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黒牢城
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黒牢城の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全177件 1~20 1/9ページ
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読書スピードについては人後に落ちない自信があるが、『黒牢城』(米澤穂信著、角川文庫)には想定外の時間を要してしまい、読み終えた時は疲労困憊してしまいました。 織田信長の有力武将であった荒木村重が毛利方に寝返り、堅固な有岡城に籠城します。そして、翻意を促そうと信長の麾下の羽柴秀吉が遣わした使者・黒田官兵衛(孝高)を土牢に監禁してしまいます。ここまでは史実だが、織田の大軍に囲まれた城内で奇怪な事件が続発し、人心が動揺するのを恐れた村重が牢中の官兵衛に謎の解明を求めるというのは、米澤穂信の途方もない想像力のなせる業です。 推理小説であると同時に、村重の心理小説であり、死にどう対処すべきかという宗教小説でもあるという、奥行きのある作品です。 村重の年若い側室で、奇想の画家として知られる岩佐又兵衛の母である女性が登場することを付記しておきます。 私の場合、その作品の魅力を伝えたいという思いから長い書評になるのが常であるが、今回は、疲労が激しく、長く綴ることができません。この疲労感は、頼みとする毛利の援軍が一向に来ず、勝ち目のない籠城戦が延々と続く村重の心情を読み手に体感させようという米澤の企みかもしれませんね。 | ||||
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黒田官兵衛の知恵が、深過ぎます。知恵という言葉が本当にしっくりくるんです。ただ知識があるとかとは違う、人間の心理を奥底まで知っている感じがします。恐ろしいくらいに。 少しでも黒田官兵衛を知っている人は、絶対に読むべきです! | ||||
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時代劇も好き、推理小説も好きな私には大好物でした。新感覚です♪ | ||||
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重厚な歴史小説の体裁を保ちながら、違和感のない形で謎解きを散りばめ、最後に伏線回収から遠大なテーマにつながる、一体どこからどう構想したのでしょうか? これを読んでしまった後では普通のミステリーが子供っぽく感じられてしまい困ります。 | ||||
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米澤穂信の小説は殆ど読んでいるが、彼にとって本格時代小説はおそらく初めてだと思う。にも関わらず完璧に時代小説の作法と文体を駆使しておられ本当に驚いた。 彼の作品は謎解きにとどまらずそれを突き抜けた先にある何かを我々に提示してくれる。ベルーフシリーズなどがその最たるものだが、ここでも彼はそれをやってのけている。 織田信長に叛旗を翻し最後は逃亡した荒木村重の有岡城の戦いに題を取り、黒田官兵衛に羊たちの沈黙のレクター博士をやらせ、最後には宗教・哲学にまで踏み込んでクライマックスを迎える構成はお見事としか言いようがない。今更の直木賞受賞もむべなるかなである。 と、久々の読書感想文を書いてみた。ブクレコに書いていた頃の勘が完全に鈍っており、ダメポ。 黒牢城 https://amzn.asia/d/dSCs8oh | ||||
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おもいっきりミステリーで全く予想できない展開でした。おもしろかった! | ||||
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荒木村重に着目したのは面白いが、終止城内でのエピソードばかりだったので間延びした感じがした。 | ||||
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作者から、てっきり現代の館ものの類いかと思って購入したら、戦国時代とは。 刻は荒木村重が織田に反旗を翻し、有岡城に籠もり、その説得のために諸将が訪れ、最後に来訪した小寺官兵衛が土牢に繋がれる辺り。 この時、主である小寺の姓を名乗っていた、後の世に名軍師と謳われる、黒田官兵衛。 籠城中の有岡城で起きる不可思議な事件を、村重に請われ、解く官兵衛。 しかし、敵味方の間で直接答えを教えることは出来ず、ヒントとして。 度々発生する不可思議な事件。 表向きと裏向きの答え。 村重に助言する官兵衛の真意。 最後に明かされる真相とは。 実在の武将も登場し、最後にその後の顛末が語られる。 村重が信長公に翻意した理由は、数ある仮説の一つではありましょうが。 いつもとは違うテイストのミステリー。 籠城中の城中で起きるそれは、よくよく考えれば、犯人を絞ることはできそうだが、なかなかに難しくもあり。 主人公は荒木村重か官兵衛か。 読み進めていくと、実は、かなと。 果たして、夕闇に黒ぐろと沈む有岡城囚われていたのは? 荒木村重と言う人物、ある程度知ってはいたが、そこまで知っているわけでもなかったので、知る良い機会になったかなと。 | ||||
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まるでミステリー 官兵衛の智謀恐るべし 陥穽に嵌まる村重の心理 謀反人はいなかった 史実は知っていても展開が読めないスリリングな作品 | ||||
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筆者の力量が凄い。 | ||||
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お話は織田信長と戦となり、説得しに来た黒田官兵衛を捕縛してしまうところから始まります。篭城している最中で、起きる謎を牢屋に入れられた官兵衛から知恵を借りながら解決していく感じで楽しめました。ただ、結末が何とも言えなくて。史実通りなんでしょうけど。 | ||||
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超おすすめ | ||||
