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扉は閉ざされたまま
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扉は閉ざされたままの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全87件 61~80 4/5ページ
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読んでいる最中、ずっと頭には「巧妙」と言う言葉が浮かんでいた。とにかく、巧妙さに溢れた作品、というようのが私の第一印象である。 まず、作品の進め方そのものが巧妙だ。主人公は犯人である伏見。読者は、伏見が新山を事故に見せかけて殺害したことは知っている。密室を作ったこともしっている。とにかく、時間を稼ごう、という伏見の心情も伝わってくる。しかし、どうやって密室を作ったのか? なぜ時間を稼ごうとしているのか? そもそも新山を殺そうと思った理由は何なのか? という事は一切わからない。伏見と共に、優佳に看破されないだろうか? と怯えながら、一方で伏見が行ったことがどうなのかを楽しみに待つという相反することを同時に味わうことになる。 そして、舞台設定の巧妙さ、である。タイトルの通り、作中、ずっと新山の部屋の「扉は閉ざされたまま」である。伏見を初めとした面々は、常にその部屋の外にいて、そこからわかる状況だけで推理が進められていく。そう簡単に扉が開けられず、また、開けさせないようにする伏見の仕掛け…というったところが実に面白い。 開かされた動機がどうのこうの、など気にならない点がないわけではない。でも、これだけシンプルに見せておきながら、一方で巧妙な作品というのはそうそうあるものではない。06年版『このミス』2位というのも納得の出来だった。 | ||||
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非常にすっきりとしたミステリだったと思います。 論理的に詰めてありますし、ある程度、肩の力を抜いて謎解きを楽しみたい、という場合にお勧めの一冊です。 犯人と犯行場面は最初から提示されています。 紹介に書いてあるとおりです。 あとは、その謎解きと詳細なハウダニットを明らかにしていくプロセス。 非常に静かです。 実際の犯行に立ち会ったらこうではないだろうとか、細かいことを考えてはいけません。 淡々と進む犯人が追い詰められていくプロセスをとっぷり楽しめると思います。 | ||||
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世間でなかなかの評価を得ています。ずっと気になっていまして、ようやく購入しました。 冒頭から犯人が被害者を殺すところから始まり、その後に完璧な計画が第三者により徐々に崩されていく展開です。もちろん動機も最後まで解りません。 登場人物も非常に少なく、とある家の中のごく一部の部屋だけで話は進んでいきます。設定が非常にシンプルな割に、最後まで飽きずに読めました。しかし登場人物に特徴がいろいろと設定されていますが、そんなに生かし切れていない気がします。もう少し全員の個性が際立つと動機の面でもより深く納得できるかと思いますが…。 総評としましては、星4つくらいでしょうか。設定はなかなか面白かったですし、理詰めは好きです。 | ||||
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論理的に物事を突き詰めていくところ、状況を作るプロセス、犯人と探偵とのやり取り、など緻密に考えられていて、非常に好感が持てました。実際に密室事件が起きた場合、中の様子が確認できなければ一般ではそう簡単に扉をぶち壊したりして開けようとはしないのではないか? そういうところにも作者の深い考えを感じ取ることが出来ました。 ただ、それでも小説内の人物がこれだけの論理的思考をもちながら、このような行動を起こすのか? という疑問もないわけではありません。これは個人的な意見なのですが…。小説内のリアルに主要人物がかみ合っていないようなちぐはぐな感じも受けたということだけ記します。 それだけに、私としては、惜しい!! もう少し人物にも気を配って欲しかった!! という心残りがあります。まぁ、上にも書きましたが個人的な感想ということで。 | ||||
