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緋色の記憶



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【この小説が収録されている参考書籍】
緋色の記憶 (文春文庫)

緋色の記憶の評価: 3.78/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.78pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(3pt)

よくわからない

文章はとても上手。ただ解説ではおさえた筆致というが、冗長なところが目に付く。似たような心象風景の繰り返しだからだ。こういう内容ならミステリにする必要もジャンルわけする必要もないのでは。
緋色の記憶 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:緋色の記憶 (文春文庫)より
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No.8:
(3pt)

あんまりじらさないで

何か事件があった。どんな事件か何となく想像はつく。しかしはっきりと事件の内容がわかるのは230ページを過ぎたあたりから。延々と断片的回想が続く。これってどうなんでしょう。何という小説的技法か知りませんが読む方は堪りません。ただ、校長先生の人格者ぶりには感服しました。そこが私にとっての救いでした。
緋色の記憶 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:緋色の記憶 (文春文庫)より
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No.7:
(3pt)

良い作品なんだろうけど…

最初から何となく結末が予測できるような始まりなので、余計に
「結末はどうなの?」
と思って、しっかり最後まで読み終えたのですが、
序盤から中盤までのストーリーの起伏が小さくて、
「やっと読んだか…」という気持ち。

だけど、情景とともに物悲しい感覚が、後からジーンときます。

『このミス』の上位にランクされてましたが、ちょっと物足りないかも。

優等生向けの御本って感じです。
緋色の記憶 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:緋色の記憶 (文春文庫)より
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No.6:
(3pt)

じらし、引っ張り、もったいつけて・・・

はっきり言って、過大評価されている作品だと思う。クックは人の心の深淵に迫る作家だとよく言われるが、書き手が自分に酔ったような文章が時に鼻につくし、ヴィクトリア朝小説のような大仰な表現にも辟易する。
構成は緻密で、読者は「あの事件」の真相を知りたいがために、なかなか核心に触れない語り手(主人公)の「じらし」作戦に仕方なく付き合うのだが、全体の2/3がその「じらし」に費やされているので、もどかしくて仕方がない。かといって、最後にそれまでの伏線が一気に生かされて真相が明らかになるという快感もない。事件のあらましも殊更もったぶって隠し続けるほどのものでもないし、最後の最後に明かされる事の真相は、前半部分とは何の関係もなく唐突に告白されるだけである。
こういう似非ミステリ的手法で読者をたぶらかすのは実にあざとい。
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No.5:
(3pt)

老弁護士が背負う、少年時代の事件と罪

アメリカにおけるミステリーの最高峰、’97年度MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長編賞(エドガー賞)を受賞した、トマス・H・クックの代表作。といってもセンセーショナルな「本格謎解きパズラー」でも「警察小説」でも「ハードボイルド」でも「サイコサスペンス」でもなく、とても静謐な作品である。
本書は『記憶』シリーズの第1弾として’98年に翻訳・発表され、この年の「このミステリーがすごい!」の海外編で第2位にランクインされた。他の3作品もすべて邦訳発表年の「このミス」の上位ベストテンにランクインしていて、それほどこれら『記憶』シリーズの完成度は高いといわれている。
本書の原題は『チャタム校事件』。『事件』は通常ミステリーで使われるCaseではなく、Affair(浮気、情事、醜聞という意味もある)という言葉が使われている。
1920年代後半、ニューイングランドの静かな田舎の学校に、ある日若く美しい女性美術教師が赴任して来た。そして妻子持ちの同僚教師との不倫が悲劇をよぶ。物語は老弁護士が15才の頃の自分に戻って当時を回想する形で進んでゆく。
彼の少年時代の述懐は、精緻な美しさに満ちていて、事実を感受性豊かにとらえている。そして語るともなく語られてゆく謎と、最後の章で明かされるその恐ろしい真相は、彼がここまでストイックに人生を重ねなければならないほどのものだった。
哀愁に満ちた老弁護士の、諦念の情すら漂う語り口から移行して、瑞々しい感性がふんだんにあふれる少年の視点で語られる物語は、ミステリーというより英米文学の逸品を読んでいるような感じがした。
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No.4:
(3pt)

少年時代のやるせない思い出

初老の主人公ヘンリーによる少年時代の回想の形で物語は始まる。小さな岬の村にある父親が校長を務める私立学校。そこに赴任してきた美貌の美術教師。ヘンリーはこの美人教師に絵を教わり、当然のように惹かれる。だが彼女は同僚の妻子ある英語教師と親しくなり、のちに“チャタム校事件”と呼ばれる悲劇に連なっていく。ヘンリーの回想は過去、現在、事件後の裁判の様子などいきつもどりつ、断片的に描かれる。少年時代の美しい思い出もその後の悲劇を通して描かれるため陰鬱な影を伴う。だが事件そのものはなかなか判然としない。「何があったのか?」 「誰が誰に何をしたのか?」読んでいる間中、ずっとやきもきさせる。やがて明らかになる悲劇と、ヘンリーだけが知っている真実・・・。!自分がこうしていれば事件は避けられたのか・・・悲劇への陥穽と今に繋がる悔恨の思い。事件は人々の運命を変え、ヘンリー自身の人生にも大きく影響したことが徐徐に明らかになる。決して派手ではなく、じんわりと後に残る読後感。やるせない思いに浸される。
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No.3:
(3pt)

究極的には・・・

緻密な文体、的確な心理描写、読者をひきつける構成など筆者の技巧のすばらしさは認められると思うが、私個人として新しい何かをみつけることはできなかった。しがらみを捨てて自由に憧れるというのは、あまりにありがちだ。このテーマをかくなら、アメリカ的自由観をのりこえた自由の見方を示してほしかった。
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No.2:
(3pt)

よく出来ているが先が予測できる・・・

トマス・クックの小説が「推理・サスペンス」のジャンルだと思って読んだ私には少々期待はずれでした。これは、文学作品と思って読むべきなのではないかと思います。少年時代を振り返る形で物語りは進みます。少年の女性教師に対するあこがれ、そして同情する気持ちが思わぬ方向に事件を導いてしまった時、少年はその苦い気持ちをただ背負って年月を重ねるしかなくなる。切なく重い空気がうまく描かれているとは思いますが、結末が予測しやすいのは残念です。短編として書かれたら良かったのかも・・・
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No.1:
(3pt)

教師の不倫事件が変えた少年の運命

一人の老人が、少年時代の事件を回想するスタイルの小説。アメリカ東部の片田舎に赴任して来た美しい独身の女教師と一人の男性教師との不倫事件を軸に、彼らと主人公の少年との関わりが描かれている。終始重苦しい雰囲気で話が進み、暗い結末を予感させる。推理小説というよりも、少年時代の一つの行為の重さを一生背負い続けたの男の、苦悩に満ちた告白小説といった趣が強い。夏目漱石の「こころ」を連想させられる面もある。私は一般に暗いタッチの小説は好きな方だが、本書の場合途中から話の展開が大体予想でき、少々退屈させられる。英語は分詞構文が多用される凝った文体で、結構読みにくい。
緋色の記憶 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:緋色の記憶 (文春文庫)より
4167218402

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