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天使の傷
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天使の傷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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前巻の「天使の嘘」が面白くて直ぐ購入、直ぐ読破。 相変わらずテンポもよく情景も浮ぶ描写力は流石です。 内容もサスペンスとしてはよくできてると思います。 心に深い傷を持つ二人の、心引合う本能がお互いを助け、励まし、生きる糧になっていく話の流れが読みどころです。 ミレニアムのリズベットみたいにスーパーマンではなく、ミスやヘマもする所にも親近感湧きながら読みました。 作者の今後の作品も追いかけようと思います。 | ||||
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不器用な主人公二人が手を取り合い敵に向かう。 ヨーロッパでは結構な人気だつだのに日本ではあまり知名度無かったのが、読んだ途端ファンになりました! 次回にも期待大です! | ||||
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まあ、都会に住む大人向けの(しかも読みやすい)SF心理小説ですね。 まず、少女と男の2組の主人公たちのキャラクターが良い。 私は日本女性の癒しと優と嘘が大っ嫌いなのだが、そんな私の好みにピタッ!とはまった。 このままでも読めるが、第一作の「天使の嘘」から読み始めた方が面白さが違います。 何故なら。 この作中に重要な役割で出て来る議員と主人公イーヴィーとの関係のヒントが、 とある家政婦の名前を通して一作目の中に隠れているからです。 電子と読本とどちかがいいかというと、私はこれは紙の方がいいような気がしました。 何故なら、イーヴィーのつぶやきの空白の中に色々な感情を示唆するものがこめられているからです。 電子リーダーだとその虚無感が掴み難いかもしれません。 | ||||
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本作は、嘘を見抜ける能力をもつ少女・イーヴィと臨床心理士のサイラスを描いたシリーズ2作目にあたる。 前作では部分的にしか語られなかったイーヴィの過去だが、本作ではメインストーリーと大きく関わってくる。 前作同様、サイラスとイーヴィの二人が交互に語り手となって物語は進んでいく。 元警視の不審死の謎を追うサイラスと、自身の過去を追走するイーヴィ。 なぜ元警視は死んだのかという現在進行形の謎と、イーヴィの過去に登場する人物は一体何者なのかという過去の謎。 この両輪が物語を牽引していく。 また、サイラスとイーヴィの抱える決して癒えることのない心の傷と孤独も前作同様丁寧に描かれている。 ミステリーとしての面白さはもちろんのこと、彼ら二人の内面を見事な筆力で描写している点も本作の魅力と言えるだろう。 | ||||
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「きっとよくなる。何もかも大丈夫。わたしがそばにいる。」 これらを世界の三大嘘っぱちと呼ぶイーヴィは、そう結論付けざるを得ないほどの過酷な経験をしてきた。 想像を絶する状況をたった一人きりで生き抜いてきた彼女は強くもあり美しくもあるが、それらは悲しさと痛ましさの上に成り立っている。 涙はとっくに枯れてしまい、後に残ったのは「こうなるって言ったのに。」という諦観だけ。 そんな彼女に対してサイラスは一体何ができるだろう。 確かにサイラス自身も想像を絶する過去を抱えている。 そしてそのことをイーヴィも知っている。 しかし、互いの傷を知っていることと互いの傷が癒されることは同義ではない。 また、イーヴィは嘘を見抜ける能力を持ってしまったことで、常に「意地が悪く粗削りで卑劣」な正直さに晒されてしまう。 常に真実を突きつけられるということは、思いやりや敬意を得る機会がほとんどなくなるということに他ならない。 それほどまでに真実や正直さというものは鋭利で、遠慮なく私たちを傷つけていく。 「親切でなめらかで、情け深い」噓こそ彼女にとって必要だというのに。 それでも彼女にはサイラスとポピーがいる。 確かに傷は癒えないかもしれないが、それでもふとした瞬間に彼女が幸せや平穏さを感じられるようになって欲しいと切に願う。 良い噓もこの世には存在すると知った彼女は、少しだけ生きやすくなったのではないだろうか。 | ||||
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現代の事件が過去の事件と繋がりがある。 最初から引っ張る。一気読みしました | ||||
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誰も彼も繋がりあるの?ちょっとがっかり。 最後はよくできたなーと思ってびっくりしました。 | ||||
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適度な緊迫感があり面白かったです。 イーヴィとサイラスの生い立ちから来る関係性や、心の触れ合いが丁寧に描かれていて良かったです。ただイーヴィの嘘を見抜ける能力は、この物語にはあまり必要無かったのでは?と思いました。 | ||||
