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黒牢城



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【この小説が収録されている参考書籍】
黒牢城
黒牢城 (角川文庫)

黒牢城の評価: 4.22/5点 レビュー 218件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.22pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全218件 181~200 10/11ページ
No.38:
(4pt)

ミステリーとしては☆3,小説としては☆4

ミステリー×○○というのは、○○に何が入っても最早、何の新味もない。ミステリー×異世界(魔法)というお話も存在するからだ。では、このミステリー×戦国ではどうだろう?

ミステリーの中身自体は悪くないのだろうが、現代風ミステリー仕立てにするために、不自然な舞台設定を重ねなければならない所が散見される。

例えば成敗しないと決めた人質を牢屋に入れずに納戸にいれるとか、ありえるだろうか? いや、そもそも有明城ほどの巨大な城に、牢屋が一か所しかないとは考えられない。これでは間者を捕らえても、閉じ込めたり、拷問したりできないではないか。

それに無辺が城内でなく町屋に泊まった所も、かなり言い訳がましい。村重に直接会っていると知れ渡っている時点で、密使であると疑わない者がいるだろうか? それに本人に会わず、室内も検めないで警護をする、という事も合点がいかない。 

そもそも探偵役が城主の村重である時点で、事件の謎を解けなくても権力でどうにでもなるため、あまり緊張感もない。城内の空気が悪くなり、団結力・統率力が下がるという動機で、村重を探偵役にするにはあまりに弱い。実際、戦国の世において、真実などどうでもよく、権力でいかようにも捻じ曲げていただろうと推測される。そんなことを考えながら読んでいたので、終盤近くまで楽しめなかった。

なのでミステリーとしては☆3である。しかし、その辺を我慢して最後の方まで読み進めれば、読み物としては大変面白い。三つの事件に関連する黒幕は誰なのか、という辺りから面白くなり、武士の死生観や庶民の死生観、宗教の在り方について考えさせられる。

官兵衛の思惑も明るみに出て、終盤は面白かった。最後まで読んでみれば、割とよい小説だったと言える。しかし、史実とうまく符号するかと言われれば「?」と思うところも大いにあるし、深い感動といったところもなく、大河ドラマとかを見ていれば結末もわかっている。終盤まで冗長に感じられたので☆4である。
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4041113938
No.37:
(5pt)

アイディアの勝利

相変わらず文章は上手で、時代小説の作法にも通じているのかと驚嘆した。内容はあらすじの通りだが、官兵衛はほとんど出て来ず、荒木村重が右往左往していると言っていい。それでもページを捲る手が止まらなかったのは、著者の並々ならぬ力量のためだろう。
ところで第二話の牢番がいきなり刀を抜こうとしたシーン、官兵衛はなに吹き込んだんだろうね。ストーリーに関係ないが、これだけは気になった。
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4041113938
No.36:
(5pt)

推理小説にして歴史小説

まさに新境地、まさに設定の妙。
本書は安楽椅子探偵とその助手がとある場所で巻き起こる謎を解いていく推理小説である。
その一方で、戦国時代の人々の生き方あり方をえがいた、歴史小説でもある。
一般的に全く交わることがないと思われたこの二つを高度に融合させ、これほど素晴らしい作品に仕上げた作者の筆には脱帽するしかない。
歴史小説というのもおもえば、歴史上の人物が何故そうしたのか?という推理小説におけるホワイダニットに挑戦する作品が多く見受けられ実のところ、推理小説というジャンルとも相性がいいものなかもしれない。
この作品においてもホワイダニットが重要な意味をもっており、推理小説畑にいた筆者だからこそ書かけた新時代の歴史小説であり、推理小説なのではないだろうか。
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4041113938
No.35:
(5pt)

過去の時代小説にこんな類型あったかな、凄っ!

