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オーデュボンの祈り
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オーデュボンの祈りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全342件 301~320 16/18ページ
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何かを守るために、人は自分自身を犠牲にするときがある。自分の思いを胸に秘めたままで。未来を知る能力は、決してうらやましいものではない。たとえ知ったとしても、未来を大きく変えることはできない。それに、未来が分からないからこそ、未来に対して希望が持てるのだと思う。人は過ぎ行く時の中で、あるがままの運命を受け入れなければならないのだ。優午の心の内に渦巻いていたのは、どんな思いだったのだろう。そして「島に欠けているもの」が分かったとき・・・。ラストは何だか泣きたい気持ちになった。 | ||||
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仙台近郊にありながら100年以上も「鎖国」をつづける荻島。そこには、あらゆる事件の犯人をいいあて、未来を知ることのできるカカシがいた。平和でのどかな荻島の風景。ただし、単にノスタルジックな田園風景というのではなく、電気もあれば犯罪も起きている。ただし、ちょっと違うのは、島には全ての難事件の犯人を正確にいいあてるカカシと、「殺しのライセンス」を持っている殺人者・桜がいること。カカシ=ミステリー小説の名探偵、桜=ゴルゴ13のようなアウトロー的ヒーロー のパロディーで、ミステリーの登場人物たちの苦悩(?)をそれとなく描いているというのが、非常に新鮮。名探偵もいろいろ苦労があるんですね。「島に欠けているものとは何か?」などの謎解き要素は、はっきりいってちょっと「?」ですが、この世界観はなんとも言えず癒されます。不思議な魅力のある伊坂ワールド。一回はまると抜け出せません。 | ||||
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私が伊坂デビューした記念すべき一冊です。不思議な文体とキャラ設定にぐいぐいひきつけられてしまいました。一人ひとりが個性的なんだけど、なんとも癒される。特に交わされる会話が、とんちんかんで面白い。案山子の存在をこれから気にしちゃうかも。好き嫌いはあるかもしれないけど、こういう小説もあったんだ!と衝撃を受けました。 | ||||
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なんだか、ぬるーっと少しずつ異世界に入り込んでいくような感じを受ける作品でした。初めて読むような、他にあるようでない不思議な作風。面白かったような、でもそうでもなかったような、感想も上手く言えないような不思議な後味です。ずっと主人公が異世界に対して客人の立場で居つづけたので、読む側も中々異世界に入り込めないような敷居を感じた。風景の描写が少ないからでしょうか。だから、最後まで半分入り込めないような気もした。でも、時々異世界の住人たちが見せる人間臭い感情や行動が、その分やけに印象深く感じられ、感動している自分がいた。それが作者の狙いの一つでもあったのだろうか・・・。 | ||||
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意味の分からなかった言葉やら、途中の複線やら、全く気がつかなかった事柄が、最後には、一気につながっていって、ページをめくる手が止まらなくなってしまいました。度々出てくるエグい表現もどこへやら、最後には本編にも登場する丘に、自分も一緒に走って登って思いっきり深呼吸したような、とても爽やかで幸せな気持ちでいっぱいになりました。このスッカっとした気分は、はじめて「バック・ト・ザ・フィーチャー」を見たときの事を思い出しました。(30歳代以上の人にしか伝わらないかもしれませんが・・・)でも決してSFではありません!ミステリーに分類するものちょっと疑問ですが。 | ||||
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コンビニ強盗に失敗、護送中に事故にあった伊藤が気づいたときにいたのは、不思議な島だった。人間の言葉を喋り未来がわかるという案山子の優午、真実と真逆のことしか言えない元画家の園山、人を殺すことが許されている桜、自分では動くこともできないほどに太ってしまった女性・ウサギ…。文庫の解説の最初の言葉が「なんとシュールな小説か」とあるが、確かにそんな感じである。いや、シュールというのとも少し違う気がするのだが。独特のルールを持ち、「常識的に考えて」有り得ない世界である荻島という舞台。独特の世界観に戸惑いかねないわけだが、主人公同様に、のんびりとした情景、登場人物たちとの会話、そして実在人物である支倉常長やオーデュボン…そんなものを通して、不思議とその世界観に馴染めてしまうから面白い。ミステリとしての謎解きに関して言えば、「なるほどな」という感じ。普通のミステリのような「切れ味」というよりも、「謎」という物体を分解して「なるほど、こういう仕組みだったのか」と納得するような感覚がした(わかりにくいですね)。「名探偵は、登場人物を救うのではなくて、読者を救う」。色々と考えさせられる言葉だと思う。 | ||||
