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黒牢城



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【この小説が収録されている参考書籍】
黒牢城
黒牢城 (角川文庫)

黒牢城の評価: 4.23/5点 レビュー 227件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全227件 101~120 6/12ページ
No.127:
(5pt)

素晴らしいミステリ

歴史小説とミステリの素晴らしい融合
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.126:
(4pt)

高い評判間違ってない

読み応え十分。それまで著者の現代物を読んでいたので、こんな歴史ものを書けるなんて驚いた。次にどんな作品を書いてくれるか楽しみだ。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.125:
(4pt)

国のあり方、組織の大義

各所で発生する難事件に対し、一国の主がその事実を追求する中で、国の在り方や組織としての大義に対して悩み答えを導こうとする様を描いた作品。人質として捉えられた黒田官兵衛との対話の中で、内面にある考えやある種の追い目を感じながら、それでも主としての存在を成り立たせるために、大義になりうるものを信じようと葛藤する様は、現代の会社組織にも通じるものを感じた。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.124:
(5pt)

緊張感

今回は、ネタバレしたい、と思わせる著者の持つ緊張感ときらめく描写、例えば、ここのこういう言い回しがいいんだよなあとか、ここはこう解釈したのね、とか、共有したくなるそういう小説です
。著者の戦国武将の捉え方、荒木村重や黒田官兵衛を通して、見えて来るにつれ、緊張感はいやましてくるのです。重々しい雰囲気の城の中で推理は行われ、その度毎に状況が変化していく。最高じゃないですか?もうね、最後の種明かしがスッキリするくらい、推理が重く緊張感にあふれてる。
黒田官兵衛、すげえ、と思わず口にして、私は、彼に絡め取られていることに気づいた。けれど、皆さんもきっと同じ感動を持つに違いない。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.123:
(5pt)

史実+ミステリ+熱いドラマ

時代劇+ミステリという全くなかった?ジャンル。
単に歴史の狭間で未詳の物語を扱うというレベルではなく、籠城している城の中(密室)で起きる、殺人事件や謎の陰謀をめぐって短編形式で事件が起き、解決されていく。それもハンニバルばりに黒田官兵衛が!

さらに、その全てを通して大きなうねりが起き、史実と相まって人生観や死生観ともつながるドラマティックなラストとなる。

よくも、こんなストーリーを考え付いたもの。
僕はオヤジの割には日本史に興味がないので、ウィキペディア先生で登場人物をググりながら読んだが、史実に詳しい人は面白みも倍増したのでは?

それにしても、今の日本からすれば全く考えられない荒ぶる時代に驚かされる。
これは、映像化出来たら面白いだろうな。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.122:
(5pt)

しっかり作りこまれた戦国ミステリー

面白いです。
いわゆる安楽椅子探偵ものですが、探偵のいる場所が安楽椅子の上ではなく土牢というのがふるってます。牢に繋がれた、危険で頭の切れる男。ハンニバル・レクターを思い出す方もいるのではないでしょうか。実際、村重と官兵衛の緊迫感あるやりとりは「羊たちの沈黙」を思わせるハイレベルな描写になってます。むしろ、両者ともに追い込まれてる状況が張り詰めた空気を生んでいて、あの名作より上ではと思えます。

ストーリーの構成もいいです。
終盤に向けてピースがガシガシ嵌っていく展開は爽快感がありました。

それと、史実に独自の視点を加えてストーリーの鍵とする手法が好きです。隆慶一郎の作品なんかでも見かけた気がしますが、「おおっ」と思わせるものがあります。よく知られたエピソードである黒田官兵衛の有岡城幽閉を上手く解釈して物語に落とし込んでるんです。史実に自由な解釈を加えて違ったものにしちゃう構成は、ガチの歴史ファンだったら嫌がるかな?
でも私は楽しめました。

総じて、よく作りこまれた名作だと思います。
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4041113938
No.121:
(4pt)

