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緑は危険
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緑は危険の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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登場人物は限られており、冒頭で7人の中に犯人がいることが宣言されている、パズラー小説。 この7人と患者1人との間の恋愛模様を織り交ぜながら、2つの殺人事件と2つの殺人未遂事件が発生する。 犯行の可能性、殺人の方法や動機など、それぞれに工夫が凝らされている。 2つ目の殺人事件で、被害者が二回刺されていた理由、手術着を着せられていた理由の真相が面白いし、3つ目の殺人未遂事件の動機も面白い。 しかしながら、1つ目の殺人事件と4つ目の殺人未遂事件における手術中の殺人トリックだが、このような方法が実現可能かどうかを、読者には判断できない。 この方法がわかって初めて、誰が犯行を行いえたかを考えることができ、2つ目の殺人事件における「二回刺されていた理由」も説明できるので、読者には最後の方まで推理ができない。 また、犯行動機は登場人物の過去に根差しているのだが、そのつながりが直接的には書かれていないので、想像力が必要。 読者がこの真相を推理するのには、相当な推理力が必要ではないだろうか。 コックリルの捜査だが、容疑者を隔離しての焦らし戦術であり、事件に対する議論が不足しているのが不満。 (備考) 誤植(脱字)と思われる箇所を発見したので、出版社の早川書房に連絡した。次回重版より訂正するとの返信があった。 ・誤植(脱字)の箇所 254頁14行目 × 「イーデン少佐のうしろ姿を見送りながら呟いた。」 ↓ ○ 「イーデンは少佐のうしろ姿を見送りながら呟いた。」 ※少佐とは、ムーンのことであり、イーデンがムーン少佐のうしろ姿を見送りながら、「白の男がすくなくも一人あそこにいる」と呟いたと考えられるので。 | ||||
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殺人が二件、未遂が二件、ベーツ殺しの動機こそ明らかだが、その他は関連が見出だせないにもかかわらず、 著者は、最後にみごとな一貫性を示してみせる。 フレデリカは偽装かもしれないから、疑わしいのは終始六名で、動機らしきものがちらついていたり、 さまざまな夾雑物が混じりあって、しかもそんな渾沌にまぎれて伏線・誤誘導などの仕掛けがほどこされている。 消去法・帰納推理・演繹推理いずれも無縁か後づけで、ブランド独特の特異な立ち位置の論理展開、いや、あらかじめ用意した 論理(事実を含む)をギリのギリで暗黙的に開示するので展開という用語は相応しくない。 まるで謎めいた波濤が突如砕けるような解決に面喰らってしまうのである。 ※ 写真・自己紹介は無視して下さい | ||||
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クリスティやクイーンを愛読していたので、こちらのレビューを見て期待していました。 しかし、実際に読んでみると、いまひとつでした(ごめんなさい)。 まず、訳が古いのかもしれませんが、しばしば何を指してるのか理解しにくい箇所が多かった。それから登場人物の言動が「?」が多く、感情移入できない。それらから、読みにくく面白くない。 もう一つは、犯人の必然性がないような。容疑者全員に動機らしきものがあるよう書き方でしたが、一斉に投げられたその複数の糸(容疑者とその動機)の中から、突然1本を採り上げて「ほら、これが犯人とその動機でしたよ」と言われた気分。どの糸でもありえたような、ご都合主義的な犯人&動機の提示。 もちろん、アリバイや犯行の実現可能性などきちんと設定してあったのかもしれませんが、(私の読み方が悪いのか)きちんと説明されていなかったような。 辛口ですみません。でも、いまひとつメジャーになりきれなかった理由はこの辺なのかな、というのが初読の印象でした。 でも、1作で判断するのは申し訳ないので、ほかの作品も読んでみたいと思います。 | ||||
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第二次世界大戦下、ドイツ軍の空襲の脅威にさらされる病院、極度の緊張状態に置かれた人々の描写が謎解きと有機的に結合する快感は感動的。 どんでん返しにつぐどんでん返し、捻りの効いたプロットと絶妙な伏線の美学、辛辣な人間観察者である作者の面目躍如。 1944年発表のブランド第三長編にして掛け値なしのオールタイム・ベスト級の名作。必読。 | ||||