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新しいタイプのミステリです。一見倒叙ミステリのようではありますが、根本的な作りが違います。開かない扉を前にして、犯人とそれを暴こうとする者の推理合戦。ちょっとした出来事や事柄から、どんどん推理を組み立てていく。まるでエラリー・クイーンの推理を見ているようです。緻密な推理、論理の積み重ねが、どんどん犯人を追い詰めていきます。しかし結末は・・・。ただの倒叙ミステリではありません。一ひねりしてあります。こういう結末があっても良いでしょう。 | ||||
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この人の作品初めて読んだけど、素直に楽しめました。 動機の弱さとか、登場人物の非リアリティさとか粗は それなりにあるけど、それが問題になるかどうかは この作品に何を求めるかによるのではないでしょうか。 ライトノベルだし、時間つぶしに読むにはもってこいです。 斬新なアイデアと限られた人物の会話だけで進む展開は 肩肘張らずに楽しめました。 | ||||
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「小説としての肉付けを徹底的に排して、謎解きに徹する」という姿勢は、必ずしも否定するものではありません。問題は「わざとそう書いている」のか「そのようにしか書けない」のか、という事でしょう。 謎解きの構成に関していえば、これは実に見事なものです。時節柄『容疑者Xの献身』と比較されることも多いようですが、この点に関しては、遥かに東野作品を凌駕していると思いますし、『容疑者Xの献身』が中途半端な人間ドラマを盛り込むことで、却ってリアリティのないお話に堕しているのに対し、著者の姿勢はむしろ潔いとさえいえるのではないでしょうか。動機について批判も多いようですが、現実にこのような動機(一人よがりな正義感)で、殺人を犯す人間がいないとは限らないと思います。 ただ、人物の内面から何から、全て「説明」してしまうのは、小説としてはあまりにも芸がなさ過ぎます。これまでの石持作品でも、その点に不満を覚えました。「描写」ができない限り、「そのようにしか書けない」のではないかという疑いは拭えません。しっかり取材をしているように見えて、物語に直接関ってこない部分では確認が疎かになり、誤った記述をしている点があるのも気になります(『月の扉』で自閉症を「心の病」と記述している点など)。 『扉は閉ざされたまま』については、デビュー以来の石持スタイルが最もうまく結実しており、僕は星4つは差し上げたいと思います。ただ、このスタイルで「小説」を書き続けることには、正直、賛成はできかねます。これからに期待しての、4つ星です。 | ||||
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ノベルスだから安いし、「2位」を理由に購入。内容の印象は先にレビューした皆さんとほぼ同様(動機のこととか)なので、割愛します。 アンバランスなのは探偵役の女性の会話文です。「ムチャ知性的で論理的」の設定のせいか、あまりにも言い回しがまわりくどくて文体も堅くて、「こんなオンナいねぇよ〜」という気にさせられてしまう。 いくら知性的でも、もう少し“イマっぽい会話”にしてくれればリアルさも増したと思うのですが……。 | ||||
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この殺人動機は飛躍しすぎで、およそ読者の共感は呼ばないだろう。犯人も探偵も感情移入しにくい異常人物として設定されているので、さほど唐突感はない。だが、せっかく動機まで謎解きに組み込まれているのに(前半ではそこまで期待していなかった)少しもったいない思いがした。特に発端となる犯人の職場における小エピソードにリアリティが無い。 それ以外は完璧だ。犯罪が露見する前の段階での、犯人と探偵役の暗黙の知的闘争という趣向が秀逸で、名人同士のチェスを見るかのような緊迫感がすばらしい。ミステリを読む楽しさここに極まる、という感じだ。 「このミステリーがすごい」2位という結果には特に不服はない。これだけ彫り込まれた作品はザラにはないだろう。ただ、これと対照的に、華やかなキャラクターの楽しさと謎解き・ドンデン返しの痛快さを見事に融合した傑作「交換殺人には向かない夜」(東川篤哉)が選外というアンバランスを思うと、まだまだミステリの世界には深刻至上主義が根強いのだなあと思わざるをえない。 | ||||
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謎解きは、まあそれなりに楽しめた。でもなぜ「このミス」2位?ごくふつうのミステリーですよねえ、若干ライトノベル系の。 他の方もさんざん指摘されていますが、動機が意味不明です。そんなので人を殺すなよ!と思ってしまう。人物描写が類型的なこともあって、感情移入できません。世評が高すぎとの印象を受けました。 でも、帯の惹句に期待が高すぎた故の落胆なのかも。長旅の暇つぶしにキオスクなどで買っていたら絶賛していた、かも? | ||||
