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名もなき毒
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名もなき毒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全189件 141~160 8/10ページ
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この作者の作品は何年か前にはまって読んだ事がある。丁寧に作り込んで完成したパズルの様な作品の出来に感動した記憶があるけど、この本は長い、長いわりに最後は無理から終わらせた感がすごい出ててあれで登場人物はそれぞれ納得のいく終わり方だったのだろうか。そして今回の主人公一家は後半腹が立ってきた。こんな脳天気な家族現実にあるか?僕達一家は毒なんてありませんよーみたいな。順風満帆で逆玉だから義父にはなんにもいいかえせないような男が謎を解いていく…探偵をやる?金持ちの道楽だよ。 | ||||
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中盤あたりから、一気に読みすすめました。財閥企業で社内報の編集を仕事とする杉村三郎。きっとこの人、血液型はO型だろうなあ・・・不可解な行動をとるアルバイトで入ってきた女。あんな女が自分の近くにいたら、怖いですね。怖いけれど、彼女の行動は、あまりにも病的で、ありえないと思いつつ、興味津々で読んでしまいました。財閥企業の社長である義父や、私立探偵の北見が、地味ではあるけれども大きな存在感があってスキです。 でも、なんだかんだ言っても、私は宮部作品の中では「模倣犯」が◎です。 「名もなき毒」もきっと映画化されるのでしょうね。 | ||||
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『誰か』に続く、杉村三郎シリーズ第2弾。作品のキーワードは、タイトルに含まれる毒。それは殺人事件を引き起こす青酸カリであったり、人間の怒りや憎悪といった負の感情であったり、土壌汚染を引き起こす化学物質であったりする。毒というものは、形を変えて人々の生活のいたる場所に存在する。その事が綿密に描かれていて、文章はとても読みやすい。内容的にミステリーではないと思うが、社会の抱える闇を巧みに描いている。 しかしながら、好き嫌いでいうと、私はこの作品が嫌いである。理由は杉村三郎が好きになれないから。お人好しでお節介、彼の判断や行動が危機を招く事も少なくない。読んでいてイライラしてくるのである。『誰か』を読んで「あまり好きじゃない」と感じた人は、回避した方が無難。 | ||||
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一晩で一気に読んでしまいました。 全体的に読みやすく、軽い印象ではあるのですが、 社会の中に化学薬品による土壌汚染のごとくに浸潤した毒、 人の中に溜まっている毒、 そして人から吐き出される毒・・・ 色んな毒が、読んでいる私をもクラクラさせてしまう、そんなカンジになりました。 主人公が翻弄される元バイトの 行き過ぎた奔放さ、 自分勝手な解釈で、自分の都合で色づけされた世界に住む女性のやることなすこと、 恐ろしいけれど、目が離せないような、 支えてあげたいような気持ちにさせられてしまう・・・。 毒にあてられて・・・。 そう、この作品の登場人物、皆が、 誰かに支えられ、 誰かを支えていたり、 誰かの支えを必要としていたり・・・。 そういう人と人との関わりが、とてもいい感じなのです。 新聞の連載だったので、ちょっと途中何度も主人公の置かれている立場が説明されるのが少々鬱陶しいのと、 主人公のちょっと考えられないほどの「首を突っ込んで抜けなくなる病(?)」度合い、 そして、この主人公の性格で、今後も探偵家業の真似事をやっていくような終わり方には少々、不自然さ、違和感を感じつつ、 映画化とかしやすそうだな、とも思いました。 | ||||
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んー、オチも弱いし、謎解きも特にない。 とっつきやすい展開ではあるが、すべてに目新しさや驚きがない。 ま、でも、スイスイと読めるからいいです。それが大事。 | ||||
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やさしいタッチで書かれていて読みやすいが 内容にはところどころドキドキさせられる。 些細な一文にも、著者の社会に対するメッセージが隠されていて 心を改められた。 いつもながらタイトルには脱帽。 読後感の充実した作品だった。 | ||||
