■スポンサードリンク
罪の轍
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
罪の轍の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全149件 41~60 3/8ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実際の幼児誘拐事件を題材にした犯罪小説。 しかし、基本的には作者によるフィクションだろう。 しかし、犯人や刑事の心理描写や取り調べなど、 圧倒的な臨場感で描かれる物語に、 読む手を止めることができなくなってしまった。 非常に素晴らしい、犯罪小説である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
北海道が冒頭の舞台となり、情景が浮かんでくるような描写のため、ストーリーに入りやすかったです。 少しずつ展開されていく印象を最初持ちましたが、それが必要なことだとだんだんと気づいていきました。この犯人と思しき人物がどうなっていくのか、ページを捲る手が止まりませんでした。 読み終わったときに、エピローグがほしいと思うほど、もう少し読んでいたい気持ちになりました。面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書はミステリ(謎解き)ではなく、犯罪者の心の内を描き出したノワールといえるだろう。『オリンピックの身代金』とおなじ昭和の東京オリンピック前夜の日本を舞台に、実際の有名な幼児誘拐殺人事件をモデルとした誘拐事件の捜査と犯人の心情が描き出される。 精神に疾患を抱える犯罪者の起こした事件の捜査という点で、高村薫の『マークスの山』を思い出した。『マークスの山』もミステリというよりはノワールで、その後も高村薫は『照柿』や『太陽を曳く馬』で、合理的に解決できない犯罪者の心の闇と雲をつかむような取り調べの様を描き出したが、扱われている事件の性質も相まって、息苦しいまでのやりきれなさは本作と共通している。 奥田英朗の『オリンピックの身代金』が、現代の目から見れば華やかで希望に満ちた高度経済成長期、恩恵に与れずに苦しい生活を送る市井の人々を光と闇の対比でドラマティックに描き出したのに対し、本書はむしろ冷静な筆致で当時の人々の生活に寄り添って描きだす。私生活を犠牲にする刑事(いまもそうか)、裏社会を生きるやくざ、貧しいが気概ある生をおくる山谷の人々、楽しそうな左翼(本作で一番楽しそう)。何より主人公の悲惨な生。同時代に書かれたルポルタージュを読んでいるような錯覚を覚えるほどのリアリティを味わわせてくれる点に、本書の一番の価値がある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
始めから終わりまで、飽きることなくグイグイ引っ張られます だれか、映画化してください! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
警察内部の描写が多くて、そこが退屈、、、それはカットして、事件内容と犯人心理だけを追った息もつかせぬナオミとカナコみたいなのが良かったのだが、、、ワガママで、すみません。 私自身、警察の内部事情とか警察イズムみたいなのに興味がないんでしょうね。なんか、男メンタルの面倒くさい部分みたいなのを無理やり読まされてるみたいな気がして、面白くなくて疲れてしまう。 もっと読み進みたら面白くなるのかなあ。 まだ途中なのでがんばってみます! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
心に響く作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なにさまだよという、レビュータイトルにしてしまいましたが、普段あまり小説を読まなくなった自分も何故か奥田英朗氏と吉田修一氏の新刊は目が離せなく読んでいます。今回、奥田さんのシリアス系の小説でしかも自分の好きなまだ日本が戦後から高度成長していく時代を背景にしたものと知って楽しみにしておりました。 あまり小説を読まなくなったもので、レビューするのもおこがましいのですが、好みとしては、もう少し時代の描写が欲しかった。私自身まだ生まれていなかったこの時代、ー人々の距離が近くて、物事がずっとシンプルで、躍動感があって、希望があって、でも同時に汚くて、暴力が今よりもずっとありふれたもので、あと、ビートルズを生で感じられたそんな時代になぜかひどく興味があるので、もっとそういった時代の描写を読んで、この時代にひたりたかったです。「オリンピックの身代金」のほうがその点では良かったです。 あと、ネタバレになりますが、なぜ、最後あんな中途半端な青森での逮捕劇になったのか。読む側の読後感をもっと痛快にするならば、せめて、父親との対峙場面まで描いてほしかったです。加害者がそういう境遇になった発端を作中ずっとチラつかせながら、そこを消化不良で濁さないでほしかった。犯罪の背景にそういった恵まれない環境がある切ない事件だというのなら、なおのことそこはそのままにせずに加害者に対峙の場面を与えてほしかったなと。 でも、やはり読んで良かったです。奥田さんの次回作もまた手に取ると思います。希望としては、無理な願望とは重々承知ですが、こうしたシリアス系の社会派小説に、少しどんでん返しとはいわないまでも読者を引っ掛けるような技工を組み込むことが可能であればなと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
