ゆがんだ光輪
- コックリル警部 (9)
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北村薫さんの「よくぞ翻訳してくれたという異色作」という評に興味津々で読んだ作品。10年ほど前のことですが、期待を裏切られることはありませんでした。 確かに本格ものの代表作ですら品切れと再版を繰り返しているのに、殺人も起こらないコックリルその人も出てこないこの作品が、その後もいつまでも新刊入手できることのほうが驚きではあります。 殺人は起こらないものの一応謎解きの要素はあり、ブランドの持つシビアなロマンティシズム、シニカルで露悪的といった面もよく出ていて、物語の語り手としてのブランドが好きな読者にお薦めの、肩の力の抜けたエンタテイメント小説です。架空の国への旅行での体験話なので、自分の旅行の際にバッグに入れて出かけるにはぴったりでしょう。 ブランドがこういう作品を他にも書いていたのならぜひ紹介してほしいものです。 | ||||
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イタリア北西部近くの架空の公国サン・ホアン島を舞台にしている所から、前作「つなわたり」の姉妹編といった趣きだが、本作では殺人事件等の事件は全く起こらず、国家と宗教に対する揶揄を含んだ軽い娯楽小説に仕上がっている。探偵役を務めるのも、コックリル警部の妹である、ミス・コックリル。探偵役と言っても大した謎が存在する訳ではなく、強いて挙げれば以下の2つ。 (1) 公国の大公は、何故ホアニータという有名な聖女を、ローマ教会に聖人として推薦しないのか ? (2) 大公妃は、何故子供(世継ぎ)を産む事を怖れる様になったのか ? この内、(2)は冒頭で堂々としたヒントを与えてくれるので、残念ながら意外性はない(元々、作者には本格ミステリを書く気がないので、問題ないが)。(1)が本作における作者のテーマと関連している様で、架空の公国を舞台に、国家の成り立ちと維持、陽光の中での幾つかのラブ・ロマンス、必ずしも文明人とは言えない島人(元々は海賊の島)と英国人とを対比させた人間模様を気儘に綴ったという趣きの作品である。この際、作者特有の高踏的筆致は相変わらずなので、訳者は大分苦労した由である。 ちなみに、「光輪」とは仏像の「光背」の様なもの。「ゆがんだ光輪」という邦題自身が作者の茶目っ気を表している。殺人事件を対象としない作者の作品は初めて読んだが、娯楽小説としては充分楽しめる出来だと思った。 | ||||
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ブランドの人格描写の冴えが行き渡る作品。殺人事件などといったものがないだけに、登場人物の各種各様の思惑が交差し、架空の島サン・ホアン・エルピラータにドラマおのおのに始まる。 大きな謎といえば聖人に入る申請をなぜ大公が拒むのか? ということになるだろうが、他にも細かな謎はたくさん出てくる。意表をつく展開、でもその展開になぜ自分が思い至らなかったのか? と思わせてくれる。満足。 | ||||
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