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(短編集)
空中ブランコ
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空中ブランコの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全318件 201~220 11/16ページ
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小説を読んでこんなに笑ったのは久しぶりだ。 人間みんなどこか可笑しなところがあるよね、というユーモアに溢れた人間賛歌。 飛べなくなった空中ブランコ乗り。 尖ったものが苦手な先端恐怖症のヤクザ。 義父である教授のヅラをはがしたくなる医師。 ボールが投げられなくなったプロ野球選手。 過去に書いた小説と同じ小説を書いてしまうのではないかと、気に病む女流作家。 それぞれの登場人物たちは、自分がどこかおかしいのではないかと思って伊良部総合病院の神経科のドアを叩く。 しかしそこにはそんな患者たちよりもっとおかしい精神科医、伊良部がいるのである。 丸々と太った体、子供のような言動。 伊良部に振り回されるうちに、患者たちはやがて、まわりの人たちも自分と同じような悩みを持っていることに気づく。 こう書いてしまうと陳腐かもしれないが、実際狭い世界にいると、本当ならこだわらなくてもいいような部分に固執してしまうのはよくあることだ。 僕自身もしばしばそうなる。 このおかしな医師、伊良部はそんな行き詰った人たちの視界をほんのちょっと広げてくれるのかもしれない。 日常に疲れた人に、ぜひおすすめしたい一冊である。 | ||||
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『イン・ザ・プール』を読んだときほどの衝撃はありませんが、 最高にイカれて、最高にイカした伊良部先生の魅力は健在です。 支離滅裂な理論、思うままに生きる伊良部先生に、 不審を抱き、翻弄されながらもいつしか元気になっていく患者たち。 バカバカしいほど自由な伊良部先生が、 ちょっぴりですが、うらやましいのは、私も同じかも。 個人的には、「女流作家」の伊良部先生のかっとび具合が最高でした。 | ||||
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文庫化になるまで待ったかいがありました。伊良部先生サイコーです。続きが気になり一気読みしてしまいました。通勤の電車の中で読んだのですが、笑いをこらえるのに苦労しました。皆さんこの作品を読むときは電車の中は避けましょう。 | ||||
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文庫になるのを楽しみに待って読んだ。読者のかたの評価もよかったし、シリーズ一作目であり、ともに直木賞候補になった『イン・ザ・プール』と比べ、本書の方が選者の評価が圧倒的に高かったし(本書でめでたく直木賞受賞)。おもしろい小説であることを前提で書くが、個人的にはいささか物足りなかったなあ。むろん、期待しすぎた面もある。 ひとつには、連作の難しさだろう。患者が伊良部のもとを訪れ、トンデモ精神科医に衝撃を受け疑念を抱きつつもペースに巻き込まれ、伊良部は患者のフィールドに無理やり入り込んでやりたい放題、そうしているうちに患者の症状は治まり心に小さな変化が訪れる・・・という定型パターンに、患者のパーソナリティや症状、伊良部の奇行が嵌め込まれ、バリエーションが生まれる連作短編。この枠組みはOK。ただ症状がどうしても似通ってしまって(強迫神経症系が多い)、新鮮味が薄れている気がする。 となると、伊良部の奇行の方に期待が移るのだが、こちらも要求が高くなってしまっていて、ちょっとやそっとじゃ満足できないのだ。『イン・ザ・プール』では伊良部が区民プールの窓枠から抜け出せなくなっただけであんなに笑えたのに・・・ 今やこちらに耐性ができてるため、空中ブランコまでやらなきゃいけない(!?)。できがよくて、よくまとまっていて、欠点が少なくて・・・というよりも、こんなへんてこな話は、多少のアラがあった方がご愛嬌、なんて思ったりも。 三作目の『町長選挙』(未読です)はなかなか厳しい評価もあるようだけど、先細りになりませんように・・・ ますますパンチのある伊良部作品、心から待っています。 マイナストーンのレビューになったが、期待の高さゆえ。おすすめ作品には変わりありません。 | ||||
