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Q&Aの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 1~20 1/4ページ
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人物の応答だけで、ストーリーを進めるのは、恩田陸さん得意の戯曲的描き方で、「中庭の出来事」「木洩れ日に泳ぐ魚」を想起した。テクニックに溺れた感のある「中庭の…」より、粗削りな本作の方を、私は評価する。暗黒の未来を提示した、恩田版神話を創生、とまで言うと、褒め過ぎかも知れないが。登場人物の悪意がぶつかり、それぞれに悲劇的な結末を迎えるエピソードの一つ一つにリアリティがあり、不気味な恩田ワールドを堪能。 未来から来た自分自身に、身の破滅を予言される、ラストエピソードは酸鼻で胸糞悪く、本作を締め括るに相応しい。一方、謎が謎のまま残り、スッキリしない終わり方なのは確かで、本作を「駄作」とする意見も、十分理解出来るのだ。それでも私は、この作品を支持したい。極めてこの作者らしい作品で、読み手を選ぶのは間違いない。 | ||||
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読んでいる序盤で「あ、恩田さんの変な超能力系の話かも。それかSFオチかも」と不安になりましたが、そんなことはなかったです。パニックの描写はとてもリアルで怖かったです。 ただ、中盤くらいで「あ、これオチはっきりしないやつだ」と思っていたらその通りでした。でも非常に満足感あり。 最後まで飽きることなく、とーってもドキドキしながら読むことができました。 ミステリーならユージニアの次にいいかも。 | ||||
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小学生のころ図書館で借りて読んだトラウマ小説。再読。 時が経ち色んなことを把握して読むと、これまたおもしろい。 恩田陸さんの本、全部は読んでいませんが、この物語の社会の感じ、客観的な感じが 特別に好きです。 | ||||
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問いに対する答えという形で、淡々と物語が進んでいく。 大きな枠組みの中で、個々人の人間模様が描かれていくのだけれど、水面に水滴が落ちて波紋が広がっていくかのように人々に影響が広がっていくことの恐怖と言うのかな、、そこら辺りが悪くないかな、と。 | ||||
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私はこの小説大好きで、もともと単行本持ってたのですが、誰かに貸したか、引っ越しやら何やらで紛失したかなんかで、泣く泣く文庫本で買い直しました。最近再読しましたが、やっぱり一番大好きな本です。 | ||||
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会話文だけで書かれた小説でした。そうと知らずに読み始めたので、この会話形式のままどこまで続けられるのだろうと興味深くなったこともあって、最後まで飽きずに読めてしまったというところもあります。不思議な夢や潜在意識の話になるのかなーと思わせたり、事件の真相に迫るミステリーになってみたり、人物象や家庭の愛みたいなものが深堀されたりと、いろんな味のするお菓子を食べてるような気分でした。 | ||||
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現代版の集団パニック小説です。 日常と虚構が近づくことの恐怖と現実感。 起こりうる事件を予見しているような気がします。 | ||||
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本書の基となった作品について考えてみよう。ヒラリー・ウォーの『この町の誰かが』である。本書と同様に、一つの事件を複数の人間の目から描写している。浮かび上がってくるのは一つの町に巣くう偏見や、他人への疑心といった「闇の深さ」である。新興国故に様々な人種が共存している。巻き起こる事件、日常を引っかき回す誤解や思い込み。そこから派生した悲劇の事を「アメリカの悲劇」と呼ぶ。 では本作はどうか。舞台となるのは大型の商業施設だ。 推測だが、恩田は複数の人間に事件の証言を「させる事」で、現代に巣くう闇の正体に肉迫しようとしたのではないか。「アメリカの悲劇」ならぬ「日本の悲劇」である。一つの事件から溢れ出した闇は留まる事を知らず、現実を侵蝕していく。この辺は雑食にしてモダンホラー、あるいは本格推理のフォロワーたる著者の本領発揮だ。存分に堪能して頂く為にここでは触れないでおく事を許してほしい。独立した短編小説として読んでも、長編小説のエピソードの一つとして読んでも通用するレベルである。字面が浮かび上がり、眼前で物語が展開する様な迫力を持つのは恩田の筆致が優れている証拠なのだ。 突然作風が激変するクライマックスについては賛否の嵐が吹き荒れている。これもまた、本作、また恩田陸作品の特徴だ。人の数だけ評価があり、答えがある。散々散文を散らかしたが、SFからホラー、ミステリーまで飲み込んで昇華し、一冊にまとめたのは見事としか言いようがない。 | ||||
