■スポンサードリンク
火車
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
火車の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全517件 221~240 12/26ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書を読み終わった後、心を鈍器で殴られたようなすごい重たい衝撃を受けた。 この読後感はまさに圧巻であり、こんな経験は始めてだ。 近年ではクレジットカードや消費者金融の世界では、その関連法の整備がより進んでいるが、一方でサラリーマンでは一生かかっても返せないなどとも言われるリボ払いの登場などで、クレジットカードはいまだに地獄に通じる道具としての側面を有している。 虚構といわれる金融業界の中で、現金がないのにもかかわらず現金を生み出すクレジットカードはまさしくその虚構の象徴的なもののひとつであるといえるが、そこには社会全体の無責任さが隠されており、同時にどんな人でも簡単に知らず知らずに地獄へ落としうる強力な効果を持っている、ということを痛感した。 また本書では、被害者固有の性質ではなく、社会全体によって生み出された被害者という感じで犯人を仕立てることで、クレジットカードや消費者金融から見た社会というものやその怖さをより身近に感じさせる。 今回のような衝撃を受けた作品はほかには思い浮かばず、また宮部みゆきのすごさを感じさせられた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者の比喩やストーリーの展開方法がまわりくどい。登場人物が皆主人公に協力的と いう都合主義な展開にも途中で飽き飽きした。また、殺人の有無も最後まではっきり させず、後半以降では容疑者をまるで素敵な女性のように取り扱う訳のわからなさ。 無性にイライラさせられた。これはすごい小説なのかな??? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人の豪や弱さ痣とさを見事に組入れながらテンポが速く想像を裏切る展開に読み始めたら止められませんでした、人気作家の作品はやはり面白いのだと実感しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自己破産,クレジットカード,住宅ローン,闇金といった社会的な要素と物語が見事に構成されています。 作中に出てくる女性たちは皆個性的で,それぞれの価値観や人生が対比されていて面白いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
職務中の怪我で休職中の刑事本間は遠縁の男性から失踪した婚約者・関根彰子を探してほしいと頼まれる。最初は単純な失踪と思っていたが、彼女が他人の身分を名乗っていたことが判明する。 ならば、彼女は一体誰なのか?本物の関根彰子はどこにいるのか?本間は"彼女"の足跡を辿り始め、 "彼女"の壮絶な過去を知る…はっきり言って"彼女"の父親は無知だったのだと思う。 分不相応のマイホームを持ちそのせいで妻子を巻き込んで故郷を捨てるハメになった。 当時だって、自己破産という制度はあったのではないか?自己破産しないのなら、本当に妻子を 守りたかったのなら偽装離婚でもすればよかったのではないかと思う。挙句の果てには消息不明に なって最後まで娘に迷惑をかけ、そのために娘は「ただ、平凡な暮らしをしたい」それだけのささやかな望みを叶えるために、己の手を血で汚すことになってしまった。「死んでいてくれ」と願うのも無理はないバカな男だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小説の内容は多くの方が書いて頂いてるので、そちらに委ねさせていだます。 吸い込まれるようなスピーディな展開で、 ある程度小説を読まれている方なら、どんどん読み進められるでしょう。 また、そういう点では「ミステリーの名作」と呼ばれるにふさわしいと思います。 しかし他の方々も数名書かれていますが、この小説で唯一の残念なポイントは、 結末があっさりと終わりすぎてる事です。 私は個人的に、わりとしっかりと結末の話が書かれている物語を好む傾向にあるので もう少し逮捕後のやり取りの場面等も書いて欲しかったなと思います。 そういう点では、この時期の宮部作品としては『レベル7』の方が好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ずっと前からほしかった商品で、とても気に入っており、喜んでいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白い!!! ページをめくる手が止まらないとはまさしくこのことだ。 