(2022年―第54冊)戦国時代の『羊たちの沈黙』

織田信長と一向宗との対立が激化。天下は両者のいずれに与するかで二分されていた。
 摂津の荒木村重は反織田の旗色を鮮明にしていたが、その城へ織田方の使いと称して黒田官兵衛が到来する。官兵衛は斬って捨てられることも覚悟のうえで、荒木方に勝機はないと明言し、織田派に下ることを勧める。村重はこれをはねつけるものの、なぜか官兵衛を斬ることもせず、かといって織田方に返すことも拒んで、地下牢に監禁する道を取る。官兵衛はこの扱いをいぶかるのだが……。

◇序章 因
 物語は、天正6年の冬に黒田官兵衛と荒木村重が対峙する場面から始まります。そして天下が混迷を極める時代に、劣勢を強いられる村重が、牢につながれながらも才気煥発さを失わない官兵衛の知を得ながら奇妙な事件の解決を重ねていくという連作ミステリー集といった趣の書です。
 
◇第一章 雪夜灯籠
:十二月、織田方に寝返った安部二右衛門の一子である自念はかねてから人質として村重のもとに預けられていた。親が反目した今となっては、本来は殺害されても仕方ない立場にあったが村重は自念を納戸軟禁するに留める。ところが自念は雪の夜にその納戸内で何者かに殺害されてしまう……。
 
 容疑者として名が挙がる人物が多く、筋をたどるのに一瞬まごつきますが、一種の密室ミステリーとしての面白さが読ませます。科学捜査もない戦国時代にあって、犯人をいかに割り出すか、そして探偵役である黒田官兵衛の暗号のような謎めいた歌によって村重が真相にたどりつく様が大変興味深い一編です。

◇第二章 花影手柄
:三月、織田家中の名将・滝川左近の家臣が荒木村重の有岡城に矢文を届ける。その後、城のそばに織田方の大津伝十郎が布陣したのを見た城中は、夜討ちを決意。見事勝利を納める。しかし敵将・大津伝十郎の顔がわからず、届けられた複数の兜首の実検をしても、誰が手柄を立てたかが判然としない。手柄を立てたのは、雑賀衆の将・鈴木孫六か、高槻衆の高山大慮のいずれかと推測される。どちらの功を認めるかによっては、城内が分裂の危機に陥るおそれがあり、村重は苦悩する……。

 首実検の様子が興味深く描かれます。名のある敵を討ち取った証として兜をつけた形で持ち帰るのが大きな名誉であることや、持ち帰った首は女房衆が死に化粧を施して見目よく整えるのが習いであったことなど、先日(2022年5月12日)ヒストリーチャンネルで見た歴史教養番組『にっぽん!歴史鑑定』(BS-TBS制作)の「なるほど!戦国合戦」でまさにこうした事情を紹介していました。

 さらに興味深いのは、雑賀衆は一向宗、高槻衆は南蛮宗と、両者の対立の背後に信仰のち外が存在していることです。一向宗への信仰をめぐって信長との対立を深めた村重は、自らの砦の中でも宗教戦争のくすぶりに思い悩むことになります。実際に大津伝十郎の首をとったのがいずれであるかを明らかにすることが、かえってこの宗教対立を加熱させることになりかねないという難しい決断を迫られるわけです。

 そしてその謎解きはまたしても黒田官兵衛の頭脳に頼ることになります。そしてさらに言えば、冒頭に届けられた矢文にもまた、ひとつの秘密があることが最後に明らかになり、口の中が乾く気持ちとともに物語は幕を閉じるのです。

◇第三章 遠雷念仏
:夏、村重は信長への降伏を密かに進めるため、その口利きを明智光秀に依頼する書状を送ることを計画する。密使として僧侶の無辺を選ぶが、彼は出立の前に、身を寄せていた庵で斬殺体として発見される……。

 無辺が光秀への密使として出立予定であったことを知る者は城内にほとんどいない。それなのになぜ彼は惨殺されたのか。その謎解きが物語の要諦です。
 その一方、第一章から続く物語の弧である城を明渡すか否かの選択がぎりぎりのところまで差し迫っているいることが見て取れます。領主である村重の孤独な決断と、その孤独感を鋭く指摘する黒田官兵衛との対峙が読ませます。

 ただし、ひとつ解せなかったことがあります。僧・無辺は斬殺されたのですから、下手人はかなりの返り血を浴びているはず。そのあたりの言及が一切ないのは、現実味を欠いている気がしてなりませんでした。