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面白いです。 自分の後に家族も読んで皆面白いと言っています。 買ってよかった | ||||
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10年ぶりに再読。 あくまでもストーリーの重大死傷事件は人々の心を映し出すプリズムの役割。 「北京の蝶々」のような、ある作為による波紋の広がり、奥行きの深さが感じられるラストシーンがとても好き。 ぞっとするけど。賛否両論はあるけれど。 | ||||
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初めて読んだ恩田陸さんの作品です。 読んだ時、雷のような衝撃を受けました。 まず、この作品のほとんどが誰か二人の会話のみということ。 大勢の犠牲者を出した原因不明のデパートでの事故(事件?)をもとに、 それを調べるため?に被災者から話を聞く人、答える人。 その事件に何らかの形で影響を受けた人、それを聞く人。 ほぼ会話のみなのに常にピリピリとした緊張感があり、少しずつ会話を通して 事件の不可解さとともに、人の醜さや狂気が明かされていきます。 そして結局事故の原因ははっきりわかったのかというと、謎のまま、という感じです。 何人かそれらしい原因を推理する人はいたので、読者がそれをもとにご自由にお考え下さい、 と言われているような気がしました。 そして最後の章ですが…これは正直… なくてもいいとは言えませんが(前のほうにある話の謎の答えにもなっているので)、そこで 会話する人物の正体が突拍子もなさ過ぎて…。今までは不可解な事件、といっても現実的で だからこその恐ろしさがあったのですが、いきなり不思議超常現象ワールドに投げ込まれてしまい、 「え、え??」と戸惑っているうちに終わってしまいました。 最後の話の前まではよかったのになぁ。最後まで現実的な狂気の世界でまとめてほしかったです。 | ||||
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恩田陸の作品でなければ手をだしていないか途中で挫折しているかな。テーマが重くて私はこういうのは読んでいて少し辛いです。 ぬいぐるみを持っている奇跡の? 少女がかぎをにぎっているのか? しかしすべての謎がそれで解けるはずもなく、 やっぱりもやもやのままです。 もう一度読めばわかるのかなあ? 私は恩田陸のファンですが、さすがに満点は付けづらいかな? ただ手探りで最初に読む作品としてはいいかも。 良くも悪くも恩田さんらしさは感じました。 Q&A(質問形式)で全編を通した大胆な試みは面白かったです。 ラストの異質で不思議な感じも私は好きなんです。 10年前に描かれた近未来小説という趣きです。 現代に通じる色あせない緊張感があり、 一読する価値ありでしょう。 | ||||
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この物語に「真相」を期待してはならない。多様な証言者の語る言葉、それらの交点に「客観的な出来事としての事故」が浮かび上がるわけではないからだ。むしろ「客観性」は本書から徹底的に排除されている。たとえば「血」の謎など、そうとでも考えなければ明らかな矛盾である。 証言者は主観的に語る。そして主観的に語る証言者が増えるに従って、逆に出来事は錯綜し、多様な様相を帯びていく。ここにあるのは従って、証言者自身における、事故についての「消費」の様々な形態である。事故がその人物の中でどのように体験されたか、そして今どう感じているか、これからどう行動するのかは言うまでもなく千差万別である。一つの出来事に対して、いかに多様な捉えられ方(=消費のされ方)がなされうるのか、いかに多様な影響を与えうるのか、それを描くのが本書の眼目である。 | ||||
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著者の作品では3冊目です。一言でいえばバラバラのインタビューの寄せ集めだけでここまでの世界観を構築できる著者の力量に改めて敬服した次第ですが、物語として完結してないせいか辛口なレビューが多いですね。社会批判の要素はあると思いますが私には淡々とこの世の真実の在り様を語っているようにしか感じられず、偏った作為は感じられませんでした。決して万人受けはしないと思いますが、パニック状態で無言の群衆がどんな挙動をするのか?或いは何でもないはずの日常がほんの些細なバランスを崩しただけでどのように変貌するのか?こうしたことに興味が持てる人にとってはまたとないシュミレーション体験の機会を与えてくれる作品だと思います。 | ||||