私が知らないだけかもしれないけどね。

読み終えてみれば官兵衛の物語だった。
ただこれまで断片的に知ってた籠城主・荒木村重のことも面白かった。

第3章「遠雷念仏」301〜302ページにかけて官兵衛が語る「領主の名分三つの形」が面白い。
なるほどと思った。
荒木村重が生きてたこの時代に昇竜の勢いだった信長や秀吉がどれにもあてはまらず、家康はひとつめの「父祖伝来の・・・」にあてはまる。
また、家康のみは旧来の家臣団との対等に近い合議もやってたようだし。
村重・秀吉は根無草で信長もこれに近い。
この黒籠城に家康のことはまったく出てこないがこのようなことも考えつつ読み進んだ。
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4041113938
No.34:
(5pt)

クライマックスはたまらない。

荒木村重の行動は、こう言う高察も在りかと、なるほど得心凍ました。かった方がいいものがです。ついでに黒田か勘兵衛DV総集編も買うべきです。
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4041113938
No.33:
(3pt)

ミステリーと歴史を混ぜたけど

荒木村重の反乱は織田信長が主人公の小説には必ず出てきます。大抵は毛利と通じた村重が有岡城で反逆、籠城の末、家臣や妻を捨てて逃げる、村重は武士の風上にも置けない卑怯で臆病者という話です。
本書はその大枠の中で村重から見た反逆とミステリーが融合した小説です。どこまでが創作でどこまでが史実かはあまり考えない方がいいでしょうし、この小説の中では世界観は一貫しています。黒田官兵衛を殺させなかった理由、村重が城を脱出した理由、いずれも理屈が通っています。
しかし、この世界観を外から眺めると、実は少しおかしいところがあるように思います。作中の理由で官兵衛を殺さなかったのなら、生きて返した方が理に適うし、作中の気持ちで有岡城を脱出したのであれば、伊丹城でくずぐずしないはずなのに、実際にはぐずぐずした後、毛利へ逃げて行きます。
あともう一つ残念なのは村重の性格が今一つはっきりしないことです。寡黙な主人公だから仕方がないとは思いますが。
でもそんなことはどうでもいいです。ミステリーとしては面白いし、設定も秀逸です。楽しめることは間違いないです。ぜひ読んでみてください。
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4041113938
No.32:
(5pt)

ミステリ的趣向で全体を包んで、荒木村重を中心として極限状態における人間心理及び因果の積重ねを抉った戦国小説の傑作

信長に反旗を翻して惣構の有岡城に立て籠もった荒木村重を主人公として、村重を中心として極限状態における人間心理及び因果の積重ねを抉った戦国小説の力作。作者らしく、ミステリ的趣向も用意している。作者としては戦国小説に挑んだ新機軸の作品と言える。村重は思慮深い武将として描かれるが、村重をここまで採り上げた戦国小説も珍しいのではないか。

まず、プロローグで村重に和議を薦める黒田官兵衛が有岡城を訪れ、幽閉された事が記される。以下、戦国小説らしく、上述した通り、村重の心理を中心に、籠城という極限状態の中で、血気盛んな序盤(手柄争い等)から次第に劣勢(裏切りや疑心暗鬼)になる有岡城内の人間模様が描かれ、これだけでも立派な戦国小説として成立している。長編小説の各章を云々するのは本意では無いが、本作はプロローグとエピローグを除いて、<雪夜灯篭>、<花影手柄>、<遠雷念仏>及び<落日孤影>の4つの章で構成され、各章で"謎の事件"が起きる。例えば、<雪夜灯篭>では雪の庭を舞台とした人質殺人という不可能犯罪である。村重は家臣の心の安寧を考え、解けない謎を概略だけ説明して官兵衛に相談し、官兵衛が安楽椅子探偵の如く真相を見抜いてしまうというミステリ的遊びがある。しかし、ミステリ作家としての作者の実力を知っている読者としては物足りない解決。

