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名もなき毒
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名もなき毒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全189件 101~120 6/10ページ
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人間社会或いは人間関係が生み出している「毒」。 それは、格差社会から生まれるものかも知れないし、もっと別の社会システムから生み出されるものかも知れません。 そうした「毒」に侵されて、社会の中に溶け込めない人たちが増えているのかも知れません。 毎日の新聞を読んでいると、ふとそんな気がしてきます。 もともとがそんな「毒」が元で引き起こされた事件だけに、何のトリックもありません。 従って、所謂「推理小説」の面白さを求めてはいけません。 むしろ、社会問題を扱った「一般小説」或いはせいぜい「犯罪小説」と言うところでしょう。 でも、ストーリー・テラーである作者の力を遺憾なく発揮して、読ませる小説になっています。 結構長い小説なのですが、ノン・ストップで読みたくなる小説です。 | ||||
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久々に宮部ワールドに引き込まれました。作品の中盤,遅々として進まない平坦な流れ…登場人物によって語られる(緻密な取材に基づく)社会問題の解説。先を知りたい読者にとっては少々つらい一時。しかし,こここそじっくりと読まなくてはいけません。そして突然の展開。「えっ! えええっ!」。これがたまりません。宮部さんの作品は単なる推理小説ではありませんよね。犯人が誰?,トリックが何?,なんて読者は期待していません(?)。宮部さんが尊敬する「松本清張」氏の作品に少しずつ近づいているのではありませんか? | ||||
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夕方購入し、一気に読んでしまいました。物語自体の展開は途中から少し間延びした感じがありましたが、本書が取り上げている人間の「毒」というテーマが読後胸に迫ってきます。 僕の中にある「毒」はなんなのか?と、深遠な気持ちになりました。 ミステリーとしての完成度が最高とは思いませんでしたが、人によっては自分の内面と向き合う機会を持てる、良い本だと思います。 | ||||
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青酸カリという人間を死に至らしめる直接的な毒以外にも、シックハウス症候群や土壌汚染による喘息など症状が出ないと表面化しない毒、人を中傷したり自分が不幸だから他の人も不幸になるべきだといった理不尽な考えをする人間による毒、これらの名もなき毒に関する話を、無差別毒物殺人事件と絡めて展開するミステリで読み応えがあった。 個人的には、社内編集部のアシスタントのアルバイトをしていた原田いずみの言動が印象に残った。常に何かに怒っていて攻撃的で他人の幸せが許せない。特に原田いずみの父親が娘の過去の話はする場面が印象深かった。この話も実際には何が事実なのか分からないが、原田いずみがとてもつらく悲しい生き方をしてきたということが十分に伝わってきた。 | ||||
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宮部みゆきの作品は好きだった。過去形である。今では本屋で宮部みゆきの本が山積みになっていると「あ〜あ…」となってしまう。「理由」や「火車」を読んだ時はすごくドキドキした。こんなに上手い作家がいるのかと思い、宮部みゆきの作品を読みふけった。しかしもう一度読めといわれても嫌だ。無理ではなく嫌。同じような人はいると思うが、宮部みゆきの文体はある時を境にたまらなく嫌になる。あの主人公の偽善的な行動もだらだらとした人物背景も長い文章も最初は好きだったが今読むと苦痛でしか無い。だんだんと嫌いになっていく作家、それが宮部みゆきである。 | ||||
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今までのパワー溢れる宮部みゆき作品とは趣を異にしていますが 私はとても好きになりました。 それは主人公杉村と妻菜穂子、娘桃子から感じる幸せ感が なんともいえない宝物のように感じるからでしょうか・・ ささやかな日々の暮らしと心のやりとりをとても大事に幸せを 大事に大事に守って暮らしている彼らがとても好きになりました。 とはいっても、次回作があれば、そろそろ杉村氏は「私立探偵」として 身を立てざるを得なさそうな雰囲気ですね(笑) 今回出てきたライターの秋山氏のキャラもいいです。 次回作(があれば)で活躍してくれそうで期待です。 | ||||
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杉村さんのキャラクターのせいもあるのか、 なんだか全体的にのんびりした印象で、キレがない。 ミステリーを読むならもっと緊迫感がある方が好みなので、そのへんには不満が残ります。 タイトルの「名もなき毒」。 この本当の意味は飲み物に混入された毒ではなく、誰もが心に持っている、人間の心の中にある「毒」・・・。 人を羨んだり、自分の置かれた環境を憎むネガティブな心。 私たちの生きる社会にはそうした毒が蔓延している。 私にだってあるのかもしれない毒。 おそらく、世の中からなくならないであろうこの毒とどう共存していくか。 そこが著者の言いたい一番のテーマなのでは? | ||||
