■スポンサードリンク
流
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
流の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全158件 1~20 1/8ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白くない。最後まで盛り上がらなかった。これで直木賞受賞作なのか……。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
直木賞選評で、宮城谷昌光氏が《ことばを慎重に選ぶのではなく、手あたりしだいに集めて詰めてゆけばなんとかなるというずぶとさがみえ》たと書いています。そのとおり、本筋のあいだに山ほどエピソードを盛っていて、ああ、いまエンタメを読んでいるんだなという気持になりました。これがモームのいう「橋」という手法でしょう。解説でガルシア・マルケスが出てきて、法螺話ばかり出てくるのも納得です。 しかし選考委員満場一致というからには、どんなにすごい小説かと思ったら、案外堅実なストーリーでした。 文章はハードボイルドチックで、通俗的な場面もたくさんあります。ミステリもありますが、大したものではありません。 最終的には、アイデンティティ由来の復讐譚めいたものになってしまいます。なぜ孫はそんなに祖父に執着するのかわからないので、あまり感情移入するものでもありませんでした。 選評で伊集院静氏が《日本人にとって歴史上も大きな関りがある国の物語に文学が明確に見えた点も嬉しかった》と書いています。日本人にとって隣国の台湾事情は興味深く、それゆえの受賞ではないかという気がしてこなくもありません。 これがはたして日本が舞台だったら評価はどうなっていたでしょうか? しかし、地域性による受賞理由があるなかで、確実な小説技術を持っているはずだと確信するだけの技量はありました。死んだ祖父を見つける場面ではドキドキしました。 かつて楊逸が芥川賞を受賞した際、村上龍氏は《たとえば国家の民主化とか、いろいろな意味で胡散臭い政治的・文化的背景を持つ「大きな物語」のほうが、どこにでもいる個人の内面や人間関係を描く「小さな物語」よりも文学的価値があるなどという、すでに何度も暴かれた嘘が、復活して欲しくないと思っている》と書きました。私もそのとおりだと同意します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小説に入り込んでからの物語の疾走感、鼓動が良く伝わった。2度目を読みたくなる作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
火野氏の糞尿譚を意外に長いなと思いつつ2時頃に読了して気持よく寝た翌朝9時頃、この小説を読み始めたが、とりあえず一章は面白かった。しかし二章の暴力行為の連続した辺りを読んでるうち、昨夜読んだ糞尿譚のラストのシーンが走馬燈のように甦ってきて、しばらくするうち頭がくらくらすると共に妙に痛くなった。それでトイレに行き、べッドさくを利用してストレッチをし、その後再度それにとりかかり何とか二章を終えた。しかしもうそれ以上読むのが嫌になると共に、肩から頭につながる妙な痛みがとれなかったので、その日はもう全ての読書を中止して夜早めに寝た。翌日、火野氏の花と龍へ行こうと思ったが、結局気をとりなおして3章に挑戦しなんとか5章まで読了した。しかしこの後、他の批判的コメを書いてる人のを読むにつけ、読了に至るには、これは難題ですわ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とにかくここ十年でこれほど吹き出しながら読んだ小説はあっただろうか。 10pageに一回は爆笑です。 それでいて内容は、あの日中戦争と国共内線と台湾社会の戦後を扱っている。 その重い社会の変動の中で、若者は成長し、学び遊び恋し、時には軌道を外して乱暴し、世は移っていく。 小説を読み登場人物と喜怒哀楽を共にする、という読書の喜びを満喫しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初から最後までつまらなかったです。 どこで面白くなるのか、ずっと待ってましたが、結末も大したことなく、時間を無駄にしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
台湾に行きたくなると勧められたので読んでみた。これまで何度か行ったが歴史や中国、日本との関係に思うところには敢えて触れずにグルメ観光していた。 じいちゃんの事件をきっかけに、戦争バイオレンスな事件満載な祖父の時代と、主人公達がリアルに生きている1970 ~80年代の昭和ノリのバイオレンス&ロマンチック青春描写が重層して繋がって、台湾てこんな国なのかぁ。豆花が食べたくなった。 ミステリーな要素もあって一気読み応えありました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