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三谷幸喜の【古畑任三郎】のごとく、犯人が最初から分かっており、殺害方法も書かれている。そして、一人の探求者が現れる。 同じくして【このミステリーが凄い1位】【東野圭吾 容疑者Xの献身】の様に犯罪者と探求者が天才肌同士。出てくるタイミングが悪かったと、言わんばかりの酷似した作品。 なので先入観があり、逆にあの終わり方で「まぁ、良かったのでは?」と、思えました。が、やはり【このミス2位】を売り文句にするのであれば、もう少し難解な事件であって欲しかった。 物語は最後の最後までタイトル通り【扉は閉ざされたまま】であり、死体を見る前にあそこまで色々と推測するのは、ちょっとどうかなぁ・・・と思ったし、まるで【正義の殺人】みたいな殺人動機だったので、それがもう少し上手い動機になっていれば、いい意味で腑に落ちる作品になったと思う。 | ||||
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「このミス」で2位になったから買ってみました。面白かったけど、スケールが小さく、チマチマした心理戦が展開されるだけのように感じたけど、久々読んだ推理小説、だいたいがこんなものなのかな?でも、そんなに厚くないし、サラッと読めてよかったゼヨ。 | ||||
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同窓会でとある豪邸に集まった人々。その中の1人があるくだらない 理由で友人を殺す。そのとき、部屋を密室状態にした。作者の売りは この部屋の中に入ることなく、事件を解決にもっていくということの ようだ。その通り、扉は開けられることなく、最終局面までもってい く。今までの密室推理ものとは違うストーリー展開になっている。 しかし、トリックのための殺人というような感じで、先にも書いたが 殺す動機が弱い。 あえて良いところを探すと、閉ざされた扉を前にして、登場人物たち が話す会話のキャッチボールか。 この程度でこのミス二位とは・・・少々疑問を感じる。 | ||||
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本格ミステリを読まなくなって久しいですが、ページも少なめで、『このミス』でも紹介されていたので、気軽に読んでみました。 幼稚な人物にデタラメな動機というのは予想通りでしたが、今回感じたのはそれ以上の“白々しさ”です。児童殺傷が日常的に起こりうるご時世には、もうこの程度の人たちは珍しくもないし、特別でもないんですよね。かといって、古典でもない。ただの幼稚な人たちを「知的」に摩り替えるのは、そろそろ限界かと思います。 人間的に非常に「狭い」人たちが、勝手に殺したり殺されたりして、好き勝手に議論するだけの話でした。適度に贅肉が削ぎ落とされていて、テンポ良く読めるので、いわゆる「オタク」を満足させるには良い本かもしれません。ただ、これが本格ミステリの代表格で、今年の2位ですと言われてしまうと、あまり本を読む時間のない社会一般の人は、「なんだ、やっぱり本格ミステリというのは大人の読み物ではないな」という認識を新にするのではないでしょうか。 かつては本格ミステリも、『このミス』も大好きだった自分だけに、敢えて辛辣なことを書いてしまいました。中高生ぐらいにはウケるかもしれません。私も当時はこんなのが好きでした。 | ||||
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おどろおどろしい深い怨恨がないことも、もしかしたらそんな名探偵がいなければ逆にパッピーエンドだったかもしれない事件をどん底にたたき落とすような名探偵がでてこないことも、とても良い感じでした。 | ||||
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このミステリーがすごい第2位とかかれていたので期待しすぎました。 帯にもかかれていたように犯人がわかっている「古畑任三朗」のような 話の構成にはひかれましたが、 犯人とそれを解く者の2人の知能戦は期待していたよりも あっさりしすぎた気がします。 というより謎を解くのに多少無理がある・・・。 | ||||