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読みたくて読みたくて、 やっと時間がとれて、ブランド女史の作品を。 「緑はすすめ」の安全なイメージが、すっかり危険のシグナルへ。 戦下のエキセントリックな事件が、哀愁を伴うのは、 非常時の切ない気持ちに気が付くため。 郵便局員に病院関係者、身近な人が 怖くなるインパクトをお楽しみあれ。 | ||||
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第二次大戦下の陸戦病院で、手術を受けていた郵便配達人が不審死を遂げる。 もし医療事故でなく他殺であるなら、容疑者は郵便配達人が入院 していたことを知っていた医師と看護婦、計七名の人間に絞られる。 しかし一見して、被害者と利害関係があるような人物は見当たらない。 やがて、正看護婦が刺殺され、なぜか手術衣 を着せられるという第二の事件まで発生し……。 読者の意識を真相から逸らせ、レッド・へリングに向けさせる 周到なミスディレクションが、全編に張り巡らされている本作 (郵便配達人ならではのある小道具の扱いが巧妙ですし、 何といっても、タイトル自体が“罠”になっているのが秀逸)。 また、第一の事件では、犯行時刻から逆算することによって、トリックが 仕込まれた時刻を割り出しますが、それだけでは犯人特定に至りません。 真相を究明するには、犯人と被害者の“接点”を見出す必要があるのです。 その点、本作では、七名の容疑者のうち、犯人だけが被害者の素性を知り得たという事実を 読者に気取らせないカムフラージュを行うのと同時に、犯人と被害者の関係性をほのめかす 伏線もフェアに張られているので、読者にも推理の余地が十分あります。 犯人を指摘する場面の天地が逆転するような衝撃もさることながら、 探偵役であるコックリルが直面させられる苦すぎる事件の幕切れは、 読後に、忘れがたい印象を残します。 | ||||
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第二次大戦下の陸戦病院で、手術を受けていた郵便配達人が不審死を遂げる。 もし医療事故でなく他殺であるなら、容疑者は郵便配達人が入院 していたことを知っていた医師と看護婦、計七名の人間に絞られる。 しかし一見して、被害者と利害関係があるような人物は見当たらない。 やがて、正看護婦が刺殺され、なぜか手術衣 を着せられるという第二の事件まで発生し……。 読者の意識を真相から逸らせ、レッド・へリングに向けさせる 周到なミスディレクションが、全編に張り巡らされている本作 (郵便配達人ならではのある小道具の扱いが巧妙ですし、 何といっても、タイトル自体が“罠”になっているのが秀逸)。 また、第一の事件では、犯行時刻から逆算することによって、トリックが 仕込まれた時刻を割り出しますが、それだけでは犯人特定に至りません。 真相を究明するには、犯人と被害者の“接点”を見出す必要があるのです。 その点、本作では、七名の容疑者のうち、犯人だけが被害者の素性を知り得たという事実を 読者に気取らせないカムフラージュを行うのと同時に、犯人と被害者の関係性をほのめかす 伏線もフェアに張られているので、読者にも推理の余地が十分あります。 犯人を指摘する場面の天地が逆転するような衝撃もさることながら、 探偵役であるコックリルが直面させられる苦すぎる事件の幕切れは、 読後に、忘れがたい印象を残します。 | ||||
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戦時下の陸軍病院の手術室で起こった不可解な殺人事件にコックリル警部が挑む!手から汗が 滲み出るようなサスペンスフルな展開に、ピリリときくユーモア、そして脱帽せざるをえない ほど見事な人間描写。。。まさに本能とも謂うべく原初的な愛憎劇が漂う中起きる連続殺人の 動機とは一体何なのか!? とにかく、伏線張りまくりのミスディレクション仕掛けまくりの密度に、読者をほっていく様 なラストの加速度は圧巻としか云い様がなく、しかもちゃんと存在させている然るべきパズル の完成形と気をきかせた収束。なんか幸せな気分になれるよネ。 謎解きパズラーとしても、いち物語としても之以上ない醍醐味に舌鼓を打てる喜び。 | ||||
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戦時下の陸軍病院の手術室で起こった不可解な殺人事件にコックリル警部が挑む!手から汗が 滲み出るようなサスペンスフルな展開に、ピリリときくユーモア、そして脱帽せざるをえない ほど見事な人間描写。。。まさに本能とも謂うべく原初的な愛憎劇が漂う中起きる連続殺人の 動機とは一体何なのか!? とにかく、伏線張りまくりのミスディレクション仕掛けまくりの密度に、読者をほっていく様 なラストの加速度は圧巻としか云い様がなく、しかもちゃんと存在させている然るべきパズル の完成形と気をきかせた収束。なんか幸せな気分になれるよネ。 謎解きパズラーとしても、いち物語としても之以上ない醍醐味に舌鼓を打てる喜び。 | ||||