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娯楽作品として、非常によくできた短編集である。おもしろい。小説に対する感想としてはこれで充分である。以下はとても個人的な付け足しである。まず、主人公の伊良部医師がひまそうであることが重要だ。ひまとは何か。助けを求める人々が接触したときに、「多忙を理由に門前払いを食わせない。診察を断わらない」ことを意味する。実は、患者たちの悩みはかなり深刻なものであり(一見そうは見えないように軽く描かれているだけで)、各々の人生は破綻に瀕している。だから何よりも大事なのは「まずそばにいる時間をとる」ことである。誰かがだれかのためになるための基本は「その人のそばにただいる」ことができるかどうか、である。これはかなり難しい。だから伊良部先生がすぐにビタミン注射をするくらいのことは、大目に見よう。 | ||||
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私は、荻原浩からこの奥田英朗に入り、これまでに、どちらの作家も全作読破したのだが、この二人は、読めば読むほど、本当に共通点の多い作家だと、つくづく思う。 コピーライターという前職からくる軽妙な文体、シリアスな作品からユーモア小説まで、どんなジャンルの作品でも書きこなしてしまう器用さということだけでなく、最も出来が良く、読み応えがあるのが、ユーモア小説などの肩の凝らない作品であることまでもが共通していると思うのだ。最後の点については、「真夜中のマーチ」の解説で北上次郎氏が述べているように、「最悪」や「邪魔」のようなシリアスな作品こそが大傑作だとする意見もあるようだが、私は、奥田英朗の本領は、やはり、「伊良部シリーズ」や、「ガール」などにあると思っている。 「伊良部シリーズ」には、この「空中ブランコ」の外に、第1作の「イン・ザ・プール」と第3作の「町長選挙」があるのだが、直木賞を受賞したからいうのではなく、この作品の出来が頭抜けている。 「イン・ザ・プール」は、面白いことは面白いのだが、全体的に、精神科に通院するに至った登場人物たちそれぞれの人間模様の描写が弱く、伊良部の面白さだけが浮き上がっているところがあり、それゆえ、中には、凡作も見られるのだ。また、「町長選挙」になると、シリーズ物の常として、ネタ切れ模様で、特に、どこかであったような話2題は、やたらと理屈っぽく、面白さも半減してしまっているのだ。 それに対し、この作品は、2作目ということもあり、作者の伊良部の活かし方も堂に入ってきており、面白さも全開であるだけでなく、登場人物たちの切羽詰まった人間模様の描写とのバランスが取れており、1作たりとも凡作がなく、全体が、高い水準でまとまっているのだ。特に、「女流作家」の胸が熱くなるようなラスト7ページは出色であり、単なるユーモア小説の域を完全に超えている。 | ||||
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伊良部先生シリーズの第1作の「イン・ザ・プール」がとても面白かったので、早速の第2作の本書を読んだが、第1作を上回る面白さであった。 ストーリー展開は基本的に第1作と同様で、様々な症状の心身症患者が伊良部先生を訪れて、先生の無茶苦茶な行動に振り回される中で、病状改善の糸口を見つけるというパターンだ。 今回は、空中ブランコがうまくできなくなったサーカス団員や、一塁への送球ができなくなったプロ野球の三塁手など、ユニークな症状を持つ患者が5名が登場する。それぞれの症状は外から見ると滑稽だが当人は当然真剣に苦しんでおり、その患者達が伊良部先生のやりたい放題の行動に振り回される姿は実に笑える。ただし本書の面白さはそのどたばたの中で患者達が、心身症になった真の原因に自ら気づいて立ち直りのきっかけを発見するところにあると思う。 5作のどれも面白かったが、個人的に暴力団の若頭が先端恐怖症にかかる2作目の「ハリネズミ」が、無理やり注射を打たれるシーンや、血判状を押すシーンや、対立するやくざの吉安と喫茶店で対決するシーンなど笑えるシーンが満載で一番気に入りました。 | ||||
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お話の中で登場する患者さん達の様々な症状、他人事とは思えませんでした。 自分もパニック発作で心療内科に行った経験があります。 本を読み終えてからは発作が出そうになると伊良部先生が呑気に言います。 「どうせ運動不足なんだから、ちょっとくらい心臓バクバクさせたほうがいいよ」 まったく、他人事だと思って。 身の回りの厄介なことが、少しずつくだらないことに見えてくる一冊です。 | ||||
