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緋色の記憶



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【この小説が収録されている参考書籍】
緋色の記憶 (文春文庫)

緋色の記憶の評価: 3.78/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.78pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 21~27 2/2ページ
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No.7:
(3pt)

少年時代のやるせない思い出

初老の主人公ヘンリーによる少年時代の回想の形で物語は始まる。小さな岬の村にある父親が校長を務める私立学校。そこに赴任してきた美貌の美術教師。ヘンリーはこの美人教師に絵を教わり、当然のように惹かれる。だが彼女は同僚の妻子ある英語教師と親しくなり、のちに“チャタム校事件”と呼ばれる悲劇に連なっていく。ヘンリーの回想は過去、現在、事件後の裁判の様子などいきつもどりつ、断片的に描かれる。少年時代の美しい思い出もその後の悲劇を通して描かれるため陰鬱な影を伴う。だが事件そのものはなかなか判然としない。「何があったのか?」 「誰が誰に何をしたのか?」読んでいる間中、ずっとやきもきさせる。やがて明らかになる悲劇と、ヘンリーだけが知っている真実・・・。!自分がこうしていれば事件は避けられたのか・・・悲劇への陥穽と今に繋がる悔恨の思い。事件は人々の運命を変え、ヘンリー自身の人生にも大きく影響したことが徐徐に明らかになる。決して派手ではなく、じんわりと後に残る読後感。やるせない思いに浸される。
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No.6:
(4pt)

不思議な空気があります。

 この人の作品は、遅ればせながら初めて読みました。地面に近い部分で淀んだ空気が漂っている感じです。嫌いではありません。作者の他の作品も読んでみたいです。 ただ、全編通して、「この〇〇は、後に××となって来るのである。」といったような書き方が、とても鼻につきました。この言い回しがあまりにしつこく、逆にしらけてしまうのです。前半は「それで?!それで?!」と先を知りたい気分にさせられましたが・・・。 独特の空気は、特筆ものかもしれません。
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4167218402
No.5:
(3pt)

究極的には・・・

緻密な文体、的確な心理描写、読者をひきつける構成など筆者の技巧のすばらしさは認められると思うが、私個人として新しい何かをみつけることはできなかった。しがらみを捨てて自由に憧れるというのは、あまりにありがちだ。このテーマをかくなら、アメリカ的自由観をのりこえた自由の見方を示してほしかった。
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No.4:
(2pt)

読後スカッとはしない

人に薦められて初めてこの著者の作品を読みました。先が気になるのであっという間に読むことは出来ましたが、他の方のレビューにもあるように結末が何となく想像できてしまいます。ずっと主人公の記憶の中の過去と現在を行ったり来たりするので話がなかなか進まず、何度も前の方を読み返さないと出来事と出来事の前後関係がわかりにくくなったりもしました。(通勤電車で朝と夜に時間を置いて読んでたせいかもしれませんが)それに最後が陰鬱な気分になる話だったので個人的にはあまり好きではありません。昔大学で読まされた英文学作品のようなタイプの本だと思いました。
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No.3:
(3pt)

よく出来ているが先が予測できる・・・

トマス・クックの小説が「推理・サスペンス」のジャンルだと思って読んだ私には少々期待はずれでした。これは、文学作品と思って読むべきなのではないかと思います。少年時代を振り返る形で物語りは進みます。少年の女性教師に対するあこがれ、そして同情する気持ちが思わぬ方向に事件を導いてしまった時、少年はその苦い気持ちをただ背負って年月を重ねるしかなくなる。切なく重い空気がうまく描かれているとは思いますが、結末が予測しやすいのは残念です。短編として書かれたら良かったのかも・・・
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No.2:
(4pt)

過失のシステム

トマス・H・クックの作品は過失に満ちている。本書も例外ではなく、「チャタム校事件」にかかわった人々は道徳心に満ち、良心に苛まれ、古き良きアメリカの道徳を背負って生きていこうとする。しかし、起こってしまった犯罪は誰かが背負わなければならない。著者は緻密な構成とノンフィクションを手がけて養った裁判の心理戦を追うことで、一人の人間がそれをかぶる経緯を淡白な文章で負いつづける。そこで私たちは、犯罪というものはけして一人の加害者が、一人の被害者に向けて作られるものでないことを知る。クックの作品は全て共通している。腕は新作ごとにあがっているが、あとはお好みで、というような感じで内容は似たり寄ったりのものであることが多い。これも、彼があるひとつのものを追いつづけており、読者もこの一つのものが欲しいために彼の著書を読みつづけるのではないだろうか。
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No.1:
(3pt)

教師の不倫事件が変えた少年の運命

一人の老人が、少年時代の事件を回想するスタイルの小説。アメリカ東部の片田舎に赴任して来た美しい独身の女教師と一人の男性教師との不倫事件を軸に、彼らと主人公の少年との関わりが描かれている。終始重苦しい雰囲気で話が進み、暗い結末を予感させる。推理小説というよりも、少年時代の一つの行為の重さを一生背負い続けたの男の、苦悩に満ちた告白小説といった趣が強い。夏目漱石の「こころ」を連想させられる面もある。私は一般に暗いタッチの小説は好きな方だが、本書の場合途中から話の展開が大体予想でき、少々退屈させられる。英語は分詞構文が多用される凝った文体で、結構読みにくい。
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4167218402

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