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名もなき毒
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名もなき毒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全122件 1~20 1/7ページ
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人は名もなき毒にやられ、見えない傷を負う。時間と共に癒える傷もあるが、毒を吐く源になる傷もある。現代社会に潜む狂気を、嘘や貧困、暴力、妬み、絶望で顕在化させ、そこに人物を配置する。 杉村さんの視点で全編語られる。杉村さんの見る対象の一つひとつは、どこにでもあるリアルな事柄だけれども、それが妙な角度で重なると途轍もない怪物になることを示してくれる。 この物語は一見、どこまでもリアルを追求しているように思えるのだが、唯一リアルでないのは、杉村さんだ。彼みたいな男性がいるのだろうか。人間というもの、もっとするくて、もっとエロくて、もっと臆病で、もっと計算高いと思う。宮部さんの頭の中にいる男性というのは、ここまで穏やかなのだろうか。 一方で、杉村さんの「事件」への首の突っ込み方は普通ではない。もっと保身が働き、計算高く振る舞うはずなのに・・・「どうして、そうするの」「どうして、そこに行くの」と何度も何度も何度も思いながら、読み進めた。 物語なのだとは理解している。主人公のリアリティの無さが、そこで起きる事件を際立たせているのは確かで、これは、宮部さん的小説的手法なのだと無理やり納得している。 | ||||
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一作目「誰か」は会長命令があり、仕事と調査がバランス良く、違和感なく感じた。 また、ラストも暴かなくていい部分を「自分の正義」で暴いたこともまぁ理解できなくはない。 本作は主人公こと杉村が仕事の範疇を超えて探偵まがいのことをして、周りを危険に晒したり、女子高生の指南役になるあたりなど、度を超えて人が良すぎて納得がいかなかった。 犯人の動機について納得していない人もいるが、軽い気持ちでそういう事件を起こしてしまう人もいるというのが逆にリアルだと思う。 | ||||
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杉村三郎シリーズ第2弾も、宮部みゆきさんの筆力で読ませる、読み応えのある作品だった。逆玉の腰で、資産家の娘と結婚した杉村三郎は、平凡な男で、彼が自分なりに奮闘するも、原田いずみに振り回されて、散々な目にあうのが、リアリティの感じられる所だ。原田いずみが、自分の兄に乱暴されたと虚言を吐き、兄の結婚式を台無しにしたエピソードで、彼女の虚言が本当なら、と考える場面がある。それなら彼女が傷付き、人格が破綻した事に説明が付くのだ。が実際には、そのような分かり易い理由などないのに、彼女の人格は破綻してしまった。その理由を考えるに、人の心を蝕む「毒」があったのではないか、と読者に思わせる作者の筆致が素晴らしい。一見本筋と無関係に思える、杉村の妻が新居に抱いた不安が、利いて来るのだ。 そして、杉村の娘が危機一髪の苦境に陥った時、毒殺犯の気弱な青年が割って入る、ストーリーテリングが見事。タイトルもそうだが、「毒」にこだわった面白いストーリーだった。杉村が決して名探偵でなく、むしろ犯人に翻弄される情けない男なのが、多少消化不良気味だけど、単純な勧善懲悪でなく、読者に考えさせる作品である。 | ||||
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次作を直ぐ買う気になった | ||||
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宮部みゆきは、天才。どの作品も引き込まれて読みます。人を一面で判断できない存在と、改めて考えさせられます‼️ | ||||
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この作品はサスペンスではない。 立派な「モンスター」を扱ったファンタジーである! それも、必要な人をそろえる(そろえた人が、その人でなければできない役割を果たす)ロールプレイングチックなファンタジーである。クライマックスのそのシーンを読んで、やはりこの人は半分ファンタジー作家なのだと深く納得してしまった。凍った時間の中を、だれにも邪魔されずにヨノイ大尉に歩み寄るジャック・セリアズ、あるいは無敵のホークウィンド卿を屠る最弱のディンク・・・このクライマックスに感動できない人は、宮部みゆきを楽しむ素質がない。かわいそうね。 | ||||
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日本郵便の配達でしたが土、日をはさんでいたのか 4日には届きませんでした 品物はきれいでした | ||||