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終盤のたたみかけるドンデン返しの連続は圧巻だが、 最初の50Pは退屈。 医療ミステリとして医療現場の書き方がリアルで良いのか? 戦時下の歴史小説として評価する人もいるかもしれない。 本格パズラーには間違いないが、 書き方がちょっとへただと思う。 医者と看護婦のロマンスは、 女性作家としての欠点が出てると思う。 素敵な殿方との出会いを求めて女性は看護婦になるんですってよw 性に飢えたアバズレ看護婦ばかりのこの病院に入院するぐらいなら、 ナチスに殺されることを私は選ぶ。 爆撃されてる中でパーティなんかしてるんじゃねえよ! 軟弱さを撃て! | ||||
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終盤のたたみかけるドンデン返しの連続は圧巻だが、 最初の50Pは退屈。 医療ミステリとして医療現場の書き方がリアルで良いのか? 戦時下の歴史小説として評価する人もいるかもしれない。 本格パズラーには間違いないが、 書き方がちょっとへただと思う。 医者と看護婦のロマンスは、 女性作家としての欠点が出てると思う。 素敵な殿方との出会いを求めて女性は看護婦になるんですってよw 性に飢えたアバズレ看護婦ばかりのこの病院に入院するぐらいなら、 ナチスに殺されることを私は選ぶ。 爆撃されてる中でパーティなんかしてるんじゃねえよ! 軟弱さを撃て! | ||||
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とても面白かったです。 ひさしぶりにガツーンときた推理小説です。 ラストに驚いてまた読み返したら、なるほどーと感心しました。 amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の評価を参考に購入しました。 全くノーマークだったので得した気分です。 登場人物(とくに女性)に共感する部分が多く、切ない気持ちでこの本にどっぷり浸りました。 でも最近のミステリにありがちな重いものではなくて、著者の登場人物に対する愛情のようなものが感じられます。 女性の方にとくにオススメします。 本格推理を求めている方が、上手くこの作品を見つけますように! | ||||
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とても面白かったです。 ひさしぶりにガツーンときた推理小説です。 ラストに驚いてまた読み返したら、なるほどーと感心しました。 amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の評価を参考に購入しました。 全くノーマークだったので得した気分です。 登場人物(とくに女性)に共感する部分が多く、切ない気持ちでこの本にどっぷり浸りました。 でも最近のミステリにありがちな重いものではなくて、著者の登場人物に対する愛情のようなものが感じられます。 女性の方にとくにオススメします。 本格推理を求めている方が、上手くこの作品を見つけますように! | ||||
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戦争という時代背景で,負傷者を治療する病院関係者。 だれ一人として 殺人など行うはずがない人たち。 だれが犯人なの? 話は穏やかに流れ、第二の殺人が起きる。 そして ひとりひとりの過去が暴きだされる。 この人か・・あの人がやったのか? 傷つけたほうは忘れても 傷つけられたほうは 絶対忘れないものです。 | ||||
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戦争という時代背景で,負傷者を治療する病院関係者。 だれ一人として 殺人など行うはずがない人たち。 だれが犯人なの? 話は穏やかに流れ、第二の殺人が起きる。 そして ひとりひとりの過去が暴きだされる。 この人か・・あの人がやったのか? 傷つけたほうは忘れても 傷つけられたほうは 絶対忘れないものです。 | ||||
