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デンジャラス
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デンジャラスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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谷崎潤一郎を、妻や義妹や子供や孫との関係に対して、義妹の目線で描いた興味深い作品。周りに女たちを囲っているのが好きな性分のようにもみえ、谷崎潤一郎の人柄を勝手ながら誤解すること間違いなし。タイトルのデンジャラスの意味は何でしょうね。 | ||||
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一気読みできます。 谷崎の三度目の結婚以降の、女たちに囲まれた日常を、妻の妹の視線で描いています。 細雪で三女のモデルになったと言われている女性です。 何だか女性誌に連載されてそうな小説、と思ったら、やっぱりそうでした。 (これと同じ感想を以前のレビューで書いた記憶がある) 読後感は、やれやれ、って感じです。 谷崎の文学世界とは何の関係もありません。 作家の想像世界の中でモデルにされて、どうして誇りに思うのか、私にはさっぱりわからん。 腹が立つのなら、ちょっとわかるけど。 文学史に名前が残る? やれやれ。 私は30代の頃、付き合っていた相手から 「あなたのことは小説に登場させません。そんな失礼なことしません」 と言われたことがあり、そのとき心底びっくりしました。 小説のモデルにするのって、失礼なことなんだ、と驚いたのです。 個人的には、「書きたきゃ勝手に書くがいい、どう描こうと、それはこの私じゃない」 と思っていました。今でもそう思います。 その小説が文学史に残る名作であれ、駄作であれ。 一つだけ気に入ったのは、 デインジャラス、じゃなくて、デンジャラス、としたところ。 「女の実績」という訳の分からない言葉が何度か出てきますが、そういうところがやっぱり、 うん、デインジャラスじゃなくて、デンジャラス、という感じが似合うと思う。 なに言ってんだろう、わたし。 | ||||
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文豪谷崎潤一郎の私生活を書いたもの。楽しめたけど、今まで読んだ桐野夏生さんの作品に比べたら、少し物足りなかったので、 | ||||
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横文字のタイトルですが中身は和風。というかこれ実在の人物をモデルにした小説だったんですね。恥ずかしながら谷崎潤一郎という人物をよく知らなかったので、読了後に人様のレビューを見て初めて本作がフィクション小説ではないということに気付きました。基本的にノンフィクション物に食指が動かない人間なのでそのことを知っていたら本作は手に取ってなかったと思います。そういう意味では気付いたのが読了後でよかった。これすごく面白かったので。 主な語り部は谷崎潤一郎ではなく、その妻の妹です。谷崎潤一郎についての知識は皆無でしたがそれでも一人の小説家に振り回される家庭の生々しさには惹き込まれました。実際に物語の中で起こったことはたいしたことではなく、昼ドラ的というか、もっと言えば2ちゃんの家庭板あたりでよく見かけるようなありふれたドロドロ話です。初めての作家さんですがこんな珍しくもない出来事をここまで面白く書けるのはすごいなと思いました。特に感情の機微が素晴らしく、生の人間をそこに感じる文章を書かれます。 戦時中の話ですが登場人物の感情の流れを軸にして物語が展開するためあまり小難しい感じはなく、スルスルと最後まで読めました。文章力や構成力は非常に高く、谷崎潤一郎に興味がない読者も最後まで引っ張っていくストーリーの牽引力には舌を巻きます。読了後、なにがデンジャラスだったんだろう?と思いましたがこの小説の登場人物が全員実在しているという点がデンジャラスだったのかも。もう明け透けも明け透けですからね。 総合して☆3.5。他の小説も読んでみたい、作家買いしたいと久々に思わせられたアタリ作家さんでした。 | ||||
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偉大なる文豪、谷崎潤一郎を生涯にわたって支え、インスパイアーした松子夫人の妹重子とその義理の嫁渡辺千萬子を軸に、その芸術と人生の内幕を鋭くえぐる。 谷崎の創作の女神は周知のごとく「蘆刈」「春琴抄」の頃は松子だったが、「細雪」「鍵」は重子、「瘋癲老人日記」からは若くて生意気な千萬子に変わっていった。伊吹和子によれば最晩年の作家は、千萬子をモデルにした「天児閼伽子の小説」を書こうと最後の創作の焔を燃やしていたが、潤一郎の視野にはもはや松子・重子の老残の姿など欠片すらなかった。はずであった。 ところが本書によれば、死んだはずの重子さんが文豪に最後の逆襲をかけ、本家に縁もゆかりもない異邦人の千萬子を輝けるミューズの王座から引きずり下ろし、作家を奴隷のように跪かせるのである。 「あなた様こそが、私の創作の源流でした。あなた様がいらしたからこそ、松子が輝き、私たち夫婦が仲睦まじくしていられたのです。あなた様ほど大事な方はおりません。あなた様ほど複雑で素晴らしい女人はおられません」 土下座して告白する谷崎の左肩の上に、重子は足袋を穿いた右足を置いて足先に力を籠め、本命の女神は「なら、千萬子はどないするんや」と脅迫して「千萬子はもう二度と会わないようにします。どうぞ私を信じて、お許しください」と言わせるのであるが、これって本当に本当だろうか? フィクションであるとはいえ、当の渡辺千萬子本人の協力を得て書き上げた小説だけに、とても気になる本書でもっともデンジャラスな個所である。 | ||||
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過去にも作品で作家を描いている作者が、今回は日本文学を代表する作家である谷崎潤一郎が主人公。作品を読んだことはなくても、ネームバリューは一番ではないかと思います。個人的には耽美派という印象が強烈にありますが、その谷崎潤一郎の家族や取り囲む女性たちを桐野夏生氏が描くのは何となくピッタリではないかと思います。 物語は、谷崎潤一郎の小説の登場人物のモデルとなっている重子の苦悩や葛藤が中心です。亡夫への思わぬ感情、松姉への想い、若い千萬子への敵愾心等が赤裸々に描かれています。ただ根底にあるのは、作家・谷崎潤一郎の作品のモデルという矜持と、良い作品を生み出して欲しいという信念だと思いました。 | ||||
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この著者特有の、(言葉は悪いですが)ちまちまとした人間関係の機微、心理が 淡々と綴られていきます。 大きなドラマがあるわけではないのに、読みだしたらやめられません。 谷崎潤一郎をあらためて読んでみよう、という気にさせられました。 | ||||
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