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2時間ぐらいで読み終えました。 短編集なのでさくさくと進みます。 読んでいるこちらも伊良部に癒されます。 実際にこういう人が居たらやはり「変な人」って一歩ひいてしまうんでしょうけれど。 | ||||
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成功者として歩む代償のように蓄積していく見得やプライド、重圧。それが澱のようにたまって主人公たちの心を蝕み、神経症となって表れる。教授のヅラをひっぺがしたい衝動に駆られる医者、箸や爪楊枝と尖ったものが怖いヤクザ……。笑ってしまうが、本人たちの悩みは深刻だ。なあんだ、感じたまま、思ったままに、言葉にし、行動すればいいんだ、と気づいたとき、主人公は苦しみから解放されるのだが、その「無垢な心」を教えてくれるのが、愛らしい子供でも聖職者でもなく、メタボな醜悪おやじ=伊良部医師、というのがいい。ゲラゲラ笑いながら読んだあと、小躍りしたいような気分になる爽快な短編集。 | ||||
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久し振りに心が癒されるユーモア小説を読んだ。 内容は、少し風変わりな精神科医の伊良部一郎先生と 神経質症の患者とのやりとりがユーモラスでとても面白い。 特に、伊良部先生のセリフが、医者とは思えない言動で、 思わず吹き出してしまうことがたびたびあった。 患者は、とても真剣に悩んでいる。 それを伊良部先生の純真なカウンセラーを受けることによって、 大きな気付きが生まれる。 そのときに、読者も癒されるのだと思った。 五編の短編で気分転換に読むのに丁度よかった。 | ||||
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最初の「空中ブランコ」から、すっかり笑いのツボにはまってしまいました。”柔をもって制す”というか、”ぬかに釘”か、まったくつかみどころのない、それでいて的を得ている名精神科医(迷医?)伊良部せんせーの治療と行動、言動にこっちも癒されました。 一番笑ったのは、伊良部せんせーが豹柄の服を着たときサーカスの人が真っ先に、サーカスの豹ーひょう太ーの檻を覗いた、というくだり。普通の人じゃ絶対やらないことを平気でやってしまうせんせーの性格がよく現れていて、電車の中で噴き出してしまいました。(赤面) この稚気いっぱいの伊良部せんせー、最初の数話ではもう中年のおじさん、西田敏行さんのイメージだったのですが、本当はまだ36歳なのですね。 テレビ朝日の金曜深夜ドラマあたりで映像化して欲しいと思いました。ゴールデンよりもこういった時間帯やマイナーなドラマの方があっているように思います。 とにかく、ストレス社会の中、こういう本によって多いに笑う事はとっても大切だと思います。 | ||||
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いかにも現代小説らしく、軽くさらっと読めるのがよい。そして面白いのでよい。です。 精神科医の伊良部先生を軸として、5つだったかな?の短編ストーリーが収められています。ストレス等など様々な症状で精神的に参っている患者たちが、癒されていく様子が描かれているのです。水戸黄門的ワンパターンなんだけど、それでも面白いからよいです。もしくは、だから面白い?のかな。 なかなか良い娯楽小説だと思います。 さらっと読めて軽い感じだけど、決して軽すぎない。ドラえもんが、子供でも見られる漫画であると同時に大人が見ても楽しめたり泣けてしまったりするのと似てるような(??)うむ、ちょっと無理な例えかしら(苦笑) | ||||
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皆がさまざまなストレスを抱えながら生きていて、自分もある日突然精神病だの神経症だのを発症するかもしれない、と多くの人が不安に感じているという今の時代だから、この小説で神経科の門をたたく登場人物たちに、読者は親近感と共感を覚えるのだろう。伊良部先生の、一見奇怪ながら純真無垢な振る舞いに触れ、患者たちは見失いかけていた自分の本当の姿、あるべき生き方を再び見出して立ち直る。 収められている5つの短編はそういう意味では皆同じお話。悪く言えばワンパターンということだが、伊良部先生のイノセンスに笑い、癒され、飽きることなく読んでしまう。水戸黄門だってワンパターンと知りながら見続けてしまうじゃないですか、そんな愛すべき小説。「フォレスト・ガンプ」とも通ずるような笑いと癒しを感じる。 私の気に入りは「義父のヅラ」。読んでいて最高に元気になる。「ハリネズミ」は読んで笑っているうち、なんだかこの登場人物がいとおしくなる。最後の「女流作家」はちょっぴり感動、ほろりとする。 | ||||
