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(短編集)
天外消失
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天外消失の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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様々な作家の作品を集めた短編集となっています。 ジャンルも問わない感じでいわゆるポルノ小説を書いていた人もいますし SFの大御所、娯楽小説の大御所までもその名前を連ねています。 その中で秀逸な作品はいわゆる完全犯罪が書かれたものです。 敵はなんとしても犯人を落とそうとする、それが小説の常です。 だけれどもその作品の犯人は完璧に足を残さないために 自分の家を利用したある狡猾な手法によって完全犯罪をなしえるのです。 ただし、手法は非常にえげつない代物ですので くれぐれも食事中の読書のパートナーにこいつを選んではいけません。 食欲が減退する恐れがあります。 もう1つの作品はこれとはケースが違いますが完全犯罪です。 ただしこちらの場合はハッピーエンド(?)ではないですが。 だけれども間違いなく、完全犯罪です。 他には読者のその謎の裁量をゆだねる作品もあります。 ユニークといえるでしょう。 あなたはどちらを選ぶでしょうか。 ちょっと訳が堅苦しいかもしれません。 | ||||
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1950年代のミステリ作品を収録した短編集。驚いたのは、今読んでも古くささを感じさせないところ。翻訳が素晴らしいのだと思うが、変に引っ掛かるところもなく、純粋にミステリを楽しめた。すべての作品が面白いと言えるわけではないが、3分の一くらいは、自分の好みだった。他で読めない作品も多く、ミステリマニアを自称するなら必読なのかもしれない。 | ||||
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『天外消失』は、<世界ミステリ全集>の最終巻『37の短編』(1972年)というアンソロジーから、14編を選んでまとめられたものだそうだ。現在は他ではあまりお目にかかれない作品ばかりとのこと。なるほど、歴史に埋もれさせてしまうのは惜しい名品ばかりである。 クレイトン・ロースンの名作『天外消失』が読みたくて、本書を手にとったのであるが、近頃読んだ中では”当たり”アンソロジーだった。 エドガー・ライス・バロウズ『ジャンル探偵ターザン』、メグレ警部登場作のジョルジュ・シムノン『殺し屋』といったシリーズものの短編から、リドル・ストーリーとして有名なフランク・R・ストックトン『女か虎か』、背筋を凍りつかせるフレドリック・ブラウン『後ろを見るな』といった著名な作品が収録されている。 ベスト3を選ぶなら、ブレッド・ハリディ『死刑前夜』、クレイトン・ロースン『天外消失』、C・B・ギルフォード『探偵作家は天国へ行ける』だろうか。 ■死刑前夜 メキシコの鉄道工事の現場へふらりとやってきた男サム。技師として働きたいという。ラジオからは、殺人犯がメキシコ国境方面へ逃亡したとのニュースが流れていた ・・・ 「ヒッチコック劇場」として映像化されたとのこと。殺人犯とおぼしき男の奇妙な友情が描かれる。あっと驚くどんでん返しが秀逸である。 ■天外消失 読心術者の予言どおり、キーラー判事が、警察の監視する中、電話室から突然消えた。警察が確認すると、通話中の受話器からは「手がかりが切れましたよ、警部補殿」の声が ・・・ 人体消失トリックの名品である。ネタばらしまで、このトリックを見破ることができなかった。無念 ・・・ ■探偵作家は天国へ行ける 探偵作家アリグザンダーは、自身の死因に納得がいかない。心臓麻痺と思っていたのが、殺人だったのだ。天使長ミカエルは、わめきちらすアリグザンダーのために、死亡するまでの一日を復活することを約束する ・・・ 自分を殺した犯人を、自分が探偵するという趣向のミステリ。どこかで目にしたことのあるようなプロットだが、はてさて ・・・ その他の作家陣は以下のとおり。 エリック・アンブラー/アーサー・ウイリアムズ/ジョン・D・マクドナルド/イーヴリン・ウォー/アル・ジェイムズ/ポール・アンダースン/スティーヴン・バー なお、『37の短編』の残りの24作品うち12作品は、ハヤカワポケミス『五十一番目の密室』で読むことができる。 | ||||
