鳩常悟朗は中学時代、上記のような 〈名探偵〉的振舞いをしたため、「現実」から手痛い 「洗礼」を受けた人物のようです。 そのため、彼は「小市民」を目指す決意をします。 そして、これまた過去に訳ありの 小山内ゆきと「互恵関係」を結び、 小市民への道を共に歩んでいこう とするのですが……。 〈名探偵〉属性の宿命か、小鳩君の前には、 次々と不可思議な謎が起こります。 さらにそれだけでなく、パートナーたる 小山内さんこそが、本シリーズにおける 最大の「謎」でもあるのです。 彼女の存在を通じて、小鳩君は 無色透明な論理操作では割り切れない 苦い「現実」を知っていくことになります。 ともあれ、「冬」を迎えた時、 二人の関係がどうなっているのか、 今から楽しみです。 | ||||
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甘そうなタイトルと、ライトノベルかと思わせるような可愛い表紙。登場人物は高校生・・・。しかし、これがまた甘くないのである。謎解きはしっかりしたものだし、恋人でも友人でもない二人の関係もまた読みどころ。果たして二人は、いつまで「小市民」でいられるのかな。 謎自体は、人死にが出たりするようなものではないので、そういったものが苦手な方にもいいかと思います。 連作短編ですが、一見関係のない事件がつながっていく面白さも味わえます。 次が読みたいと思わせる作品でした。 | ||||
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『小市民シリーズ』の1作目,『日常の謎』5編を収録した連作短編集になります. 学校での失くしもの,ココアの作り方の謎など,いわゆる『日常の謎』系の作品で, 甘そうなタイトルにかわいい表紙イラストなど,片ひじ張らず気軽に読める1冊です. また,それまでの4編のできごとが,そのまま5章の謎へと繋がる流れが気持ちよく, この手の演出自体は目新しくはないのですが.なにげに張られていた伏線とその回収, 特にそれほど大きく語られていなかったことも…という展開は素直におどろかされます. ほかでは,終盤になって少女が見せたダークな一面が今後も含めて気になるところで, 『互恵』であって,『依存』や『恋人』ではないという奇妙な関係のふたりのこれから, ただの『日常の謎』ミステリではなく,青春ものとしても楽しめる作品のように思います. ただ,主人公ふたりが『小市民』を目指すきっかけや過去がどうもはっきりと伝わらず, それらしき描写はいくつか見られるものの,やや『言葉』だけがひとり歩きしている印象. 『小市民』と自ら名乗るはじまりも唐突でしたし,続刊でフォローがあればよいのですが…. | ||||
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ベントリー『トレント最後の事件』、麻耶雄嵩『翼ある闇』など、「名探偵」最後の事件を謳った作品はあれど(※しかもこの両者いずれもデビュー作)、「名探偵」最後の事件「以後」を描いた作品というのはなかなか思いつかない。要は「事件」を解決したならば――否、「名探偵」が「推理」を行使したならば、それで以てその「推理」が志向された事象が「事件」へと変容されてしまうのだ。だから、「名探偵最後の事件」を真にものしたいのならば、原理的に彼/女を殺さなければならない。ゆえに、最後「以後」の「事件」は語りえぬものなのだ。東野圭吾の作品ではないがまさに「名探偵の呪縛」といったところだろう。 であるならば、「名探偵」最後の事件「以後」を騙ろうとするにはどうしたらよいか。――作者は小鳩くんに「小市民」を擬態させるが、これが「群集」への埋没であるのは明らかだ。いわば、観察するものから観察されるものへ――。孤独の「狐」であれば、容易に群集のひとりに化けることが出来ただろうが、作者は「狐」のそばに「狼」を這わせたのだ。「狐」が擬態の象徴なら、「狼」は本性の象徴で、「名探偵」であった者の主体性は分裂する。……無論、彼らの行為の意味するところは「名探偵」のそれに他ならず、その分裂を「小市民」の方向へ克服するというネガティヴな教養小説的枠組みを設定することで、最後の事件「以後」の物語を騙り出すことを可能にしたのだ。 ……ということを抜きにして、ケーキの踊り喰いの場面で胸焼けしてきたのは、もうトシということなんだろうな。 | ||||
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恋愛関係にも依存関係にもなく、互恵関係にある小鳩くんと小佐内さん、そんな彼らが小市民を目指す、コミカルな探偵物語、です。全体的に良い印象でした。苦い青春と日常の謎ミステリとの交わりがなんとも。プロローグで明かされますが、小鳩くんは頭が切れるがゆえに苦しむタイプの探偵?です。このような探偵も時々見かけますが、この作品は日常の謎を厚かった作品なので、余計コミカルな感じがしました。短編連作という形で話は進みます。その中で、三作目にあたる「おいしいココアの作り方」は、ミステリとして非常に良く出来ているものだと思いました。日常の謎の魅力から、推理の過程まで、本当によく出来ています。また、二作目「For your eyes only」は、謎の真相自体は単純で、直感で気付いてしまう人もいるだろうと思いますが、最後の三行が気に入りました。四作目「はらふくるるわざ」でだんだんと物語の全層が見えてきて、最後の「狐狼の心」では、各短編にさりげなく散りばめられた伏線が一気に収束します。ここがお見事というか、そうなりますか、って思いました。小佐内さんがこれまた……、作品をすでに読んだ方は、彼女の魅力にやられたのではないでしょうか? 僕もその一人です。最後にエピローグがあります。この作品は、一応は完成していますが、どうも続編があるらしく、続編を読ませるには充分すぎるほど先が気になります。解説の方もおっしゃってますが、小佐内さんの過去が知りたい! 続編に期待しています。 | ||||
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まず、帯に書かれていた「小市民」という言葉に惹かれました。面白い言葉を使うなあ、と。ストーリーとしては、一見関わりがなさそうな話が微妙につながっているという最近の傾向(?)のように、テンポよく進んでいきます。コミカル、というよりもクールな視点がなかなかよいです。殺人事件てんこもりなミステリーに飽きている方にはおすすめ。でも、やっぱり一番気になるのは小佐内さんの過去です。シリーズ化されればいいなあ、と思います。 | ||||
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