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(短編集)
イン・ザ・プール
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イン・ザ・プールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全354件 281~300 15/18ページ
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強烈な個性をもつ精神科医である伊良部のもとへ“普通”の精神科患者達がやってきて、誰がどう見たって考えられないようなはちゃめちゃな治療(というのかも怪しい)によってなぜかみんな元気になっていく。でも、伊良部がそれぞれの患者に投げかける言葉は意外にも理にかなっていたりする。もしかして伊良部って全部分かってて、演じてるんじゃないか?そんな風にさえ思ってしまう。 患者の方の悩みもいつか自分もこうなるかもっていう、ちょっとした不安感を誘う。でも、そんな不安は伊良部によってきれいさっぱり洗い流してくれるのだ。 ただ、注射フェチはちょっとやだな・・・ | ||||
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面白い、それでいて、患者の症状が誰もがあてはまるような現代人の病的な毎日を面白おかしく表わしている。そうだよね、こんな世の中だから、みんなどこかがおかしくなっている。でも、別におかしくなったって楽しく生きられればいいんじゃない。てな感じ。あたしも伊良部さんみたいに生きたくなりました。 | ||||
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良作. ちょっと(?)変わった精神科医博士「伊良部」.彼の元を訪れる何処か病んだ患者たち.治療方法はいたって投げやり伊良部の治療は本気なのかふざけているのか.しかし結果として患者たちの症状は快方に向う. 病んだ人を治すきちんとした方法なんて,存在しないのかもしれない.この本を読んで少し癒されている私も,何処か人生に病んでいるのだろうか? | ||||
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お腹を抱えて笑ってしまった。小説でこんなに笑ったのは久しぶり。伊良部総合病院の地下に、まるで隔離されているかのように存在する「神経科」。悩みを抱えた患者たちがひとたび診察室に入ると、「いらっしゃ〜い」と声が掛かる。声の主は精神科医、伊良部一郎。デブでイケテナイ容貌に加えて、マザコン、ロリコン、しかも注射フェチときている。 しかもこの男、人の迷惑や思惑を一切顧みず、無神経。(神経科なのに)患者が抱える心の病を一緒になって楽しんでる感すらある。子供みたいで、思いついたらすぐ実行するタイプ。こんな破天荒な医者だけど、患者たちはなぜか毎日話を聞いてもらいにやってくる。そして伊良部ワールドにすっかりハマり、いつしか心のよろいを脱ぎ去っていくののだ。「〜あるべき」だとか「〜をしなければならない」とか、「周囲が自分をどう見ているか」とか、そんなことに凝り固まっていた患者たちはいつしか癒されていくのだ。伊良部にかき回されながらも・・。 こんな精神科医がいたらかかってみたい。(いないだろうけど。) | ||||
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スートーカーの話しのとき、ラストのセリフを読むと、単なる面白い、ギャグ小説ではないと知らさせる。 患者のために自ら道化を演じているだけか? それとも本物の馬鹿か?と考えてしまった。そのことにはっきり答を出さないところがまたイイ! | ||||
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文体は極めて普通なのに、 内容は極めてクレイジー!! 今の社会、こういう病気もあり得るよなあと、 リアリティを感じつつも、ありえねーって!! という突っ込みを自然と入れたくなってしまう、 なんとも摩訶不思議なワールドです。 独特の苦笑・失笑・爆笑の世界観ですね、これ。 | ||||
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はじめに、文庫化され、しかも通勤鞄に入れるのに手頃な厚みだからといって、公共交通機関の中で読まないことを強くおすすめします。笑いをかみ殺すのに苦労すること必至ですから。 主人公伊良部医師は聞きしに勝る異様なキャラ、加えて筋立てのおもしろさに笑わせられっぱなしでした。ですが、キャラクターとアイディアだけではここまで引きつけられません。安定した筆力があってこそ。変な話でありながら威風堂々、風格すら漂っています。 また、各編それぞれ色合いが異なるのも魅力。ひたすら笑わせその印象を刻みつける伊良部鮮烈デビューの第一話、少しほろ苦い後味の残る話、大人のおとぎ話の感もある最終話・・・といった具合。伊良部のキャラクターの強さに頼らず、ちゃんと患者と症状を中心に据えて描いているからなのでしょう。 『最悪』『邪魔』もおもしろく読みましたが、こちらの方が好き。買って損なし!です。 | ||||