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どうにも、「佳作」レベルのものばかりで面白い物は余り無い。 昔々に刊行された短篇集「37の短編」の37編の中で、現在、他のアンソロジーに収録されていない物を収録しているとのことですが、他のアンソロジーに収録されていないということは、要はそれほど面白いもんじゃないってことですね。 配置にしてもなんか適当だし(「後ろを見るな」をその位置に置くなよ)、他の作品集に収録されてるものも入ってるし(「後ろを見るな」は『まっ白な嘘』に収録されてる)、「ジャングル探偵ターザン」などという、ミステリーとして収録する意味有るのかと思うような作品もある。 ミステリーにしてはお粗末だし、SFでもないし、奇妙な味の話でもない。 正直、例の「37の短編」のファンか、資料的な価値を見いだせる人以外は読まないほうがいいと思う。 | ||||
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表題作は、原文に問題があるのか訳文が悪いの分かりませんが、日本語として読みにくく、解決編を読んでも腑に落ちませんでした。 とはいうものの、全体的に水準の高い作品が収められており、なかなか単独の短編集を出してもらえないような作家の作品をまとめて読めるという意味でも、ミステリ好きなら読んで損は無いでしょう。 | ||||
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本書は、1880年代から1960年代に発表された海外ミステリ14短編によるアンソロジーで、バラエティに富んだ作品が選ばれているのが特徴です。 翻訳を著名な推理作家、翻訳家が務めていることにも注目です。 <★5つの作品> 【天外消失】 奇術師探偵マリーニーが活躍する「人体消失」を扱った密室ミステリ。 逃亡を企てる判事が街中にある電話ボックスに入り込む。 周囲を見張っていた警察が、ボックスを覗き込むと眼鏡を残して、判事は姿を消していた。 外されていた受話器から聞こえてきたのは、何と消えた判事自身の声だった…。 【死刑前夜】 二人称で新聞記者に向けて語られる、アメリカ・メキシコ国境付近で起きた技師長殺害事件。 最後の数行に、驚くべきオチが待っています。 【探偵作家は天国へ行ける】 刺殺されて天国に旅立った探偵作家は、天使長の計らいで、死の一日前に戻され、犯人探しを始めるが…。 【最後で最高の密室】 軍人の男性が屋敷内の完全密室状態の部屋で、首を切断され、死亡していた…。 <★4つの作品> 【エメラルド色の空】 死亡した60歳の男性の体からは、砒素が検出された。秀逸な毒殺ミステリ。 【女か虎か】 別の作品集で読んだ記憶あり。リドル・ストーリーの古典的名作。 【火星のダイヤモンド】 無人宇宙船からの宝石消失事件の謎を、火星人探偵が解くという、SFミステリ。 <★3つの作品> 【ジャングル探偵ターザン】 密林での誘拐事件をターザンが捜索する、異色の一編。 【殺し屋】 メグレ警部がポーランド人盗賊団の事件に挑む。 【この手で人を殺してから】 一種の完全犯罪もの。 【後ろを見るな】 二人称形式による意外な仕掛けの一編。 【懐郷病のビュイック】 銀行襲撃事件を解く鍵は、意外な点にあった…。 【ラヴデイ氏の短い休暇】 ブラック・ユーモアの一編。 【白いカーペットの上のごほうび】 酒場で知り合った女性から、マックは意外な約束を突きつけられる…。 | ||||
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14編の短編には、ターザン物あり(初めて小説を読んだ)、メグレ警視物あり(久しぶりに読んだ)、奇妙な味、本格推理、SF的舞台、密室物と、作家とジャンルを総なめにしている感がある楽しめる作品集だ。 「ああ、やられた」と思う作品もあれば、「にやり」とする作品もある。「探偵作家は天国に行ける」に至ってはオチの仕掛けに爆笑だ。 早川ミステリを読んだのは久しぶりだった。推理小説をよく読んでいた頃、文庫本に比べて大判で洋書風の黄色い天地・小口は、読んでいるとなんか背伸びをしているような気持ちだったことを思いだした。久しぶりにまた背伸びをしてみたい気持ちになった。 | ||||
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あまり、お勧めできない。 これより、乱歩編の「世界短編傑作集」を再読するほうが楽しめた。 | ||||
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’72年2月から翌年9月にかけて早川書房から<世界ミステリ全集>全18巻が刊行された。本書はその最終18巻目『37の短篇』から、今日ではまず他でお目にかかることの出来ないであろう14編をチョイスした短編集である。 いくつか挙げてみると・・・ 「死刑前夜」ブレッド・ハリデイ:死刑囚の語る顛末には最後に大きなオチがあった。 「殺し屋」ジョルジュ・シムノン:ご存知メグレ警部ものの、ひとひねりある逸品。 「エメラルド色の空」エリック・アンブラー:スパイ小説の巨匠が挑んだ本格ミステリ。 「天外消失」クレイトン・ロースン:奇術師探偵マーリニーが、独特の、そして得意な手法で人間消失の謎を解く表題作。 「この手で人を殺してから」アーサー・ウイリアムズ:倒叙スタイルのクライムストーリーの傑作。 「ラヴデイ氏の短い休暇」イーヴリン・ウォー:最後の一文でぞっとさせるサイコスリラー。 「探偵作家は天国へ行ける」C・B・ギルフォード:一度死んだ男が真相を探るためにしばし現世に戻るというユニークな発想の一編。 「女か虎か」フランク・R・ストックトン:結末を読者にゆだねるというあまりにも有名な異色作。 このほかにも、ターザンが探偵役をつとめる類人猿ものや、火星人探偵が密室トリックを暴くSFミステリなどジャンルの隙間に嵌ってしまった作品をはじめ、本格もの、パルプフィクションものなど、本書は30数年の時を経て復活した、マニア垂涎の短編集である。 | ||||
