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女王陛下のユリシーズ号
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女王陛下のユリシーズ号の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 1~20 1/3ページ
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古典の有名作ですが、今読んでもユニークで面白かったです。が、同ジャンルの作品はいまだに無いのはわかる。好きな人も同形作は作りたくないと思われる独特な作風ですね。 冒険小説の人気フォーマットからは完全に外れた展開です。嫌がる男性も多いのでは。私も・・。後書きで訳者は吉村昭『戦艦武蔵』と対比していましたが。 第二次世界大戦下の切迫したUK。極寒の北極海での過酷な任務を続ける、最新鋭の巡洋艦で艦隊旗艦ユリシーズ号。同盟のソ連への物資補給の船団護衛の北極海での最後の任務が下る。乗員の心身の限界をとうに超えた状態。待ち受けるドイツの大軍。ユリシーズ号含む輸送艦隊はどうなるのか? | ||||
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第二次世界大戦中に英国からユリシーズ号がソ連を援助するための船団を護衛する。当然だがドイツ軍はUボートなどで作戦を阻止するのだが、そのユリシーズ号の絶望感が半端ない。北極圏内での戦闘は死と背中合わせの状態で、常に極限状態でいることをクルーに求められる。ドイツ軍の攻撃も容赦ない。次々に撃沈される船、そして次々と死に至るユリシーズ号の男たち。自分が暖かい場所にいても凍えてしまいそうな描写に舌を巻く。軍事作戦を遂行する男たちの勇気や責任感を感じる作品である。 | ||||
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大人気をとった劇画「沈黙の艦隊」はその連載中、ある作家(評論家だったか)に「面白い。だけど人間が出てこない」と評されたが、この「女王陛下のユリシーズ号」に出てくるのはひたすら「人間(ただし男ばかり)」である。ユリシーズには「沈黙の艦隊」のやまと艦長のような超人的天才は乗っていない。司令官も艦長も判断ミスを連発する「人間」である。そこが共感と臨場感を生む。古典的なエンタメ群像劇なので、昨今の群像劇にありがちな人物造形が定形的になりすぎているきらいもない。ラストの「凄まじい戦場現場と静かな中央最高指揮部とのコントラスト」などはちょっと定形的な気もするが・・。ユリシーズが猛攻をうけながらなかなか沈まないのはちょっと「宇宙戦艦ヤマト」っぽいかな・・。訳注がひとつ間違っている。ティルピッツが転覆座礁したのはアルタ・フィヨルドではなくトロムソである。 | ||||
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古い本なので期待以上でした。満足です。 | ||||
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厳しい海をゆくユリシーズ号とその乗組員たち。 強さと弱さを併せ持つ。 弱さを持っているからこそ誇りがある。 戦う男、燃えるロマン。 その体現がこの作品である。 古くなった文庫本は今も宝物。 しかし、目の老化が進み、小さい字はもう読めない。 電子書籍化を期待します。 | ||||
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この作者のデビュー作にして、最高傑作!あまりに凄い内容なので、映画版を見たいと思ったが、映画化されていない!? 1970年頃に少年サンデーに連載されていたらしいが、未見。 単行本にもなっていないらしい? どうせなら、日本の技術を結集して、深夜アニメにするべきですね!それなら、長い小説でも、持ち味を生かして、映像化できる。個人的には星100つ。規定で、星5つ。 | ||||
