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晴天の迷いクジラ
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晴天の迷いクジラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全65件 41~60 3/4ページ
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意味不明な書名と、心に刺さりまくる最新長編、人類の転機に何度も読み返したくなる感涙の物語、のコピーでふと手にして購入しました。大いにがっかりです。登場人物のシチュエーションに現実味がなくてまったく心に響かないし、ファンタジーとしては全く面白くないです。だから女性作家はいやなんだと思わせるしつこい生活シーンの羅列にはかなりの我慢を強いられます。ごめんなさい。こんな書評では本が売れませんよね。軽く読み飛ばしながら読むにはいいかもしれません。 | ||||
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デビュー二作目にして完成されたものがある。三人の、それぞれ問題を抱えた人たちが主人公。とにかく、登場人物の掘り下げ方が半端ではない。一人一人の生い立ち、過去、環境、性格などの描き方が抜群にうまい。どの人物にももれなく感情移入してしまう。問題を抱えているが、みんなそれぞれの問題に対処できずに途方にくれたり、壊れる寸前であったり。根にあるのは、どうやったって自分では変えることのできない家族の問題。血縁の拭いがたい辛さが、それ以外の他人との偶然の出会いの網にひっかかり、救われていくさまは生きていくのも悪くないなーという気にさせられる。とてもいい小説だった。 | ||||
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後半の劇画調の展開にがっかりしました。特にデザイナーの男性のキャラに統一感がない。継ぎ接ぎだらけな感じが否めないように感じます。 | ||||
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歯車が狂って悪循環に陥ってしまった人からすると,自分ほど不幸で苦しんでいる人間はいないと思い込んでしまいがちですが,世の中,誰もがそれぞれに抱えている悩みや心の傷はあるもの。一見するとうまくやっているように見えて,実は誰もが1つ間違えれば・・・・というような綱渡り状態の中で,他人にはその弱みを見せずに一生懸命生きているだけなのかもしれません。 表面上は普通に生活してきたけど,実は他人には言えない訳ありの過去や事情をもつ3人の男女。ある時,ぎりぎりのところでバランスを保っていた歯車が狂って落ちるところまで落ちかけた時・・・・というお話。 「死ぬなよ」って。ただそれだけ,言えばよかったんだ・・・・というフレーズが胸に染みます。当たり前って言えば,当たり前なんですが,その当たり前の一言に気づかないから,あるいはその一言が言えないから,ふっきれずに自分を追い込んでしまう。ある意味,「迷いクジラ」になっているわけですね。 で,その一言が言えると,実は自分だけじゃなくて,誰もが他人には言えない苦悩があって,支え合って生きてる,ってことにも気づいたりするわけで。 主人公たちの訳ありの過去や事情というのが,現代社会にはありがちな実にリアルな内容。その部分だけを読むと,とても重苦しいのですが,全般的に軽妙な文章でテンポ良くストーリーが展開してゆくので,時にはまるでコメディーを見ていたかのような錯覚さえ感じさせます。それでいて,読み終えた後には,ホロッとしてジーンとなるような温もりも。 別に格調高い文学小説っていうわけではありませんが,清々しい気持ちになれる1冊です。 | ||||
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窪 美澄氏の作品はまだ二作目ですが,共通して,自分には耐えられないほどつらい,心が痛む話が続いた後に,ほっとするというか,そのつらさを何とか乗り切れそうな気持ちにさせられる構造になっています.カタルシスというほどではありませんが,その克服感が妙に心地よく,つい読み返してしまいます.でもやはり辛い. | ||||
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窪美澄作品は「ふがいない~」とこの「晴天の迷いクジラ」を読んだことになる。 ストーリーはそれほど興味をそそるものではなかったが、それ以上に筆力がとにかく高いと感じた。 文章に柔らかで強い力があり、一文も読み逃したくないと思った。 お金がなくとも中古で買うのをやめると決めた作品だった。 「ふがないない~」とはまた違うが、私は「晴天の迷いクジラ」の空気感が非常に心地良かった。 | ||||
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様々なところで話題になっていたので読んでみましたが、評判ほどではありませんでした。 設定もごく普通で、よくあるストーリーという感じです。 表現の中にも、特に惹かれる素晴らしいものはなかったように思います。 ちょっと期待外れでした。 | ||||
