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黒牢城
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黒牢城の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全227件 201~220 11/12ページ
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織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、使者として有岡城に派遣され翻意を促した黒田官兵衛を拘束し土牢に監禁。 そんな中、毛利の援軍を待ちながら織田勢との戦に望むも、次から次へと起こる問題にどう対処していくのか、歴史小説とミステリがうまく融合していて読み応えがあった。 織田勢に寝返った安部家から人質として預かっていた嫡男の自念の殺害、敵の大将を討ち取った首の取り替え、密書と名品の茶壷を預けた僧侶の暗殺、謀反人を鉄砲で殺害しようとする企てなど、どれも一筋縄ではいかない難問に翻弄される村重。 誰がどんな企てをしているのか、なかなか真偽を見定めることができない村重は、それを相談できる者もおらず、土牢に監禁した官兵衛に相談を持ちかけていくという展開はよく考えられていた。 籠城しながらいつまで経っても来ない援軍を待ち続ける日々に、次第に重臣たちの心もまとまりがなくなり、村重の下知も疎かにするようになっていく中、村重の心労はどれ程のものだったか。 村重と官兵衛の秘密の会合の結果、どんな結末を迎えるのか、最後まで楽しめた。 | ||||
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荒木村重を脇役にし、官兵衛を主役にすえたような印象を受けた。官兵衛ファンとしては大満足でした。 | ||||
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私が思う、当代一の技巧派ミステリ作家さんの一冊です。 今度は、戦国時代を舞台に歴史小説のフォーマットを借りつつ、新しいミステリの可能性を見せてくれたのではないしょうか。 いささかほめ過ぎかもしれませんが、長め(100ページ超)の短編を4つ並べて、 - それぞれに戦いの推移、春夏秋冬の移り変わりといった、背景情報を盛り込みつつ、 - ミステリの核となる謎を設定し、 - さらに各短編の事件をそれぞれ異なる理由で、戦いの趨勢に影響のあるものとして描き、 - 主君である荒木村重自らが解かなければならないように仕向けるストーリーを展開する のは、なかなか書けるものではないと思います。 歴史的な結末は明らかなので、最後の驚きが少ないのが残念ですが、また1冊、長く読み継がれてほしいミステリの一冊に出会えました。 | ||||
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荒木村重を主人公としながらも、黒田官兵衛との関係や、史実もふまえた推理小説としても秀逸な本。謎解きの要素もあり時代小説としても興味深い。連面と綴られた、迫力ある一冊かつエンターテイメントに富んだ作品。 | ||||
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歴史上の人物が登場し、よく知られた史実の中で、その隙間を埋めるように事件と推理が展開され、結果として史実や人物への理解が深まり、一つの史観が浮き上がるような連作長編って、山田風太郎の明治ものとか、多くあった記憶が。その知的興奮と楽しさが、本作でよみがえってきて、実に興奮した。 荒木村重の謀反と織田軍に包囲された有岡城(伊丹城)の籠城、捕らえられて地下牢に閉じ込められる黒田官兵衛、味方の相次ぐ裏切りと、なかなかやってこない毛利勢援軍など、緊迫の状況で、家臣たちや村重自身の心理状態も徐々に変化していく。彼らの動揺を誘うかのような謎の事件の数々。緊迫の心理戦の展開の中、村重は、籠城戦や天下の趨勢を語り合えるのは、唯一、官兵衛しかいないことに気づく。やがて。。。 なんか、有岡城に籠城してるっていうsituationが推理小説向きだよね。当時の情勢とか心理状況とか、史実ともつじつまが合っていて、実にリアルだ。読んでるこちらも籠城気分になって、伊丹を訪問してみたくなる。久しぶりに小説を楽しんだ。著者には、この路線で、更なる新作を期待。 | ||||
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歴史ミステリーというジャンルですが、黒田官兵衛ファンに超超おすすめです。 一筋縄ではいかない軍師殿の魅力があざやか。 荒木村重と黒田官兵衛の奇妙な関係に熱くなります。 幽閉されていて生殺与奪を握られているはずの官兵衛の方が、荒木村重よりも立場が上で、どこか余裕があるのです。かっこいい。 | ||||