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数ある宮部みゆきの小説の中でも間違いなくベストの一冊です。 逆玉結婚をした普通の人、計らずも探偵もどきをしてしまう杉村三郎シリーズの第二弾。 前作「誰か」と同じく、杉村三郎さんの考え・思いが文章に表れる様がとても美しく、一文章ずつ、味わい深く読みました。 登場人物も面白い興味深い人々です。 個人的には前作よりもこの「名もなき毒」の方が、面白かったです。前作は落ちがいまひとつでした。 たくさんのプロットがあり、その全部がぽんぽんと解決していく様に興奮させられ、一気に読み終わってしまいました。 後半はなんの感動でしょう、、?ぽろぽろ涙をながしながら読んでいました。 かなりカタルシスを感じられる一作でした。 お薦め!! | ||||
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常々、このパーフェクトな国民作家の針の穴のような唯一の欠点は タイトルがぱっとしないところだと思っていたのですが、この作品は タイトルもすばらしかったです。 (同じ女性直木賞作家の江国さんとかタイトル「だけ」はうまいですよね) 物語中、庶民の生活から隔絶されている逆タマ夫婦が、市井の現実に一々 驚きますが、私としては日本一売れている小説家が、誰も気付かないような 末端の人間観察を精密に行っていることに驚くばかりです。 損はないです。読みましょう! | ||||
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宮部さんが、この複雑なテーマや人間関係が入り乱れる 小説で描こうとしたのは、まさに「病んだ世界」そのものだと 思います。 登場してくるのも、一見個性があるようには見えない、 けれど・・・・・・? な感じの人ばかり。 一筋縄ではいかない作品テーマに果敢に取り組んだ作品ではあると 思います。 しかし、正直いって、やはり長いです。 テーマが大きい分、描き込むにはたくさんの分量が要るとはいえ、 机の前にズンと座って読んでいると、あまりに次々と 新人物とそれにまつわる新展開が出てくるので、 集中力が保ちにくいトコロもあります。 ここは目先を変えて・・・ということで 電車の中で読んでいると、かえってサクサクとすすみ、 ラストまで一気に読むことができました。 物語の流れ方には色々と思うところも、確かにありましたが、 「毒は毒をもって制す」ではなく、毒に犯された者の中にしか抗体は出来ない、 という事実をしみじみと感じさせてくれるラストはさすが、でした。 それにしても「毒」にもっとも犯されていると思われる あの怖〜い女の子の存在感は読み終わって しばらくたってもなお、後に引きますね。 彼女自身も被害者であったとおぼしいのですが・・・。 いやはや、ホントに怖い作品です。 | ||||
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宮部みゆきは、いつも最新の社会問題に触れ、独自の視点で日常に根ざした描き方をしてくれている。 そこには著者自身の優しさや、憂いが詰まっている。犯罪者にもある種愛情を込めて描いているようにも思え、”それでも人間が好き”と言ってくれているような気がしてならない。 今回も救いようのない事件が複数発生し、ダブルミ−ニングでの”毒”と言う主題に絡めて行く。 日常的に身近にある不安、恐怖を題材にしながらも、ライトなタッチで進んで行く展開はさすがだな!といつも思います。 この主人公を生かしたシチュエ−ションは今後もシリ−ズ化になるのかもしれませんが、そろそろ”理由””火車”を継承した作品が読みたいと思うのも事実です。 | ||||
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この物語は、大企業の社長令嬢と結婚し、平凡なサラリーマン生活が一変した逆玉男、杉村さんが主人公です。 やはり、お嬢様育ちの妻とは、価値観の相違などで彼の気苦労は耐えません。 弱きものや貧しきものに対する優しい眼差しを持っている主人公の杉村氏とは違い 彼の妻は、本当に箱入り娘のお嬢様という感じでマイペースです。 根っからの善人である杉村さんは、周囲に慕われ、結果的にいろいろなことを一人で抱えてしまうことになります。 そして、あるきっかけから、杉村さんは、事件に巻き込まれるわけですが・・・・ 事件を追う中で、杉村さんは、多様な人々と出会い、自分という存在の立ち位置を確認します。 