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大誘拐
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【この小説が収録されている参考書籍】
大誘拐の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 1~20 1/4ページ
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. 青年・戸並健次は元ムショ仲間の秋葉正義と三宅平太を誘って誘拐計画を立てる。標的は和歌山県津ノ谷村に暮らす紀州随一の山林地主・柳川とし子刀自、御年82歳。数千万円は取れると踏んだ誘拐犯三人だが、いざ誘拐に成功した後、とし子刀自から自分の命の値段はそんな端金なはずがないと叱られる。とし子刀自に乗せられる形で、身代金の額は驚愕の百億円に設定されてしまう。通報を受けた和歌山県警本部長・井狩大五郎と三人組(+刀自)との頭脳戦が始まるのだが、果たしてどうやって身代金を受け取ったらよいのか……? ---------------- 1978(昭和53)年に書き下ろしで発表されたミステリー小説です。手元にある『 週刊文春臨時増刊 東西ミステリー ベスト100 2013年 1/4号 』によれば、『大誘拐』は国内編ランキングの第7位につけています。第6位『 点と線 』と第8位『 十角館の殺人 』の間の位置です。 わたしは岡本喜八監督による映画版を1991年公開時に見に行き、大いに楽しんだことを今も鮮明に覚えています。ですからお話の展開はほとんど頭に入っているのですが、30年以上を経てあらためて原作小説を紐解き、やっぱりこの誘拐劇は痛快無比な作品だと、堪能しました。 青年3人ととし子刀自の丁々発止のやりとりが無類の面白さを湛えています。3人も刀自もいたって大真面目なのですが、素封家にして剛の者である刀自と、自分なりに人生の立て直しを図ろうとしてだいそれた犯罪に手を染めてしまった孫世代との、感覚がどこか世間ずれしているがゆえに生まれてしまう思わぬ騒動が可笑しくて仕方ありません。 事件は、紀伊半島の山間のドタバタ劇に留まらず、国会や全国メディア、果ては海外報道陣や在日米軍まで巻き込む超弩級のスケールへと発展してしまいます。荒唐無稽といえば荒唐無稽なのですが、一方で身代金受取のために刀自が繰り出す戦術案は緻密・綿密・細密の極地。分刻みの作戦は、メディアや家族、警察の心理を巧みに操る才知に長けています。 内情を知らされていない家族や警察そして世間一般にしてみれば極悪非道犯罪以外の何物でもない誘拐監禁事件ですが、その最終顛末は実に爽快です。憎めない青年3人の心意気と、彼らに図らずも協力することになった刀自の秘めた意図が、心に寄り添うのです。 もともとは大阪の洋書輸入専門会社カイガイ出版から書き下ろしで出たこの作品が、その後、徳間ノベルズ、角川文庫、双葉文庫と版元を渡り歩きながら、創元推理文庫で2024年現在も読むことができるというのは幸せなことです。40年近く立っても古びることのない味わい深いミステリー作品をぜひ多くの人にオススメしたいものです。 . | ||||
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テンポよく展開されるストーリーがとにかく面白い | ||||
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とっても楽しかった!笑いあり涙あり。 大満足でした。 人のあたたかさを思い出す本です。 | ||||
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映画をかなり前に見てからの原作。 映画では犯人の準備にあまり触れられないが小説では、結構長く誘拐までの準備に書かれ、犯人の背景にも触れられる。じっくり犯人の苦労と誘拐犯ながら気のいい奴らと描く。主人公は応援したいように書く、という物語の原則に沿ってかいてて長い物語ながらスルスルと読める 序盤が終われば犯人からおばあちゃんに中心が移り、おばちゃんの奇策とどれだけ難しいという犯人の反論と警察の読みがぶつかり、どう騙すのか中々に楽しい頭脳戦がはじまる。 この調子でいけばいいのだが終盤は世間の反応や、犯人に100億渡す世の影響、100億受け渡しの際に米軍が妨害に来るかもしれないとリアリティの方面でグダる。映画だとバッサリカットされたのでここは映画版の方が良かった 序中盤は原作の方が詳しく心情やら警察の読みが書かれて面白かったのだが、終盤に入るとテンポの悪さが目立つ。面白かったけど、終盤一気にかけていった映画版の方が好きかな | ||||
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映画化も良いけど、本も 中々良いかなー、 主人公の、おばあちゃん、日本アカデミー主演女優賞と その本部長さんの、又家族の結束 で、本しか、ない銀行との関わり合い 良かった、ありがとう | ||||