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非常に面白かった。直木賞を受賞してもおかしくない。『満願』のさらに上をゆく作品に仕上がった。 戦国時代に実在した、荒木村重と黒田官兵衛。歴史的事実は動かせないので、二人がどうなったかは資料を調べればすぐにわかることだ。ただし、細かな事情はうかがい知れないし、二人の間でどのようなやりとりがあったのかは誰にもわからない。だから、そこに創作の腕を振るう余地が生まれる。 織田に叛旗を翻し有岡城に籠城する荒木村重。織田の使いとして来城しながら、捕らえられて土牢に入れられる黒田官兵衛。敵同士であるはずの二人が、いつの間にか相談して城内の問題を解決していく……ように思われたのだが。どんでん返しと、最後の最後にほっとするシーンを織り交ぜて、極上のエンターテインメントになっている。 | ||||
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武将で黒田官兵衛が1番好きなのですが、もうちょっと出番が欲しかった!しかし多分人生の1つの転換期だと思われる“ここ”が描かれていて最後まで夢中で読みました。 | ||||
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【ネタバレなし】 時代小説の文体で最初は読みにくく感じましたが間もなく慣れました。トリックもそうですが可能性をひとつひとつ潰していく推理の過程が丁寧で納得させられながらの読書が楽しいです。キャラクターの魅力的な描写にも長けています。この作者のファンなら買って損はないと思います。 | ||||
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きれいな状態で届きました。満足です。 | ||||
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設定といいい、ストーリー展開といい、もちろん謎解きといい 米澤穂信さんの手腕は冴え渡っています。 「氷菓」シリーズのミステリー作家が、このような本格歴史ものを書くとは 思ってもみませんでした。まさに「新境地」でしょうね。 しかも、ありがちな「歴史ミステリー」のように、これまでの いろんな作家が取り上げてきた(例えば、龍馬暗殺とか、本能寺の変とか) ありきたりな「謎」を解くのではなく、荒木村重の籠城と黒田官兵衛幽閉(拉致) を背景に、有岡城の密室空間を使っての物語。見事としか言えません。 でも、話が暗いんですよね。きっと根っからの米澤ファンには? 言葉も難しい(よく言えば、リアル)し、時代背景が分かっていないと ついていけないかも。(官兵衛の大河ドラマを見直したくなる) 作家の力量は十二分に感じさせてくれるけれど、読者層は大分裏切られるか。 | ||||
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米澤穂信がこういう作品を書くとは…。歴史小説に形を借りたハードボイルド作品。それなりの史実を基にして想像を働かすというのは、好きなタイプの作品だ。そして、幾つかの謎を少しずつ解いていくと言う形式をとって、その答えに導いていく。ハードボイルド作品を思わせるクールな文体が、畳みかける様に残酷な真実を突き付けていく。一番悲惨であるべき人物が、実は、全てのカギを握っていると言うのは、いかにも、と言う感じがするが、実に説得力がある様に思える。 多分、こんな事実はなかったのかもしれないし、ただ、黒田(小寺)官兵衛は土牢で空しく時を費やしていたのかもしれない。でも、こう言う事実があったのなら、荒木村重の行動にも、何となく、納得がいっているのが不思議だ。これが、小説のも面白さなのかな、と大げさでなく感じる。 星五つでないのは、エピローグがちょっと物足りない所か。これでもか、と描きこんでほしかったけど、それも米澤さんの作風なのだろうか。 | ||||
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登場人物のセリフの使い方が抜群で、実に読みやすいです。 謎、トリックの類は、読者に、登場人物への慣れと親しみとを増さしめます。 ただし、下手に史実を知っていると、話の筋に先読みできるところができてしまってつまらないです。 世の中には知らない方がよいこともあります。 | ||||
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荒木村重の心中やさぞかしと 思わせ、一気に読ませる勢いあり。 | ||||
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あ、小市民シリーズもあったけれどもあちらは別だしね。 有岡城の地下牢に閉じ込められた官兵衛と城主村重の間のやり取りが多いのかなと勝手に思っていたがそうでもなかった。 武士と宗教の関係が面白かった。 推理の原動力となった官兵衛の感情が官兵衛の物語を観たり読んだりしているとラストで納得。 読んでる途中で長政だろってちょっと悩んだ。 | ||||