その過程で、彼は今まで見過ごしてきたいろいろなものに気づき、心を揺さぶられていくのですが、その気づきのプロセスこそ、作者宮部氏の意図する主張でしょう。 とても熱中して、一気に読めた作品でしたが、配置されている登場人物の感情が、解せないところが多少とも、ひっかかりを感じました。(被害者の立ち直りが、早すぎるのでは?) しかし、社会の病巣を、人情と、精緻な観察によって描写する文章は、相変わらず魅力的でしたし、記憶に残る物語だったと思います。 見ようとしなければ、見えない部分に覆われている社会の毒は、かくも悲惨なものなのだということを肌で感じました。 | ||||
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たまたま購読していた新聞で連載が始まっていた為読んだ作品。 青酸カリという致死性の「毒」、 ハウスシックという「毒」、 人が持つ言葉という「毒」、 その他様々な「毒」がこの作品にはある。 それを巧みに、かつ新聞連載という中で面白く 「明日の内容が楽しみだ」と思わせる続き方だったとは思う。 ただ、一冊の本としてはどうか?とは思う。 これは人それぞれなのだろう。 被害者の孫の連載ラストでの、 やり場のない「バカヤロー!」は切ないが、 吹っ切れない終わり方なのは否めない。 さすがに、文庫化に当たり最終章が描かれたようだが、 連載でもそこまで見せてもらいたかった。 | ||||
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宮部さんは、現代のいろんな問題を「毒」という一文字に置き換えて著したかったんだろう。 ・シックハウス症候群 ・土壌汚染問題 ・インターネット問題 ・差別化問題 ・老人問題 ・フリーター/ニート問題 …… はっきり言って、テーマが多すぎて、焦点が分散したような気がしていたが… 《人が住まう限り、そこには毒が入り込む。なぜなら、我々人間が毒なのだから。》 この一文で、バラバラだった課題が一つにまとまったように思えた。 でも、やっぱり物足りなかった。 | ||||
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やや単調なストーリーながら、秀逸的な筆致で、やはり一気に読みきってしまう作品。 前シリーズの「誰か」を読んでいないものの、読者をさっと溶け込ます力はさすが宮部みゆきだ。 本作品は、青酸カリからシックハウス、土壌汚染まで自分達の身近にある“毒”を社会問題として提起し、ストーリーの根幹としながら、その根源は実は人間の毒である。 人間誰もが持つ「毒」とは一体何なのか。 昨今の凶悪事件も様々な社会問題も、私達は減らす事も解決することも出来ず、底に根付く何かすら掴めずにいるように思う。 人間の毒が産む更なる毒は社会の歪みと表れ、不満と不安が更に毒を強くする。 日本だけではなく、人間の毒は世界中を汚染している。 それを愁うのではなく、より深く追求するヒントを与えられた様に感じる。 とても深いテーマだが暗さは残さず、むしろ前進していく勇ましさに触れた気になる所が好きな部分だ。 他の方も書かれてる様に、もう少し人物を詳しく描いて欲しかったとは思うが、 感涙する部分もあり、全体としてやっぱり面白い。 | ||||
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作品の内容がどうこう以前に、本書を一言で評するなら、 「長すぎる」ということに尽きる。 登場人物が多数出てくるが、その中には「この人、いなくてもいいのでは?」 と思う人物もかなりいる。 しかも、いなくて済む人間についても、いちいち人物描写を掘り下げているため、 全体的に散漫になっている。 そのあおりをうけ、逆にもっと書き込むべき「主人公と妻の関係」、 「主人公の家庭への思い」などが、きわめて浅い描写になっている。 新聞連載終了後、単行本化する際に 「削るべきところは削り、もっと書き込むべきところは書き込む」 という推敲を重ねて欲しかった。 そうすれば、300ページあたりにまとまり、読みがいのあるミステリーではなく、 読みがいのある上質な人間ドラマになったのではないだろうか? なお、重箱の隅をつつくようだが、 「犯人逮捕」という見出しの号外が出てくる場面は、のけぞった。 ああいう時、新聞社は「容疑者逮捕」と書く。 マスコミの倫理感については昨今とやかく言われているが、いくらなんでも、 容疑者が逮捕された時点で「犯人呼ばわり」するような新聞社は存在しません。 ただ、この点については、著者のせいではなく、 ゲラの段階で編集者なり、校正者なりが、きちんと赤入れするべきだろう。 人気作家に、自社から出版してもらえるという約束を取りつけた時点で、 自分の仕事が終わりだと思ってはいけない。 | ||||
