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愚者の毒
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愚者の毒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 21~39 2/2ページ
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宇佐美まことさんの本を初めて読みましたが、本当に面白かったです。まず、描写がわかりやすく、読んでいてドラマを観ているようでした。登場人物もそれぞれ抱えていることがあり、内容的に深いストーリーでした。 予想できない展開になることが多々ある反面、理解できないことは一切なく、どんどん読み進めました。では、ここの疑問点は?、と思うタイミングで、必ずその答えの描写があり、読んでいて自分が物語の中にいるような感覚にもなりました。 この本さオススメです! | ||||
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昭和の高度成長期の影と現在の2面性の社会を生き抜いた二人の やるせない物語です ある面、史実を参考に物語を組み立てられ、少し酷いシーンもあるのですが なにかリアル感が感じられれなく、必然性のない展開です。 なんか、感情移入が最後まで 出来なかったです。 | ||||
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奥の深いサスペンス。 冒頭から不穏な空気が漂っている。 サスペンスが複雑に絡み合いながら真相を追っていく。 1985年、1965年、2015年と縦軸がつながっていく。 どん底を這いまわって不遇で理不尽な日々が詰め寄せている。 あり地獄のごとく陰惨さ。 そこには驚愕の行為があった。 その罪からはどうしても逃げ切れない。 さらに悪人がいてる。 あり地獄が続く。 そして罪の上塗りをしていく。 底知れない哀しみと友情が絡み合って不協和音を奏でていく。 偽りはいつかはパズルがはまっていくもの。 「人生最後に帳尻が合うようにできている」という。 解放されることなく。 読後の余韻が耳もとを去らない。 | ||||
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本書をどのような経緯で買ったのか判然としない。おそらく何かの書評を読んでの事だろうが、時間を措いたので、どのような内容で、どう面白そうなのか忘れたのだ。まっさらの状態で読むのは読書の醍醐味だ。このワクワク感がたまらない。 読み始めてすぐ、何て読み易くまた、巧さに感嘆する。直木賞作家と見紛う達者な面を持っている。ミステリーなのは間違いなので、どう展開していくか、あるいは、タイトルにどういう意味があるのか期待が高まる。 愚者の毒とは、毒で死ぬ人もいれば、同じ物質で薬となる人もいる。利用の仕方によって変わる毒素は千変万化の霊薬である。身の内に毒を持て。中途半端な賢者にならず、自分の考えに従って生きる愚者こそ、その毒を有用なものに転じることができる。と本文中に書かれている。 マス婆さんが、「人はな、死ぬる前にソロバンがばちーと合うようにできとうばい。どげこすかことしちょうち、うまかこと逃ぐるるもんか」と本文中で云っているが、まさしく、精緻なプロットはラスト、味のある余韻を残して終わる。 宇佐美まことは男性作家のような名だが、ゆび編みなどの繊細な描写から、女性作家と思って調べたら、やはりそうだった。このような楽しみな作家の登場は嬉しいかぎりで、かつ、このような面白い本が、文庫書下ろしの800円以下で読めるのは奇跡に等しい。 | ||||
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宇佐美まことさんの作品は他2冊読みましたが、これが一番よかったと思います。 物語は、貧しくて理不尽な人生から汚い手を使って抜け出した男女二人のお話。 予想通りの展開だったため、考えもつかない展開になっていたのならもっと楽しめたのかもしれませんが、あらすじ自体はとても面白く、読み応えがありました。 | ||||
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1965年といえば、私の生まれる少し前。その時代に、生き地獄のような貧困が筑豊には存在したのか。筑豊での生活はどこまでも救いがなく、現代の老人ホームでの穏やかな暮らしとは対照的である。 過去の罪に関するヒントが小出しにされ、「そうであってほしくない」と願うが、より望ましくないかたちで、思い浮かべていた事実が示される。罪を犯してでも得ようとした心の平安が、なかなか訪れない。何という宿業か。罪が新たな罪を生む絶望に塗れた展開だが、強い力で引き込まれて、ページを離せない。 数多くの伏線が、節目々々で回収される巧緻な構成。最後にもあっと驚く展開が待ち構えていた。これは、傑作の名に値する。 「愚者の毒」の発露により訪れたのは、果たして救いだったのだろうか。 | ||||
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この作者の作品は、「入らずの森」が最初でした。 新作は出ないのかなあ、と思っていた所、思いがけなく 書店に本作品が!いつでも読めるKindle版を購入しました。 過去作とは違い、SFでもホラーでもなく、現代のミステリーものです。 バブル期から、ゆっくりとストーリーは始まり、 激しい過去の出来事、現代を行き来して、静かに終わりを迎えます。 作品名通り、人の愚かな部分の描写が抜群で、それでいて切ない。 主人公よりは若い私ですが、何か、過去を見てきたような錯覚が残っています。 宇佐美まこと、という作家を知る人は少ないかもしれないけど、 この1作で、この方は素晴らしい足跡を残したと思います。 誰とも似ていない、この作風。次回作が楽しみでなりません。 | ||||
