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黒衣の花嫁



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黒衣の花嫁の評価: 4.07/5点 レビュー 15件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.07pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全13件 1~13 1/1ページ
No.13:
(4pt)

トリュフォーの映画とは違う

昔フランソワ・トリュフォー監督の映画をテレビ放送で観ました。今回はじめて原作を読んだら、映画とは違った点がありました。最初は悪女ものと見せておいて、実は皮肉たっぷりの悲劇的なラストを迎えます。5人目のターゲットのとき、作者のミスリードにまんまと引っかかってしまい、あっと驚くどんでん返しになりました。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
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No.12:
(4pt)

サスペンスもの。

アイリッシュてはなくウールリッチ名義で書かれています。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
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No.11:
(5pt)

『黒衣の花嫁』は、『幻の女』に劣らぬミステリの傑作

私の一番好きなミステリ『幻の女』(ウィリアム・アイリッシュ著、稲葉明雄訳、ハヤカワ・ミステリ文庫。出版元品切れだが、amazonで入手可能)の作者のもう一つの筆名名義の作品『黒衣の花嫁』(コーネル・ウールリッチ著、稲葉明雄訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)を手にしました。

株式仲買人・ブリスは17階のパーティ会場のテラスから突き落とされて死亡。みすぼらしいホテル住まいの年金生活者・ミッチェルは自分の部屋で酒に青酸カリを盛られて死亡。会社員・モランは自宅の物置に閉じ込められて窒息死。画家・ファーガスンはアトリエで心臓を矢に射貫かれて死亡。それぞれの事件の犯人と思われる女性は、事件ごとに名前も髪の色も服装も異なりますが、これらは同一犯による連続殺人事件に違いないと睨んだ刑事・ウォンガーは、2年半に亘り謎の女の足跡を追い続けます。

それぞれの殺人をし遂げるまでの息詰まるような緊迫感。じりじりと真相に迫っていく刑事の粘り強さ――『幻の女』に見劣りしないミステリの醍醐味を堪能することができました。

そして、何と、最後の最後に、思いもかけぬどんでん返しが待ち構えています。

訳者後書きに、「山本周五郎作『五瓣の椿』はこれに想を得たといわれている」と記されています。つい先日、『五瓣の椿』(山本周五郎著、新潮文庫)を読んだばかりですが、『黒衣の花嫁』の強烈な刺激が山本を衝き動かしたというのは、十分あり得ることでしょう。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
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No.10:
(5pt)

謎の美女が、次々に4人の男を殺した理由

私の一番好きなミステリ『幻の女』(ウィリアム・アイリッシュ著、稲葉明雄訳、ハヤカワ・ミステリ文庫。出版元品切れだが、amazonで入手可能)の作者のもう一つの筆名名義の作品『黒衣の花嫁』(コーネル・ウールリッチ著、稲葉明雄訳、ハヤカワ・ミステリ文庫。出版元品切れだが、amazonで入手可能)を手にしました。

株式仲買人・ブリスは17階のパーティ会場のテラスから突き落とされて死亡。みすぼらしいホテル住まいの年金生活者・ミッチェルは自分の部屋で酒に青酸カリを盛られて死亡。会社員・モランは自宅の物置に閉じ込められて窒息死。画家・ファーガスンはアトリエで心臓を矢に射貫かれて死亡。それぞれの事件の犯人と思われる女性は、事件ごとに名前も髪の色も服装も異なりますが、これらは同一犯による連続殺人事件に違いないと睨んだ刑事・ウォンガーは、2年半に亘り謎の女の足跡を追い続けます。

それぞれの殺人をし遂げるまでの息詰まるような緊迫感。じりじりと真相に迫っていく刑事の粘り強さ――『幻の女』に見劣りしないミステリの醍醐味を堪能することができました。

そして、何と、最後の最後に、思いもかけぬどんでん返しが待ち構えています。

訳者後書きに、「山本周五郎作『五瓣の椿』はこれに想を得たといわれている」と記されています。つい先日、『五瓣の椿』(山本周五郎著、新潮文庫)を読んだばかりですが、『黒衣の花嫁』の強烈な刺激が山本を衝き動かしたというのは、十分あり得ることでしょう。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
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No.9:
(5pt)

(2018年―第2冊)1940年という時代の要請が生んだジュリーという女の物語

その女ジュリーは友に見送られて列車に乗り、マンハッタンを出てシカゴに向かうと見せかける。しかし、彼女は途中のマンハッタン125丁目駅で降り、偽名でアパートを借りる。その後、彼女は変装して身元を隠しながら、4人の男を殺し始める。4人の男たちの間には関係が見られず、ウォンガー刑事らは犯人も動機も見いだせない。果たしてジュリーの目的は何なのか、そして次なる標的は誰なのか…。
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 コーネル・ウールリッチが1940年に発表したミステリ小説です。
 ジュリーが一人ずつ男に手をかけていく過程は、ウールリッチ(アイリッシュ)らしいサスペンスフルな描写で思わず手に汗握ります。殺人の道行きは一筋縄ではいかず、想定しない邪魔が入りそうになることも一再ならずあり、読者はジュリーと共に焦慮の念をもって読み進めていくことになります。つまりこの小説は終始ジュリーに肩入れして頁を繰り続けることになるのです。エンディング直前までは――。
 