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これは、あまり面白くなかった。 宮部みゆきの作品に、「面白くなかった」と言うのは 初めてかもしれない。 宮部さんの長編は、最初のほうでじっくり下地を作っておいてから 話が先へ進むということが多いので、多少地味でも 腰をすえて付き合っていこうという気になるんだが、 これはいったいいつになったら面白くなるんだろう、 と思っているうちに半分を過ぎて、4分の3を過ぎて。 ようやく最後に少し展開が見えたが、 なんだかとんだ茶番劇みたいに思えてしまった。 いつも宮部さんの作品は、一行一行じっくり読むが、 今回ばかりは、終盤になって、かえっていくらか、 読み飛ばしてしまった。 「誰か・・」に出てきたときの杉村さんは好きで、 だから、ここでまた会えるのを楽しみにしていたが。 うまく動いていないような気がする。 それと、あと・・・ はっきり言ってしまうと、 私は杉村さんの奥さんが、好きじゃないです。 | ||||
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東京新聞等に2005年に連載されたミステリー。 先行する「誰か」の続編的位置づけ。 サラリーマン杉村氏が再び事件に関係、探偵役を担う。 日常の平和な背景の中、殺人事件が起こり、関係者の人物・人間関係が丁寧に書き進められて行く。とても読みやすく、後半の展開もスピード感を持つ。 杉村氏を攻撃する女性の、境界型人格障害から人格障害への移行が不自然では…。 ともかく、「誰か」を先に読まれた方が、本作の良さをより味わえるものと思います。 | ||||
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青酸カリを使用した連続殺人。一方社内報を編集する巨大コンチェルンの総帥の娘婿。狂気に満ちた部下を解雇したことによって事件に巻き込まれて行く。実際に殺人を犯す人間と殺人を犯さないまでも周りの人間を次々に不幸に陥れていく人間。絡み合った複雑な人間関係をすっきりした軽いタッチで描かれたミステリー。暇つぶしの読み物としてはちょうどいいかも。 | ||||
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先が早く知りたくなる展開のうえ、読みやすいため、2日程度で読了した。 良い意味でも悪い意味でも後味の悪くない小説。 人によっては爽やかな読後感を与えるだろう。 人によってはやや物足りなさを感じさせるだろう。 自分には物足りなさの方が強く感じられた。 事件を経て、傷を負ったのは、自分のせいでもないのに毒に冒された人々だけ。 恵まれた環境にいる主人公達は、ちょっとしたスリルを経験できただけ。 結局、土壌汚染を自力で改良できるか、できないかの違いというだけか。 それだけでは、あまりにも毒に冒された人達に救いがないような気がしてしまった。 | ||||
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冴えわたる筆力で最後まで心地良く本の世界に浸らせてくれました.この分だと杉村さんは,さらなる活躍を強いらせられそうですが,まあ,しょうがないですね.人には役割というものがあるのですから.本の中にもあるように,普通に生きるということは今の世の中,本当に難しい,生きぬくか,落ちるかの瀬戸際を,またこのシリーズでのみゆき節で語ってもらいたいです | ||||
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本書に緊迫感、スピード感や奥行きの深さはあまり感じられなかった。しかし、ストーリーが主人公杉村の性格のごとく穏やかな展開で進むため、登場人物の思いや立場を慮んばかりながら読める作品である。 | ||||
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途中まで、「誰か」の続編というか主人公が同じとは気づかずに読んでいたといういたって呑気な読者です。この路線は殺人事件ではありますが、なんとなくほのぼの感を背後に漂わせていこうという作者の意図からか、明るさを常に感じてしまうのが特徴ですね。喘息もちの可哀想な青年のシーンでも面倒見の良い社長を配することによって惨めさが軽減されております。ただ、ナイフを持って押し入るエキセントリックなお姉さんについては、どうも作者の意図とする人物像がイメージに浮かびません。突き詰めるとものすごくノーテンキ&単純かつ我が侭な馬鹿になってしまって、ちょっとはシリアスな側面を持った人物にした方が良かったのではと思いますがいかがでしょうか?他の人物に関しては少なからず共鳴する気持ちが湧きましたがこのお姉さんに関してはシンパシーは湧かなかったです。こういう人物は初めてのような気がします。 | ||||
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人間は誰もが大なり小なりの『毒』を持っている。 その『毒』を、自分の中だけで処理しようとする人もいれば、外の世界に吐き出そうとする人もいる。 どんなに『毒』を吐き出そうとしても、満足できる結果は決して望めない。 結果として付いてくるのは、人間としての生きているが故の更なる苦しみだけだ。 この本に登場する人は皆、何らかの『毒』を持って生きている。 生きているというのは、本当はものすごく辛いことなのかもしれない。 辛いからこそ、いまある楽しい瞬間や過去の楽しかった思い出がより鮮明なのかもしれない。 その楽しい瞬間をバネにして、人間は前を見て生きていくのだ。 決して振り返ったりはしない・・・この本には、このような教えもあったような気がします。 現在どこの図書館でも人気予約本ランキング5には入っています。 2006年8月5日の発刊からもう1年以上たったというのに・・・ こんなに人気があるということは、おそらく予想移以上に期待が大きいという事だと思います。 ぜひ、読んでみてください。 | ||||