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これを読むのは二回目なのですが、久しぶりに読み返してみて心底暗澹たる気持ちになりました。最高の不快感と読後感です。 この小説は他の方がレビューされている通りに、とある大型デパートで起こった事件のインタビューをされる、という形式で話が進んでいきます。 「」付きが相手、そして地の文がインタビュアー。よくつかわれる手法だとは思いますが、最後まで飽きさせない筆力は流石だと思います。 最初のほうのインタビュアーはどうも同一の方のようですが、後半に連れてインタビュアーの人もどんどん変わって行きます。 この中で共通しているテーマは「有り得そうな悪意」かなあ、と考えています。 友人から「誰それちゃんが貴方の悪口言ってたよ」と言われるような、よくあるけれど凄く気分の悪くなる悪意みたいなもの。 誰もが当たり前に持っている、でも普段はそんなもの無い様な顔をして善人の顔して生きている、という側面をいやがおうにも突きつけられているような気分になる、そんな小説。 ですが、これの凄いところは、読み解くのに物凄くエネルギーがいるにも関わらず、それを感じさせずに一気に世界に引き込む文章は流石だと思います。 面白いですけど、先にも言った様に「悪意」がテーマだと思いますので、読むのにエネルギーは使う小説です。 | ||||
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とある商業施設で起きた大量死傷事件の原因究明について、謎の(?)聞き手が質問をし、 関係者がそれに答えるという形式だけで物語が進んでいきます。 真相に近づくようで近づけず、皆何かを見たようで肝心な部分ははっきりとしない。 常に居心地の悪さ、薄気味悪さを漂わせた作品です。 机と椅子だけがある取調室のような部屋だけで展開されるシチュエーションムービー を想像しながら読むと不気味さがいっそう増すこと請け合いです。 最後の締め方が難しいだろうな、と思いながら読んでいましたがやはり若干 消化不良な終わり方になってしまった点が残念でした。ですがそれを差し引いても 十分楽しめる作品だと思います。 | ||||
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先に「ユージニア」を読んだので、それよりはわかりやすくて、楽しめるなと思いました。 ただ、やはり他の方も書いていらっしゃいますが、なぜこんなことが起きたのか、という謎が、いつのまにか、なぜ少女が…という謎にすり替えられてしまった感はあります。最後にはファンタジーになってるし。なぜこんなことに、のほうも、それなりに答えは用意されているんですけどね。 あと、質問と答えの繰り返しですが、質問者が同一人物ではなく、あれこれ変わって、だれだかわかるときとわからないときがあって、最初のうちはまったくわからないから気にもならなかったのですが、途中で、これはあの人だ、とわかる時があってからは、わからないと苛立ってしまうような感はありました。もうちょっと教えてってところで肩すかしというのは、「ユージニア」と同じですね。そこが快感だったり、不快だったり。読んでいて微妙です。 | ||||
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フジテレビ系の深夜に不定期放送されている『放送禁止』を見たことがある方なら、受け入れやすいと思います。すなわち、「そこで起きた事実は伝えるが、真実は明らかにせず、読み手に委ねる」というスタイルです。私は割と面白いなと感じましたが、ラストはいただけませんでした… | ||||
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出だしからグイグイ惹きこまれます。 パニックの原因はなんだったのか? 逃げ惑う人々が目撃したものはなんだったのか? 様々な視点からの解釈が交錯して、読者をがんじがらめにします。 ただ、ラストだけは当初とは全く別展開。 おぉぉぉ? 路線が変わったぞ? なんとなく田口ランディさんの「コンセント」のような。 まぁこのラストはこれはこれで面白いからOKです! | ||||
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巨大ショッピングセンターで起きたパニック。多くの死傷者まで出た事件の真相に迫るべく、最初は質問がなされていく。単なる謎解き?と思わせておいて、読み進めるうちにこれはホラーであることに気づく。どうして事件が起こったかという答えよりも、事件にかかわった人々の日常が壊れて行くさまがこの上なく恐ろしい。質問している人物が誰なのかも定かでなく、国家という大きな力もかかわって、途方もない絶望感が襲ってくる。 決して楽しく読めるという書ではないが、質問形式で語られるこの手法は恩田氏の意欲作であることに間違いはない。 | ||||
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