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魔偶の如き齎すもの



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【この小説が収録されている参考書籍】
魔偶の如き齎すもの
魔偶の如き齎すもの (講談社文庫)

魔偶の如き齎すものの評価: 2.78/5点 レビュー 9件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.78pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

推理中心で持ち味の怪異・妖異風味が薄い残念な短編集

表題作(中編と言って良い)の他、「妖服の如き切るもの」、「巫死の如き甦るもの」及び「獣家の如き吸うもの」の全4つの短編から構成される「刀城」シリーズの連作短編集。私は作者の民俗学的ホラーを愛好しているのだが、正直言って、本シリーズで傑作と言えるのは「厭魅の如き憑くもの」のみで、後は「首無の如き祟るもの」がやっと及第点、その他は凡作・駄作と思っている。特に短編集はアッサリとしていて怖さ・コクが薄味だが、それでも手に採ってしまうのは「厭魅」レベルの作品に出会えるかも知れないという期待感があるからだ。

そして、本作の出来はマズマズだとは思うが、今一つ読む者を襲う迫力・怖気が乏しい。本シリーズの刀城は"道化役"で、刀城の不完全な(誤った)推理を怪異・妖異が補完するという体裁である。その成功のためには、推理と怪異・妖異とが混然一体となっている必要があるが、本作はそれがバラバラ。各編には、凶器の受け渡し方、連城三紀彦氏の短編のアイデアに似ているが人間消失トリック、縦に伸縮する家、意外な犯人などの工夫があるが、これらは刀城の推理だけで解決出来てしまう。それに取って付けた様な怪異・妖異譚風の雰囲気を加えてもインパクトが薄い。

刀城の推理は何時もより冴えていると思うが、推理中心で持ち味の怪異・妖異風味が薄い残念な短編集。推理と怪異・妖異とのバランスを取るのは難しいとは思うが、作者にはその壁を越える作品を期待したい。
魔偶の如き齎すものAmazon書評・レビュー:魔偶の如き齎すものより
4065164958
No.1:
(3pt)

サクサク読めるが

他の人も述べておられますが、三津田信三さんはミステリーの短編は今ひとつかな。四篇ありますがいずれもだいたいトリックはわかるし、ホラーとの絡みも淡泊だったり妙に唐突だったりします。ホラーに特化してる短編にはお気に入りがいくつかあるんですが。
 自分的には祖父江偲初登場という体裁の第四話が面白かったというより楽しかったので★三つ半というところ。

 それはそれとして刀城さんの推理の展開。容疑者を一通りならべては外すという手法は短編ではかなり鼻につくのでやめた方がいいんじゃないかな。長編ならクライマックスへの助走という読み方ができるんだけど。
魔偶の如き齎すものAmazon書評・レビュー:魔偶の如き齎すものより
4065164958

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