土地の匂いを表現するのに秀でた書き手だと思いました。 非常に密度の濃い文章で、任侠な匂いが色濃く漂う台湾の街中が描写され、それに乗じて、その土地に立ってぶつかり合い生きる人々の気骨、体が浮かび上がっています。一方、この高密度な喧騒の最中を、思春期でまだ自分の定まらないながらも多感な秋生が「流」れるようにさまざまな人と接触し強くすり抜けていく線がすっと深く入っています。 非常に血的・身体的で無骨ながらも、そこで沸き起こる喜怒哀楽が弾むように鮮やか。 この溶け合いが素晴らしいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2017年の15歳の頃。 この本に出会ったのは少年鑑別所の単独室。 今まで本を読む事なんて無かった僕の人生を 変えてくれました。 出会うまで漫画でさえ字を読むことを嫌っていた人生だったが、字を読む事が意外に楽しい事を教えてくれてありがとうございました。 この本は実に魅力的。 ありがとう。東山さん。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
※★の数はもう一回読む可能性 「魚が言いました‥わたしは水のなかで暮らしているのだから、あなたにはわたしの涙が見えません」 物語が進んでいけばいくほど、冒頭に引用されたこの一文が深みを持ってくる。 あなたにはわたしの涙が見えない。 わたしにもあなたの涙が見えない。 「ああ、そういうことか。 わたしたちは魚なのだ。だから、どんなに泣いても、涙なんか見えるはずもない。彼女の涙は流れ落ちる間もなく、水に洗われてゆく。それをわたしはずっと見て見ぬふりをしてきたのだ」 主人公はいくつかの場面でこのことに思い至るのだが、その場面場面でどのような答えを出し、どのように行動するのか、そこが一番の読みどころだったように思う。 ストーリーとしては、ミステリーが軸になっている。 蒋介石が亡くなった1975年、何者かに殺された祖父。 「いったいだれが不死身の祖父をあんな目に遭わせたのか?」 犯人は誰か、という未解決の謎が人参のように鼻先にぶら下げられたまま、物語が進んでいく。 その人参を追いかけるように読み進めた面はあるのだが、それ以上に、先へ先へと背中を押すように描き込まれた物語のディテールによって読まされた感が強い。 自伝かと思うほどのリアリティ。 物語の枝葉となる小話も、心情や情景の描写も。 登場人物全員が中国人・台湾人で、漢字の名前の読み方になかなか馴染めなかったにもかかわらず、気づけば物語にズブズブと引き込まれ、エピローグで人参を咥えて満足している自分がいた。 気になった方は是非。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
単行本の帯を読むと、「二十年に一度の傑作」北方謙三・「これほど幸せな読書は何年ぶりだ」伊集院静・「十五年間で、一番幸せな選考会でした」林真理子などなど、直木賞選考委員諸氏が大絶賛ですが、どうにも期待外れでした。著者は台湾の生まれで、中国語に堪能であることは確かに特異な才能の一つでしょうし、台湾と中国・日本を舞台とし、中国・台湾語を作品中に駆使するのは武器として認めますし、それなりの効果をもたらしていることは確かです。しかし同時にやり過ぎ感もあることは確かでしょう。 加えて、歴史を自分の周囲に引き付けて、そこに自分史めいた私小説味を加えているため、どうにも話があちらこちらに広がってしまう。言い方を変えればエピソードを盛り込みすぎている感は否めません。ですから、当然物語の展開がぼやけると同時に、停滞してしまう。読まされる方は少々うんざりさせられ、「どこへ連れて行くつもりか?」という不満が残ります。ですから、その拡散の為、肝心の物語の中心がぼやけてしまい、最後の場面などは「やれやれ、やっとたどり着いたか・・・」と感動は薄れてしまいます。これは自分だけが感じたことでしょうか? どうしてこの作品が、選考委員諸氏のあれほどまでの賞賛を生んだのか?疑問です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても面白い文庫本だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
直木賞受賞作だが、この著者の作品は初めてである。 台湾をメイン舞台にした小説で、中国人の一族・家族観を下敷きにした青春小説でもあり、ぼくにはある種のピカレスクロマンのようにも読めた。 というのも読後感は、帝政ロシア崩壊直後のウクライナを舞台にしたピカレスクロマンである佐藤亜紀『ミノタウロス』に近いものを感じたからだ。 主人公が自分で語りながらとる自分自身との距離感が、猥雑で因習的な世界を描きながらも、この小説に品格のようなものをあたえているのだと思う。 次作に期待。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