◇第四章 落日孤影
:秋、前章で無辺を斬殺した人物に向けて何者かが鉄砲を撃っていた。そのことに気づいた村重は家臣に密かにその撃ち手を探ることを命ずる。そこで浮かび上がってきた人間は想定外の人物であった……。

 籠城も1年近くなり、城主である村重に対する家臣たちの思いが揺れ始めます。降伏か戦闘か、評定は行き詰まり、打開策は見えません。村重は四度(よたび)牢へと向かい、黒田官兵衛に会います。そして官兵衛の奇策ともいえる提言によって事態を乗り切ろうとするのですが、しかしここに至って、村重はなにかに気づきます。
 この展開を目にして私はこの物語が戦国日本における『羊たちの沈黙』であることに気づきました。クラリスにあたる村重を、ハンニバル・レクターにあたる官兵衛が事件解決に居力するとみせて、村重の心を少しずつ崩壊させていく。そして、一連の捜査協力の裏には深謀遠慮が隠されている。この筋書きにぞくぞくさせられます。

◇終章 果
:おそらく戦国史に詳しい読者であれば、史実に照らして荒木村重と黒田官兵衛のその後についてはこの終章を読むまでもないのかもしれませんが、日本史に疎い私は十分味わい深いエピローグとして読むことが出来ました。

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黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.120:
(5pt)

ハードボイルド

連作短編集。時代物らしい硬質な文体が、読む身を引き締める。荒木村重の城を守るという気概がハードボイルドに通じる。読み進んでいくのがもったいない読書だった。第22回本格ミステリ大賞候補作(5/13(金)決定)。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.119:
(5pt)

これは謎解き小説ではない。今までと違う歴史小説です。

私は推理小説というものは肌に合わないので、この本は避けていたのですが、いざ読んでみると歴史小説の色合いの方が濃いじゃん!
評判よろしくない荒木村重に、スポットライトが当たっておる。
歴史好きな人には、今までの勝者側からの視点から、敗者側からの視点で物語を楽しむことが出来ます。
籠城中の城内の様子が映像として想像できる。実際に籠城中の有岡城にいるような気持ちになる。
今までと違う歴史小説です。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.118:
(4pt)

荒木村重の逃亡の理由❗

米澤穂信氏は、古典部で、デビュー以来、追っかけてます。
今回は、戦国時代にミステリーをぶち込んで来るという筋立て。
荒木村重と黒田官兵衛という二人が、閉ざされた有岡城の中のさらに、閉ざされた土牢で、城内の事件を推理するというプロットを思いついた時の作者のドヤ顔が目に浮かびます。
予てから、なぜ村重は、有岡城を捨てて、家族や一族、郎党が皆殺しになるのがわかっていて、城をひとりで、抜け出したのか、その後、のうのうと、茶人として、汚名を浴びて、生き続けたのか、疑問でした。
よねぽは、ひとつの回答を提示してくれたと思います。
事件たちの犯人の動機、官兵衛の策略、結末のドラマも、見事でした。
★ひとつ、足りないのは、その後の村重が、もう少し描けていたらな~と思います。
よねぽ、直木賞受賞おめでとうございます❗
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.117:
(5pt)

こんな発想があるとは、

黒田官兵衛の監禁時にこんな小説を考えるとは恐れ入ります。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.116:
(5pt)