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第二次大戦下の英国、陸軍病院で起きた殺人事件を、コックリル警部が調査していく本格ミステリ。 容疑者は六人と限られているんだけれど、犯人がなかなか特定できないところが、本作品の一番の面白さ。緑の手術衣を着て、顔の目の部分だけが見える緑のマスクをつけた犯人の姿が恐かったなあ。著者の別作品のあるシーンが脳裏にオーバーラップして、ぞおっとしました。 空襲のサイレンが鳴り、爆弾が辺りに落ちる戦時下の雰囲気に、臨場感がありましたね。そういえばこれは、第二次大戦中の1944年刊行の作品。戦争の雰囲気を伝えるミステリとしては、ディクスン・カーの『爬虫類館の殺人』とともに印象に残ります。 犯人が分かった後もまだ話が続くエンディングの情景には、静かに心にしみてくる余韻がありました。容疑者たちの間に生まれた連帯感、それがいい感じで描かれていたんですね。嵐が去った後の静けさとでもいう、不思議な味わいがよかった。 今までに読んだブランドのミステリでは、本書と『ジェゼベルの死』、短篇「ジェミニー・クリケット事件」(米国版、英国版ともに)が気に入っています。 | ||||
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第二次大戦下の英国、陸軍病院で起きた殺人事件を、コックリル警部が調査していく本格ミステリ。 容疑者は六人と限られているんだけれど、犯人がなかなか特定できないところが、本作品の一番の面白さ。緑の手術衣を着て、顔の目の部分だけが見える緑のマスクをつけた犯人の姿が恐かったなあ。著者の別作品のあるシーンが脳裏にオーバーラップして、ぞおっとしました。 空襲のサイレンが鳴り、爆弾が辺りに落ちる戦時下の雰囲気に、臨場感がありましたね。そういえばこれは、第二次大戦中の1944年刊行の作品。戦争の雰囲気を伝えるミステリとしては、ディクスン・カーの『爬虫類館の殺人』とともに印象に残ります。 犯人が分かった後もまだ話が続くエンディングの情景には、静かに心にしみてくる余韻がありました。容疑者たちの間に生まれた連帯感、それがいい感じで描かれていたんですね。嵐が去った後の静けさとでもいう、不思議な味わいがよかった。 今までに読んだブランドのミステリでは、本書と『ジェゼベルの死』、短篇「ジェミニー・クリケット事件」(米国版、英国版ともに)が気に入っています。 | ||||
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第二次大戦中の病院を舞台にした作品です。第1章においては主要登場人物の紹介が行われ、まだ殺人が起こってもいないのに、その中に犯人がいることが高らかに宣言されます。そして、誰が殺されるのかは明かされていないのですが、その人物も印象的な登場の仕方をしています。大仰なトリックはありませんが、細かい技が隅々まで行き届いており、最後まで読んだ後に何カ所かを読み返したくなること必至です。 殺人が起きた時点では、なぜ見ず知らずの人を殺さなければいけないのかという疑問が湧きますが、やがてひとつで良いはずの動機が次から次へと出て来るという構成によって、多重解決の妙味を味わうことができます。犯行を行った時点の犯人の心理描写が見事。単なる目撃者としての心理にも犯人の心理にも当てはまるような書き方がしてあることに後からうならされます。 | ||||
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第二次大戦中の病院を舞台にした作品です。第1章においては主要登場人物の紹介が行われ、まだ殺人が起こってもいないのに、その中に犯人がいることが高らかに宣言されます。そして、誰が殺されるのかは明かされていないのですが、その人物も印象的な登場の仕方をしています。大仰なトリックはありませんが、細かい技が隅々まで行き届いており、最後まで読んだ後に何カ所かを読み返したくなること必至です。 殺人が起きた時点では、なぜ見ず知らずの人を殺さなければいけないのかという疑問が湧きますが、やがてひとつで良いはずの動機が次から次へと出て来るという構成によって、多重解決の妙味を味わうことができます。犯行を行った時点の犯人の心理描写が見事。単なる目撃者としての心理にも犯人の心理にも当てはまるような書き方がしてあることに後からうならされます。 | ||||
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クリスティの後継のミステリの女王C.ブランドの代表作。C.ブランドというと派手なトリックの作品(「疑惑の霧」、「はなれわざ」、「ジェゼベルの死」等)が注目されがちだが、本作はパズラーの傑作として前記の作品にヒケを取らない出来。 舞台は病院なのだが、読んでいてどれが本線でどれが伏線なのかまるで分からなくなり戸惑う程だった。真相へのデータも当然出しているので、普通はある程度犯人や動機に気付く筈なのにサッパリなのだ。それでいてフェアな解決を提示する手腕は見事としか言いようが無い。 個人的には、C.ブランドには本作から入ったので特に思い入れがあるが、そんな感情抜きにしても女史を代表する傑作。 | ||||
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