ところが、最終章の<落日孤影>(既に趨勢は決まっている)及びエピローグを読むと、各章の解決が物足りなかった理由、官兵衛の深謀や人間関係の因果が分かるという鮮やかな創り。ミステリ的趣向で全体を包んで、荒木村重を中心として極限状態における人間心理及び因果の積重ねを抉った戦国小説の傑作だと思った。
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4041113938
No.31:
(5pt)

極上の戦国ミステリー

有岡城の戦いは戦国史上の悲劇として、また荒木村重は謎の戦国武将として非常に興味があったため本書を手に取りました。著者のダークな世界と相まって極上の戦国ミステリーとして完成されていました。本作の荒木村重が主人公のように、備中高松城の戦いを清水宗治、鳥取城の戦いを吉川経家、上月城の戦いを山中鹿之介など悲劇の主人公が沢山いますから、戦国ミステリーがシリーズ化になってたらいいな…。
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4041113938
No.30:
(3pt)

面白い。

頭脳戦が見もの
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4041113938
No.29:
(5pt)

おすすめ!

久しぶりの読書で、いきなり今年のミステリのベストを引いたのでは?
時代小説が苦手でもまったく問題なし。ミステリとしての完成度はもちろん、話が進むにつれて籠城している有岡城の空気が変わっていく描写も見事で、荒木村重と黒田官兵衛が対峙するシーンは迫力があって圧倒された。
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4041113938
No.28:
(5pt)

ハズレなし。は時代小説でも生きていた。

ハズレのない作家を知ることは幸せなことですが、なかなかに困難です。
まだこの作者を知らない方、未読の方は幸せです。
この作品の面白さを決定づけている如水と村重の会話はそれだけを舞台演劇にしたいほど。
おすすめです。
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No.27:
(5pt)

歴史小説とミステリがうまく融合していて読み応えがあった

織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、使者として有岡城に派遣され翻意を促した黒田官兵衛を拘束し土牢に監禁。

そんな中、毛利の援軍を待ちながら織田勢との戦に望むも、次から次へと起こる問題にどう対処していくのか、歴史小説とミステリがうまく融合していて読み応えがあった。

織田勢に寝返った安部家から人質として預かっていた嫡男の自念の殺害、敵の大将を討ち取った首の取り替え、密書と名品の茶壷を預けた僧侶の暗殺、謀反人を鉄砲で殺害しようとする企てなど、どれも一筋縄ではいかない難問に翻弄される村重。

誰がどんな企てをしているのか、なかなか真偽を見定めることができない村重は、それを相談できる者もおらず、土牢に監禁した官兵衛に相談を持ちかけていくという展開はよく考えられていた。

籠城しながらいつまで経っても来ない援軍を待ち続ける日々に、次第に重臣たちの心もまとまりがなくなり、村重の下知も疎かにするようになっていく中、村重の心労はどれ程のものだったか。

村重と官兵衛の秘密の会合の結果、どんな結末を迎えるのか、最後まで楽しめた。
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4041113938
No.26:
(5pt)

黒田官兵衛が最高

荒木村重を脇役にし、官兵衛を主役にすえたような印象を受けた。官兵衛ファンとしては大満足でした。
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4041113938
No.25:
(5pt)

読み継がれてほしい、新たな名作の登場

私が思う、当代一の技巧派ミステリ作家さんの一冊です。
今度は、戦国時代を舞台に歴史小説のフォーマットを借りつつ、新しいミステリの可能性を見せてくれたのではないしょうか。
いささかほめ過ぎかもしれませんが、長め(100ページ超)の短編を4つ並べて、
- それぞれに戦いの推移、春夏秋冬の移り変わりといった、背景情報を盛り込みつつ、
- ミステリの核となる謎を設定し、
- さらに各短編の事件をそれぞれ異なる理由で、戦いの趨勢に影響のあるものとして描き、
- 主君である荒木村重自らが解かなければならないように仕向けるストーリーを展開する
のは、なかなか書けるものではないと思います。
歴史的な結末は明らかなので、最後の驚きが少ないのが残念ですが、また1冊、長く読み継がれてほしいミステリの一冊に出会えました。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.24:
(5pt)