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古典部シリーズに始まって、米澤先生の大ファンですが、ここまでの才人とは!単純に戦国小説としてもかなりの出来で、相当、勉強されたのであろうなと感心。ミステリとしては、個々の仕掛けはいささか小粒ですが。とは言え、有名な黒田官兵衛の幽閉劇をこの様なミステリーっぽい構成に組み込んだ構想力には兜を脱ぎます。先生の代表作の一つでもある「折れた竜骨」でファンタジー×ミステリーで見せた様にどの様な舞台でもミステリーは成立することを改めて証明されたかと。先生の作品では意外と人が死んでいないミステリーが多いのも作品の幅の広さの表れでしょうな。おそらく本年のミステリーベスト1の筆頭候補! | ||||
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やられた。。これはうまい。戦国の戦のど真ん中にミステリーを投げ込んできた着想がすごい。ましてや主人公の一人が荒木村重…謎が多いこの人物は、豪傑なのか?策略家なのか?ただ突然信長に謀反を起こした曲者なのか?どうしても松永久秀と同系統に見られがちな、情報の少ない人物を起用してくるとは。。著者はそんな人物をものの見事に描き切り、幽閉した黒田官兵衛とのやり取りも見事で、有岡城内の小さな事件と戦国の大乱の二つの流れを見事に自然と紡ぎ合わせていった。こんな歴史小説もありなんだ、と驚かせてくれた一冊。ミステリー小説作家の見事な歴史小説デビュー。面白かった! | ||||
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この著者の作品は初めてである。 加えて、戦国武将の荒木村重を描いた作品を読むのも初めてだ。 村重は信長を描いた作品にその名は多く登場するが、松永秀久ほどにも詳しくは触れられていない。 で、本書である。 村重は、大阪本願寺攻めに注力する信長に叛旗を翻し、有岡城にたてこもる。 有岡城は北摂に位置し、町全体を堀と城壁で囲むいわゆる「総構え」である(この「総構え」という言葉は、城郭考古学者・千田嘉博さんのテレビ番組で知ったのだがw)。 毛利からの援軍を信じての籠城戦の最中、黒田官兵衛が織田側の使いとして派遣される。 その官兵衛を、村重は切るのでもなく、返すのでもなく、地下牢に閉じ込める。 そこからストーリーが始まるのだが、籠城する城内には援軍が来ないこと、寝返りの頻発によって、重苦しい空気が日増しに濃くなっていく。 そこに、小さな事件が起こる。 その事件そのものは、村重が気付かなければ事件とも言えないようなことなのだが、この些事を放置すれば籠城戦の崩壊にもつながると懸念する村重は、その謎を解こうとする。 しかし解けない。 そこで、地下牢の官兵衛の知恵を借りようとするのである。 こうした小さな事件とその解決が章ごとに展開される。 その小さな事件と推理による解決のストーリーは、既読感がある。 時代も舞台も全く違うのだが、深緑野分『戦場のコックたち』を読んでいるような気分になったのである。 同書は、ノルマンジー上陸作戦後の連合軍(米軍)の炊事兵たちを描いた作品だが、章ごとに小さな事件が起こり、それが解決されていく。 それらを通して、ノルマンジー上陸後の米軍内の雰囲気を巧みに描いた秀作なのだが、それに似た印象を受けたのである。 しかし、『黒牢城』は終盤に至ると、それらの小さな事件が一つに収斂し、爆発するかのような終焉を迎える。 籠城中の城内を巧みに描いただけではなかったのである。 時代考証や戦国武将の思考方法なども緻密に表現され、違和感もない。 大した作品である。 この作者の他の作品も読んでみたくなった。 | ||||
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籠城戦の辛さ、それも対外的なものでなく、味方を疑わずえない対内的な状況は、村重に同情はします。 この主人公・荒木村重が籠った有岡城で起きた数々の事件は、はたして史実なのでしょうか?詳しくないので教えてほしいですが、もう一方の囚われ人・黒田官兵衛が獄中で名探偵よろしく解決の糸口を村重に与えるというのは・・・出来過ぎ過ぎて面白くなかったです。 本郷氏の帯書きに“骨太な合戦描写~”とありますが、全然そんなこと感じませんよ。 | ||||
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戦国×ミステリ そんなジャンルがあるのか? ミステリーファンは当然楽しめるが、戦国時代ファンでなくとも米澤氏らしい作品で不思議と読みやすい。さらっと読んでも映像が浮かんでくる描写。 ファンタジー×ミステリの「折れた竜骨」と並ぶ同氏の大作がまた生まれた。 | ||||
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