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かわいい女
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かわいい女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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レイモンド・チャンドラーの長編五作目である本書は、前作『湖中の女』から6年を経た1949年に世に出たものだ。 その間、著者はハリウッド映画に携わっていたという。 そこで得た経験を活かしたかったのか、それとも映画界のきらびやかな表面に隠された虚飾に満ちた内実を知り、嫌気が差したのだろうか。物語は、中盤からハリウッド映画界に関わっていくのだが、それまでの作品ではあまり見かけることのなかった性的な表現、描写が結構な割合で書かれている。 物語は、田舎町から出て来た垢抜けないオファメイ・クエストという娘が私立探偵フィリップ・マーロウを訪ね、一年前にベイ・シティに出た兄の行方が分からなくなったので探して欲しいと依頼するところから始まる。 最初からオファメイに不実なものを感じていながらも、依頼を受け、彼女の兄オリンの捜索を始めたマーロウは、様々な登場人物と出会う。 その中にはアル中もいれば、恐喝者もいれば、ハリウッド女優や医師、ギャングもいれば、お馴染みの警察も、そして勿論死人もいる。 これらの登場人物たちが絡み合い、意外にも複雑に物語は進行し、それだけ死体の数も増えていくのだった。 前作『湖中の女』が、第二次世界大戦中に書かれたものだった為か、ちょっと暗い雰囲気の作風だったのが、本作ではだいぶ派手さやワイルドさが目立ち、いかにもパルプ・マガジン的だ。ひょっとして、当時の流行りにでも関係しているのだろうか。 主人公のフィリップ・マーロウも、タフガイさを取り戻し、警官にも検事にもギャングにも屈せず、依頼人に不利になるならば法律までも無視するという、自分のルールに則り行動をしている。 また、タイトルに載せた様な軽妙な記述も数多い。 大体が、『かわいい女』という題名である。原題は『The Little Sister』、訳すれば『妹ちゃん』とでも言うところか。 しかし、勿論のこと、彼女は『かわいい女』ではあり得ない。 | ||||
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チャンドラー自身も失敗作だと認めているらしい本作。しかしチャンドラーは本質的には詩人であり、プロット構築は大の苦手な人なのだ。 いわゆるストーリーテラー型の作家ではないのだ。だからストーリーに面白さを求めると、本作は凡作となるのだろう。 しかしその文章はどうか。なかなか華麗でセンチメンタルで魅力的ではないか(当然センチメンタルさが鼻について嫌だ、これのどこがハードボイルドだッッという見方もできるだろう)。 破綻や矛盾をきたし整合性のないストーリーはあまり記憶に残らないが、探偵マーロウの1人称視点で語られるセリフ(ぼやき、愚痴含む)の数々は印象に残る。 | ||||
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そも、ハードボイルド小説とは、と大上段から構えてみる。果たして定義可能なのかどうかはさておくとして。 ハードボイルド小説とは、探偵が銃で脅され、蹴られ殴られ、ひどい目に遭う小説だと言える。 その点から行けば、この作品は実にハードボイルドだと言える。女、酒、銃、金、麻薬、マフィア。形を変えたありとあらゆる”暴力”に、探偵は見事に打ちのめされる。 アルコールに蝕まれた探偵マーロウは”かわいい女”の奇妙な態度に惑わされ、迂闊にも事件の核心に足を踏み入れて往く。 | ||||
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チャンドラーの傑作のなかでは、息を抜いたような作品だが、この結末がOKである人は自分のように、ミステリーよりもハードボイルドの風味が好きなタイプなのだろう。 女優たちの華やかな生態とショービズの世界を舞台に、ちょいわるオヤジの元祖たるマーロウがもてまくる。そしてお決まりの運命の女と対峙する。 チャンドラーもハードボイルド小説できっちり一人称の冒険もしていたのだから恐れ入る。 | ||||
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「今日はどうかしているよ」自分がマーロウであるかのように・・・「かわいい女」なんて題名にマーロウが出てなかったら私は決して本に触らない。題名を忘れることに努力するよ。いつも思うがマーロウのセリフを使える奴になってみたいもの。少し聞きたい、女性にとってマーロウは魅力的な奴?いやな奴でしょう。と、思いながら、進んでいく内容。想像力一杯に使った自分好みの美女二人用意して読んでください。あなたのマーロウはどこで落ちますか?想像をめぐらしすぎることもある。また、想像がたりないこともある。 | ||||
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結果は「お約束」どおりでちょっとあっけなかったが、マーローはもちろん、ほかの登場人物が発するせりふが刺激的。邦題もまたしかりで、初めて読んだ13歳のときはドキドキしどおしだった。小品ながら、チャンドラーのエッセンスが詰まっている。 | ||||
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