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前半部分の文章は不適格な表現が多く、しかも会話文は戦国時代の武家言葉を過剰に模倣しようとしたのか、たどたどしさが目立ち、著者の文章力に疑念を抱いたほどである。だが、中盤以降はそれが改善され、安定した叙述になった。これは、著者が歴史時代小説を書き慣れておらず、序盤は試行錯誤したものの、書き進めるに連れて徐々に慣れたためだと思う。 荒木村重が主君の織田信長に反旗を翻し、摂津有岡城に籠城するという背景の物語である。とは言え、織田家との戦いや交渉についての記述はごくわずかであり、有岡城内で起こったいくつかの出来事について村重が思考し、悩み、それらを臣下や、捕縛した黒田官兵衛の助言を借りながら解決していく、という体裁で話は進む。 村重の心情をこれでもかというぐらいに詳述し、心の揺れ動く様子や、考えの熟成過程を丁寧に描いているが、やや過剰であり、しかも共感できない箇所が多く、読んでいて疲労を感じたりもした。特に手柄争いのエピソードで、首の正体を詮索する箇所は引っ張り過ぎであり、途中で飽きが来た。ほかのエピソードについてもあまり興味を感じられず、小説の世界観に十分浸れなかった。 著者は荒木村重や戦国時代、あるいは一向一揆や仏教のことなどについて調べながら、長い時間をかけてこの小説を執筆したものと思われる。その労苦に対しては敬意を表する。ただ、歴史ミステリーとしての出来栄えはいま一つであると感じた。 | ||||
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本格的な歴史小説の体裁を取っており、米澤さんの日常の謎敵ミステリーに慣れていると、面食らうと思う。事前情報がなければ、ミステリーである箏も、なかなかわからなかっただろう。それくらいガッチリ書けており、歴史小説としても十分楽しめた。 荒木村重が信長に叛旗を翻し、黒田官兵衛を長期にわたって幽閉した、と言う史実から想像を膨らませ、連作ミステリーに仕上げたのは力業。これ単純な謎解きミステリーとしては、さほどの出来とは思わない、私でも犯人が推測出来たくらいなので。 が、史実に基づく歴史ミステリーとしては、出色の出来。特に後半、長期籠城で揺れ動く人々の心理や、それぞれの死生観の哲学的描写は、とても良く描けており、良質な純文学的感興を覚えた。 息子を失い絶望の極にあった官兵衛が報われるエピソードは、いかにもエンタメ小説らしいが悪くない。史実に基づき、奇想を膨らませた、歴史ミステリーの傑作と評したい。 | ||||
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古典部シリーズ、ベルーフシリーズ、小市民シリーズを全て読んだ米澤穂信ファンとしては、この直木賞受賞作を大いに楽しみにして読み始めました。舞台は戦国時代、籠城中の様子や荒木村重の心情が丁寧に描かれつつ穂信先生らしいミステリーが展開され、それが冬、春、夏、秋と季節の移ろいと共に起こる所は小市民シリースも彷彿とさせ、ファンとしては期待通りの内容でした。さらに、一連の出来事の動機が戦国時代という特殊で現代とは異なる環境下から来るものであるにも関わらず、現代の自分にとっても腑に落ちる自然さがあり、史実はもしかするとこの作品の様であったのかもという説得力が感じられたという点でも満足のいくもので、さすがは直木賞受賞作だと思いました。やっぱり米澤穂信は最高、次回作も期待してます! | ||||
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大河ドラマ「軍師官兵衛」は、なかなかランキング上位にこないけど、自分の中では№1のドラマだ、なので岡田准一や田中哲司、濱田岳などの顔を思い浮かべながら楽しんだ。 官兵衛を安楽椅子探偵に据えて物語を作るという発想がすばらしい、プロの作家は皆やられたと思ったのではないか。 | ||||
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官兵衛… | ||||
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村重は籠城の中で度々自分が放逐した主家の池田氏を思い出し自分も家臣より放逐されるのではないかという常に部下を疑いの目で見るようになる。 荒木村重は有岡城から逃げのびるが、妻の荒木たしは見せしめのため京都で引き回しの上斬首されるがその最後は気高く見事な最後だったと。 荒木たしは黒牢城で重要な登場人物であり荒木たしをヒロインにした小説があれば読んでみたいと思わされた。 | ||||
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米澤穂信? 自分では手に取ることはなかっただろう作家さんです。 父の日のプレゼントに、息子からもらいました。 十数ぺージ読んで、歴戦の時代小説読み(つまり、この私)の顔色が変わりました。 これまで読んだ多くの時代小説とは、明らかに異なる文体。 むむ、これは読ませる。濁流にのみ込まれました。 何が違うのか? ひとつ言えることは「地文」と「会話文」との絶妙のバランスです。 村重と官兵衛がタッグを組む。 目の付け所はもちろん素晴らしいのですが、今回はこの文体に拍手を送ります。 半分読んで、不思議なことに気づきました。 もうストーリーなど、どうでもよくなってきたのです。 読むことが、ただただ嬉しい。読むことが、ただただ快感。 こんな気分になった読書は、久方ぶりでした。 | ||||
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死が当たり前の様な戦乱の世に誰がどう殺害されたか?そんなミステリーが成り立つのだろうか等と考えながら読み始めたが素晴らしい。戦国時代に生きる武士と云う存在の死生観、それらと立場を異にする民の救済への渇望、その時代を背景にして籠城と云う舞台がミステリーを紡ぎあげていく、事件の繋がりをみれば読者からは大元に在る人物は知れてしまうが、武士と云う立場の城主には知ることが出来ない…人質の謀殺、手柄の行方、密偵の殺害、其々が城主を惑わせ故に虜囚とした男のもとを訪れさせる。そして最後に歴史を知る読者には待ち遠しい場面で幕を閉じる。 | ||||
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