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◆「天外消失」(クレイトン・ロースン) 汚職判事を二人の刑事が尾行していた。 判事は停車場の案内所の前を通り、ズラリと並んだ 電話室に向かうと、真ん中あたりのボックスに入った。 判事がそのボックスに入ってから、二人の刑事は、ずっと、 監視していたのだが、いつまで経っても判事は出てこない。 不審に思った刑事達が、ボックスを開けてみると、そこに判事の姿はなく 受話器ははずれてぶら下がり、床には片方のレンズが砕けた角縁眼鏡 が落ちていた。 そして、刑事が受話器を取り上げ、話しかけてみると、なんと、 電話口から刑事をあざ笑うかのような消えた判事の声がした。 「手がかりが切れたよ、警部補殿」――と。 有名な《人間消失》トリック。 人間の先入観を巧妙に利用したミスディレクションです。 ◆「この手で人を殺してから」(アーサー・ウイリアムズ) 養鶏場を経営する「わたし」は、自足した生活を守るため殺人を犯す。 その手口とは……。 倒叙形式で完全犯罪を描くクライム・ストーリー。 静謐な狂気を湛えた語り口が、きわめて現代的です。 ◆「死刑前夜」(ブレット・ハリディ) メキシコで鉄道工事を指揮していた「あたし」の許にアメリカから来た サムという男が補欠の技師をやらせてくれないかと持ちかけてきた。 ちょうどその頃、アメリカのある殺人犯が、 メキシコに逃げ込んだとの報道があって……。 翌日に死刑を控えた「あたし」が、新聞記者に事の顛末を語り聞かせるという形式。 巧妙な語りの果てに結末で浮かび上がる真相は驚きとともに深い余韻を残します。 ◆「探偵作家は天国へ行ける」(C・B・ギルフォード) 殺された探偵作家が、その殺害犯を突き止めるため、 事件当日をやり直すという、《幽霊探偵》ものの嚆矢。 | ||||
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◆「天外消失」(クレイトン・ロースン) 汚職判事を二人の刑事が尾行していた。 判事は停車場の案内所の前を通り、ズラリと並んだ 電話室に向かうと、真ん中あたりのボックスに入った。 判事がそのボックスに入ってから、二人の刑事は、ずっと、 監視していたのだが、いつまで経っても判事は出てこない。 不審に思った刑事達が、ボックスを開けてみると、そこに判事の姿はなく 受話器ははずれてぶら下がり、床には片方のレンズが砕けた角縁眼鏡 が落ちていた。 そして、刑事が受話器を取り上げ、話しかけてみると、なんと、 電話口から刑事をあざ笑うかのような消えた判事の声がした。 「手がかりが切れたよ、警部補殿」――と。 有名な《人間消失》トリック。 人間の先入観を巧妙に利用したミスディレクションです。 ◆「この手で人を殺してから」(アーサー・ウイリアムズ) 養鶏場を経営する「わたし」は、自足した生活を守るため殺人を犯す。 その手口とは……。 倒叙形式で完全犯罪を描くクライム・ストーリー。 静謐な狂気を湛えた語り口が、きわめて現代的です。 ◆「死刑前夜」(ブレット・ハリディ) メキシコで鉄道工事を指揮していた「あたし」の許にアメリカから来た サムという男が補欠の技師をやらせてくれないかと持ちかけてきた。 ちょうどその頃、アメリカのある殺人犯が、 メキシコに逃げ込んだとの報道があって……。 翌日に死刑を控えた「あたし」が、新聞記者に事の顛末を語り聞かせるという形式。 巧妙な語りの果てに結末で浮かび上がる真相は驚きとともに深い余韻を残します。 ◆「探偵作家は天国へ行ける」(C・B・ギルフォード) 殺された探偵作家が、その殺害犯を突き止めるため、 事件当日をやり直すという、《幽霊探偵》ものの嚆矢。 | ||||
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遠い昔に絶版になり、幻になっていた名アンソロジーの復活版。 とはいっても、ボリューム的にはオリジナルの半分もないわけだが、 他の短篇集や傑作集に未収録の作品が選ばれていて 満足感は充分です。 近年、注目を浴びる機会が増えた短篇ミステリですが そのなかでも群を抜いた面白さでしょう。 | ||||
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