■スポンサードリンク
名もなき毒
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
名もなき毒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全189件 121~140 7/10ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み終わるまでになぜかとても時間がかかった本でした。プロローグを読む限りでは「どうなるんだろ?」と興味津々だったのが、だんだんペースダウンしてきて、中盤では投げ出そうかと思ってしまったくらい。 「毒」にかけて、人間の持つ「怒り」とか、土壌汚染とか、シックハウス症候群とかを絡めてくるのですが、その毒が多すぎて焦点がぼやけたように思います。もっとすっきりとした展開を期待していました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
●すごいどんでん返しと巧妙にちりばめた伏線がはじける瞬間などは期待しませんでしたがどうもこれの敵役というか犯人象に一切共感も理解もありませんでした。謎解きや因縁が発覚する驚きより心理描写を楽しむ小説にこの本はあたるのでしょうがどいつもこいつも本当に向こう側の人で「何でそういうことするの?」という感情しか抱けませんでした。●毒というより憤怒がテーマです。私も憤怒自体は否定しません。けれどこの登場人物のような発散の仕方はまったく魔境であり私は踏み入れたことの無いゾーンです。どうしたらあんなふうになるのでしょう。これほど堅実で読書量も相当数ありそうな作家にまでああいう荒唐無稽な動機と人物像の提示を迫るほど我々の生きている時代が病膏肓にはいっているということでしょうか。すごいしっかりしたディティールでリアルに描かれている部分が大半ですが核心部が脆弱です。●この話にこの主人公でなければいけない理由があまり見つかりませんがそういう必然性のなさがリアリティーなのかな?●勤務先の名称が○○コンツェルンというのはいかがなものかと、コングロマリット系でこういう名前をつけるセンスの経営者は今の日本ではないでしょう。昔も○○コンツェルンは相当稀有でしたし。●しかしうまさはあります。ものすごく面白いわけではありませんが読んでいて苦にはなりません。物語の軸を背負う人もそれ以外の人も描写が興味深いです。そういう人いるなあという感じで読めます。●同僚以外のサブキャラが少なからず登場するので今回は主人公が彼らと協力したり彼らに指示をしたりして幾分制約をはねのけて�的になれるのかと期待していたらやっぱり後手後手にまわり気味でした。この点も期待はずれ。探偵小説のようには行きませんね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきさんの作品はどれもつまらなかった気がします。 私はこの人が書いた作品はかなり読んだことがあります。 読む度に裏切られるような切ない思いになった気がします。 言ってる事は分かるけれど、でも納得がいきませんでした。 しかし、「名もなき毒」は最高に面白かったと思います。 作品にはたくさんの毒がいたるところに登場してきます。 それは、目に見える毒だったりそうでなかったり・・・。 主人公は温厚で冷静な正義感のあるよく居る人物です。 数々の問題に首を突っ込む世話焼きの主人公に惹かれます。 主人公の身近な人物もそれぞれに魅力的な部分があります。 さすがと言うべきストーリー展開で物語は加速します。 世の中の理不尽さ・空しさがよく表れている作品です。 かなり酷な評価もありますが、私はこれをおススメします。 本を読んで毒とは一体何なのかなど色々考えてほしいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
推理という要素に乏しく、興奮度は低かった。犯人が簡単に出てくる。動機に深いものがないし、手法にトリックがあるわけでもない。土壌汚染について長々と書いているところでは「また、作者の勉強結果のご披露か」と思ってしまった。作者の思い入れがあったのだろうが、感情移入はおこらなかった。吉川文学賞っていうのは意外というか、よく分からない。本当にすごいやつをまた書いて欲しいな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
・今注目されている ・本屋大賞にノミネートされた この二点が理由で、私はこの本を読むことを決めました。浅はかですが。 が、正直期待外れでした。 主人公には共感出来なかったし、世間で言われているほどではないかなぁ……と、思います。 でも、脇役のキャラは立っているし、何より先が気になって一気に読んでしまう文章の構成力、登場人物の会話の自然さは、流石プロだなぁと舌を巻くばかりです。設定も良かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに宮部みゆきのハードカバーを手に取りました。 今回も、冒頭から「するっ」と物語のなかに溶け込むような書きぶり。 この屈託のない文体そのものが、宮部みゆきの何よりもすごいところだなーって思ってます。 