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枢軸国が全体主義で連合国が自由主義というのは、勝者によるプロパガンダの定着でしかない。 総力戦が政治的、思想的団結力を要請するのであるから、当然連合国側にも全体主義はあったのである。 自己犠牲、マチズモ、ヒロイズム。鋼鉄の意志、不屈の男たち、不滅の魂。 ラルストンのようにふるまうことは尊い。しかし、それを称揚し、ナルシシズムを刺激し、あまつさえそれを強要しようとする者は醜悪である。国民より国家の存続を優先する者、暖房の効いた安全な後方にあって前線に犠牲を強いる者、苦悩を知らぬ優等生、空っぽな人間、扇動者、自覚なきファシスト、海軍軍令部次長ヴィンセント・スター中将。組織への忠誠を至上命令とするが故に組織の中で台頭し、権力を握る。 ユリシーズと乗組員たちの最後の一週間は美しすぎるが故に、警戒が必要である。本書は「戦艦大和ノ最期」「樅の木は残った」と同様に危険な書物である。上質なエンターテイメントとして冷徹に割り切れるようになるまで再読せねばならない。 情報密度とリーダビリティの両立。処女作にして職人技。描写力が臨場感を支える。その場にいた人間にしか分からない感情。 (以下抜粋) "この艦は、固形性を、実体を、輪郭の明確を欠いていた" "危険のあるところ、死のあるところ、ユリシーズの姿をもとめると、ユリシーズは霧峰のかなたから亡霊のように現れるのだった" "悪い夜、眠りなき夜。甲板の上でも下でも。当直でも非番でも" "沈む艦の内部にとじ込められるという不安はつねにあった。男たちの意識の隅につねにあった" "われわれは消耗品だ" "と、彼の手が主スイッチにでもふれたかのように、ユリシーズの全砲口がいっせいに火を噴いた。大気は煙と、コルダイト火薬の燃える刺激性のにおいで充満した。四囲の音響は形容のしようもない。そのとたん、ターナーはむらむらと、異様なよろこびがわきあがるのを覚えた……ハインケルがなんだ、滑空爆弾がなんだ、と彼は思った。これこそ、自分が待ちのぞんだ戦いではないか" "ニコルスが別れてきたあの奇妙な、おのれをわすれた生ける亡者の乗組員は、挑戦にひるみ、自分らの不運をなげくまいことか、莞爾として、いや、こおどりして敵を迎えた" "前も後ろも、上部構造物は、破れた鋼鉄のよれねじれた信じられぬ残骸であった。二本のマストは折れてなくなり、煙突はどちらもこわれ、ひんまがり、主砲射撃指揮所は大破して異様にかしいでいる。艦首楼と艦尾楼の大破口、砲架からもぎとられて甲板にぶざまになげだされた後部砲塔からは、まだ煙がふきでている。コンドルの残骸は、三番砲塔にはすにつっ込んだまま、シュトゥーカの一機は翼のつけ根まで艦首楼甲板にめり込み、さらに彼は、魚雷発射管横の舷側が水線付近までざっくり裂けていることを知っていた。ユリシーズは、悪夢からぬけだしてきたなにかであった" 40ノットもしくはそれ以上、敵に向かって驀進する。 ユリシーズ。オデュッセウス。長い苦難の旅路。 シビレル。 | ||||
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日本人には馴染みの薄い、バレンツ海、北極海、ノール岬、アルタフィヨルド、ムルマンスク等をネットで調べ冒頭にある地図を確認しながら英国対ドイツの戦いを画として想像し読み進んだ。 32隻の船団は補給物資を積んでロシアを目指すが過酷な環境と状況の中、辿り着いたのは最終的に5隻… 激甚な天候と酷寒、絶えず求められる緊張による疲労と衰弱、雲間から現れる爆撃機と姿の見えないUボートの波状攻撃。本土からの援軍は皆無で僚艦は一隻一隻やられ脱落してゆく。 詳細な乗員一人一人の個性よりも敵襲による轟沈、炎上、痛々しいまでの戦艦内部の破壊と損傷、俯瞰とクローズアップの両方で描写されている死屍累々の唯々悪くなって行く状況を延々と読まされると言う印象が強い。 長く苦しいこういった文章でこの作家が何を言いたかったのかは大変良く伝わって来る。ヒーローの存在もご都合主義の展開も無い。生還者が幕僚達にユリシーズの最後を報告する場面にも救いは得られず重く垂れこめたような雰囲気だけが残る。 | ||||
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早く届いた 内容は相変わらず 素晴らしく一気読み‼️ カバーか変わったのでマイナスに… | ||||
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この海洋冒険小説を読んだ人はある意味、選ばれた人と呼んでいいのではないでしょうか。 それくらい本作を読むということは、生涯わすれがたい貴重な読書体験だと思います。 それは例えば自己の全てをかけた大恋愛のすえに失恋した人の胸に残る永遠の愛の記憶のようなもの、とでも言えばいいのでしょうか。誤解のないように言っておきますが、本作には恋愛シーンはいっさい出てきません。 ひとことで言えば、連合軍の大輸送船団を護送するための艦隊の旗艦「ユリシーズ号」が、スコットランド最北端の港からアイスランド、スカンジナビア半島沖を経由してソ連のムルマンスクまで向かう一週間ほどの航海の物語です。 