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風神雷神 Juppiter,Aeolus



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【この小説が収録されている参考書籍】
風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)
風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)

風神雷神 Juppiter,Aeolusの評価: 4.03/5点 レビュー 62件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全62件 61~62 4/4ページ
No.2:
(5pt)

風神雷神図屏風が躍動して見えてきます

俵屋宗達が躍動している。作中で信長に「行って参れ。ローマへ」と言われたとき、宗達は弱冠13歳。真実をみつけるため、自分の理想を追い求めるため天正遣欧使節団とともに、当時未知の世界であった西洋に渡る本書を読んでから『風神雷神図屏風』を見ると、神々たちがさらに躍動して見えてくる。この話が真実かどうかは問題ない。この本は本書を読む人の心に灯をつけそして『風神雷神図屏風』を見る人の心に新たな風を呼び込むものだと思う。
もちろん、原田マハのファン、そして絵画が好きな人、歴史好きの人も十分満足させる内容である。そして何より若い人にこういう風に生きてみたいと思わせる希望の本でもあると思う。
風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)Amazon書評・レビュー:風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)より
4569843875
No.1:
(4pt)

けれど―。それでいいではないか。

原田マハさん初となる、上下巻構成、実に700ページを超える超大作。
誰もが一度は目にしたことのある国宝「風神雷神図屏風」を軸に、謎に包まれた絵師・俵屋宗達の姿を独自の視線と解釈で描いた一大歴史・「アート・フィクション」物語。

「アート・フィクション」としたのは、帯に採用された言葉通り。
作中では史実に残されたことと、残されていない点が乱れ入り、恐らくは「そうでなかったであろう」歴史を
それでも生き生きとしたキャラクターと「美術」に対する熱い思いで描き切った原田マハさんの手腕に心から拍手を送りたい。

時は安土桃山時代、天下人・織田信長に見初められた主人公・俵屋宗達は伊東マンショ達「天正遣欧少年使節」とともに、
遠く離れた異国の地、ローマに向かう。

歴史と美術の知識が無くても楽しめる筆致はさすが原田マハさんという圧倒的な技量。

この下巻では日本を出発し幾年(!)、幾多の苦難を越えてついにローマの地にたどり着く主人公・俵屋宗達たち「日本人」。

システィーナ礼拝堂の鮮やかな絵画たちとの出会い、ローマ法王との謁見の風景、
胸を熱くするシーンが多く存在し、感動巨編の言葉に偽り無し。

「宗達が織田信長の前で作画を披露した史実はどこにもない(中略)研究者が聞けば一生に付される「夢物語」である。
けれど―。
それでいいではないか。」

作中の登場人物によるこのモノローグは、まさに原田マハさんのこの作品に託した想いではないだろうか。
そして、作品を見終わった、俵屋宗達の旅を見届けた我々読者の想いではないだろうか。

マイナス1としたのは上巻の最初(プロローグ)と下巻の最後(エピローグ)の現代パートの物足りなさ。
上巻での熱のある同じく現代パートのプロローグから700ページ近く、話は過去に飛び壮大な物語が展開される。

それだけに、本作を締めくくるエピローグが蛇足とも取れるくらい少なかったことが残念だった。
また後半は非常にバタバタと感じ(実際作中でも「期限」がありバタバタしていたのは事実だが)、
濃密で壮大な物語だっただけに、もう少しゆっくり進めてほしかった印象が残った。
風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)Amazon書評・レビュー:風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)より
4569843883

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