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デザイン会社の若い社員が精神安定剤を並べて漢字を書くところなんざ、あーた、センスがいいわ。八方ふさがり感がよくわかる。一人目のエピソードでグッと来た。回想シーンに迫力がある。「おばあちゃん組」と「お母さん組」、とってもリアルだった。表現がいい。 女社長が、これまた予想外にいいエピソードを展開してくる。ただ絵を描くのが好きだった少女がだんだん壊れていく様は、涙がにじむほど切なかった。 それで、湾内に迷ったクジラを見に行くんだね、と納得しかかってたのに、なんかまた別な人物が出てくる。誰だ?こいつ?と思ってたのに、これがまた力のあるエピソードでぐいぐい迫ってくるんだわ。とりあえず、クジラのこと忘れて読もうって気になっちゃうんだ。 そしたら力技で三人が合流しちゃって、それで終わりじゃなくて田舎のばあちゃんがいい味出して。 救出されたクジラの多くは二日以内に死ぬなんて書かれているし、決して何かが解決したわけじゃないんだけど、でもこの小説はこれでいい。読むことができて良かった。 | ||||
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主人公は、誰だろう…。多分複数人。 今にも潰れそうなデザイン会社の若手社員は、過労でうつになり 恋人にも振られ、死を考えるようになる。 そのデザイン会社の女性社長は、必死で育てた会社の死に際に、 自らの死も考えている。 そして、親友の死後部屋に閉じこもり、拒食症になり、 ぼんやりと死を考えている女子高生。 この3人の誰もが、歪んだ愛情の中で育ち、今はどうしようもない 閉塞感に苛まれている。 そこへ、どういうわけか、湾に迷い込んだマッコウクジラ。 「どうせ死ぬならくじらみてからでいいでしょ」というわけのわからない理由で、 3人は迷いクジラを見に行く。 そこでの、もうひとつの出会い。 3人の、どうしようもない閉塞感を思い切って打破する、とてつもなく 大事な出会い… 最後の一歩を大きく踏み出すのは、結局自分以外ありえない。 でもそこに行き着くまでの、紆余曲折や、大切な人との関わり合い… ひとりひとりのもがきが生々しく、そして愛おしく、 読んでいて切なく、涙が溢れてくるのだ。 生きているだけでいい、それだけのシンプルなメッセージを送ってくれる 小説。 月並みだけど、この人たちが踏み出した一歩から、 勇気をもらえたような気になる、そんな小説だった。 | ||||
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彼女の作品は初めてでしたが、構成もしっかりしていて、 繋がりもよくテンポよく読み終えることができました。 | ||||
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初めの2章と書き下ろしの部分の描写の違いか気になりました。 私にとっては読みづらいジャンルの本でした。 | ||||
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テーマだけ見ると、暗くて仕方がなくて救いのない話のように見えますが、登場人物が一人残らずキラキラしています。 読後感が素晴らしい作品に久しぶりに出会いました。 人は文章を読むだけでこんなに清々しい気持ちになれるんだな、と感動させてくれた一冊でした。 | ||||
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小説を読む楽しみはいくつかある。想像もしない世界に連れて行ってもらったり、自分の気持ちを代弁してくれたり。わたしが窪美澄の小説を読むのは自分の隣にある、自分に降りかかるかもしれない不幸がなんなのか教えてくれるからだ。そしてその不幸の芽は当然自分の生活にもある。 この本は農村、漁村、都会、の三つの街を舞台に、浅瀬で身動きが取れなくなったクジラのように人生のどん詰まりにいるような感じている3人が疑似家族になってクジラをみる旅をして「浅瀬」から出て行こうとするまでを書いている。 窪美澄をセックスの先を書く作家だという人がいる。この本でもセックスの結果子どもが産まれ、家族になった人たちの親子や家族の愛情のバランスが起こす不幸が描かれる。同時にセックスを通じて人格や生活をも見せる。第一章のイヤフォンをしたままのセックスシーンではそれまでどこかつかみ所がなかった人物がぐっと深みを増した。うまいなーとうなった。前著『ふがいない〜』のコスプレセックス同様、どんなセックスをしているかだけでその人の性根を書いて見せる。すごい。 それからなんといっても3人それぞれが追い詰められていく筆致が圧巻だった。読んでいるとまるで自分が詰められているように思えるほど登場人物の心情にぴったりと寄り添う。 周囲の支援がない中で子どもの存在に戸惑う野乃花や親との関係に葛藤する正子はそれぞれ、子どもを育てるわたしにとって、生活の中でちらり感じる恐怖だった。周辺にも似たような葛藤を抱えている子育て家庭を知っている。よくぞ書いてくれた!と思う。小手先や取材だけでは書けない、書かなければならなかった気迫を感じた。 追い詰められた人間がふと上を見れば「晴天」で、自分がいるのが浅瀬で、目の前にひろい海が広がっていることがわかれば、まだ生き延びることができる、最後までページを繰って感じたのはそうした安堵だ。作者の重さと軽やかさの両面が両立したとてもいい作品だった。 でも、浅瀬から抜け出すクジラに〈生きるか死ぬかは半分半分だろうな〉と専門家が話す。窪さんいつもきびしーなーと思った。 | ||||