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倒叙ミステリーの魅力とは何か、それは、完全犯罪を成し遂げようとする犯人と、それを切り崩していく探偵の、丁々発止のチェス・ゲームを思わせる心理戦の醍醐味だと思う。その動機が、情緒的で感情を揺さぶられる様なドラマチックなモノであれば、東野圭吾の記憶も新しい傑作「容疑者Xの献身」になるし、個々のキャラクターが際立って魅力的なモノであれば、小説ではないが、「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」になる。そこで今作であるが、上記のどの部分から考えてみても、残念ながら物足らない出来映えだ。徹頭徹尾、犯人側の心理描写で物語が展開するのは面白いし、新書版の二段組みとは言え、200Page足らずのボリュームは、出張時の道中や、家事の片手間にでも読み切れてしまう気軽さが良いが、如何せん動機が弱すぎるのと、犯行自体もチャッチイのが致命的。この程度で完全犯罪が果たして成り立つの?久しぶりの同窓会で、和気藹々で飲み明かすのは良いが、お前ら、もっと早く異変に気付けよ、と思い切り突っ込みを入れたくなった。 | ||||
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この作者は「みんなが善人」というような雰囲気の話が多いのだが、 それが作品の底に流れるものと相容れず、 なぜか読者に(私に)大きな不快感をもたらす、ということが多かった。 この作品は、妙な善人風を吹かすのをやめて、一部の登場人物を表面上あえて無機的な感じにしたのが良かったと思う。 相変わらず、主に言葉のやり取りで謎に迫る手法はうまい。 動機については、もう少しドラマチックなことがあったのではないかと思いながら読んでいたので拍子抜けしたが、 一応、作品の中の世界では成立しうるかな、という気もする。 ラストも、これまでの石持作品の中で一番良かった。 | ||||
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密室殺人を扱った本格ミステリーだが、探偵が密室トリックや犯人を暴くストーリーではなく、はじめから犯人と犯行方法が分かっている、TVドラマの「古畑任三郎」のような、いわゆる「倒叙もの」のスタイルをとっている。 「倒叙ミステリー」とはいえ、なぜ犯人は「密室状態」を構築してまで死体の発見を遅らせる必要があったのか、肝心の殺人の動機はなんだったのか、謎は、扉と同様に伏せられたままである。 物語は、犯人・伏見の犯行から始まり、中盤までは伏見の「事後」の成り行きを思惑通りに進めるための、臨場感あふれる心理描写中心に展開し、終盤、探偵役の女性・優佳(ゆか)と伏見との緊迫感のある「対話」へとなだれ込む。そして彼女によって事件の真相が暴かれ、最後に「密室の扉」が開かれる。 その場の皆が騙されるなか、ただひとり勘の鋭い優佳に疑問を抱かれ、伏見が焦る場面などは迫真で、おもわず手に汗握り、自分が犯人になったような気がしたほどである。 著者の石持浅海の作品は’02年のデビュー作『アイルランドの薔薇』をはじめ、’03年、各社のミステリーランキングの上位に選ばれた佳作『月の扉』、’04年、水族館を舞台にした話題作『水の迷宮』を読んできたが、いずれも程よい長さで、展開がスピーディで緊迫感にあふれていて面白かった。 本書もその例に漏れず、いやそれ以上に最後まで緊張感を持って、一気読みをしてしまった。さすが’05年のいろんなミステリー・ベストテンで上位にランクインされたミステリーである。 余談だが、そういう役回りを著者が演出したんだろうけれども、探偵役の優佳が私にはイヤミに感じられるくらいに個性的に描かれていて、ハナについてしまい、決してこういう人とはお近付きになりたくはないと思った。 | ||||
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天才的頭脳を持った犯人vsそれを上回る頭脳の探偵役、のシンプルな構図ですが、 この作品は一味違います。 疑念が不審に変わり、推測が推理に発展し、ついには結論へ。 これが閉ざされた密室のまま行われるとしたらどうでしょう。 ある意味、形を変えたアームチェアディテクティブのようなものですが、実際読んで みると新鮮です。着地もひねりが効いていて見事。 動機は納得出来かねますが、特にマイナス要因とは思えず、私は気になりませんでした。 この作品のポイントはそこではないですからね。 ボリュームもコンパクトにまとめられ、新鮮度の高い作品です。 | ||||
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