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寡聞にして、映画のタイトルとしてくらいしか認識していなかったのだが、先日、日経新聞の有栖川有栖の『ミステリー国の人々』という連載で紹介されていたので読んでみた。 確かに荒唐無稽だ。 何しろ、和歌山の大地主で地域では大変に人望のあるおばあさんが誘拐されるのだが、自分の身代金がわずか!5000万円であると聞いて激怒し、100億円にしなさいと、犯人たちに要求し、犯人たちを操ってこの犯罪を成功させてしまう、という破天荒なストーリーである。 その荒唐無稽なストーリーを破綻させないのは、この作者の老練で深い教養に裏打ちされた筆力だと思う。 やっぱり、そういうものがなければ荒唐無稽な話ほど読むに堪えなくなってくる。 その意味で、これは快作である。 今まで読まなかったことが、少し悔やまれた。 | ||||
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古典的名作である。1978年の発表。しばらく積読になっていたのをようやく読了。 そもそも積読にしたのも、「東西ミステリベスト100」の国内ベスト10のうち、読んでないのが当時4編。「虚無への供物」「ドグラ・マグラ」「魍魎の匣」と、もう1つがこれであったというのがきっかけ。4つのうち最初に「虚無・・・」と読んでしまって、後がくじけていたというのが実際のところ。 お話はというと、紀州の山奥にある名家のおばあさんを誘拐することにした3人組、しかし事態は思いもよらぬ方向へ・・・と。 こういう話であるのは知ったうえで読んでいるのだが、ページを繰りながらいやはやこういうことかまてまてと驚きあきれながらも、続きを着々と読み進んでしまうストーリテリングの面白さがポイント。 途中から、なんとなくこれって背後の狙いは〇〇?と思っていたのは、半分あたり。書かれた時代的なものもあるのでしょう。わざわざトライスターとか出してきて、伏線として絶対にあやしい(笑)。 まぁ論理的にみてちょっと強引な展開もなくもないのですが、全体に良い意味で映画的というか、読んで楽しめますね。 名作といわれるものはやはり読んでおくべきと思えた一冊。 | ||||
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プライム無料映画で映画を観たら読みたくなって購入。20年ぶりくらいの再読。紀州の山林地主のおばあちゃんが誘拐された。ところが誘拐されたはずのその人が3人の誘拐犯人のボスになり自らの身代金を100億円に値上げして知恵の限りを尽くす。出版間もない頃に初めて読んだのだが100億円という規模に驚いたものだ。当時1ドルが240円くらいでも円が高くなったと騒いでいた頃である。当時の最初のテレビドラマは見損なったが、その後の岡本喜八の監督の演出には痺れた。おばあちゃんは北林谷栄、緒形拳や風間トオルなど配役もしっかり。忠臣蔵と同じで結果がわかっていても見たくなる映画である。映画もセットでおススメ。面白い。 | ||||
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安定の面白さである。1978年出版当時にテレビドラマでこんな話をやっていたと聞いて興味を覚え最初に読んだ。(そのドラマは見ていない)その次に岡本喜八の映画を見たが、いやぁ傑作。面白くて劇場に足を数度運ぶ。レンタルVideo、購入レーザーディスクと媒体を変え、DVD岡本喜八全集に入っていることを確認して購入。どころが映像を楽しむことが多くなって本を手に取らず20年ぶりくらいの再読。紀州の山林地主のおばあちゃんが誘拐された。ところが誘拐されたはずのその人が3人の誘拐犯人のボスになり自らの身代金を100億円に値上げして知恵の限りを尽くす。学生の時に初めて読んだのだが100億円という規模に驚いたものだ。当時1ドルが240円くらいでも円が高くなったと騒いでいた頃である。最初のドラマは見損なったがその後、岡本喜八の監督の演出に痺れた。おばあちゃんは北林谷栄、緒形拳や風間トオルなど配役もしっかり。年に数度見直すのだが何故今まで本を読み直さなかったのだろう。面白い。映画を観た人には是非とも原作本を、原作本を読んだだけの人には是非、喜八さんの映画を観て欲しい。 | ||||
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誘拐を計画した悪党三人が狙ったのは、大資産家・柳川家の当主であるとし子。彼女は82歳にして威風堂々とした態度に、その慈愛の精神から人々に慕われている人物だった。誘拐は成功したかに思われたが、人質のとし子に誘拐犯ですら翻弄され、事件は日本中を巻き込む展開へと転がっていく。 とし子おばあちゃんがキレッキレで面白い。格が違う御仁とはこういうものかと舌を巻いた。その頭脳と人望とお茶目さが存分に伝わってくる。読者としてもその魅力に自然と引きずり込まれてしまったなと。誘拐という犯罪の難しさをここまで鮮やかに切り捨ててくれるとは思わなかった。犯罪ものというよりはとにかく痛快エンタメで、うわー!とか声を上げながら読み続けた楽しいひとときだった。その中にもあった罪悪感のほろ苦さも、ラストでミステリの定石通りにしっかりと回収してくれるのも憎い演出。 あと、登場人物たちがみんないい人だったというのも読後感がいいポイント。誘拐犯である三人でさえも、読み終わる頃には愛着がわいている。日本全土を揺るがしたハチャメチャな大犯罪なのに、こうもスッキリと読み終えられるのはすごいなと。名作と呼ばれているだけある。とし子おばあちゃんのように、芯に一本の筋が奇麗に通った誘拐エンタメ小説。 | ||||