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過去、酷い事件に巻き込まれた少女イーヴィ。その保護者(理解者)的な立場にある臨床心理士のサイラス。 イーヴィが保護施設に収監される中、ある元刑事が殺害される。 サイラスも事件の調査に関わるが、それはイーヴィに繋がっていく事件だった。 他方、事件の解決を望まない集団の魔手が2人に迫る。果たして巨悪を討つことができるのか、という話。 「天使の嘘」の続編であるが、最後の最後まで読ませます。 1作目は最初は冗長で徐々に加速していったイメージだったが、2作目はさらに作者の力量が増したのか、最初から最後までスピーディに読める。 色恋沙汰も最小限で興醒めしない。 兎に角、サスペンスフルでお勧めできる一作です。 是非次回作も刊行して欲しい。 同作者の「生か死か」も非常にサスペンスフルでお勧めです。 | ||||
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あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。 さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明されてゆくことになる。 無論、イーヴィとのコンビであるサイラス。家族全員を狂気の兄に殺害された無残な事件の生き残りであり、臨床心理士であるサイラス。彼の造形も本作ではまた深まってゆく一冊となっている。前作読者であれば垂涎ものの何とも楽しみな一冊である。 例によってイーヴィとサイラスという二人の語り手による物語運びは前作同様、巻置く能わずのリーダビリティ。何より生を求める傷ついた二つの心の成長の物語であり、愛を求める彷徨のドラマであるように見える。熱さでいっぱいの魂の叙事詩だ。 特に最終章は、泣けること請け合い。三作目続編もあるとのことだが、ここまでの二人の主人公の過去を清算に運び込む物語は、本作までの二作で、一端完結する。ただ、ここまで魅力的な二人の主人公をここで使い捨てしてしまうのもなかなかもったいない。これだけのオリジナリティを持った印象的なキャラクターはそうそうないはずである。 なのでシリーズ続編という三作目も、首を長くして待ちたいと思う。また本主役コンビのみならず、未読独立作品もこの作家は是非読まねば。ロボサム、の名は、ぼくの熱気の中核に、永遠に刻み込まれてしまったと思う。 | ||||
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あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。 さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明されてゆくことになる。 無論、イーヴィとのコンビであるサイラス。家族全員を狂気の兄に殺害された無残な事件の生き残りであり、臨床心理士であるサイラス。彼の造形も本作ではまた深まってゆく一冊となっている。前作読者であれば垂涎ものの何とも楽しみな一冊である。 例によってイーヴィとサイラスという二人の語り手による物語運びは前作同様、巻置く能わずのリーダビリティ。何より生を求める傷ついた二つの心の成長の物語であり、愛を求める彷徨のドラマであるように見える。熱さでいっぱいの魂の叙事詩だ。 特に最終章は、泣けること請け合い。三作目続編もあるとのことだが、ここまでの二人の主人公の過去を清算に運び込む物語は、本作までの二作で、一端完結する。ただ、ここまで魅力的な二人の主人公をここで使い捨てしてしまうのもなかなかもったいない。これだけのオリジナリティを持った印象的なキャラクターはそうそうないはずである。 なのでシリーズ続編という三作目も、首を長くして待ちたいと思う。また本主役コンビのみならず、未読独立作品もこの作家は是非読まねば。ロボサム、の名は、ぼくの熱気の中核に、永遠に刻み込まれてしまったと思う。 | ||||
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少し取り掛かるのが遅くなりましたが、「天使と嘘」(2021/6月)に続く「天使の傷 上・下 サイラス&イーヴィ "When She Was Good"」(マイケル・ロボサム ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み終えました。 前作を読んでいるほうが遥かに物語へ没入できるとは思いますが、本書単独でも十分に面白い、ページ・ターナーに仕上がっています。 過去に傷を持つ臨床心理士・サイラスと「嘘を見抜く」能力を持ったイーヴィが交互に一作目を含む物語を語り継いでいきます。イーヴィを虐待していたと思われていたテリー・ボーランド。イーヴィは養護施設を転々とした後、そのテリーの惨殺死体と共に保護されることになりました。 そして、元警視・ウィットモアの死体が発見される事件が発生し、その後いくつかの連続殺人事件が引き起こされます。誰が、何故?キーワードは、過去の事件を掘り起こしていたウィットモアの捜査資料に残されていた「エンジェル・フェイス」というメモ。 児童連続誘拐殺害事件の陰に潜む或る既得権益層による陰謀と明らかになるイーヴィの姿。取り分け、サイラスの成長に繋がるある人物とのつながりが悲壮なアクシデントをもたらします。まあ、ストーリーのまとめは、ここまでにしたいと思います。 私もまた、臆病者、裏切り者、噓つき、偽者であり、見えない皮膚のどこかに偽善者、詐欺師、役立たずという名の原罪を背負っており、それを振り払うべく日々の暮らしを一日、一日と積み重ねています。「きょうは新鮮な空気や運動のために走っているわけではない。イライアスへの負の感情をぬぐい去ろうとしている」(上 pp.141-142)かのように。 イーヴィは、助けてくれた善人・マーティの問いかけに対して、この悪辣な世界に対して自分の足跡も指紋も残したくないとどうやって説明できるのか戸惑いながら、「世界の三大嘘っぱち」について思います。 きっとよくなる。何もかもだいじょうぶ。わたしがそばにいる。 今回の邦題タイトルには、少し不満が残りました。何がいいかと考えて頭に浮かんだのは、「天使といい嘘」。但し、そのタイトルでは本が売れなくなるかもしれませんね(笑)。 | ||||
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