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この本の中で特に印象に残ったのは、 主人公とその娘との会話である。 「明日桃子があかねちゃんにごめんなさいをしたら、 あかねちゃんもごめんなさいしてくれるかな? 桃子だけがごめんなさいしたら、桃子だけが悪いって あかねちゃんに思われちゃうのかなぁ?」 謝った方が良いという事は本能的にわかっている。 でも、自分だけが悪いわけではない。 なのに自分だけ謝っちゃったら、そう思われてしまうのでは? 彼女が思い悩んでいるのは、 それが『理不尽』だと思うからだ。 子どもでも成人してからでも、人々が割り切れない思いをするのは 『理不尽』である事に変わりは無い。 「あんなに何一つ不自由なく幸せな人もいるのに、 どうして私は苦労ばかりするのか。」 「自分の思い通りにばかりなっている人もいるのに、 どうして私だけ。」 誰でもほんの少しは胸の片隅に持っている『理不尽』。 ある程度時間がたてば、 それぞれに自分をなだめる方法を身に付ける。 でも、誰でも、そういう気持ちを完全に消すことは出来ずに、 浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返している。 そして『理不尽』を全く自分の中で消化する事が出来ずに、 常に抱え持っている人もいる。この本にはそういう人が出てくる。 自分たちのまわりにも、気付かなくても そういう人がいるかもしれない。 この本で言う『毒』とは『理不尽』の要素も多く含まれている。 | ||||
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この作品の中の名もなき毒は「人間の中に潜む」毒と「土の中に埋もれる」毒の両方です。これは、宮部みゆきの(時代物も含め)作品にずーっと書かれているテーマです。タイトルや作家の若々しい印象・RPGの原作書いたりするそのイメージと違い宮部みゆきはデビューから今まで「社会派」「正義派」を貫いています。その正義というのも、下町の無骨なおやっさんが持つような正義感=「おてんとさまに顔向けできるか」=が一番のポイントということです。それから、そのおっさんたちが多く生息する東京下町、川向こう、というようなローカルなメンタリティも大事にしています。このままおじさんハードボイルドを貫いていくのでしょうか?そこは悪くないとおもうのですが、宮部みゆきの読者がそういう地味目なヒーローで我慢できるのかな?と心配になってきます。 心に残った文章 「今は違うんです。それだけのことができるなら、立派なんですよ。”普通”というのは、今のこの世の中では、”生きにくく他を生かしにくい”と同義語なんです。”何もない”という意味でもある。つまらなくて退屈で空虚だということです」 「どこかの誰かさんが”自己実現”なんていう厄介な言葉を考え出したばっかりにね」 市井の人々として生きることは前はふつーにできることだったけど、それでは空しいとなってしまった、今の世の中は、世知辛いものです。 | ||||
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宮部みゆきでなければ、もっと高い評価を出しているであろうと思います。 生きていく上でのさまざまな『毒』を題材にしたのでしょうが、 どれも消化しきれず、サラッと触っただけで終わってしまったように 感じられるのが残念です。 ...が、作者自身がこういうタッチの作品を書きたかったのかな、 という感じも受けます。 読後が爽やかで悪くはないのですが、展開があまりにも主人公に よりで、とんとんと行き過ぎる気がしました。 一気に読ませるところはさすがです。読んで損はしません。 | ||||
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静かに日常の中に潜んでいる…。 そんな『毒』だったのかな? 誰もが、持っている『毒』 はいているかもしれない『毒』 あっという間に読めるのだけど。 残らないなぁ。何かが。 無差別事件のお話。 なんだけど。 『誰か』の続編。 『誰か』の流れに似ている。 感じた物も同じ。 じんわり系かな?あとからくるのかしらん? 彼が主人公だから?か?と、思っている。 そんな中。 義父との会話。 『権力』の話。 「〜究極の権力は、人を殺すことだ〜」 無力なこと…。 立ち向かえないモノ? 「〜正義なんてものはこの世にないと思わせてはいけない。それが大人の役目だ。なのに果たせん。〜」 〜我々が内包する毒の名は何というのだ。〜 が、テーマなのでしょうね。 と、思っております。るん! | ||||
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好き嫌いが別れる作品だったかなと思います。 僕としては宮部さんの作品を多々読んできたのですんなりと3日ほどで読破しました。 やはり、本屋大賞にノミネートされただけの価値がある作品でしたと、読み終えてから分かりますよ。クライマックスシーンは鳥肌が立つほどの面白さ!上記に3日で読み終えたと書きましたが、最後の1日で半分以上を読んでたと思います。 ですが、最後の方と比較すると最初の方はちょっと・・・って感じです。半分を読み終えた人だけが分かる素晴らしさというか、そこで好き嫌いが別れたんじゃないかな、と。 話はずれましたが、この作品は“世間に潜む毒”をテーマとしてるらしいです。 最後のまとめがアレだったかな・・・? クライマックスのシーンから終わるまでがすこしぐだぐだだったとも思います。 幸せな家庭を蝕んでいく“毒”。 とにかく!クライマックスは素晴らしかったです!宮部さん!ぜひ続編を! 最後に・・・ゴンちゃん最高! | ||||
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