超おもろかった。違う意味で「もう一度読みたくなる小説」。完璧。完璧な小説って個人的に緻密な設定からひとつひとつの章が重なり合う作品だと思ってるんだけど、これは珍しくそういうミステリ系じゃないのに「完璧だな」って思った小説だった。すべての章が小説の血となって肉となっている。どういうお話かって「台湾人の主人公が幼少時代からを振り返って今に至るまでをずっと語ってくれる」だけなんだけど、それが死ぬほど面白い。エピソードがそれぞれ読みながら吹き出してしまうくらいで、お気に入りのエピソードは何回か見返しながら読んでた(笑)ただ、そのエピソードだけで紡がれたストーリーじゃなくて根底に「祖父の謎の死」というものが流れていて後半のその回収は鮮やか。いくつかのストーリーに伏線が散りばめられていて舌を巻く。登場人物が多くて、読む前は尻込みしてたけど、起承転結の起部分さえ抜ければ、ほとんどの主要人物が生き生きと脳でイメージできるようになると思う。乱読派の自分はこういうキャラの相関関係とかいろいろ絡み合ったのはすぐに忘れちゃうタイプなんだけど。それなりに厚さはある大作なんだけど、割と一気読みした。直木賞の選考で満場一致で10年に1度の傑作っていう下馬評を先に読んでたのもあるけど、それに恥じない487ページ。最後は明るく終わっているのに、ただの甘いハッピーエンドじゃないのが読んでいる途中に引っかかる違和感から読者と作品の語り手だけが共有しているのが本当に切ない。涙が出てくる。あっぱれ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容は良かった。ただ一つ。新品を買ったはずなのですが、至る所に赤ペンで印がしてありました。確かに新品を買ったはずです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者の自伝かと思わせるほどのリアリティがあり、血なまぐささを感じさせる程の作品。ミステリー小説という体をなしながら、主人公の時代ごとの心の動きや成熟を、五感で感じられるような表現で綴られており、さらに激動化の台湾という舞台設定や強烈な登場人物の言動がそれを彩る。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東山彰良さんの本です。wikipediaをみると、台湾の人のようです。 ただ、日本語で書かれていますし、ちゃんとした文章です。 日本と戦い、戦後は中共と戦ったおじいちゃんの葉尊麟。台湾に逃げてきたが、もとは山東省の出。 そこで、主人公の葉秋生が生まれて、「台湾人」として生きている。 このおじいちゃんがワイルドな人で、武闘派バリバリ。 そんなおじいちゃんが、主人公は大好き。 しかし、ある日、おじいちゃんが殺される。 主人公は、頭のどこかで、そのことを気にかけつつ、台湾での青春生活を過ごす。 やがて、おじいちゃんを殺した人間の目処がつき、山東省に赴くが…。 日本のことは、あまりでてこないです。あ、主人公が後半になると日本にちょくちょく行くようになるくらいです。 在日の外国人って、金城一紀みたいに「日本人が在日を差別して…」みたいな「怨み節」がある印象があるのですが、この作家さんには、あまりそういう「怨み」みたいなのは感じません。 確かに、日本は近代化以後は諸外国に迷惑をおかけしていましたし、そのことは常日頃から反省しているわけですが、 金城一紀みたいに、ネチネチと「日本人が差別を…」とか言われ続けると、「いいかげんにしてよ、どうしたいの?どうすれば許してくれるの?」となるわけです。 そういう、イライラはまったく感じませんでした。 あと、なんとなく中国っぽさというか、外国っぽさを感じたのが、 バカバカしいホラ話ですね。 主人公は途中からグレて、不良になるんですが、 その不良になってからのヤンチャ話が、いちいちホラ話っぽいというか、 話盛ってるよね、というか、そういう「いかにも作ってますよ」という感じが、 バカバカしくて笑えるんですよね。 金城一紀だと、ここいらへんの「話盛ってる」感じがわざとらしいというか、 どこかしら自慢話っぽくなって、鼻持ちならないのですが、 東山さんは、そこいらへんはきちんと「ホラ話」と割り切っているような、潔さがあります。 また、いちいち話がバカバカしいんですよね。 ゴキブリがよく発生するので、日本のごきぶりホイホイをしかけたら、押すな押すなで大量のゴキブリがひっかかる。 もう、たくさんひっかかりすぎていて、ホイホイがどこかに向かおうとしているとか(120㌻)、 笑っちゃうんですよ。 しかも、台湾人ならば、いろいろと意識する、政治動向なんかもきちんと描いていて、リアリティはあります。 ただ、話自体は、憑きものがでてきたりと、いささか土俗的なところもあります。 自分のルーツに対する希求や、恋愛話なども、なかなか面白いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
発送期日も約束通りで、商品も良好でした。現在、楽しく読んでおります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
心に残る小説でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
蔣介石亡きあとの台湾の世相を背景に、外省人の息子である主人公の成長していく青春時代の過程が見事に描写されている力作である。作者の卓越した日本語文章力のお蔭もあって、現代台湾史の一端を知るための貴重な一冊になっている。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!