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すごく面白い小説です。 安心して人に勧められます。 僕がこの作品がスゴいと思うのはただ笑えるだけじゃなくて、この作品に出てくる患者たちが現代を生きる僕たち一人一人を表してるのではないかと思わせることです。 彼ら、彼女らほどではないけど、僕らも程度の差こそあれどこかおかしい所があって非合理的 な行動を取る。 それはもしかして現代社会を生きるためには仕方のないことなのかもしれない。 でも伊良部先生は「そんなの大したことないよん。」と身をもって教えてくれる(笑) 本人は気づいてないと思うけど、彼は確かに患者たちを、僕たちを癒してくれる。 | ||||
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イン・ザ・プールを読んだら続きも読むべしと思い買ってみた。私のお気に入りは「義父のヅラ」。電車の中で読みとおすのが大変だった。タオルで口を隠したりしたが、多分、周囲の人は私をとんでもなく変な奴だと思ったに違いない。誰にでも覚えがあるだろうことを、登場人物にさりげなく託し、それをぽーんと投げ捨ててしまう潔さに、爽快感を覚える。登場人物すべてなんて変な奴、でも、変じゃない奴なんて実はこの世の中には一人としていないんじゃないかと、ぐふふと笑いながら思った。 | ||||
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誰にでも 思い当たるような、気になる症状を持った様々な職業人間の生活に 子供のような好奇心と親の七光りをフルに使って、体当たりで飛び込む伊良部医師。 特に意図したわけでもないようなのに、患者の精神生活を着実に向上させていく。 安心して楽しく読める本です。 | ||||
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今回伊良部先生は、サーカス見たさに毎日往診しますw 見るだけではなく、なんと空中ブランコにも挑戦! 豹柄のレオタードに身を包み、プレスリー並に太ったフレディ・マーキュリーという感じだそうです… 死者を笑いに使うなぁ(泣) でも笑ってしまった… 最後の話、伊良部先生は小説に挑戦しますw が、それより愛子の台詞は、奥田さんの代弁でしょうかw 特に最後の2ページはそんな気がしました。 『人間の宝物は言葉だ。 一瞬にして人を立ち直らせてくれるのが、言葉だ。 その言葉を扱う仕事に就いたことを、自分は誇りに思おう。 神様に感謝しよう。』 ぐっときました。 前作同様、おすすめ! | ||||
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なんの予備知識もなしに、「そういえば以前、テレビで紹介されてたなー」って思って読んでみました。 タイトルからしてサーカス団の話かと思えば予想外に精神科のお医者様が主人公じゃないですか。この意外性と、治療をしてるんだかどうだかわからない状況が、なんともいえずおかしくて。 いろんな患者さんが悩みを抱えてやってくるのだけど、頼りになるのか、ならないのかがよくわからない。本当につかみ所がないんですね。でも、気がつけばみんな治療されているところも不思議。 現代はココロの病をもった人が多いストレス社会。本当に必要なお医者様は、実はこんな人かもしれませんね。 | ||||
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とにかく笑えます! 変な医者にありえない持病を持った患者が尋ねてくる、 という内容なのですが、爆笑です! この変な医者、伊良部のキャラにハマってしまうと思います。 ただし注意が1つ。 電車の中や、人が多い場所で読むのは禁止です! すんごい冷たい視線が。。。。 | ||||
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