史実と虚構のみごとな融合

人はだれしも「生きたい」と願っています。つらく悲しいことがあって「もう死にたい」と思っても、心の底では「生きたい」と願っているはずーー。
 これが人間のふつうの心理であると、わたしたちは思っています。その感覚を逆手に取った、びっくり仰天の歴史ミステリーといっていいでしょう。
 舞台は、荒木村重のたてこもる有岡城。そこで相次ぎ三つの怪事件が発生する。謎解きの「ホームズ役」は、土牢に囚われた黒田官兵衛。
 とはいえわたしは、第一章の最後に明かされる一つめの事件の真相には「なんじゃこれ?」と首をひねりました。明かされた仕掛けがうまく奏功するとは、とても思えなかったからです。
 三つめの事件では、犯人が落雷に撃たれて死亡する。ずいぶん都合のいい展開だな、と感じました。それに「密談は、ことばの行き違いひとつで容易に刃傷に至る」(単行本三二八ページ)とする、殺害の動機の説明がちょっと理解できませんでした。
 しかし最終章にいたって、物語はあっと驚く劇的な展開をみせます。そして、犯人の裏には、じつは別の真犯人がいたことが判明する。「なんじゃこれ?」と思った仕掛けも、なるほどこれなら成立するかも、と感じました。
 物語を通底するのは「死にたい」という人間の積極的な心理なのです。わたしたち現代人の感覚とは、まったく逆の……。読者の多くが、だまされるゆえんです。
 「死にたい」という心理を支えたのは一向宗(念仏)の教えでした。登場人物の多くは、そもそも「生きたい」と思っていない。一刻も早く死にたい、死んで西方極楽浄土へ行きたい、と願っている。
 「進めば極楽、退(ひ)かば地獄ーー」。冒頭の一行です。この台詞(せりふ)は何度も出てきます。これが本作を貫くテーマといっていいでしょう。
 「生きたい」と「死にたい」という人間の相矛盾する心理に、とことん翻弄されたのが、主人公の荒木村重だったといえるでしょう。いや、その矛盾する心理につけこんで、村重をとことん翻弄したのは、地下牢の黒田官兵衛ーー。
 歴史を舞台とする、二重底、三重底の驚くべき心理ミステリーです。史実と虚構のみごとな融合というほかありません。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.115:
(5pt)

面白い

凄い面白かった。
荒木村重というチョイスも良い。
黒田官兵衛と荒木村重は大河ドラマで見た時に凄い違和感を覚えたが、この作者の考えが正解かはわからない。だが、ロマンはあるとおもう。
そして、ロマンだけでなく謎解きも楽しい。
最初の事件は簡単、というか分かりやすかったが、それ以降は解決編をみないとひとつも解らなかった(私の頭がわるいだけかも)
史実をしってるだけに解る面白さ。
是非、ご一読していただきたい。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.114:
(4pt)

唸らせていただきました

歴史小説というよりは推理小説のようでした。
史実に掛け合わせた見事な小説になっていました。
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4041113938
No.113:
(1pt)

読みにくくて前へ進めない

2021年のミステリーベストテン第一位。期待して読んだのですが、どうにもこうにも読みにくい。戦国武将・荒木村重を主人公に据え、黒田官兵衛を探偵役にするなんて、発想としてはとても面白くて好きなのですが。50ページ目でさすがに挫折しました。

 考えてみると、この著者の作品はその評判の高さに反して、私はこれまで全く共感出来なかった。相性が悪いというのはこういうことでしょう。この著者が博覧強記だということはとてもよく理解出来るのですけど。自分でも残念です。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.112:
(5pt)

読んで良かった

黒牢城。籠城。牢に囚われた黒田官兵衛による安楽椅子探偵方式をとった本作。
たいへん読み応えがありました。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.111:
(3pt)

独り歩きした歴史×ミステリーへの期待

歴史小説が好きで、米澤穂信さんのミステリーも、多くはないですが最近の著作をいくつか読み、面白かったので購入しました。

通常面白い本であれば数時間で読み終わるのですが、この本は週末の時間に少しずつ読み進めたので、読了まで週末3回を費やしてしまいました。時間をかけてじっくりと読みたい、という理由でなく単純に読み進めようと言う気力が起きなかったのです。

端的には登場人物、ストーリー、ミステリー・時代小説という舞台装置、全てに感情移入ができませんでした。

登場人物としては荒木村重も黒田官兵衛もなんとなく闇を抱えた暗めなキャラクターです。もちろん描写はしっかりしているのだと思います。ただ、私にとってこの登場人物が成功・成長していく過程を見守りたい、読み進めたいというよう感じるキャラクターではありませんでした。

ストーリーも負けゆくことが明白な籠城戦の中で展開され、終始暗い雰囲気が漂います。読み進めても事態が好転する兆しもなく、敗北が明白になる一方です。ある程度の歴史を知っていれば大きな結末がわかっている中で、取り扱われる事件はどれも些末(と思えてしまうような)ものばかりに感じられました。もちろんこれは読む前から分かっていたことですし、歴史を変えることはできないので制約のある舞台設定だったのだと思います。