犯人や経緯がわかりそうで、微妙にわからない部分がある...とう状態が続き、続きが気になって587ページあっという間でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昭和38年に起きた吉展ちゃん事件をモチーフとした作品。 600p近くのボリュームだが、読み始めたら早かった。 子供が殺される事件のやるせなさ。 しかし、この作品では犯人もまた継父に当たり屋をやらされていたという、 これもやるせない出自があった設定。 構成が ・宇野視点 ・刑事の落合視点 ・山谷の旅館の娘、ミキ子視点 が交差しながら進み、飽きさせられなかった。 中でも落合視点が良かった。 刑事たちが街に散っていくシーンとかかっこよくて、映像でも見てみたい。 いつか映画化されないだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み初めは少し退屈でしたが、話が動き出してからは流石の奥田英朗、目が離せない怒涛の展開でした。窃盗や空き巣に罪悪感を感じない青年と、正義感の強い刑事、そして向学心の強いドヤ街の旅館の娘。この3人を中心に空き巣から殺人、果ては幼児誘拐にまで発展する犯罪の連鎖が語られる。 善人という立場の2人も、時と場合によっては忌み嫌う相手とも組むし嘘もつく。悪人の立場の青年にもそこに至る事情がある。この辺りがポイントか。 気になったのは、犯行が重大化するきっかけがハッキリしないことと、ミキ子の自分勝手な同情心に違和感を覚えること。よって星は4つにしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
オリンピックの身代金には及ばないけど楽しく読めた。 あちらの作品と比べながら当時の東京像ができてくる。 長過ぎるという意見もわかるけど、休日に1日かけて読もうと読み始めたので長く楽しめてよかった。 何か問題があるとすれば、帯の煽りかな。 ぽろっと結末を暗示する煽りが多いから読まないようにしていて、終わってから読んだけどやり過ぎだと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
オリンピックの身代金は何回も読んだ小説。 本タイトルは、そのスピンオフ的なもので時系列的には過去ですが、知った名前がたくさん出てきます。 特に物語終盤、秋田出身のあのスリのおじさんが出てくるシーンではニヤリとした人も多いのではないでしょうか? 話の構成としては刑事の皆さん、それを取り巻くキャラクターの人間性を生き生きと描くもの。犯人が最後まで分からない、という推理物ではありません。 が、ページをめくる手が止まらない。奥田英朗ここにあり、の出来栄えです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉展ちゃん事件は私の幼児期の事件でしたが、子供ながらに恐ろしい響きをもった事件と記憶しています。 実話をベースに物語は進んでいきますが、そのテンポとストーリーの展開には息をつくまもなく、あっという間に読み終えました。筆者の作品「オリンピックの身代金」は当時の流行り物が過剰に使われてやや嫌みに感じましたか、本書は何ら違和感なく吸収できました。 欲を言えばラストの展開は一寸酷だったのかな。それだけ登場人物にに気持ちが入ってしまったのかも知れませんね。 あまりに面白かったので、同時件を題材とした「誘拐」も購入してしまいました(これもおもしろかった)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奥田英朗さん本人が書いた本ではない気がする。文章表現が素人のようだ。物語の展開が異常に遅い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何の前知識も入れずに読み始めたので、しばらくは読者の想像を裏切るミステリ的展開の警察小説かと思っていた。が、その思い込みはやがて本書の隅々まで行き届いた圧倒的なリアリティによって打ち砕かれ、どうやらこれは骨太で重厚な人間ドラマなのだということがわかってくる。東京五輪前年の東京という時代と国がまさに様変わりする匂いを放つ舞台で、その人間ドラマはぐいぐいと加速して読者に息をつかせない。悪いのは犯人か、警察か、時代か、世間か、それとも人間の愚かな業か。最後のページを閉じて嘆息し、放心する。そんなタイプの小説だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一言で言うなら「つまらない」 二言言うなら「長かった」 そんな小説。 申し訳ないけど帯にでかでかと犯罪ミステリの最高峰って書かれてるの恥ずかしく無いのだろうか? 犯人であろう人間は捻りもなく犯人だし、警察には特別な人材皆無むしろ無能、馬鹿な犯人が馬鹿な証拠を残して次の章で馬鹿な警察が「こんな事実がわかった!」