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奥田英朗の作品では登場人物たちが息切れしている。連作集『ララピポ』ではゼイゼイいいながら生きる人たちの日常を連鎖させ、本作の登場人物たちはうまく呼吸できない苦しさゆえに精神科医を訪れる。彼らを迎える精神科医・伊良部一郎はデブで幼稚で注射フェチ、つまりどこからとっても風変わり。肝心の治療はといえば、〈フレンズ〉で携帯電話依存症の高校生にくだらない内容のメールを送り、〈いてもたっても〉で火の不始末に怯える男の不安を煽るようなことをいう。伊良部は、患者と一緒に走っているのだ。けれど太っているから、あっという間に息切れする。自分以上に呼吸の荒い伊良部を見ているうちに患者はいつしか冷静さを取り戻す。そして、同じステージに乗ってくれた伊良部に親しみを抱く。大長編『邪魔』『最悪』ではストーリー自体が息切れしていた。巨体の伊良部が走るには、短編が限界。小説がほどよくまとまっているのも、伊良部の功績といったところか。 | ||||
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短編集で、どれも「精神科を訪れる患者」の独白になっています。 そんな患者たちに、おかしな対応をするのが、全編通して登場する精神科医・伊良部です。 伊良部に関わった「患者たち」は、治った人もいれば、まだ課題が山積みの人もいる所に、 何とも言えないリアリティがありました。 ばかばかしい展開の中に、一味も二味もクセのある「希望」があって、 読後の爽快感は、たまりません。 | ||||
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精神科医、伊良部。 こんな先生がいたらいいのに。 ユニークなキャラクターが愛おしくなりました。 あらゆる心の病をかかえた患者の一人称で書かれていて、 そこがまた魅力的だった。 携帯依存症の高校生の話は特に身近に感じて興味深かったです。 テンポがよく、コミックを読んでいるかのようにスラスラ読めました。 普段あまり本を読まない人にもお勧めだと思います。 | ||||
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もはや現代人の誰にでも起こりうる心理的な病理。これらの患者さん達は未だ社会的には同情よりも白眼視されることが多い。実際に病気にかかったときはかなり深刻な悩みを抱えることとなろう。 本書に登場する神経科医・伊良部は、幼稚園児のように我が儘で周りの目や人の迷惑を全く気にしない欲望に忠実な、でも素直で憎めないキャラ。決して「いい人」ではないし、実際にいたら迷惑極まりないが、不思議と人を癒す力がある。 真剣に生きてばかりでは息がつまる。たまには脱力して自分の欲望に忠実に生きてみることが必要なのか、と気付かされます。 新しい癒し系キャラ伊良部の言動に大笑いして、僕たちも癒されましょう。 | ||||
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伊良部という一風変わった精神科医にまつわる話。少し普通とは変わった形で患者と関わり、確実に快方に向かわす。自分が精神的に落ち込んで、本当に追い込まれた時は、この医者にかかりたい。 とにかく患者の「異常」と見える部分を完全に肯定してくれる。そしてじっくり話を聞いてくれる。これらは精神的に追い込まれた人にとって、何よりの薬なのではないか。そう思った。 個人的には「フレンズ」という話。携帯を手放せない高校生の話だが、以前あるいは今も少し自分にもこの高校生と共通するところがあるから。 あと伊良部が患者に話しかけるときに「〜〜というわけ。」という表現をするのが、とても好き。変に丁寧でなくて、気づかぬうちに素直に言うことを聞いてしまいそう。 | ||||
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奇妙奇天烈な精神科医&看護婦コンビと患者たちの面白くて深い連作短篇集である。いろんな悩み、というか心の病を患った人たちが登場する。物語なので言動、心情はカリカチュアされているけれど、読んでいるうちに他人事ではないぞ、と思っていることに気づいた。軽重の差はあろうが、誰しも思い当たる節があるのではないだろうか。そして常軌は逸脱しているけれど、芯はぶっとく筋が通った医者と看護婦の治療行為に納得というか安堵を覚えるはずだ。水泳依存症の中年男性、携帯電話中毒の少年、極度の心配性、ストーカーの妄想に振り回される女性、怒りを内包しつづけた故に大変な目にあった会社員。心とはかくも繊細なものなのか。気の持ちようの大切さを改めて思い知る。 | ||||
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当事者が自ら語るその凄まじい闘病奮闘記。 当事者が救われる『治療的虚構の世界』は変人二人によってつくられている。 「奇怪なる伊良部一郎医学博士」と「無愛想だが性の象徴・看護師まゆみ」がつくる伊良部総合病院地下の『神経科』。 当事者と治療者のギャップ激しい。 短い会話がテンポよく重奏する。 腹抱えて笑ってしまう。そして人間くさい伊良部医学博士の寄り添い行動に感動してしまう。 ハチャメチャな動き!! こんな医師いないよ。 プール依存症 持続性勃起症 強迫神経症 とにかく 治ってしまうのだ。 『行動療法』とか『現実療法』とでもいうべきか。 不思議な不思議なお話。 | ||||