航海中に遭遇する荒れ狂う北極海の大自然との闘いや、ナチスドイツの潜水艦Uボート、巡洋艦、爆撃機、戦闘機との決死の闘いの模様が五百数十ページにわたって淡々と語られて行きます。しかも、ヴァレリー艦長以下乗組員の命がけの努力が最終的にはほとんどすべて挫折する、あまりにも苦々しい物語です。 しかしながら、それを読んだ読者の胸に、その後の人生を支配するほどの貴重な何ものかを刻みつけずにはおかない傑作です。そんな点が、大恋愛のすえの失恋に似ているような気が個人的にはしています。 この作品が大好きだという女性のレビュアーさんが何人もいらっしゃることからも分るとおり、ヴァレリー艦長以下ユリシーズ号の乗組員たちが、次々に降りかかる危難にあたって口にする言葉や英雄的な行為の数々は、男女を問わず読む者の心を揺さぶらずにはいません。 アリステア・マクリーンが本作を世に出してから60年余り、海洋冒険小説の古典的傑作との評価は、もはや揺るぎないものがあると感じました。 | ||||
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世はバーチャル・リアリティなんたらがおおはやりである。 赤と緑のセロハン眼鏡の映画館も楽しけりゃ、ゴーグルにむりやり携帯電話を押し込んで眼精疲労マックスで堪能する3Dもいいよね! だが、要するにテクノロジーの助けを借りていかに脳みそをだまそうかというレベルのお話。 まあ、あと10年もすりゃ、相当な領域に達するのも間違いないでしょうな。 だが、真の仮想現実の構築は、自分の脳みそ「だけ」でやるのさ! それを可能とするアイテムが本書である。 嘘だと思うなら、ためしにベッドに寝転がって読み始めると良い。 はじめは退屈。表現もなんか大げさじゃね?まあ、我慢我慢。 そのうち寝て読んでいられなくなるから・・ 言っておくけど、血湧き肉躍るとか、興奮して居ても立ってもいられなくとか、 そんなんじゃないのよ。 申 し 訳 な い ん だ よ この人たちが、想像を絶する厳寒の海でこんなにも頑張って頑張って頑張ってるのに 俺一人こんな布団の上でぬくぬくと・・申し訳ない!ごめんなさい! 何もできない俺をゆるしてくれええええ!!! 過酷とか壮絶とかそんな言葉の問題じゃないのよ。 目の前に「現れる」絶望の光景を前に、こんなところでこんなことしかできない自分を責めることしか! ・・・ 30年前の実体験ですが、煎餅布団から突如立ち上がった後、 読み終わるまで、小汚い下宿部屋の中をうろうろ歩き回ったことをはっきり覚えています。 心をゆさぶらる「読書」は数在れど、実際に肉体まで突き動かされた「体験」は、後にも先にもこのときだけです。 ある意味、唯一無二。 ユリシーズ号の乗務員たちと共有する極限の「体験」が、 戦争はダメだよとか、人はこうあるべきだよねとか、言葉によるあらゆる毀誉褒貶を、 心を切り裂く寒風と共にこの世の果てまで吹き飛ばすことでしょう。 | ||||
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名作。これぞ冒険物の真骨頂。 何度も読み返しました。 確かに、他の方も書かれているように・・ 読まずに死ねるか! 感動します。 壮絶で冷酷で熱い、男達の海の世界を味わいたい方、 ぜひ、どうぞ。 | ||||
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海洋冒険小説の白眉といって差し支えないでしょうね。男達の闘いと生き様、死に様を通して、人間の誇りとはなにかを考えさせてくれる。単なる冒険小説を越えたものが読後に残る名作。 | ||||
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自分が探し求めていた様な小説でした。 メインとなる主人公艦は、活躍をする訳ではありません。 ひたすら、自然やドイツ軍に嬲られ続け、大きな戦果をあげる事もなく物語が終了します。 だけど、それがかっこよかった。 たった一つ作戦を丁寧にそして海の男達の生き様が描写されています。 正直な話今まで、 戦記小説やドキュメント物は読んできましたが、 心の友から面白いというものはあまり無かった。 このジャンルが好きである為に読んできたという部分が少なからずありました。 しかし、この本は違います。心の底から面白かった。どのシーンが、良かったかといえば目立つシーンがないため思い出すのは難しいです。 でも、本を通しての良さが滲みでてきます。 また、ドイツ軍の方が一枚上手で、主人公達の翻弄されてる感じも非常に良い感じでした。 ただ、難点をあげると 地味です。活躍も物語の起伏少なめ坦々とピンチが訪れます。だんだんと状況が悪くなって行く感じです。 好きな人には受けるでしょうが、苦手な人も多いのではないかと思います。 まぁ、そういう人が手に取る様な作品でも思いますがね。 永遠の0とか好きな知り合いに薦めてみたら、クソミソでしたよ。 万人にはウケなくとも、非常に優れた作品だと思います。 | ||||
