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切羽へ
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切羽への評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 1~20 1/2ページ
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本棚整理中に、読まずに積んであった「切羽へ」を発見し読了。 じれったい感じと展開がどうなるんだろう?という想いでぐんぐん読めた。 セイが、石和聡と一線を越えないで物語が終わり、ホッとした半面、 なぜ、二人は、突き進めず、切羽でとどまったのだろうか?と強く思った。 夫は、妻の心の揺れを感じているのに何も言わず、静かに見守るだけの 切なさ。分かっているけど、止められぬ気持ち。 でも、ギリギリの所で留まった事に、意義があるのでしょうね~~~ ゆったりとした柔らかい文章であるが、どうなる感が強くて、大変面白く読めた。 | ||||
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書かずして描写する、想像させるスタイルがいい。どうなるんだろう、もう半分を過ぎたぞ、どんでん返しに向かわなくともいいのか、と引き込む | ||||
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物語は静かな語り口で進んでいくのだが、その中にいつも濃厚なエロティシズムと、つぎに何が起こるかわからない不安が途切れることなく混在していた。そして最後はタイトル同様に「切羽」で、主人公が踏みとどまり(本意ではなくめぐりあわせにもせよ)、終わった。私は、ほっとした。 登場人物一人一人の個性が、くっきりと描き出されていて、目に見えるようだ。 舞台が、廃坑の跡が残る離島の小学校という設定もよかった。大人たちの業が渦巻く背景に、こどもたちの呼び交わす声が、きよらかにひびいていた。 | ||||
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九州の小さな島を舞台にした小説だが、主人公の女性にとって気になる男性が出現するも、夫婦間の愛は揺らがなかったことに感銘を受けた。 | ||||
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小説全体の起伏よりもピンポイントで心に引っかかってくるものがあり、最後まで一気読み。文章の流れも良く、内容以上に読後の満足度が高かったです。 愛する人はいても、なぜか心がざわつくことがある。パートナーがいる人は少なからず経験したことがあるのでは。 主題は平凡なんですが、主人公の夫へ対する心情が、まるごと自分の経験と同じで、愛おしいと思うポイント、愛情表現に思わず「ある!ある!」と共感の嵐でした。 夫への想いははっきりとしている一方で石和への想いや態度はぼんやりとしていて言葉にできない。 人の心にはそういう形のない流れのような部分があるよなぁ、自分がこういう状況になったらどうするのかなぁと読み進めながらついつい考えてしまいました。 また、読みながら、ずっと一人の人だけを好きってないのかな、と切ない気持ちにも。 夫婦関係を「マンネリ」と表現することもあるけれど、実はとてつもない精神力で支えている関係で、破綻の糸口は日常の中にあるんだということを考えないではいられません。 読みながら、自分の心を改めて見直したり感じ直したり、胸に残る作品でした。 | ||||
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初めての作家の初めての作品を読了。久しぶりぼ直木賞受賞作品。ある小さな島の小学校前の女先生を主人公とした島の人々との交流や大人の恋愛を扱った静かで寂しい印象の物語。こういう作品は安心して読めるから良いです。 | ||||
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出だしでエロい感じがしました。これから読んでみますが直木賞をとっていたのですね | ||||
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このころは、芥川賞とかの受賞作品を頻繁に購入していました。 でも、回数が多くて読むのをやめました。 いい作品であるんですが、記憶に残っていません。 | ||||
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セイは恋に生きたかったはずだ。気持はすでに飛び込んでいたと思う。でも夫を傷つけることはできなかった。石和とは違う種類の愛だけれど、夫を愛していたから。 | ||||
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人妻が他の男に惹かれていく気持ちにハラハラした。 「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所のこと。 そこに至った男女の分岐点に哀感をそそられる。緻密な心境や伏線を書き綴った純文学。 読後の余韻が深い。 静かな小さな島。 小学校の養護教員のセイ。 画家の夫との幸せな暮らし。 そこに現れた新任の音楽非常勤講師の男・石和。 ぶっきらぼうでありながら、奏でるピアノは美しい。 そんな彼も、子どもたちの前では、無邪気だった。 石和に惹かれていくセイ。 セイの心境を汲み取ったのは、同僚の月江と夫。 挑発的な月江と、静観する夫。 島の言葉と標準語。 その使い分けが、彼女の心。 そして、一人ぐらいの老女・しずかさんとの交流と死。 口が悪い老女ながら、セイの心のバランスを保っていたのだ。 静かな展開ながら、官能的で、行間に詰まった伏線を感じさせ、 するすると読めてしまう。 著者の文章力・構成力にうなった作品。 第139回直木賞受賞 | ||||
