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風神雷神 Juppiter,Aeolus
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風神雷神 Juppiter,Aeolusの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 41~46 3/3ページ
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ゴッホやモネ、ルソーなど印象派を主人公とした作品の多い著者が日本人絵師を取り上げた。国宝「風神雷神図屏 風」の作者俵屋宗達を研究している主人公のもとに、ある人物が来訪。宗達に関係した資料が見つかったようだ。急 遽マカオに飛んだ主人公は意外なものを目にする・・・と、出だしは思いもよらぬアートミステリーで、物語は一気 に安土桃山時代へとさかのぼる。 上巻の主題は絵師の求道物語であるが、群雄割拠の戦国時代において皮肉にも絵も又政治的道具としての役割を内 包している。著者は、権力者に望まれるままに描こうとする絵師の苦悩や、見たこともない物を描きたいと渇望する 童絵師の姿を生き生きと活写。絶対的権力者織田信長と宗達や狩野永徳との意地と命をかけた壮絶なバトルシーンに は激流に呑み込まれる陶酔感を覚える。 本書のタイトルである「風神雷神 ユピテル、アイオロス」については未だ謎のままであり、下巻での展開が待ち 遠しい。 (蛇足)扇、曲、双、隻と屏風の数え方を始めて知りました。勉強になります。 | ||||
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上巻のサンプルをダウンロードし、読み始めたら止まりませんでした。上巻本編をダウンロードし、読み終わったらすぐに下巻もダウンロードして一気読み。 有名な風神雷神図の作者である宗達が、少年時代に天正使節団に加わっていたら?というIF物語。 史実と架空を織り交ぜて楽しませてくれます。 冒頭出てくる養源院の象の絵、これを初めて見たときに。ああそうか、宗達は象の実物を見たことはないんだなと思いましたが、だからこそ描いたんだとする、少年宗達が生き生きとしていました。 安土桃山時代に、キリシタンではない少年が渡欧使節に紛れ込んだなんて、あり得ないのかもしれません。でも、そうだったら面白いねと思ってしまいます。読んでよかったです。 | ||||
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この作者の王道「学芸員突然巻き込まれ系歴史さかのぼり美術小説」ではありますが、本作はいつもの定番よりスケール感が遙かにアップされています。謎に包まれた天才絵師・俵屋宗達は、家業の扇絵付には収まらない早熟の天才ぶりを見せます。その才能を高く評価したのはなんと天下人である織田信長でした。当時の大家・狩野永徳と合作で「洛中洛外図屛風」の制作を命じます。 合作説はともかく歴史的には、上杉謙信に贈られた「上杉本」がこれにあたるようです。さらに、宗達にはなんとローマ教皇に献上する次なる「洛中格外図」を描かせて、天正遣欧少年使節団に同行して直接届けるさせることにします。 伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルティノの敬虔なクリスチャンたちといっしょに海路でまずはマカオへ! 「自分だけの世界をたちまち紙の上に作り上げてしまい」「鳥の目で見渡し虫の目で凝視する」天才少年絵師に待ち受けている運命やいかに? 誤植が1か所あります。P.103「イエズス会にとっても。イエズス会にとっても」の繰り返しです。 | ||||
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新聞連載を毎日楽しみにしていたのだが、諸事情で断念した『風神雷神』が、本になっていたのを書店で見つけて、なんだか思いを残して離れてしまった友人と再会したような気持になり、即購入。書店さんのPOP? も、この本を押していることが窺える熱量の多さを感じた。週末と、通勤電車で無事読了。感想は、もう、読んでよかった、という満足感しかない。上下巻というボリュームに、ちょっぴり「読み切れるかな~」と不安な気持ちもよぎったが、そんなことは杞憂だった。気か付けば、宗達たちと一緒に旅をしている気持になった。宗達の成長の描き方も素晴らしい。原田さんが大きく広げた“創造の翼”によって、私は、楽しい物語の世界に誘われた。 | ||||
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俵屋宗達が躍動している。作中で信長に「行って参れ。ローマへ」と言われたとき、宗達は弱冠13歳。真実をみつけるため、自分の理想を追い求めるため天正遣欧使節団とともに、当時未知の世界であった西洋に渡る本書を読んでから『風神雷神図屏風』を見ると、神々たちがさらに躍動して見えてくる。この話が真実かどうかは問題ない。この本は本書を読む人の心に灯をつけそして『風神雷神図屏風』を見る人の心に新たな風を呼び込むものだと思う。 もちろん、原田マハのファン、そして絵画が好きな人、歴史好きの人も十分満足させる内容である。そして何より若い人にこういう風に生きてみたいと思わせる希望の本でもあると思う。 | ||||
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原田マハさん初となる、上下巻構成、実に700ページを超える超大作。 誰もが一度は目にしたことのある国宝「風神雷神図屏風」を軸に、謎に包まれた絵師・俵屋宗達の姿を独自の視線と解釈で描いた一大歴史・「アート・フィクション」物語。 「アート・フィクション」としたのは、帯に採用された言葉通り。 作中では史実に残されたことと、残されていない点が乱れ入り、恐らくは「そうでなかったであろう」歴史を それでも生き生きとしたキャラクターと「美術」に対する熱い思いで描き切った原田マハさんの手腕に心から拍手を送りたい。 時は安土桃山時代、天下人・織田信長に見初められた主人公・俵屋宗達は伊東マンショ達「天正遣欧少年使節」とともに、 遠く離れた異国の地、ローマに向かう。 歴史と美術の知識が無くても楽しめる筆致はさすが原田マハさんという圧倒的な技量。 この下巻では日本を出発し幾年(!)、幾多の苦難を越えてついにローマの地にたどり着く主人公・俵屋宗達たち「日本人」。 システィーナ礼拝堂の鮮やかな絵画たちとの出会い、ローマ法王との謁見の風景、 胸を熱くするシーンが多く存在し、感動巨編の言葉に偽り無し。 「宗達が織田信長の前で作画を披露した史実はどこにもない(中略)研究者が聞けば一生に付される「夢物語」である。 けれど―。 それでいいではないか。」 作中の登場人物によるこのモノローグは、まさに原田マハさんのこの作品に託した想いではないだろうか。 そして、作品を見終わった、俵屋宗達の旅を見届けた我々読者の想いではないだろうか。 マイナス1としたのは上巻の最初(プロローグ)と下巻の最後(エピローグ)の現代パートの物足りなさ。 上巻での熱のある同じく現代パートのプロローグから700ページ近く、話は過去に飛び壮大な物語が展開される。 それだけに、本作を締めくくるエピローグが蛇足とも取れるくらい少なかったことが残念だった。 また後半は非常にバタバタと感じ(実際作中でも「期限」がありバタバタしていたのは事実だが)、 濃密で壮大な物語だっただけに、もう少しゆっくり進めてほしかった印象が残った。 | ||||
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