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『誰か』に続く婿殿シリーズの2作目。前作は主人公の社会的位置の説明がてらの事件解決。今回はいよいよ探偵になっていく?きっかけとなる事件の解決。育ってきた生活環境の差は、事に対する時、当事者間に気持ちのズレを生じさせる。自分の育った庶民のものさしで事に対しつつも、今の生活環境では庶民感覚からはかけ離れた家族ばかり。しかも周りの人々からは羨望と嫉妬の眼差しのなか胸の内を理解してもらえず、まるで蝙蝠のような立場の主人公が世の中の『毒』にまつわる事件に係わるうち一人の余命わずかな私立探偵と出会う。彼から聞いた依頼を受ける理由に心動かされ・・・・。連続無差別毒殺犯が連行される時、犯人なのに哀しくて、どうにもならなかった境遇が恨めしく涙を誘います。皆さんはいかが? | ||||
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前作「誰か」がやや凡作だったことへのリベンジだ!杉村さんという、特殊な立場の人物が登場するが、前作ではこの人がなんとも地味だった。それが、今回は大コンツェルンの私生児の婿と言う微妙な立場を、リアルに構築している。書ききれなかった部分を補足してきた感じだ。やはり宮部さんは自分の作品に責任を持つなあ。 「誰か」に比べて派手な事件もあるし、はっきりした敵役もいるし、このシリーズが一気に活性化した。宮部さんは確かインタビューで次作の構想があることもほのめかしていたし、いよいよ杉村探偵の誕生か!となると今多会長とは対立してしまうのか…。 いやいや、次作のことより本作です。よみやすいし面白い。悪役も暴走してくれて怖いです。適度なトリックやひねりもあります。 | ||||
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■杉村三郎は今多コンツェルンの社内報「あおぞら」の編集者。妻は現会長と愛人の間の娘だ。杉村はひょんなことから、都内で起こった4件の連続無差別毒殺事件の内の1つを調べることになる■それは、犬の散歩に出かけた60代の男性がいつも立ち寄るコンビニエンス・ストアで購入した紙パックのウーロン茶に混入された青酸カリによる殺人事件だった。一体、誰が、なぜ、どのようにしてそんなことをしでかしたのか? 他の事件との関連は? ■杉村は、死んだ男性の孫の女子高生から真犯人を突き止めたいと相談を受ける。女子高生によると、自分の母(シングルマザー)が疑わしいというのだ。だが、そんなことがあり得るのだろうか? ■物語は、「あおぞら」編集部に短期間在籍しクビになった虚言癖のある性格破綻女性・原田(げんだ)いずみのおぞましく執拗な嫌がらせ事件についても描き、現代社会に溢れる様々な「毒」(=悪意)を浮かび上がらせてゆく――■事件はどう解決されるのか? 終盤、原田が杉村の自宅を襲撃し、手に汗握るアクション場面も展開される。宮部みゆき絶好調を示す快作! | ||||
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人間は社会的な動物といいながら、その奥底に皆「毒」なるものを持っている。平凡な人間がその「毒」を現実の毒という形で行使したり、暴力的な言動で行使したりする。そんな人間の一面を非常に淡々と描いた作品。一見人物像や作品設定が平凡にみえるかもしれないが、その様な中にも「毒」が生じることがある現代社会の問題さ、怖さが逆に感じられる内容になっていると思う。今社会問題になっているいじめにしても、人間のもつ「毒」の発露に一形態であり、非日常的なものであるべきものが異常な形で日常的なものなっているのではないか。 宮部さんの初期の作品の様なより特定の社会問題を扱った小説に比べ、より人間社会の奥底に潜む問題を扱った本書はストリーだけでは単調にみえるがそのメッセージは重い。 | ||||
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内容についてはすでに色々解説がありますので控えるとして、 書き方が漫談口調というか(上手くいえないんですが、 捕り物っぽい感じというか・・・)、なんか内容と比べて軽い口調なのが 気になりました。 | ||||
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