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一体この医者は何だ?精神科医・伊良部の元に訪れる患者も患者だけど、伊良部の治療(?)もまったくもって突拍子もない。いや、そもそも治す気なんてあるのか?とさえ思える。一日2キロは泳がないとおかしくなっちゃう会社員、ケータイがないと手が震えちゃう高校生・・病状もいろいろだけど、真剣に悩む患者に対して伊良部は無責任なコメントばかり。でも患者は話を聞いてほしいから通ってくる。終いには患者自身の力で立ち直っていくんだけど。真剣にこういう医者がいたら、どうしようかって思うけど、でもなんだか「そんなに力入れて生きなくたっていいじゃん」って思わされるおおらかさ。ほんとは名医? | ||||
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伊良部という特異なキャラを持つ精神科医、その部下の看護士マユミ。 常人の神経を超越した二人の待つ伊良部総合病院の地下診療室。 訪れるのは、心の病にかかった様々な人々。 「患者」側としては極めて深刻な事態に陥り、神経科を訪れるのだが、ドクター伊良部が、患者に輪をかけた異常性を発揮して圧倒してしまう。正に名医かつ迷医。 直木賞受賞の第二作「空中ブランコ」でもおなじみの展開、いつも同じと言えば同じだが、何話読んでも面白い。 「異常」が相対的な概念である以上、人はみなここに登場する「患者」と大差ない、異常性の欠片を抱えている。その事に気づいて読むと、自分が本当に追い詰められる前に、この本を読んで「考えすぎない」技を身に付けておきたいという気になる。 収められた連作の中では、表題作「イン・ザ・プール」が出色。「フレンズ」もなかなか良い。「空中ブランコ」を先に読んでしまった人も是非読んで欲しい。順番が逆になっても全く問題ない。 | ||||
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この小説の主人公は医学博士。その名は伊良部。博士でありながら、彼の治療方法はまったくベタラメで幼稚。伊良部が単なる馬鹿ならば私はこんなに夢中にはならなかった。ページをめくるうちに「伊良部の治療法はちゃんとした理論にもとづいているのではないか?」という疑問さえ沸いてくる。全く馬鹿げていて、子供だましのような提案をしつつもどこか一理あるような・・・。そんな矛盾を垣間見せてくれるところに、この小説の面白さというか「味」がでている。 | ||||
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図書館の先輩に「面白いよ~こんな医者がいたら受診したいよ!」といわれたのがきっかけで読み始めました。ニルヴァーナの「ネヴァー・マインド」を彷彿とさせるジャケットも素敵☆ 既に映画のキャスティングを知ってしまっているので、伊良部医師(映画では松尾スズキさんが演じています)に関して違和感がありましたが、ちょっとエッチな看護師に「市川美和子さん」はハマリ役だと感じました!想像しながら読むとちょっと興奮します(笑) 実際に神経科に通っている私から言わせると「こんな病院はないよ・・・」という感じですが、もし伊良部みたいな先生がいたら診察を受けてみたいですね☆するっと読めます。電車での読書にオススメです。 | ||||
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それぞれ「水泳依存症」「陰茎強直症」「被害妄想」「ケータイ依存症」「強迫神経症」の、神経科を訪れる患者達の視点で描かれる短編集。医師「伊良部」は本当にとんでもない精神科医なのだが、様々な心の病気を抱えた患者達が「伊良部」と接することにより、次第に癒され、次々と改善への道を見つけていくのが不思議である。その言動が患者を治すために計算されたものだとしたらまさに名医なのだが、果たして・・・。 奥田英朗の作品を初めて読んだが、読みながら、遠い昔、中学生のときに筒井康孝を読んで筒井中毒になったのを思い出した。あの時に覚えた感覚と共通なものがあった。これを読みながら、続編の「空中ブランコ」も、きっと買ってしまうだろうと思った。そして、その続編が出たら、またきっと買ってしまうだろうと、読み終えた今、思ってしまった。 | ||||
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「いらっしゃーい」という明るい声の次は、「さあ、注射、いってみようかー!」という、患者を無視した行動。すべての患者に共通の、このとっかかり。私は、屈託のない伊良部先生の虜になってしまいました。面白い小説はいろいろあると思うけれど、この本は思わず声を出して笑ってしまう貴重な本です。事実、私は病院の待ち合い室で、「あははっ!」と声を上げてしまい、具合の悪そうな方々に睨まれてしまいました。是非、是非、シリーズ化して欲しいです! | ||||
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