 そう、エンディングにはジュリーすら驚愕させる真相が用意されています。その暗く捻じれた実相に言葉を失うことでしょう。読者はここで一気にジュリーの心得違いを知らされ、彼女との間に大きな距離を感じることになるはずです。ずっと伴走してきた同志が俄かに見知らぬ他人へと変貌する瞬間を私は味わいました。
 気持ちを深く沈ませるその結末には、ウールリッチの底意地の悪さのようなものを感じそうになりますが、このエンディングを読み解くうえで、小説が発表された1940年代という時代背景を考える必要があるのかもしれません。
 ジュリーは男を破滅させる妖艶な女(ファムファタル)的存在として描かれている点が重要です。曽根田憲三『ハリウッド映画でアメリカが読める』によれば、1940年代、女性の社会進出とともにフィルム・ノワールが産声をあげます。そこに登場する妖艶な女たちは、時代が彼女たちに要請した<居るべき場所=伝統的な核家族>に引き戻されんと闘争して、やがて敗れていく存在であるというのです。
『黒衣の花嫁』でウールリッチが造形したジュリーはまさに伝統的家族社会から弾き出された存在です。だからこそ、この思いのほか苦く暗鬱なエンディングでジュリーは敗れ去る存在として描かれているといえます。それはウールリッチの底意地の悪さというよりも、時代の要請にほかならなかったと私は感じるのです。当時の多くの読者には、ジュリーの大願成就は受け入れがたいものになったことでしょう。そう考えて私はこの物語に☆を5つつけたいと思います。
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*210頁と211頁:「イタリア産の赤ワイン」「イタリアの赤ワイン」という表現が出てきますが、原文は「Spanish red」つまり「スペイン産の赤ワイン」です。誤訳なのか、それとも私が手に入れた原著の版とこの翻訳のもととなった版とが異なるのでしょうか。

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黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
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No.8:
(4pt)

漂う感じが好き

結婚式直後の歓喜から一転、夫が殺される。その妻の復讐の物語。
物語や筋立てを追うと確かにラストで「あれ?」との感が否めませんが、
美貌の未亡人の匂い立つような雰囲気と断固たる決意の冷徹さが表現
されていて素敵です。
ウイリアム・アイリッシュ名義の「幻の女」もそうでしたが、
雰囲気・漂う感じが好きです。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
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No.7:
(4pt)

漂う感じが好き

結婚式直後の歓喜から一転、夫が殺される。その妻の復讐の物語。
物語や筋立てを追うと確かにラストで「あれ?」との感が否めませんが、
美貌の未亡人の匂い立つような雰囲気と断固たる決意の冷徹さが表現
されていて素敵です。
ウイリアム・アイリッシュ名義の「幻の女」もそうでしたが、
雰囲気・漂う感じが好きです。
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No.6:
(4pt)

男達の生活圏に難なくしのびより命を奪う美女の動機は?ちょっと読後感が微妙ではある。

「幻の女」と並ぶウィリアム・アイリッシュの代表作ということで、本作品を読んだ。
本の構成は、いくつかの章がそれぞれ男を中心に描かれ、そこに美女が登場する。そして男は悲劇的な死を遂げるわけであるが、その女は常に魅力的で、そして賢く、男の生活圏に難なく入り込み、臨機応変にふるまいながら男に死をもたらす。このあたりの女の策略がこの作品のおもしろさの一つである。
そして、何人かの男が死んでいく中で、この女の動機が最後の殺人の試みでついに明かされる。それには、その女自身が知らなかった謎があるわけであるが、ここの最終章のトリックは、ちょっと驚きというよりは、悪く言うと、とってつけたような感じがあるのを否めない。
読んだ後、この女性が不憫な気がしてならなくなった。この辺の読後感をとう評価するかは人によって違ってくると思うが、「幻の女」のほうが、ミステリーとしての出来はずっと冴えていると思う。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
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No.5:
(4pt)

男達の生活圏に難なくしのびより命を奪う美女の動機は?ちょっと読後感が微妙ではある。

「幻の女」と並ぶウィリアム・アイリッシュの代表作ということで、本作品を読んだ。

本の構成は、いくつかの章がそれぞれ男を中心に描かれ、そこに美女が登場する。そして男は悲劇的な死を遂げるわけであるが、その女は常に魅力的で、そして賢く、男の生活圏に難なく入り込み、臨機応変にふるまいながら男に死をもたらす。このあたりの女の策略がこの作品のおもしろさの一つである。