部屋で寝っころがっていてもその世界に入っていけます。 物語は主人公、杉村さんの職場で起きたアルバイト女性の解雇問題と、ある殺人事件とが並列に進み、その主従が入れ替わるように進行していきます。 杉村さんは二つの事件の仲立ちを(本人の意思とは関係なく)果たすことになり、物語は絡まりながら深みにはまっていきます。 いつもながら、歩いているかのようなゆったりした速度で始まった物語は、最終部分で一気に加速。 そのアクセルの踏み方も心をぐいぐいと惹きつけますね。 本作は社会を扱っているので、読後には独特のメッセージが刷り込まれます。 「毒」とは他でもない、“普通”の私たちであり、それはどうしようもなく産まれうるものであること。 それに対する「怖さ」「おびえ」、また理屈をこえた「正義」と「怒り」がキーワードとなって物語の糸はつづられています。 「わかるんだけれども、悪いことは悪いろう!」という静かな怒りが、女子高生と経済界の大物から発せられているのがとても心に残りました。 また、脇役のキャラクター性。 理知的で暖かな青年秋山。 萩原運送の社長。 それぞれのサイドストーリーが浮かんでしまいそうなほど魅力的なサブキャラです。 お見事!という感じの一冊でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の人物設定があまりに説明的すぎる。 読んでいて、「主人公はなんで・・・」という疑問に、先手をうって自らいちいち答えているような感じがする。 やや軽いタッチの、推理ものシリーズ(にしたいとのこと)なのでそこまで細部にこだわらなくていいのに、と思ってしまう。 作者の得意な詳細な人物描写が裏目にでている。 物語自体はさらり、さらりと軽妙で読みやすくてよいのに。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部さんの作品は好きなのですが、どうもこのシリーズの主人公の設定には肩入れできないんだな。本人が望まないのに事件に巻き込まれてしまうパターンはよくある話だとは思うのですが、シリーズ化されてしまうと、それは無いだろうと思わざるを得ない。 アルバイト社員の問題は、身近に起こりうる可能性もあるし、そんな奴がいても今の世の中不不思議じゃないと、思わせてくれるし、その他の「毒」も実際にある話しだし、納得も出来るのですが。 作者の意図として事件を際立たせる為に、あえて主人公を控えめに設定したのかもしれませんが(それを補うような箇所は、散見するのですが)やっぱり不自然だな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
紙パックのウーロン茶に混入されていたのは、今度もまた青酸性の毒物だった。 逆玉サラリーマン・杉村が毒物混入無差別殺人事件に巻き込まれる。 本筋と平行して進行する、かつてクビにしたアルバイト・原田いずみのお話がとにかく怖い。その壊れぶりもさることながら、そのような人格になってしまった理由(過去のトラウマ等)が見あたらない、という。何か外的な要因があれば、同情することもできるし、その行動に納得することもできる。しかし、そうしたものがない中でこれだけの悪意が生まれるのだとしたら、それは人間の本性がこのようなものということを描いているのか。あまりにも性悪的な人間観だ。 このような問題は我々にも容易に起こりうることだけに背筋が寒くなった。 本書では、物理的な毒薬のほか、土壌汚染、シックハウス症候群などについてもかなり詳しく説明されており、興味深い。ただ、本書のテーマは人間の心に潜む「毒」こそが恐ろしい、ということだ。 本筋の犯人探しの方は、「さもありなん」というところで平凡といえば平凡。一方、もう一つのお話はトラウマになりそうほどの迫力。人間の本性について最後まで深く考えさせられる作品。明日から周りの人が恐ろしく見えるかも?! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
連続毒殺事件を中心にシックハウスなど様々な毒が登場します。根底にあるのは人間の心に潜む毒です。 続き物とは知らずに読んだのですが、前作を知らなくても読める内容になっています。この本では出番のなかった卯月刑事などは前作で活躍したのでしょうね…。連載ものだったためか、説明が多すぎる気がしました。 とても読みやすいです。やや軽い印象はあるものの、テーマも明白で分りやすいと思いました。人間関係がきちんと描かれており、共感することも。 土壌汚染などの豆知識も得られます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