20年前の名作を今 はじめて読んだが これはミステリーという分類だけでなく 社会問題、人間関係、、全てを含んだ 文学作品だ。 自分が今までに読んだ本のなかでも最上級 最高ランクに位置する本になった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきさんの長編ミステリーです。カード破産した女性が、同じ様な境遇の女性の身分をのっとってしまうというミステリーで、とても良くできていて面白いと思います。クレジット・カード産業のことも書かれていて、社会派でもあり、読み応えのある本でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆき『火車』は多重債務問題を背景にしたミステリー小説である。負傷して休職中の刑事が遠縁の男性の頼みで失踪した女性を探す。クレジットやキャッシングなどの多重債務問題が債務者個人の自己責任と切り捨てられる問題ではなく、金儲け社会の犠牲者であることが理解できる。真面目な人ほど多重債務で苦しみがちである。 『火車』に登場する多重債務問題に取り組む弁護士は実在の弁護士をモデルとしている。その弁護士の発言に「多重債務者が原発の掃除などの作業をする労働者になる。過去を隠しているから、危険な仕事に就かざるを得なくなる」というものがある(201頁)。原子力発電の非人間性への批判的視点が福島第一原発事故以前から存在したことを感じさせる台詞である。 『火車』には東京の街づくりについても考えさせられる記述がある。東京は機能ばかり便利になったが、人の生活する故郷と呼べなくなったとする。「現在の東京は、人間が根をおろして生きることのできる土地ではなくなってしまっている」。大都会としての機能は「とっ替えのきく備品みたいなものである」(236頁)。 一方で東京の特徴として都心部でもインテリジェント・ビルと背中合わせに二階建て建築が残っている点を好意的に登場人物に語らせている(379頁)。また、伊勢市を訪問した主人公は、伊勢神宮の街としての風情を守るために鉄筋の建物を壊して木造に建て替えている動きを見る(437頁)。 『火車』は平成初年の出来事である。その後の東京では国際競争力や都市再生のかけ声によって住民が追い出される街づくりが進められている。しかし、木造住宅や商店街を再開発の名目で破壊するのではなく、住み続けられる街にすることが大切である。人口減少時代の街づくりは高過ぎる高層ビルの減築である。東京の街づくりは考え直す時期に来ている。 『火車』には多重債務問題の底流には住宅ローンがあったとの指摘がある。マイホームを持ちたくて無理をしてローンを組み、毎日の生活がきつくなるからサラ金で借りるというパターンである(260頁)。物語の中でも住宅ローン破産は重要な意味を持っている。 日本は格差社会になったと言っても、まだまだ中流意識を持つ人々が多い。住宅ローンを借りられる層は貧困問題を対岸の火事のように思いがちであるが、その浅はかさを気付かせてくれる。『火車』でも「マイホームさえ持てば、幸せになれる」という小市民的願望を「錯覚から生じたものではなかったか」と自問する(413頁)。貧困問題と持ち家偏重の歪みは近いところにある。(林田力) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきの作品としては理由が直木賞受賞作だが、誰もが理由ではなくこの火車を最高傑作として挙げるであろう。本作も直木賞は落選したが、山本周五郎賞を受賞している。本来直木賞と双璧を成している賞が山本周五郎賞なのだが、直木賞だけ特別扱いなのはどうにかならないのだろうか。直木賞はもの凄く話題になるが山本周五郎賞は殆ど一般レベルでは話題にならない・・・。 内容については読めば分かる。傑作である。 これほどの傑作にも関わらず映画化されていないのが意外だが、ドラマ化はそこそこされているようである。最近も上川隆也主演でドラマ化されていたのでそこで見た人も多いかもしれない。ヒロイン役の佐々木希がヒロインなのに写真で登場したり、台詞も殆どないとかラストにしか出てこないなどこれは演技力に難があるための苦肉の策かとか揶揄されていたが、原作がそうなんだから仕方ない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