新歴史推理小説

荒木村重を主人公としながらも、黒田官兵衛との関係や、史実もふまえた推理小説としても秀逸な本。謎解きの要素もあり時代小説としても興味深い。連面と綴られた、迫力ある一冊かつエンターテイメントに富んだ作品。
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4041113938
No.23:
(5pt)

山田風太郎の小説の楽しさを思い出した。有岡城に籠城してる気分になった。

歴史上の人物が登場し、よく知られた史実の中で、その隙間を埋めるように事件と推理が展開され、結果として史実や人物への理解が深まり、一つの史観が浮き上がるような連作長編って、山田風太郎の明治ものとか、多くあった記憶が。その知的興奮と楽しさが、本作でよみがえってきて、実に興奮した。

荒木村重の謀反と織田軍に包囲された有岡城(伊丹城)の籠城、捕らえられて地下牢に閉じ込められる黒田官兵衛、味方の相次ぐ裏切りと、なかなかやってこない毛利勢援軍など、緊迫の状況で、家臣たちや村重自身の心理状態も徐々に変化していく。彼らの動揺を誘うかのような謎の事件の数々。緊迫の心理戦の展開の中、村重は、籠城戦や天下の趨勢を語り合えるのは、唯一、官兵衛しかいないことに気づく。やがて。。。

なんか、有岡城に籠城してるっていうsituationが推理小説向きだよね。当時の情勢とか心理状況とか、史実ともつじつまが合っていて、実にリアルだ。読んでるこちらも籠城気分になって、伊丹を訪問してみたくなる。久しぶりに小説を楽しんだ。著者には、この路線で、更なる新作を期待。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.22:
(5pt)

官兵衛ファンにおすすめ!!!

歴史ミステリーというジャンルですが、黒田官兵衛ファンに超超おすすめです。
一筋縄ではいかない軍師殿の魅力があざやか。
荒木村重と黒田官兵衛の奇妙な関係に熱くなります。
幽閉されていて生殺与奪を握られているはずの官兵衛の方が、荒木村重よりも立場が上で、どこか余裕があるのです。かっこいい。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.21:
(5pt)

時代小説でしかもミステリー

非常に面白かった。直木賞を受賞してもおかしくない。『満願』のさらに上をゆく作品に仕上がった。
 戦国時代に実在した、荒木村重と黒田官兵衛。歴史的事実は動かせないので、二人がどうなったかは資料を調べればすぐにわかることだ。ただし、細かな事情はうかがい知れないし、二人の間でどのようなやりとりがあったのかは誰にもわからない。だから、そこに創作の腕を振るう余地が生まれる。
 織田に叛旗を翻し有岡城に籠城する荒木村重。織田の使いとして来城しながら、捕らえられて土牢に入れられる黒田官兵衛。敵同士であるはずの二人が、いつの間にか相談して城内の問題を解決していく……ように思われたのだが。どんでん返しと、最後の最後にほっとするシーンを織り交ぜて、極上のエンターテインメントになっている。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.20:
(4pt)

読みやすい

武将で黒田官兵衛が1番好きなのですが、もうちょっと出番が欲しかった!しかし多分人生の1つの転換期だと思われる“ここ”が描かれていて最後まで夢中で読みました。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938
No.19:
(5pt)

おもしろいです

【ネタバレなし】
時代小説の文体で最初は読みにくく感じましたが間もなく慣れました。トリックもそうですが可能性をひとつひとつ潰していく推理の過程が丁寧で納得させられながらの読書が楽しいです。キャラクターの魅力的な描写にも長けています。この作者のファンなら買って損はないと思います。
黒牢城Amazon書評・レビュー:黒牢城より
4041113938

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