数多く読んでいる宮部作品の中でも、上位にランキングしたい作品。予想していたより、よかった―、と、いうのが、数ページ読み進んだところで、「誰か」のシリーズだということに気がついて、ちょっと気分が萎えたから。 「誰か」は可もなく不可もなく? 中心登場人物の姉妹の何れも嫌いなタイプで共感もできなかったし、そもそも主役の杉村さんの、職業を含めた環境があまりにもオキラク過ぎて、イマイチ、評価ができなかった。でも、今回の作品を読んでみて、あれはウォーミングアップのようなものだったのか、と。やっぱり、宮部作品は面白いと痛感させられました。 とにかくタイトルが秀逸。作品全体に、テーマである「毒」がゆきわたっている。読みながら、自分の周囲に渦巻く毒について深く考えさせられた。今回の救いの一点もない悪役「いずみ」にしても、現代を生きる私たちには、自分の中に大なり小なり潜んでいる、彼女的な毒素を否定できないのではないかと思った。私たちにとって、生活を、生命を、人生を脅かす「毒」とは何なのか。作者は作品全般にわたって執拗に問いかけてくる。 紆余曲折があっても、最終的には、作品が力強く、読者に希望を持たせて終わっているのも好感が持てる。ま、やはり、基本的には、こんな生ぬるいお仕事をしているオキラク杉村さんのファンにはなれませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
毒薬、毒草、毒花、毒キノコ、毒虫、毒蛇など、毒がつくものはいろいろあるが、 毒をもつ人間も世の中にはたくさんいるのだとあらためて感じた。この作品の中に 登場する原田いずみもまさにその一人だ。嘘をつき自分を正当化する。その嘘は 毒となり、相手を深く傷つける。家族も他人も、彼女に関わった人は全て彼女の 毒にやられてしまう。本当にこんな人間がいたならどうすればいいのか?いや、 実際にいてもおかしくはないのかも。ぞっとする。生きていくうえで私たちは、 さまざまな毒に触れていると思う。安全で、きれいなままでは生きていけないのだ。 ところで、全然気づかないうちに、自分自身が毒になっているということはないの だろうか・・・?ちょっと不安になる(^^; | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部作品なので読んでみた。 続き物の2作目らしく、以前の話が良くわからなかったので読んでみたいと思った。 宮部作品らしい 読み終わった後にスッキリする話。 でも、作中は考えさせられる事たくさん。 ちょっと理由とか模倣犯とかも思い出す感じの作品。 なぜなら被害者の心理も追っているから。 ただ探偵が出てきて、事件の謎を追い、加害者(犯人)当てをして、万事解決!で終わらないのが宮部作品のすごい所だと思う。 いわゆる毒物だけでなく、人の心に潜む『毒』、社会に漂う『毒』、土地にも… でもすごい大仰な事ではなくて、日常生活にも当たり前に潜んでいる毒。 自分だけで処理できなくなった時に、それが他者へ向かっていき、 「被害者」が生まれ、加害者に成り代わり… そんな様が怖いと思った。 また作中の夫婦像が面白いと思ったし、雰囲気としてそんな風にもなりたいと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品のレビューを書くにあたっては、主人公・杉村三郎とその妻について触れなければなるまい。刊行時の新聞インタビューで宮部氏が、「将来的には現代ものの長編はこのシリーズだけに絞りたい」と答えていたのだから尚更である。 しかし・・・前作『誰か』で感じたこの夫婦、とりわけ杉村への違和感を本作でもぬぐうことはできなかった。『誰か』でも思ったのだが、北村薫作品の登場人物のよう。北村作品では慣れているが、宮部氏の小説に出てくるとどうもしっくり来ない。 無差別型殺人、不可解で強烈な悪意、土壌に潜む毒、人の心と身体を蝕む毒・・・納得しようのない事件が頻発する昨今、それに挑んだ意欲は買う。また、そうした事件や現象をこれまでの方法論で描き、すっきりとした着地点をもつ小説に仕上げることがむつかしい(小説としては座りがいいが、現実に対しては不誠実だろう)ということも少しはわかるつもりだ。でも、この夫婦が事件に関わり、事件を語ることにより、はがゆい感じばかりが残ったのは確かだ。別の人間が語っていたら、同じ物語でも違う着地点(小説内での)を示していたであろうし、そちらの方を読みたい気がしてしまった。また、宮部作品の魅力、頼もしい脇役や、ホロっとさせられるエピソードなどが生きていないようにも感じた。 次作で杉村は「探偵」になるという。これまでの2作における杉村のじれったさが、名探偵(?)へと驚くべき変貌を遂げることへの伏線であってほしいとさえ思う。 以上、杉村に否定的なコメントを連ねてしまったが、全く個人的な好みに過ぎず、もちろんつまらない小説ではないと念のため書き加えておく。タイトルもいい(また否定的コメントのようだが、タイトルが一番印象深かった)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