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日本推理作家協会賞受賞作品ということで期待してページをめくったが、どうもしっくりこない。なぜかと考えた結果、次のような結論にたどり着いた。妹夫婦の借金の連帯保証をしたばっかりに闇金地獄に陥る女性。斜陽産業となった筑豊炭田で極貧生活を送る少年と少女。この追いつめられる者の人物造形はシリアスである。ところが、闇金地獄の女性や筑豊炭田の少年少女の弱みにつけ込み、彼(女)らを追いつめて餌食にし、己の私腹を肥やす者の人物造詣が性格異常者というのはあまりにも現実離れしている。1960年代の反体制活動に挫折したがゆえに性格に異常をきたしたというのならば、追いつめられる者と同じように丹念な人物造詣に取り組んでほしかった。物語の最終章で少年少女は人生の晩年を迎え、そこへ唐突に復讐者が絡んでくるのだが、復讐者はなぜ復讐の憎悪を抱くに至ったのか、著者の用意した動機は単なる復讐鬼であり、俄かに納得しがたい。シリアスな追いつめられる者に比して、追いつめる者にシリアスさがないのが、しっくりこない要因であった。 | ||||
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地元の新聞社のお薦め作品で出ており購入しました。 寝食忘れて(大袈裟ですが)、仕事中も気になってしまう作品には 久しぶりに出会った気がします。 こういう作品が、もっともっと大勢の人に読まれたら良いのになぁ。と 強く思います。 第一章での武蔵野の自然豊かな描写と、主要人物が働く邸の難波氏の穏やかさ・・・・・・ ありありと情景が目に浮かび、読むことが辛い部分もそれによって救われる気がします。 一章のある一文で、「ん?」と感じたことが、第3章で全て明らかになり、 見事騙されていたことに気が付きます。驚きました。 ・・・意外なモノも伏線になっているとは。 | ||||
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久々に読書の醍醐味を味わうことができました。作者に感謝します。 | ||||
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現在と過去が交互に進行していく流れで 半分くらいまでは楽しめたのですが、 途中から方言だらけのセリフばかり。 方言に点々をふられても田舎時代を鮮明に 再現したいのは分かりますが、意味は分からないし いちいち読むのにつっかかり、方言を調べる気力もなく 急に冷めました。もう先の内容などどうでもよくなりました。 方言のページを飛ばし読みして結末までなんとか読み終えましたが 冷めた後なので、ああそういうことね。で終わりです。 読むのに疲れる小説は初めて。 | ||||
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昔聞いた山崎はこを度々思い出しながら読みました。著者も山崎はこを好きだったかな あまりにも凄絶に思えるがあの時代には あるかもしれない。私も年をとりましたから 色々昔の話を思い出すきっかけになりました 炭鉱夫の家族がいきなり仕事にあぶれたり事故にあったり大変な酷い目にあったニュース。多くの犠牲者の後に生きる私達は今後もっと大切なことは何かを考えねばならないと思います | ||||
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丁寧に丹念に描かれた人間ドラマでありながら、エンタテインメントとしてのケレン味、構造物としての面白さも同居している大傑作。すべての要素がラストに向かって集結していく。たくさんの登場人物が出てくるが、無駄な人物が全くいない。見事な作品です。 | ||||
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失礼ながら、著者の宇佐美まことさんを全然存じ上げず、若手の男性かと思ったのですが、調べてみるとアラ還の女性だったのですね。 何の罪もないのに劣悪な環境の下に生まれ、子供の力ではどうしようもない過酷な生活を強いられ、とうとうたまりかねて違法な手段で家を飛び出し、過去を捨てて上京する。しかし、そこでもまた過去を知るものが現れて‥‥と書くと、なんだかありがちな展開ですね。 しかし全編を通じて、女性の「私」の一人称で語られる物語は、悲惨な場面を伴う時も、淡々と、ある種の諦観を感じさせるもので、決して「私は負けないわ!」と運命や敵をなぎ倒していくタイプの展開にはなりません。 こういう「不幸な生い立ちからの脱却」モノでは、主人公が、表の世界か裏の世界かはともかく、手練手管を弄してのし上がって行く話が多いような気がしますが、本作は、最悪の状況からは脱せたけれども、それだからといってその後心の平安が得られるわけでもなく、悲しみや罪の意識を抱えながら秘かに生きようとする人々が描かれていて、それがかえって読み手の心に訴えかけてくるような気がします。 偏見かもしれませんが、若い男性より、ある程度人生のキャリアを積んだ女性だからこそ書ける、静かな怖さなのかもしれません。 | ||||
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ダイヤモンド誌の書評を見て、読んでみた。 二つの時代を前後しながら物語が進んでいく。得てして、分かりにくい展開になりがちな構成だが、巧みな筆致で、読みやすく理解しやすい。閉山後の筑豊炭鉱の悲惨さは胸に迫るものがある。 巧妙に敷き詰められた伏線が、綺麗に回収されていき、そのときそのときの人間の心理描写が理解できるので、納得しながら読み進められるのがありがたい。 唯一、最後のトリックに難ありとは感じた。 読んでみて損はない一作。 | ||||
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宇佐美さんの作品は初めて読みました。 展開がよめず、面白かったです。 他の作品も読みたくなりました | ||||
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人間の光と闇、強さと弱さ。過酷な環境の中で這い出れない過酷な運命。ミステリーと言うよりも物語です。 | ||||
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現代と過去の人物の背景を少しづつ紐解きながら、が話題に生きている主人公が誰であるかを明らかにして行く。最後まで想像しながら読めるミステリーだった。 | ||||
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なんとも恐ろしい表紙にひかれて買ってしまいましたが、時代背景、人物の描写が秀逸で中身も素晴らしい本でした。あの時代の貧しい炭鉱の絶望、負の連鎖がしっかり描かれています。ストーリーはというと東野圭吾さんの「白夜行」をイメージすると良いかも知れません。 | ||||
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