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前半9割がファンタジー、残り1割がミステリーという印象。 普通のミステリーを期待して読むと若干戸惑うでしょう。 不思議な世界ではありますが、かなり淡々とつづられていますので、まずここで 好き嫌いが分かれるかもしれません。それを乗り越えればパズルのピース がパチパチと嵌り始め、急展開モードへ。 しかしこの作品以降の伊坂氏は、どんどんうまくなっていますね。とくに井坂 氏を象徴する洒脱な会話文が、本作ではまだまだ発展途上なところなど、 非常に新鮮です。 | ||||
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初めて氏の作品を読みました。そして、こんな作品、そして作家を待っていた!そんな気持ちになりました。自分の中で、久々の大ヒット作品です!読んでいる途中:これはファンタジーか?ミステリーか?それともそれ以外か?と、全く分からずにいました。読後:これはミステリーです。しかも、全く新しいミステリーです!作者の異才?奇才?それとも天才?・・・才能が溢れ出ています。読後の幸せな気分、さわやかな気分も心地良い!レビュウは他の人に譲るとして、ただただ感動を伝えたかったのですが、未熟な私では、伝える言葉も見当たらなくて・・・そんな作品です!追伸:氏の他の作品もすぐにでも読んでみたい! | ||||
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コンビニ強盗後に、鎖国している島に流れ着いてしまう主人公。そこの島でおきる数々の不思議な出来事。次々と物語は展開していくのですが、その淡々とした流れをピリッとさせているのが「桜」という島の人物と、「城山」という外界の人物の暴力である。特に城山の残忍さは特筆物である。最後に桜と城山が対決する場面があるだが、そのシーンはドキドキものであった。 | ||||
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物語として秀逸な出来の本作は、色んな意味で意見もあろうがそんなことを吹き飛ばす魅力に溢れています。荻島の世界観にずっぽりハマってしまいました。なにせ島の住民がみんなチャーミングに描かれていて、本当にこういう物語はいいなーと感じます。田中と日比野の関係や園山夫婦の件など本当に感動してしまいました。桜の存在感も物語を引き締めています。実力者の素敵な物語をあなたも体験してみよう。 | ||||
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この作品が「第五回新潮ミステリー倶楽部賞」なるものを受賞していて正直驚きました。これはミステリーなのか?そもそもミステリーって何?1.《文》推理小説。怪奇小説。 2.神秘的な物や人。(※カタカナ新語辞典調べ)この小説には神秘的な人物がたくさん登場するし、物とするならばかかしの優午は神秘そのものだと思う。死かかしが出て死人が出てその謎を解き明かすという意味では推理小説だと思う。でも、私が今まで「スイリショウセツ」と読んでいたものとはまるで異なった、別世界でした。 園山氏は独自の精神世界を追求するという画家としての自分のスタイルを辞めて奥さんに外の景色を見せるために写実的な絵しか描かなくなった。そのくだりが哀しくてせつなくて好きです。 レヴューとしては頭の固い人はこの小説は楽しめないかもしれない。「かかしの頭の中には小さな虫や木の実が入っていてそれらが人間の脳のように神経の役割を果たしている」といわれて納得する方が難しい。まあそれはそれとして受け入れてこの作品の全体をひとつとして読むととっても楽しめると思います。私はとても好きです。 | ||||
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案山子が喋る?閉ざされた島??かなり奇抜な設定なのに、読んでいくうちに、そんな‘些細な’事どうでもよくなっていく、この筆力。伊坂幸太郎の今後に注目。いや~、おもしろかった。 | ||||
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伊坂幸太郎はミステリー作家らしいけど、この作品に関してはミステリーの範疇には入っていない作品という感じを受ける。ファンタジー的な要素が結構強い。 鎖国を続ける島「荻島」の中で起こった事件についての話だが、登場してくる人物がそれぞれに独特のクセを持ち、それぞれの役割を見事に果たしている。伊坂幸太郎の作品にはそういう徹底した人物設定がなされていて、それゆえに先が読める部分とそうではない部分がはっきりとしている。おそらく意識的にそうしているのだろう。 そんな登場人物の中でも異彩を放っているのが、しゃべる案山子の優午である。この作品における優午の役割は大きい。彼の言った「神様のレシピ」という言葉は以後の伊坂作品の中でもちょくちょく出てきたりして、「オーデュボンの祈り」だけではなく、すべての伊坂作品においても、その重要性を感じさせてくれる。 伊坂幸太郎の原点のようなこの作品、読まなきゃ損です。 | ||||