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岬の入り江の浅瀬で、大きくうねり、のたうち回るクジラ。 哺乳類の最大サイズのクジラの生か!死か! とクロスするように、それぞれの世代(10代、20代、40代)の3人が、 抱えている人生のそれぞれの問題に、やはり、「生と死」が関わる。 この本のテーマは、いろんな事がある人生、それでも、やっぱ、生きる事。 生き抜く事! その意味を語りかけてくれている気がする。 明白な解決策がなくとも、 生きてゆこうと思う人には、ゆっくりと、遠いところから、 ほんの少しでも、光は射す。 そんな気持ちにしてくれた。 生きるのが大変な時代、また、簡単に死を選べる時代に、 この作品は、勇気をくれる。 | ||||
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レビューが書けるほど読みこんではいませんが、 一応読み終えたので感想を書いておきます。 キャラ設定やそれぞれにいろんな問題をかかえているという点は、 おもしろく、すらすらと読めたのですが、本当に鬱なのかな?、 いきなり家を飛び出して斯斯然然で社長になれるのかな?、と 急な話の展開の部分もありました。 分量的にも内容的にも、初心者向けという印象です。 | ||||
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読書歴が短いので、大した表現は出来ませんが・・・ 表現や描写は 前作同様すんなりと受け入れられました。 期待せず 何となく読んだ方がいいかな、と思います。 | ||||
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『ふがいない僕は空を見た』に続くデビュー第2作。 基本的なモチーフは、デビュー作と一緒だ。 | ||||
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読み終えて、不思議な文章だなあと思いました。 この系統の作品にしては、改行が少なめで、ページ内に字が詰まっている感じなのですが全く気になりませんでした。 それに、全体的にすごく、「程よい」感じなのです。 「分量」も、「主人公3人の掘り下げ方」も、「3人の人生の絡み方」も「決着のつけ方」も。 個々の人生についても、これ以上掘り下げると大長編になりそうだし、このくらい書いてくれないと説得力ないだろうし…。 描写量の絶妙なさじ加減によって成立したリアルな人物たちが、リアルな距離感で絡み合うところが読ませてしまう理由だと思います。 それぞれの人生に行きづまり、追い込まれ自殺を考えている人たちが、死ぬ前に湾に迷い込んだ鯨を見に行く話。 テーマの目新しさやインパクトのようなものはあまりないのですが、スタンダードの強さみたいなものを感じる作品です。 まだ長編二作目の作家さんらしいですが、話のまとめ方はすでに中堅以上の風格。 良質な作品を息長く提供してくれそうな予感がします。 もし、後日何らかの文学賞を受賞したとしても、そのくらい当然かなと感じると思います。 地味でマスコミ受けはしなさそうだけど、こういう本こそ本屋大賞を取ってほしいなあ…。 | ||||
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前作 「ふがいない僕は、、」で ひそかに本屋大賞の本命におしてました。 しかし結果は2位。 今回 間違いなく大賞をとるでしょう。 前回と同様に 人間の生、性、死、親子、友達、仕事、などをベースに書かれていますが 後半のクジラが迷いこんだ場所での人との出会いが 主な登場人物3人を生き返らせる。 最後が前向きに終わっているのも読後感が良い。 | ||||
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窪美澄さんは、今、私が一番新刊を楽しみにしている作家さんの一人です。 「ふがいない僕は〜」を読んで一発でファンになり、この新刊を首を長くして待っていました。 死んでしまいたいと思っている3人の主人公、それぞれの章で、その話が語られます。 ストーリーはもちろん素晴らしいけど、文章の細かいところ、その人物の気持ちがこちらにひしひしと伝わってきて、 その世界にはまりながら読み進めました。 「晴天の迷いクジラ」の意味は、後半になってわかってきますが、主人公三人それぞれに抱えた苦しみと そのエピソードがすんなりと調和して、最後には、ああそうだなあ〜と心にストンと落ちるものを感じました。 こういう小説を読むと「本が好きでよかった〜」とつくづく思えるのです。そんな一冊でした。 | ||||
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