休職中の刑事、本間の元へ親戚の和也が訪ねてくる。婚約者が行方不明になり、仕事の立場上公にしにくいので休職中の身である本間に婚約者である関根彰子を探して欲しいと… 彼女の経歴を調べていく内に彼女の出生やクレジットカードで借金返済に追い込まれており…また和也の持っていた彰子の写真と以前勤務していた会社にあった履歴書の写真には別の女性がいたのだ… 個人的に気になったのが本間の知り合いが関根彰子の探索の為に他人が人の名前を名乗り必要な資料をもらってくるのはどうかと思います。休職中の身とはいえ、制止すべきでは? クレジットカードは便利な反面、使い方を誤れば取り返しがつかないことになります。常識だと思いますが…よくCMでも耳にしますが「ご利用は計画的に」という言葉は常に考えてから使う様に心掛けておきましょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
現代と比較して、他人になりすますことが容易に出来た時代。 敗者は敗者を使って勝者になれるのか。 ホラー小説ではないが、身に染みて感じるゾクゾク感がたまらない。 個人的には、蛇が脱皮するのはいつか足が生えてくることを夢見て、という話に心打たれた。 過去20年間で至高のミステリー作品に選ばれた作品。期待は裏切らない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
親の借金 夜逃げ (あからさまには書いていないが)借金取りによる 拉致 監禁 売春の強要 タイトルにあげた 人間社会の暗闇と そこから逃げ出そうとして 追い詰められ 犯罪に手を染める ほんの 人並みの幸せが欲しかっただけなのに・・・・ 作り物ではない この世の現実 今日(2012年11月15日)の新聞にも ホストクラブで借金を作った女性が 大阪に連れて行かれ 売春を強要されていた事件 が 出ていました。 そして 昔見た光景 あることで知り合いになった 自営業者が 彼に金を貸した マル暴の 運転手として連れ歩かされていた光景 今の時代も 光の当たらない暗闇に生きている人たち そんな現実の一端を垣間見せてくれる小説です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これ面白いですか? 高評価レビューに惹かれて買ってみましたが面白さが全く分かりません。 だらだらとどうでもいい説明を省けば1/3はカットできたのでは? しかも散々長々やっておいて話が全然進んでいなのに最後の方に唐突にクライマックスを迎えます。まさしく取ってつけたように。 でもそこだけはどんな結末を迎えるのかドキドキしました。 そして蓋を開けてみたら最低のラスト。「はぁーーーー?」と叫んでしまいました。 宮部みゆきの小説を読むのは初めてだったのですが評価が高かったのでオークションで10冊セットを買ってしまいました。 一番の高評価がこれでは残りも読む気なくなりました・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
個人読書履歴。一般文学通算290作品目の読書完。2006/04/10 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
犯人の動機が違うけど「なりすます」「戸籍を変える」・・・ 過去の抹消で自分を変えてしまう。それが砂の器では病気であり、偏見であった。 今の世界ではローン地獄になった。 地道にその彼女を追う休業中の刑事、旅をして、動機を探っていく。 何故か現代の「砂の器」のようだ。 そして宮部さんの見事なる力量。間に入る刑事の周りのエピソード。女性らしい視点。 一気に読める。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ただ何とか幸せになりたかっただけなんだろうな、とは思う。それでも私には罪を犯す勇気も知恵もないが、彼女にはそれだけはあった。だから逆に堂々と罪を引き受けるしかない。でもそれができるんだったら父の娘という運命をそもそも引き受けられたかな? 戸籍のある天涯孤独な人ってなかなかいない。そんな人に会ってしまったのも不運。 戸籍さえ手に入れば幸せになれる、と思い込みじゃない?今度は捕まる恐怖と格闘することになる。まあ何でもこれさえあれば幸せになれる、っつーのはたいてい思い込みなんだけど。 こんな話の進め方もあるのねえ。ほんとにお見事です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
哀しくて切なくて…。 時代と宿命に翻弄された二人のオンナの出会いが悲劇を呼ぶ。 誰もが必死に幸せになりたくて生きているだけなのに。 それを許さない時代の歯車。 でも私は流されない、しあわせになってみせる… そんな喬子の強い生命力を丁寧に宮部さんは描ききっている。 1つ1つのセリフが生きている。 スゴイ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なんて悲しいサスペンスなんでしょう。でも傑作。宮部ファンでなくても読んでください。ずえったい後悔しません。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!