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2013年夏にTBSより放映された『名もなき毒』で、社内報編集部編集長の園田瑛子は、トラブルばかりを引き起こす問題社員の原田いずみをクビにしてしまう。履歴書も嘘だらけ、職場で暴れて編集長に傷をおわせる。さらに会長の元に訴訟をほのめかす手紙を送りつける。それでも編集長は後悔するという場面があった。原作の宮部みゆき『名もなき毒』で、編集長は「あたしの何が間違ってて、あの人をそこまで歪めちゃったんだろうね」とつぶやく。 私立探偵の北見一郎は原田いずみの問題行動を次のように解き明かす。「“普通”というのは、....“何もない”という意味でもある。つまらなくて退屈で、空虚だということですよ。だから怒るんですよ。どこかの誰かさんが“自己実現”なんて厄介な言葉を考え出したばかりにね」と言う。つまり、原田いずみは普通であり、社会的に何者でもなく、自己実現のレベルには達していない。そのあるべき姿でないことを罰せられ、自分としてはそれが問題とは思えず、罪の意識がないのに罰せられる。だから、理不尽だと怒るのだと。 自己実現には、自分の可能性を発揮して何者かになるためには、自分自身で努力するしかないという意味も含まれる。その努力を怠った原田いずみは、この件でも罰せられることになる。編集長は、原田いずみの苦悩を受けとめられなかった“共感”不足を嘆いているようだが、そうではなく、勝手に因果法則を信じていたにすぎない。実は、編集長も問題児の原田いずみも、身勝手な因果法則の犠牲者であるという点では同類なのだ。努力が足りないから自己実現ができないのだと世間が信じることによって、原田いずみは罰せられ、共感的に接すれば人は更生するという因果を信じて、編集長は罪の意識を抱いている。 自己実現(self-actualization)とは、アメリカの心理学者マズローが発表した欲求5段階説の頂点に立つ最も高度な欲求のこと。生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認(自尊)の欲求、自己実現の欲求の順である。 共感はempathy と訳されたりsympathy と訳されたりする。心理学者はsympathy(同情)ではなく、empathy(共感)でなければならないと説く。両者にどれほどの違いがあるのだろう。 在りもしない虚構を作り出す心理学に注意しなければならない。例えば、「嫌われる勇気」などあるはずもないのだ。『名もなき毒』は心理学が作り出した虚構に踊らされる悲劇である。 | ||||
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相変わらずの饒舌がっ木菟文章だが、それも気にならないぐらい面白い作品。 | ||||
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杉村三郎シリーズ2作目でして、人の怖さと弱さと切なさを、優しく温かく・面白く・怖く描いた名作です(^-^*)/ 1作目で充分面白く、感情移入&共感しまくって大好きな主人公作品でしたが、 2作目はタイトルの『毒』=人の弱さと悪意の恐ろしさと切なさを痛烈に描いた神作品となっていました! 2つの事件が同時進行しますが、その繋がりかたとラストの締め方が、最大限に見事であり、素晴らし過ぎました……。 人の悪意=毒は、生まれつき天然の物もありますし、環境から生まれる物もあります。 それらに毒される=被害に遭う可能性はランダムであり、被害の大小を問わなければ誰にも可能性はあります。 そんな、人の恐ろしさと、反する優しさと、それでも生きる人生の大変さを、これだけ身近に面白く怖く描いた点で、両手を揚げて絶賛するしかない神作クオリティでした! 宮部みゆきさんは今シリーズを読むまでに10冊以上読んでますが、 時代劇ホラーの『三島屋変調シリーズ』は名作だったものの、今まで現代劇では名作に出会えず、 (個人的に小説の劇的な革命が起きたのは2000年代と感じてるので)前時代の活躍だけで有名になった名前だけの有名作家だと思っていましたが、 今シリーズで、きちんと名作を描く素晴らしい作家だと痛感しましたし、 『人の怖さや弱さの恐ろしさや人情を描く』点では、今シリーズも三島屋変調シリーズも同じだなと気付き、 そういうテーマが宮部みゆきさんの真骨頂かなとも感じた次第です。 今は3作目を4割読んだところですが、こちらも今のところ素晴らしいクオリティで、ますます今シリーズへの期待が高まりますし、 誰にもオススメのミステリー神作です(^-^*)/ | ||||
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素直に面白かった どの犯罪でも犯罪者は必ずなにかに怒っているということが正鵠を得ていると思った。例えば理不尽な目に遭う。なんで自分だけこんな仕打ちを受ける?他の人はこんなに幸せなのに、、そこに嫉妬や怒りが生まれる。この思いが肥大化し、何かしらの犯罪行為として実行する。犯罪者でなくても誰しも思うことがあるのではないか? | ||||