そして、何人かの男が死んでいく中で、この女の動機が最後の殺人の試みでついに明かされる。それには、その女自身が知らなかった謎があるわけであるが、ここの最終章のトリックは、ちょっと驚きというよりは、悪く言うと、とってつけたような感じがあるのを否めない。

読んだ後、この女性が不憫な気がしてならなくなった。この辺の読後感をとう評価するかは人によって違ってくると思うが、「幻の女」のほうが、ミステリーとしての出来はずっと冴えていると思う。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
4150706042
No.4:
(4pt)

意外な結末

「喪服のランデブー」の女性版。愛する夫になる人を結婚式場から出てくるところで殺された花嫁の復讐劇。クールで美貌の主人公が復讐を完結できるかと思いきや、最後に意外な結末が。読み終わった後に虚しさというか何かしら煮え切らないものが残る。それは復讐という行為自体の虚しさ、復讐したからといって愛する人が戻ってくるわけではないということ以外に行為自体が的外れであったという肩透かしにあった感じからくるんだろう。現実には案外起こりそうなことなのだが、もう少しエンターテイメントにこだわって復讐を素直に完結させてあげた方が読後感はもっとよかったように思う。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
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No.3:
(4pt)

意外な結末

「喪服のランデブー」の女性版。愛する夫になる人を結婚式場から出てくるところで殺された花嫁の復讐劇。クールで美貌の主人公が復讐を完結できるかと思いきや、最後に意外な結末が。
読み終わった後に虚しさというか何かしら煮え切らないものが残る。それは復讐という行為自体の虚しさ、復讐したからといって愛する人が戻ってくるわけではないということ以外に行為自体が的外れであったという肩透かしにあった感じからくるんだろう。現実には案外起こりそうなことなのだが、もう少しエンターテイメントにこだわって復讐を素直に完結させてあげた方が読後感はもっとよかったように思う。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
4150706042
No.2:
(4pt)

映画版の単純復讐劇vs小説残酷復讐劇

この作品を子供向けにアレンジした書物を読んだことがあり、映画版も見たことあるのですが、その子供向けアレンジ書物と殆ど当たり前のことですが展開はいっしょでした。ある血迷った女が次々と引き起こす復讐の連鎖はその次々に引っかかる男達の哀れさ何十年も前の殆ど情報を得る手段が今と比べて悲しいほど希薄だった時の話とは言え、其の美貌の迷える未亡人の餌食に掛かる男達は私も餌食になりたい、ではなく悲しくなるほどでした。とはいいつつも単なる血迷った未亡人の「喪服のランデブー」みたいな壮絶な復讐劇かと思いきやそこは映画版と異なり、餌食になった男達の気のいい友人だと思っていた奴が実はその復讐劇に意外な形で関与していく、映画版のように華麗な未亡人の意義ある壮絶な復讐劇に仕立てられるか小説作品のように其の復讐劇が意外な形で真相をむかえ意義あるはずの復讐劇が結果的に未亡人のかかわった復讐劇の因となった事件は解決していったものの虚しい意義ない血迷える未亡人の暴走となってしまった何とも残酷極まりない悲劇になった話のどちらがいいかはやはり、迷うところです。どうにも山本周五郎氏「五弁の椿」に似ていると思っていたら似ているどころか着想を参考にされたらしいとのあとがき解説にはおもわずそうだろうと合点が行きました。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
4150706042
No.1:
(4pt)

映画版の単純復讐劇vs小説残酷復讐劇

この作品を子供向けにアレンジした書物を読んだことがあり、映画版も見たことあるのですが、その子供向けアレンジ書物と殆ど当たり前のことですが展開はいっしょでした。ある血迷った女が次々と引き起こす復讐の連鎖はその次々に引っかかる男達の哀れさ何十年も前の殆ど情報を得る手段が今と比べて悲しいほど希薄だった時の話とは言え、其の美貌の迷える未亡人の餌食に掛かる男達は私も餌食になりたい、ではなく悲しくなるほどでした。とはいいつつも単なる血迷った未亡人の「喪服のランデブー」みたいな壮絶な復讐劇かと思いきやそこは映画版と異なり、餌食になった男達の気のいい友人だと思っていた奴が実はその復讐劇に意外な形で関与していく、映画版のように華麗な未亡人の意義ある壮絶な復讐劇に仕立てられるか小説作品のように其の復讐劇が意外な形で真相をむかえ意義あるはずの復讐劇が結果的に未亡人のかかわった復讐劇の因となった事件は解決していったものの虚しい意義ない血迷える未亡人の暴走となってしまった何とも残酷極まりない悲劇になった話のどちらがいいかはやはり、迷うところです。どうにも山本周五郎氏「五弁の椿」に似ていると思っていたら似ているどころか着想を参考にされたらしいとのあとがき解説にはおもわずそうだろうと合点が行きました。
黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)Amazon書評・レビュー:黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)より
4150706042

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