ただし、ミステリー・歴史小説という舞台装置のジャンルに惹かれてそもそも手に取った本ではあるので、私はその2つがあれば面白くなるだろうと期待していました。ミステリーは最後の最後に大どんでん返しがあったりするので、途中で投げ出すのは勿体ないかもしれない、と思い、とりあえず最後まで読みました。しかし、肝心なこの2つも期待外れでした。

まずミステリーやトリックに関しては扱う題材が惹かれません。殺される人物は創作?の人物でしょうか(単純に私が歴史に詳しくないからかもしれませんが)、だからどうしたというような人ばかりでした。トリックや謎も提示はされてるのですが、なんとなくこじつけ、後付のようなトリックや背景のように思われました。特に背景に創作人物が絡んでいると、こじつけ感が増幅されるように感じました。

歴史小説との期待も持って手にしたので、壮大なスケールで歴史を動かすようなダイナミックな展開があるのか?と思いきや、些末な事件のこじつけのような創作のトリックや背景に関する禅問答のような官兵衛とのやり取りが延々と続きます。完全に興味を失った私は、途中からは何も考えずに、早く巻末までたどり着かないかな、と思いながら消化試合のようにページを繰っていました。

だからといってこの本が面白くないとは言いたいわけではありません。直木賞を受賞して高い評価を受けている本ですので面白くないはずがありません。

私がこの本を楽しんで読めなかったのは、歴史×ミステリーというジャンルへの自分の勝手な期待が独り歩きしてしまったからだと思います。

暗くて期待が持てない状況で始まるミステリーでも、引き込まれて読み進められるミステリーはあります。私は初っ端から自身の期待値設定を誤りました。魅力的なキャラクターとダイナミックな展開、壮大な舞台というミーハーな期待を持って読み始めた私は、冒頭でその大きなギャップに気づきましたが、新刊本ということで高めの値段を払った手前途中で投げ出すわけにも行かず、後悔に苛まれながら読み進めるしかなくなってしまいました。

本が好きな理由は「次の展開はどうなるのだろう、もっと読みたい」と思う引き込まれる感覚を感じられるからです。苦痛を感じながら読むのは本末転倒です。そのためにも自分の好きなジャンルと合致した本なのかを確認することがいかに重要かという、ごくごく基本的なことを改めて痛感することとなりました。
黒牢城 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:黒牢城 (角川文庫)より
4041147220
No.110:
(5pt)

凄いの一言

直木賞を取った作品をタイムリーに読むのは初めてだったが、やはり賞を取る作品は違います。もともと歴史に関する本が好きなのですが、この歴史ミステリー小説というジャンルに心惹かれました。この作者の別の作品も読んでみたいと思います。。。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.109:
(5pt)

時代小説が苦手な方も是非試してみてほしいです

時代小説はあまり得意ではなく手を出さないのですが「今話題の本」でしかも「米澤 穂信さん」とくれば間違い無いかなと購入しました。

米澤 穂信さんは「満願」を読んだことがあり、印象深く面白かったと感じたので、きっと読みやすいのではないかと期待。

実際、時代小説といえどもあまり難しい言い回しや言葉もなくするすると読めます。とはいえ、ボキャブラリーが豊富で厚みがあったと感じました。さらっと目を通して終わりではなくしっかりと読み込むけれど、言葉が頭に入ってくる感じです。
読み終わった後には充実感があります。この充実感ひさしぶりで嬉しい。

購入し、すぐに数ページ読んだのですが歴史にも興味がなく知識もないのではまりませんでした。
数週間置いて、勿体無いからと再度チャレンジしたら止まらなくなりました。
おかげでこの分厚い本を旅行にまでに持ち歩くハメになり、家族に呆れられてしまいました。

ミステリーと言っていいのかわかりませんが、ミステリーに惹かれて読むとあれ?と肩透かしになるかもしれません。ともあれ、気になっている方はぜひ読んでほしい一冊です。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.108:
(4pt)

おもろい

歴史好きじゃなくても読みやすいし、壮大な感じで後読感もいい感じー
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938

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