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仕事で一週間、ネットもTVもない生活となるのでかなり前に買ったこの本と技術書を一冊持ってでかかけた。が、激しく後悔した。仕事現場到着までの2時間で半分読んでしまい、その日のベットで残りも続きが気になって全部読めてしまう、ただの一日読了本の類である。なんとか、かんとか、一日40ページで決めて残りの六晩を耐えた。耐えた。耐えた。面白かった。 しかし、主人公のそつのなさ、沈着さ、そこから来る安定感はなんなんだろうか。まったく特徴のなさが、かえって特徴になっている。多くはかたらないが、権力とは何かを考えさせられる内容。我々の平穏は本書の帯にあるように「幸福は壊れる。音もたてずに、あっけなく」である。我々の平穏の生活とはなにかと考えるメッセージ性のあるないようであった。前作の「誰か」も読んでみよう。宮部みゆきの他の本も。けど、次の仕事では1冊ではなく、3冊くらいもっていくと決めている。傑作。 | ||||
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内容は知らない方が楽しめるのでふれずにおきます 人間の心の闇と光を描いており読みごたえがあり感動します | ||||
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何か本を読みたくなって、頭に浮かんできたのが、小泉孝太郎の杉村三郎だった。推理小説は、この10年ほとんど読んでこなかったので、もう本は読めないのかと思って本屋に行ってこの本を探した。頭にすっと入る文章とそうでない文体があるが、宮部みゆきは読みやすい。この本は、推理小説の分類とするには、ぽくない。動機も不十分だし、偶然が多すぎて驚きもない。しかし、長編といえるこの小説を二日間でむさぼり読んだ。杉村三郎が好きなのだ。慾もなく、正義感もそれほど強くは感じないが、他人に対するやさしさにあふれているこの人物の目線で書かれているこの小説に両手がふさがれっぱなしだ。夢中で時を過ごさせてくれた、宮部みゆきに感謝。 | ||||
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並行してドラマも観てしまったがため、小泉孝太郎が 小説の中から出てきてしまう。 たしかに、 とてもはまり役だった。 なので、 この後前作の「誰か」と「ペテロの」を読むにしても このイメージは抜けきれない。と思う。 それが良いのか、悪いのか・・・。 もう、無垢な気持ちで読むことが出来なくなってしまった。 | ||||
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某雑誌の2006ミステリーベストテンで、見事第一位を獲得。結構期待して読んだ。一度読み始めると止まらない。ぐいぐいひきつけていく彼女の筆力はさすがに大したもの。 まずその構成が見事。2つの話がオーバーラップで展開して行き、最後にそれが・・。おっと、これ以上はネタバレなのでやめておこう。 でも、人間が持つ独特の毒(悪意と言い換えても良い)って確かにあるよなあと思う。それを題材にお話を書いてしまう作者のアイデアには、いつもながら感じ入る。 蛇足だが、文中に「とんでもありません」という明らかな日本語の誤用があり、ここだけちょっと興ざめ。売れっ子作家らしからぬミスだと思うのだけれど。 | ||||
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『汝隣人を愛せよ』とは、あらゆる社会生活において名言であるとは思いますが、この作品のような状況に自分が置かれた場合、はたして等しく愛する事ができるかは自信がない。 しかし主人公杉村三郎は、受け入れ理解しようとする。どのような人であっても見捨てない。だからこその悪意に、見えない毒に、名もなき毒に近寄り、寄られてしまうのだろう。 原田いずみみたいな人が身近にいたのを思い出し、自分と重ねて読んでしまった。 | ||||
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杉村が抱える環境の葛藤とそこから見出した自分の居場所、そして殺人者の心と記者としての気概、成功者の厭世観。宮部さんは何気ない日常を言葉だけでここまでドラマチックにできるから、基本的に何を読んでも楽しい。 | ||||
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タチの悪いトラブルメーカーのバイトの女の対応を任された杉村。厄介で自分は関わりたくない人物なんだけど、読んでいる分には、次はいったい何をやらかすのか正直一番気になる人物でした。 あと連続毒殺事件が起こったり。 おもしろく読めました。 人間だけが持つ毒、名もなき毒…読後、タイトルに納得しました。 | ||||
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いろいろ疑問はあるけど、とにかくガーっと一気に集中して読んだ。読まされた。 楽しめたので星5つ。 | ||||
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