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汝、星のごとく



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【この小説が収録されている参考書籍】
汝、星のごとく
汝、星のごとく (講談社文庫)

汝、星のごとくの評価: 4.26/5点 レビュー 292件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.26pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全292件 281~292 15/15ページ
No.12:
(5pt)

「それでもわたしたちは生きていく」

なんて人生はこんなにもままならないんでしょうか。
最後のエピローグでもう何とも言えない気持ちになってしまった。不意打ちのタイトル回収…。
正しさに押しつぶされつつも必死に生きた登場人物たちの物語でした。

にしてもとっても引きずる読了感…。
読み終わったあとに変な声出してしまうくらいに。
片方が上がると片方が下がってるというか、でも最後はこの時飛び出せて良かったと思うし、良き最後だったと思えるという。
やっぱり凪良先生は凄いな。
読めて良かったです。
汝、星のごとくAmazon書評・レビュー:汝、星のごとくより
4065281490
No.11:
(5pt)

この本を読んで救われる人は多い事でしょう

"流浪の月"を読み、凪良ゆうさんの本は欠かさず読むようになりました。どれも読んで良かったと思える作品ばかりでした。
そんな中での今作、胸に響く作品は多々ありますが、実際に涙が出てしまったのは久しぶりでした(東野圭吾さんの"秘密"以来か)。
素晴らしい作品です。まだまだ凪良さんの作品は読み続けたいと思います。期待してます!
汝、星のごとくAmazon書評・レビュー:汝、星のごとくより
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No.10:
(5pt)

自分の幸せを考えた。捨てると選択。

女性を愛する女性の私は、付き合う事も好きだとも言えず好きな人がだらだらと長く心の中にいる事をどこか恥ずかしいと思っていた。13年付き合っていた彼女が知らない男と子供を作って分かれざるを得なくて、今でもたまに連絡をとっている事を恥ずかしくて情けないと思っていた。でも何に対してそう思っていたんだろう。自分は人と違うと幼稚園の頃に気付いて、生きて来たのに。
やっぱり本に出会う事に意味があるなと心から思った。自分を幸せは自分で決めるんだ。生きてるだけで迷惑かけあっているのに、正しく生きる事をどうしても気にしてしまう。誰に何を言われたら満足するんだろう。そこには答えは無いんだ。自分で捨てたり選んだり、傷付いて傷付けて、泣いたり笑ったり、転んだり立ち上がったりして、過ごしていくんだ。
自由だと言ってもどこかに所属している。すごく納得して、安心した。経済的に自立する事は誰にとっても大切な事で、それもすごく納得した。一人で生きたいなんて全く思って無いから、自分で選んで誰かの関係に所属して、お互いに優しく生きていけたら良いな。
読む前よりも幸せという物が、窮屈でなく適度に緩くてどこかずれてて変でも、それでもお互いが思い合えれば、それを知ってくれている人が数人いれば十分だんだなと思えた。
本当に今このタイミングで読めて良かった。
凪良ゆうさん、ありがとう。良い日曜日になりました。
汝、星のごとくAmazon書評・レビュー:汝、星のごとくより
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No.9:
(1pt)

逃げ小説

大まかなストーリー、心理描写、構成力どれも好き嫌い分かれる内容ですが悪くないと思います。
ですがやはり流浪の月と比べると凪良さんらしい繊細な心理描写なのですが薄く感じます。
星1にしたのはラストにかけてからの内容です。自分は恋愛がベースの小説でこの作品のような終わり方は逃げだと思っているので。
ラストにかけて映像化されてるようなお涙頂戴小説or映画のようなので星1。
勿体ないですね。
汝、星のごとくAmazon書評・レビュー:汝、星のごとくより
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No.8:
(5pt)

良作です

凪良先生の新刊ということで、読んでみました。
色んな感想があるだろうなーとか好き嫌いが別れるかもなーとは思いますが、自分は好きでした。

個人的には著作では「わたしの美しい庭」の方が好きかな?
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No.7:
(5pt)

あかん、泣いてしもうたがな。

夕方、西の空にひときわ明るく輝く金星。
宵の明星のことを”夕星(ゆうづつ)”と言うのを初めて知った。
打ち上げられた花火は”夕星”となって。
想いは同じなのに分岐点から遠ざかっていき、心の痛みは増すばかり。
たら、ればが繰り返される日々。
想いが重なる場所で、想いよ、ひとつになれとエールを送りたくなる。
珠玉のラブストーリーがここにある。
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No.6:
(5pt)