って喜びながらなんのひねりもなく逮捕されて終わりよ。 それなら逮捕後何かあるのかと思えば無い。 あれ?っと思った時の残りページ数で絶望したよ。あぁ、この先何も無いんだなって。。。 序盤、赤井の悪意ある行動に少しの面白さが見えたけどそれ以外は木偶の坊が出てくるだけで人間味を感じる登場人物は皆無。 犯人の人格が歪むキッカケになった継父の描写も詰めが甘くて、残忍な行動をそう感じさせられないくらいの書き込みしかないから必然的に犯人への同情もできない。 継父に復讐する為に行動を起こすが、描写か面倒になったのかな?駅から電話を掛けてアナウンスで場所がバレるっていうコッテコテのあるある凡ミスでブツ切り終了。 復讐が果たせていればまだ良かった。 人物の行動描写が漫画やアニメチックで引っかかった。 宿の従業員に聞き込みしている場面。従業員が部屋の掃除をした時、性行為後の花紙が多かったことを思い出して赤面したって。。。なかなかないよ?顔が赤くなる事。しかもその程度で。宿泊施設では日常よ? 被害者の葬儀に警視総監が出席、こどもの命も守れないのか!って投げかけられて青ざめるって。ライトな表現だね。。。 登場人物、警察が特にそうだけど、昭和の漫画みてぇな口調。人に怒鳴る時「やい!」ってみんな言うのどうなの。あまりにみんなが言うけど流行語だったの? ただでさえ当時の野球中継だとか、オリンピックのチケットの応募方法とか無理やり入れてくるから、「やい!」も何とか入れようと努力した結果なんだよね。 無意識で入れているとしたら相当感性が古臭いのではないか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奥田英朗の代表作の一つになるであろう文句なしの星5つの作品。 不幸な環境で育つ北海道礼文島出身の青年である宇野寛治の物語からスタートし、そこから最初の東京オリンピックの一年前の東京に舞台は移り、資産家殺人事件からさらに誘拐事件へと物語が進む展開にページを繰る手が止まらない。 同作は「オリンピックの身代金」の一年前に遡る小説であり、落合刑事の所属する捜査一課強行班5係の面々の活躍が奥田ファンには嬉しい。 物語は宇野青年、落合刑事に加え、山谷で宿泊施設と食堂を手伝うミキ子の3名の視点を交互に絡めながら進んでいく。何故ヒトは凶悪な犯罪を犯してしまうのか、この小説は昭和に実際にあった誘拐事件をモデルにしながら、孤独の闇に囚われてしまう人間の本質に深く踏み込む内容となっている。 オリンピック前の昭和の市井の人々の暮らしの雰囲気もその時代に自分が本当にいるように伝わってきて、物語にリアリティを添えている。奥田英朗が好きな人にはもちろん初めての人にもお勧めの一作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリー物の殆どは1回読めばそれっきり。何度も手に取りその度に面白く読めるのは、現役作家ではこれまで横山秀夫氏にしかなかったが、久方ぶりに読み返しても面白い本に出会いました。本書は「霧の向こう」の原題で小説新潮に連載されている当時から次号が待ち遠しく面白さにはまっていました。一部のレビューには厳しい指摘もありますがそれらを補って余りある面白さがあります。確かに筋の展開に都合が良いように現実には考え難い経緯があったり、時代考証面で?が出る(本書の時代を少年として経験しています)場面もありますが、それらが気にならない面白さがあります。当たり前の言い方になりますが、「人間が描けている」ということでしょう。それは何も重苦しいことではなく、文中の遣り取りや記述を通じて人物像が鮮やかに浮かび上がる読書の醍醐味に通じます。余談ながら、本書では「端役」になりますが、何かというと警察を目の敵にして喚く山谷の簡易旅館女将などは、読んでいると故市原悦子さんが演じたらぴったりだなあなどとシーンを思い浮かべて独り微笑んだりするのも楽しいものです。随所に筆者お得意のユーモアを含んだり記述もあり、大書ですが読み易い第一級のエンターテインメントと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この頃の時代描写が好きなのかも知れませんね 中盤からはだらだら引き延ばされて結局なんの驚きもない結末を迎えてしまうストーリー展開は時間の無駄としか言いようがありません 高評価に疑問ありです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昭和38年という東京オリンピックの前年を舞台にした刑事もの。北海道の離島から東京に憧れて上京するものの、幼少期の父親からの虐待による脳に障害をもったハンデは大きく、東京での暮らしも順調にいくわけはない。少年時代から空き巣でお金を工面していた癖はなおらず、空き巣を繰り返すうちに、幼児誘拐までおこなってしまったのか?脳に障害がある主人公に刑事の犯人像がブレ、捜査が後手後手になったりしながら、犯人を少しづつ追い詰める。罪の重さと、責任能力の無さが天秤にかけられるかと思いながら、緊張感をもって読み進められます。昭和の時代背景を絶妙に活かしたよい刑事小説です。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!