元々、宮部さんは一見小物なようで実はかえってそこがたちが悪い、 という悪を描くのが上手いよな、と思っていました。 たとえば「今夜は眠れない」で 誰からも愛されるよい子ちゃんの見本のようだった女の子の ジコチューぶりが最後に暴露されたときは喝采ものでした。 私は「誰か」よりこちらが好きでした。「誰か」のときは 杉村一家がちょっとリアリティがないぐらい メルヘンチックに描かれていたのと、依頼人の姉妹がさいごまで どちらも好きになれなかったので、あまり感情移入できないのがちょっと、だったのですが、 今回、ついに杉村家も怪しくなってきたので逆に興味をそそられています。 途中購入した家の環境調査に 躊躇なく大金を使う菜穂子に違和感を感じる場面からはじまり、 結局その家を今度はなんの躊躇もなく手放すという菜穂子に 夫の杉村一郎が引っかかっている、という箇所が詳細に語られているので これは今後(絶対続編がまたあると思いますが) 伏線になるのだろうな、と思いました。 それにしてもこの作品での「困ったちゃん」女性はこわかったです。 一応毒殺事件の話なのに毒殺犯人は ぜんぜんどうでも良く、この女性のインパクトが強かった。 名もない毒ではありますが、この種の毒はたしかに 世の中に増えていってると思います。 ただ、宮部さんが上手いのは、杉村一郎の「逆玉」状況に対して 大なり小なり毒のある発言をせずにいられない人々も また「毒」なのだ、ということもちゃんと表現していることですね。 「火車」「理由」みたいに一気に読ませる力はないのですが、通勤の時など細切れな時間につらつら読むには適している良品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
高村薫を思わせるストーリーながらまったく違った持ち味、 重いばかりでなくどこか前向きな気持ちにさせてくれる爽やかさ。 物理的な毒と社会的な毒の両面が独特のタッチで描かれ、 まさに迫真の出来でした。近年これほどすばらしいミステリに出会ったことはありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この人の本は、だいたい面白い。意外な結末だけでない。 今回はタイトルにある「毒」というのが興味深い。「家」の土壌汚染なんて考えたことがなかったが、確かにこれは「毒」。意図せざるところに「毒」は蔓延して人を惑わす。。。恐い話だけれど、身近なところでも起こりうる一般性を持った話。 内容は決して飽きるところがないので、一気に読める。そしては最後はそれなりにすっきりできる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
毒殺事件で始まる推理小説なんだけど,現代の世相をよくあらわしている作品だった。 いろんな毒が出てくる。 化学物質の毒から心の中にひそむ毒まで。 この小説の主旨は犯人さがしではなく,むしろ日本の 『社会に蔓延する毒みたいなもの』 を解剖して切り出し抽出しているところにある。 ちょっと強引な展開もあったけど,周到に伏線を張り巡らせているあたり,さすが上手だと思った。 『名もなき毒』 というのは現代人の心に潜む毒のことだ。 妬み,とか,嫉みとか,そういうもの。 不幸な人が幸福な人に対して抱く理由の無い怒りみたいなもの。 あるいは,誰かをいじめたくなる気持ちとか。 著者は物語の中で殺人犯のほかに,もう一人強烈な 『コマッタちゃん』 を登場させている。 いずれも自分の不幸な境遇にやり場のない怒りを抱いており,そのエネルギーが奔出するかのように犯罪や嫌がらせをしてしまう。 自分だけが不幸で,他人が幸福なのが許せない。まるで爆弾を抱えて自爆するかのように幸福な人間を落としいれ傷つけようとする。 こういう心のはたらきを著者は,『毒』 と表現している。 現代の社会全体に,こういう名のない 『毒』 が蔓延しているという。 今の日本の社会は,どう贔屓目にみても病んでいるとしか思えない。 その病んでいる原因とは,著者が述べんとする 『毒』 の所為に他ならない。 現代日本の社会構造の病巣をメスで切り取るように描いた作品だと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
誰か に続く作品だと知らずに読み始めたのですが このミステリーとは思えないような穏やかな空気は やはり杉村三郎の人柄のなせる業だと思います。 苦手な方もいらっしゃるようですが、 私はこの杉村さんシリーズ大好きです。 奥様のやわらかさも好きですねえ。 毒などに出会わず生きていきたい。 ましてや自分自身が毒になってはいけない。 いや、うまく内なる毒と外部の毒とつきあえるような 賢さを身に着けたいと思うのでした。 ところで宮部さんの映画化はどれも原作に及ばずで 悲しい限りです。 この作品は期待しております。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前作『誰か』はいまいち事件にインパクトが薄かったが、今回は連続毒物混入事件とあって、展開が劇的。真犯人も意外で、そこらへんはミステリーとして文句つけようがないなと思った。 もうひとつ並行して発生する元バイト・原田ひとみの顛末については、絶対最後に何かしでかすという伏線が張られているので展開は読めるのだが、正直この女の存在は鬱陶しい。ついでに、ひとみの存在について散々警告されているのに流してしまった主人公も、なんだこいつみたいな歯がゆさが。 もうひとつケチつけると、事件後の妻・菜穂子も読んでてイライラしてしまった。 ・・・とさんざんなことを書いてしまったが、内容としては『模倣犯』には及ばないものの、現代物ミステリーとしては十分面白い内容だった。ジャーナリスト・秋山と私立探偵・北見、それから萩原社長がいい味だしていた。秋山主人公のスピンオフ作品を書いてほしいな。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!