素敵な作品です

主人公の紡ぎ出す刺繍の作品と、この作品の全体のイメージが似ている気がします。繊細でキラキラしている。そして儚いイメージなのに丁寧に紡がれているから芯があるけど、とても複雑な糸の交差。

久しぶりに心から感動した小説でした。
そして自分の人生と重なることも多くて読んでいるうちに物語の中にすっぽり入り込めました。
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No.5:
(4pt)

凪良さんは、愛の形をよく考えていると思います。

凪良ゆうさんの作品は、『流浪の月』と本作だけ読みました。

面白いですね。
凪良さんは、愛の形について、たくさん考えておられるのでしょう。
また、書き方もうまく、後半への盛り上がりも良かったです。

すばらしい作家です、読めて幸いです。
流浪の月ほど、本作は打ちのめされませんでしたが、心が現実から離れることができました。

次作も楽しみにしておりますm(__)m
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No.4:
(5pt)

自分の人生は他の誰のものでもない

主人公の暁美と櫂の恋愛を通して、愛とは、幸せとは何かを深く考えさせられる。

「自分の人生を生きることを他の誰かに許されたいの?」

この言葉は私の胸に深く響いた。

情報化が進み、様々な情報が簡単に手に入る一方で見失いがちな自分の人生、幸せ、愛とは何か。

普段周りの目ばかりが気になる方や、挑戦を躊躇っている方等、多くの人の目に止まればと思う。
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No.3:
(5pt)

冷たい正しさも、弱い優しさも、全て包み込んでくれるような小説。

親が毒親で苦しい。
毒親を切り捨てられない本人の自己責任。
配偶者に不倫された。
される方もされる方。そんな人を選んだ本人の自己責任。

ー生きづらさを吐き出しにくい世の中です。全て自己責任だからです。
「自己責任」は正論です。
薄情な時代ですが、他人の責任まで持つ余裕がないので仕方ない。
そういうわたしも正論側の人間です。

でもこの物語を読んで考えさせられました。
親を捨てることを選べない、不倫した配偶者への感情を割り切れない。
この弱さたちは「親や配偶者を捨てられない優しさ」でもある。

選べない弱さは、捨てられない優しさ。

はっとしました。
わたしは産まれてから何度も、そういう優しさに助けられてきた。
そういう優しさに生かされてきた。

だからといって全ての人の生きづらさに共感はできません。生きるのに精一杯だから。
だけどせめて、大切な人たちの、身近な人の「自己責任」に寄り添ってあげられる人になりたい。荷物を片側持ってあげられる人でいたい。そう思いました。

凪良さんはいつも、人間らしさを思い出させてくれる。
大好きな小説家です。
汝、星のごとくAmazon書評・レビュー:汝、星のごとくより
4065281490
No.2:
(4pt)

あなたの人生はあなたのもの

自分の知ってる言葉の範囲でしか人は思考出来ない、だから本を読む。
こんなに豊かな感情に触れ、共感できる本に出会えて良かったと思う本でした。
ストーリーはありきたりですが、
凪良ゆうさんにかかるとリアルに心エグる作品となっていました。
女性にかかわらずだれもが人生の根本として持っておきたい、自分の人生は自分のもの。
それを深いところで教えてくれる作品でした。
汝、星のごとくAmazon書評・レビュー:汝、星のごとくより
4065281490
No.1:
(5pt)

「自由に生きるには強さが必要」そんな身も蓋も無さを正面から容赦なく突き付けてくる一冊、だから良い

他人と同じ様には生きられない、そんな不自由さを抱えた人々をテーマにした作品を発表し続ける作家・凪良ゆうの新作。

割と「つかみ」の強い作家だけど今回もプロローグからフルスロットルの加速を見せてくれる。なんせ語り手で主人公と思しき女性・暁海が旦那と思われる男性が自分では無い女性と過ごす為に出掛けていくのをまるで近所へお買い物へ行くのと同じ様な気安さで見送る場面から始まるのである。しかも直後に続く娘と思しき若い女の子が友人と交わす電話口での会話がその状況がご近所に知れ渡っている事を裏付けるのだから堪らない。