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推理小説のランキング上位を片っぱしから読んでる最中だが、素晴らしい出来栄えの作品だった。 正直なところ、レビューや評価をざっと読めば書物の味わいはなんとなく見当がつくけど、まったく裏切られることなく読めた。 推理小説を求める以上、「驚き」を探しているのは真実だけど、わりと「後味の悪い」作品は少なくないので、ちょっと心理的には入れ込みすぎないように気を付けて読んだりも無意識にする。 その点、本作はそもそも心理的なガードは外して読んでたし、軽やかに繰り広げられるドタバタにワクワクし続けていた。 非常に幸せな読書体験だ。 | ||||
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お金は使う物だけではないらしい | ||||
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悪意がなく、誰も死なず、村が舞台だかスケールは大きく、オチはなんとなく察しがついたがそれでも読後、スッキリ。仕事に疲れた頭に心地よい作品でした。 | ||||
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もう30年近く前に読んだ本でしたが今、読んでもまたおもしろかったです。 現在と違って通信システムも警察の捜査上の科学的な技術力も、昔のことだから、矛盾なく納得しながら読めました。登場人物が皆善人なのも良いです。 古き良き時代の暖かい推理小説だと思います。 | ||||
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かなり長いのですが、テンポがよく、一気に読めます。 ドロドロしたところがなく、爽やかな読後感の傑作です。 ただ、この作品より数年先に発表された映画「喜劇・大誘拐」とはタイトルだけでなくプロットも酷似しており、現代だったらまずアウトだっただろうなと感じます。 | ||||
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とーーーってもおもしろくて、読み終わるのが惜しくて この日だ❗って時にちびちび読みました | ||||
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日経新聞の鮎川氏の連載で紹介されていたので買ってみました。全く知らなかったのですが大変面白かったです。一気に読みました。 ほぼ全編が関西弁です。関西弁というのは微妙な尊敬語や丁寧語を駆使する言語です。作者はてっきり関西の方かと思っていましたが、調べてみると東京の方なのですね。それにも驚きました。 舞台は和歌山の山の中です。架空の村ですが、十津川村あたりをイメージして読みました。地元では有名な山持ちのおばあさんが誘拐された。犯人が身代金を5千万円にするというと「みそこのうてもろうてはこまるがな!私はそんな安うはないわ」「端たはめんどやから金額は切り良く100億や!それより下で取引されたら末代までの恥さらしや!ええな!100億やで!ビタ1文まからんで!」 そこから100億円の受け渡しも含めて誘拐されたおばあさんの一人舞台。そして最後は・・・ 映画にもなっているそうですので、探してみたいと思います | ||||
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私の住んでいるところからそんなに遠くないので、想像をしながら、楽しく読むことが出来た。 | ||||
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齢82にして、作中随一の慈悲深さや頭脳の冴えを見せてくれるとし子刀自。 彼女を始めとして、とし子刀自のファンである村人たち、誘拐者、警察に至るまで、魅力的な人物が揃っています。 誘拐という犯罪行為があり、勿論下手人はいるのですが、悪人が居ないのでストレス無く読める事も特長です。 また、丁寧な描写に支えられる頭脳戦の面白さがあり、失礼な話ですが昭和53年の小説とは思えない出来でした。 中盤辺りで若干ダレる感じもありますが、読後感が良いのでオススメです。 | ||||
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どんな展開になるか読者の想像を超えるストーリーの組み立てで、一気に読めてしまいます。 楽しめたので、つい、あらすじを書きたくなりますが、ぐっと我慢。 「奇想天外」がまさにぴったりの作品です。 | ||||
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