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のどかに進むストーリー。色々と非現実的なことが起こるが、いちいち気にしないで読むのが得策。忘れられた孤島にたどり着く主人公。そこには「喋るカカシ」「殺人が認められている桜」など、日常では考えられない事が起こるが、何も考えず、のんびりと読むのが、この本のペース。通常のミステリーと一緒にしてはいけない。島民は、カカシに頼っている。それは未来がわかるから。犯罪が起きても、カカシに聞けば犯人はわかる。警察の仕事は逮捕するだけ。そんなカカシが突然いなくなったら・・・休日の午後、陽だまりのベランダで読むような本です。 | ||||
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「著者の処女作にはその作家のすべてが盛りこまれている」だれがいったか知りませんがあたっているように思います。 本作のぺージを繰った方ならわかると思いますが、某有名現代の「純文学」作家のマネ?と感じてしまう構成が最初のほうは続きます。でも好きなんですよ、こういう、違ったエピソードをはさみながら物語を知らず知らずに進行させている、というのはたとえて言うなら国際線のフライトで思いのほかよく眠れて、気付いたらもうまもなく目的地に着く、と知らされたような気分、とでも言えばいいのかな? この作者に出会ったのは「重力ピエロ」が最初でした。素晴らしい小説を久しぶりに読んだ感動でしばらくぼぉ~っとしたほどでしたが、本作はまだ、筆者が書きたかったことを描ききるだけの力量が足りないような青臭さを感じます。なにもけなしているのではありません、物語を読んだあとにはさわやかな感じが残る「伊坂ワールド」は現出しているのですから。ただ、悪党が最後にやっつけられるところなんか「え?!」というくらい唐突な感じで、物語の流れがそこだけ分断されたり、エピソードのちりばめ方の配分を間違えてそこだけ冗長になったり、正直最後まで読むのは骨が折れました。でも、彼の作品にはオリジナルな何かを感じるし、違った作品も読みたい、と思います。ただ、『伊坂初心者』にはオススメしないなぁ~。最初は『重力ピエロ』がいいですよ! | ||||
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個人的には楽しめませんでした。設定が独創的なのですが、硬派のミステリとして読んでしまうと結末はサプライズがなかったように思います。また、書評などからメルヘンタッチの軽いテイストを期待していたのですが、時折中途半端に挿入される暴力シーンがリアリティを狙いすぎていてかえって後味を悪くしているように思えました。 | ||||
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裏表紙のあらすじがここまで意味不明な本も少ないと思います。読んでみると・・これがとてもおもしろい!舞台にも登場人物にもリアリティーがないのに、気づくとこの世界を自然に受け入れていて、主人公と一緒にこの島のなぞを解こうと必死になってるんですね。章の区切り方も独特で、ここまで、次の章まで、と思っているうちに一気に読み終えてしまいました。読み終えたあともなんだか余韻に浸ってぼーっとしてしまいました。また新しく好きな作家を発見できて幸せです。 | ||||
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世界観や、最後の話のまとまり ばらばらだった断片が結び付けられ収束していくようすがとても面白く一気に読み終わりました。 | ||||
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すごい、なんだこれ?というのが一番の感想。胸の谷間にライターを挟んだバニーガールの夢をみて・・・という出だしから引き込まれて一気に読みました。喋る予言者のカカシが出てきて鎖国の続いた島で殺人がおこってもう問答無用、勢いでこの妙な世界にひっぱっていかれたという感じです。訳のわからない世界なのにどこか自然で当たり前のことのように思えてきて、しかも読み終えた時どこか幸せ。伊坂さんはたくさんの本を書かれていますが、伊坂ワールドを感じるという意味では私はこのデビュー作が一番好きです。なにより最初の衝撃がすごかった。してやられた!という感じです。ジャンルとしてはミステリーにはいるのかもしれませんが、それよりこの世界観に入り込んでほしいです。 | ||||
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最も時間がふんだんに使えるのが処女作だと思いますが,本書はとても贅沢に時間を投入して構想を練って練って練って作り上げられた小説なのでしょう。不思議な島の不思議な人(やカカシ)が,まるでラヴェルのボレロのように,繰り返し立ち代りあらわれては物語を作り上げ,めまいがするようなラストへと向かいます。人生を肯定したい気分の時にいい本です。 | ||||
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