それじゃプロローグでハッタリかまして読者を掴む事に全精力を注ぐタイプの作品なのかと思ったら、暁海の高校時代から始まる本編はもっと強烈。プロローグは精々が軽いジャブ、父親が浮気相手の元へ出奔し、共に暮らす母親はまだ高校生の娘に「お父さんを連れ帰って来てよ」と縋ってくるという骨に響く様なストレートが飛んでくるのである。

それのどこがストレートかと思われるかもしれないが、暁海の住んでいるのがしまなみ海道が本州と四国を繋ぐ、今治の対岸にある島、娯楽に乏しく他人の噂話だけが楽しみという住人ばかりのひどく狭い社会である、と説明すれば若き日の暁海が置かれた状況をご理解頂けるだろうか?

物語はそんな遣る瀬無い環境で好奇の目に晒され続ける暁海が京都からの転校生にしてシングルマザー家庭の少年・櫂がウイスキーの香りを漂わせている事に気付いた所から動き始める。暁海の親もなかなかの毒っぷりを撒き散らしているのだけど、櫂の一人しかいない身内である母親はその上を行く。

何度惚れた男に捨てられてもまた別の男に惚れて捨てられるを繰り返し、合間に息子に縋って「あんただけは一緒にいてよ」と泣きついてくるダメな女性の見本みたいな櫂の母親だけど、そんな毒親の見本みたいなのに育てられた、自分とそっくりの立場の異性がいると暁海が知った所で本作のギアは最高速に到達。

若くて健康な男女が二人揃えば深い関係になっちゃうのは当然の事なのだけど、愛し合ったからと言ってご都合主義満載な無敵の主役カップルになれる訳じゃ無いのが本作の厳しい所。この段階では暁海と櫂の関係は単なるガキの恋愛ごっこに過ぎない。先に言ってしまうと本作は暁海が34歳になるまでの物語なので「高校生編」は助走に過ぎない。

漫画原作者として東京の大手出版社から声を注目される存在となった櫂が高校卒業と同時に上京する事になるのだが、父親が出奔したままで母親が離婚を認めない上に相手の女性の家に灯油を手に乗り込んでいくという危なっかしい状態に陥った暁海は櫂と遠距離恋愛を選ぶ事に。

そしてここが重要なのだけれども、暁海にはこの時点で毒親全開な両親を捨てて櫂と東京へ旅立つという選択もあるにはあったのである。でも暁海はその選択肢を掴まない。「お母さんを残して行くのは不安だから」「大学に進む経済的余裕が無いから」という理屈で自己欺瞞に逃げ込み島に留まってしまうのである。好きに生きれば良いのにそうしなかったのである、ここ重要。

離島の女子高生に無理を言うなよ、と仰る方もおられるだろう。でも父親の浮気相手であり刺繡作家の瞳子が暁海の母親の放火騒動の際に助けに入った櫂との間で交わした会話がここで大きな意味を持つ。

「瞳子さんの言うてるのは正論やん。いっつも正しい強い人間なんかおらんよ。あかんって分かってても、そっち行ってしまうことがあるやん。人間はそない単純やない」
「きみのそれは優しさじゃない。弱さよ」

……ぐうの音もでないとはこの事であろう。そう、この時点での暁海の選択は自身の弱さゆえ、なのである。誰にも頼れない東京で生活していけるか、両親を捨てた事で地元の連中から薄情者扱いされるんじゃないか、そんな不安に負けるぐらいに、自分の足で踏ん張って立つ力と覚悟を持てない暁海が弱いから櫂と離れ離れになるという選択をしてしまった。ただそれだけの事なのである。

スタジオジブリの「耳をすませば」でヒロインの雫に対して父親が「人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。何が起きても誰のせいにも出来ないからね。」と諭す場面があるけども、人と違う・自分の望む生き方をしようとすればまず何かを言い訳にしてしまいがちな弱い自分に勝たなきゃならない……要するに「強さ」が無ければ自分らしい自由な生き方なんて絵に描いた餅。そんな身も蓋もない事を作者の凪良ゆうは本作で徹底的に突き付けてくる。

作中で描かれる「強さ」の正体も割と容赦ない。地元を離れても、身内と縁を切っても、周りから奇異の目で視られても、そんな諸々を気にしないで済む自活力があれば割と何とかなっちゃう事が次第に見えてくるのだけれども依存してくる毒親にどっぷりと侵されてある種の共依存関係に陥っている暁海には苦労が尽きない。