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小さな島の小学校の養護教諭であるセイは、画家の夫と暮らしている。 ある日新任教師として赴任してきた石和の存在が、セイの心を揺さぶる。 ねたばれすまんですが、宿命の出会いのセイと石和は心は揺れても、 二人の間には何にも起きません(笑) しかし、不倫相手が毎月訪ねてくる、それを島の人はみんな知っている 奔放な同僚の女教師と石和はできちゃいます。 島の主のような老婆はボケて淫夢の中を漂います。 と、書くとなんかすごく隠微な世界のようですが、 なぜかあっけらかんとしているのですよ。。。 小さな静かな島でのほんの一年間の純愛・・・なのか? 妻の心が揺れているのを感じながらも知らんぷりしながら 妻を見守る夫の心の闇はどんくらい深いのか? それすらも島の静かな日常に埋もれて・・・ 正直、なぜこれが直木賞かよくわかりません。 あ、悪い意味ではなく観念的な純文学で直木賞は珍しいから。 で。 おもしろいかどうかはとにかくとして、 妙に心に残る小説でした。 | ||||
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独特の世界観を持つ井上さんの作品が好きです。恋愛って理屈じゃないんだなと改めて思いました。 | ||||
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どうかな。 読み終わってじーんと何か残る作品では、 あるような気がするけれど、もう少し何かほしい、 何かが何かはわからないけれどそんな気がした。 題名とプロットとの綾の厚みでしょうか? ちょっとさらりとしています。 そのあたりは、好みもあるでしょうが。 | ||||
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恋は理屈じゃないと改めて思わせられた。人生ってほんの少しの偶然によって作られているんだなと怖くなった。 | ||||
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舞台は小さな島、小学校の養護教諭であるセイは画家の夫と暮らしてる。 奔放な同僚の女教師、島の主のうような老婆、無邪気な子供たち、平穏 な日々、ある日新任教師として赴任してきた石和の存在がセイの心を揺 さぶる、夫を愛してるのに彼に惹かれていく。進展がないまま別れがく るが、夫は妻の石和にたいする想いに気付いてるが言葉にださない、石和 と別れた次の月には書かれてないが、そこに多くの心情を獲得しており、 作者の真骨頂であり、書くより書かないことの大切さが伝わってくる作品 です。 | ||||
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井上荒野の「切羽へ」を読了。直木賞受賞作品。精神世界で繰り広げられる官能の世界。主人公の心の動きだけで構成されている作品。解説の山田詠美も指摘しているように、主人公の心の動きで描かれているため、書かれない部分も多い。でも関係なく物語として成立している。ここに女性作家の狂気があるのかもしれない。この作風は男性では無理というか、破綻してしまうであろう。そこを女性ならではの繊細なタッチで物語を構成し、深い味わいを醸し出すことに成功してりる。素敵な作品です。 | ||||
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ベッドシーンがないのに、こんなにエロティックな小説って初めてかも。 アオサのみそ汁とか、島ならではの食べ物の描写もおいしそう…。 じっくり味わいたい、素敵な小説です。 | ||||
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井上荒野の文章は本当に美しい。そぎ落とされた文章で読者の想像を書きたてる。こんなに感情を揺さぶられる本はあまりないのではないかしら。 妻としての心の高ぶり。世間ではそれを不倫という名に押し込めるが、井上は二人の間に何も起こさない。それに男が妻に恋心をもっていたかどうか、わからない。なのに、交わされる言葉が少ないのに、二人の間にある空気。誰も決してその中にとけ込む事ができない空気。ドキドキする。 夫には決して知られたくない本。読書した本の感想を話あうのが大好きなのに、生涯、この本の感想を夫に話すことはないと思う。井上の本は本当に怖い。読んだ後の自分が読む前の自分に決して戻る事ができないことを、決定的に知らしめるから。 | ||||
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孤島のプライバシーもない島にすむ一人の女性の心の動きを静かに淡々と表した小説である。 島に赴任してきた若い男性に惹かれていく気持ち。 何か特別なことが起こるわけでない、彼女の思いが決め細やかにそして穏やかに語られるだけである。 内容的に退屈なものになってもおかしくない。 しかし、文章の見事さ、描写の巧みさで読む人の心に染みとおるような 情感あふれる作品に仕上がっている。 ヒロインせいと若い男、そしてせいの夫、島の人々のせいかつ 本当に何気ないことである。 春風のようにさーと吹いて、帽子をさらったりするものの 台風のように人々の生活に脅威を与えたりするものではない そんな一寸した風が吹いた島の人々・ 何も起こっていないようで物語が始まった時と最後では確実に変っている。 さりげない題材をここまで描ける作者の力量はすごいと思った。 | ||||
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何か起こるのだろうか、と思いながら、下世話なことを期待しながら、何も起きないのかもしれないと思いながら、 ただひたすらに読み進めてしまう、セイさんの心の揺れを追ってしまう、謎。 読み終わった後の虚脱感。 思いを告げられなかったときと同じかもしれない。 切羽までは行ける、でもその先へは進むことができない、掘り進むことのできなかった人たちが自分たちをなぞるための小説か。 結論ではなく、揺れ動く自分を残されてしまった。 | ||||
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