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イタリアン・シューズ
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イタリアン・シューズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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主人公の男がどこをとっても最低なので、まったく共感できなかった。 愛する女を理由も言わず別れも告げず重荷だからとポイ捨てし、その女性が37年ぶりに会いにきたというのに責任を感じるどころか責められることに不快感を持ち、実は娘がいたと知らされてどうして黙っていたのかと怒り、全面的ではないにしろ自分のミスで健康な片腕を切断してしまった女性に心からの謝罪をするどころか相手の気持ちも考えずに襲いかかり、母親は施設に入れたきり一度しか会いに行かず葬式にすら出ない。この愚かで薄情な66歳の男のどこに魅力を感じろというのだろう。 身勝手、無責任、愚劣、冷酷、卑劣、自己憐憫。そんな言葉しか思い浮かばない。「自分を捨てた」などと自己陶酔しているが、ちっとも捨ててないだろう。娘やアグネスとの和解にほぼ成功して平安な老後を手に入れようとする。呆れて物も言えない。 途中でやめようかと思いつつ、シマの刀で腕を切り落とされるなど大きな罰を受けるとか、どんでん返しでもあるのかと一応最後まで斜め読みしたが結局何もなく。ハリエットの亡骸を自分たちで焼いて埋めるというのも、神聖な気持ちや人間に対する尊厳の意識も感じられず、まるで死んだ犬を無造作に埋めてるようにしか見えない。 あえて収穫を挙げるとすれば、スウェーデンの人心の荒廃がかなり深刻だと分かったことぐらいか。理由はよく分からないが、スウェーデンなど北欧は世間で言われてるほど良い社会ではなく、人の心は荒み、暴力が蔓延っているようだ。そういう社会で心を病んだ老人の再生物語として見れば、それなりに意味のある小説なのかもしれないが、何しろやってきたことが酷すぎるので、最期を娘に看取ってもらう資格すらないだろうと思ってしまう。母親は心を病んで家族の負担だったかもしれないが、子供を虐待していたわけでもないのだから、一人息子ならせめて老後の面倒くらい見てやれよ。葬式くらい自分で出してやれよ。何なんだよこの男。 はっきり言って読む価値はないですね。 | ||||
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