男女同権なんか一つも認めない昭和そのものと言った感じの暁海の勤め先は就職しても経済的余裕なんか与えてくれないし、戻ってこない夫に依存しきっている母親は新興宗教にハマって借金漬けに。でもそんなダメ過ぎる母親や職場の環境、島の状況を言い訳の材料にして現状に立ち向かおうとしない暁海の姿が一番しんどかったりする。

しかも肝心要の櫂との関係も歳月が過ぎていく中で東京と地元の距離より離れて行ってしまうのだから実に厳しい。原作を担当した漫画がヒットし、売れっ子になった櫂の周りに他の女の存在が明らかになっても「櫂に対して強気に出れるものが何一つない」という理由で目を瞑る様の何と惨めな事か……これもまた本作で作者が読者に突き付ける「自由に生きる為に必要な強さ」という奴なのであろう。

かくの如く序盤の高校生編をフルスロットルで突っ走り大ジャンプするのかと思われた物語はジャンプ寸前に「でも怖いから」とアクセルを緩めてしまった暁海自身によって奈落の底へと落ちていく。

それじゃ何の救いも無いじゃんと思わせておいて、しっかりと中盤以降も楽しませてくれるのだから凪良ゆうは一筋縄ではいかない。櫂の順風満帆だった人生と暁海のどん底を這いずり回る様な人生が次第に逆転していくのだから相変わらず見事なストーリーテリングだと言って良いだろう。凪良ゆうの作品に退屈の文字は無いのである。

ストーリーの起伏の付け方だけでなく、登場人物の造形にも作者の「らしさ」はしっかりと出ている。他人と違う生き方の先達役は瞳子だけかと思っていたら、序盤から登場して若い二人の為に何かと手助けをしてくれていた高校教師の北原、これが徐々に怪物染みた人物だと明かされていく展開に唖然。

序盤では島でただ一人のシングルファーザーとして一人娘を甲斐甲斐しく育てている良親の見本で主役二人の毒親とは対照的な好人物と描かれていただけに、後半でその本性を現すや櫂のパートナーで作画担当だった尚人がゲイであるという設定が可愛くみえるぐらいのぶっ飛んだ倫理観の持ち主だと明かされて大いに仰天させられた次第。本作は基本現実寄りの人物造形なのだけどここだけ「神さまのビオトープ」や「すみれ荘ファミリア」に近いというか……

波乱万丈の20代を過ごした暁海は瞳子や北原の協力もあって少しずつ「強さ」を得ていくのだけど、何も失わずに「強さ」が得られるほど人生甘くないと最後の最後で突き付けられるのだから本作における作者の容赦無さは際立っている。強さを得る引き換えに失っていたのが「時間」であったと気付かされる残酷さたるや……「何も失うことなく欲しい物だけ手に入れる事なんて、そんなムシのいい人生がある訳無いじゃん」と作者に思い切り突き放された様な気分になったのは自分だけではあるまい。

でも、残酷さは強烈なんだけども納得感が残るのが本作の不思議な所。回り道は果てしなく長かったし、失った物も大きいのだけれども「自分が望む生き方を貫く自由とそれを支えられるだけの強さ」という未来に向かって自分のペースで歩いて行ける権利を暁海が掴み取ったのが大きいんだろうか?

家庭環境や地元の状況を逃げ道にして自分の望む、他人と違った生き方から逃げた女の子が揉まれに揉まれまくって自分の足で立って周りに依存せず歩ける大人の女に成長していくという割とオーソドックスなテーマだったのだけど、波乱万丈のストーリーテリング・分厚く個性的な人物造形・そして割と身も蓋もない正論で攻めてくる容赦の無さが本作を突き抜けた物にしている。

「なりたい自分?選びたい人生?あるよ、あるけど現実は……」そんな自由から逃げる為の言い訳探しに必死になった経験の一つや二つ誰にでもあるのだろうけど、だからこそ誰にでも強烈に染みる劇薬の様な強烈さを持つ一冊。読み終えると何とも言えない苦味が口いっぱいに広がる作者らしさ全開の一冊だけれども、これを求めていたのだなと心底納得させられた凪良ゆうの最新作であった。
汝、星のごとくAmazon書評・レビュー:汝、星のごとくより
4065281490

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