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ずいぶん以前に読んで、この本の面白さは知ってました。もう一度読みたくなったものです。 | ||||
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むかしむかし子供の頃に漫画見て以来、もう一度見たいと忘れる事がありませんでした。 今回原作を見つけて読んでみた訳ですが、前半のまわりくどさにはいささか閉口したものの、 後半の臨場感溢れる戦闘シーンになると、子供の頃に味わった時の感動、悲しさがよみがえってきます。 買って良かったと思います。 | ||||
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久しぶりに読み返したくなり、 買いました。 なんと苦しいl週間なんでしょう。 | ||||
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戦争小説のタミヤ模型と言うか、とにかくリアルで迫力があり、作者の情熱が凄まじく、日本でなら、芥川賞・直木賞が取れる出来です。 司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」でも、日本海海戦場面は凄まじい描写ですが、あれを遙か〜に凌ぎます。 (余談ながら、この本を初めて読んでから十数年後、とある元英国領の島へ、経由地として飛行機が着陸し、銃を持った黒人兵が監視する空港の売店を覗いたら、マクリーン作品が目に付く場所に、ほぼ全作品(ペーパーバック)が棚に有ったのは驚きました。そのまま購入を考えたものの、待てよ、日本語訳ですら読むのが大変なのに原書はなぁと思い、断念。それくらい、英語圏の人々には好まれる書物なんですね。) ラストで、生き残った人物が思い人(女性)に会おうとするネタもあり、激闘の余韻から抒情詩となってエンディングを迎える所も司馬・マクリーン共共通してます(偶然です)。 今映画化するなら、タイタニックのキャメロン監督に任せるべきかと。 ネットには、宇宙戦艦ヤマトの元ネタなんて話もありますが、浪花節的な要素も多分にあり、病身に鞭打つ艦長とか、親を見殺しにしてしまう下士官とか、泣かせる話も満載。マクリーン作品は後半から一気に畳み掛けて来ますので、体力のある時に読んでおくのがよろしいかと。 | ||||
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海戦映画・戦記小説と言うと誰もが戦艦の大砲撃戦、空母機動部隊の殴り合い、水雷戦隊の夜襲、潜水艦VS駆逐艦の息詰まる死闘という物を連想するが、それらの裏方に潜むロジスティクスに目を向けられた作品は少ない。船団護衛戦、すなわち補給を巡る戦いが戦争その物を決するという事に、私が気づくきっかけになった名作である。勇壮・悲壮という感情面だけで評価してしまうには惜しいと思う。本作を読後に「海上護衛戦」に巡り合い、戦争では何が重視されなければならないかを考えさせられた。 | ||||
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冒険小説やハードボイルドは、どこか嘘くさくてあまり読まないのですが、この作品には感動しました。 何度か読み返してますが、読み返すことを決心するまでかなり逡巡します。(それゆえ★4つ) なにしろ、男たちが次々に死んでゆく…。救いがないのです。特に後半は戦闘の場面なのに、何やら音のない、サイレントの映画を見ているような気持ちになって、荘厳ささえ感じます。読み終えたときは、疲れとともに思わず合掌したくなります。(ワタシは一応仏教徒なので)こんな気持ちになるのは本書だけです。 ちなみに、『女王陛下…』は誤訳じゃないか、と小生も思ってハヤカワに質問したことがあります。回答は「誤訳だったが定着したので」とのこと。こんな初歩的なこと初版当時からすぐ気が付いた人があったはずなのに、なんでそのままにしたのか?、という肝心なところは回答にありませんでした。しかし、語感的に『女王陛下の・・」という方が登場する男たちに捧げる題名としてもふさわしく思え、変更する必要はまったく感じません。フィクションですしね。 | ||||
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