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流
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流の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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直木賞選評で、宮城谷昌光氏が《ことばを慎重に選ぶのではなく、手あたりしだいに集めて詰めてゆけばなんとかなるというずぶとさがみえ》たと書いています。そのとおり、本筋のあいだに山ほどエピソードを盛っていて、ああ、いまエンタメを読んでいるんだなという気持になりました。これがモームのいう「橋」という手法でしょう。解説でガルシア・マルケスが出てきて、法螺話ばかり出てくるのも納得です。 しかし選考委員満場一致というからには、どんなにすごい小説かと思ったら、案外堅実なストーリーでした。 文章はハードボイルドチックで、通俗的な場面もたくさんあります。ミステリもありますが、大したものではありません。 最終的には、アイデンティティ由来の復讐譚めいたものになってしまいます。なぜ孫はそんなに祖父に執着するのかわからないので、あまり感情移入するものでもありませんでした。 選評で伊集院静氏が《日本人にとって歴史上も大きな関りがある国の物語に文学が明確に見えた点も嬉しかった》と書いています。日本人にとって隣国の台湾事情は興味深く、それゆえの受賞ではないかという気がしてこなくもありません。 これがはたして日本が舞台だったら評価はどうなっていたでしょうか? しかし、地域性による受賞理由があるなかで、確実な小説技術を持っているはずだと確信するだけの技量はありました。死んだ祖父を見つける場面ではドキドキしました。 かつて楊逸が芥川賞を受賞した際、村上龍氏は《たとえば国家の民主化とか、いろいろな意味で胡散臭い政治的・文化的背景を持つ「大きな物語」のほうが、どこにでもいる個人の内面や人間関係を描く「小さな物語」よりも文学的価値があるなどという、すでに何度も暴かれた嘘が、復活して欲しくないと思っている》と書きました。私もそのとおりだと同意します。 | ||||
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火野氏の糞尿譚を意外に長いなと思いつつ2時頃に読了して気持よく寝た翌朝9時頃、この小説を読み始めたが、とりあえず一章は面白かった。しかし二章の暴力行為の連続した辺りを読んでるうち、昨夜読んだ糞尿譚のラストのシーンが走馬燈のように甦ってきて、しばらくするうち頭がくらくらすると共に妙に痛くなった。それでトイレに行き、べッドさくを利用してストレッチをし、その後再度それにとりかかり何とか二章を終えた。しかしもうそれ以上読むのが嫌になると共に、肩から頭につながる妙な痛みがとれなかったので、その日はもう全ての読書を中止して夜早めに寝た。翌日、火野氏の花と龍へ行こうと思ったが、結局気をとりなおして3章に挑戦しなんとか5章まで読了した。しかしこの後、他の批判的コメを書いてる人のを読むにつけ、読了に至るには、これは難題ですわ。 | ||||
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単行本の帯を読むと、「二十年に一度の傑作」北方謙三・「これほど幸せな読書は何年ぶりだ」伊集院静・「十五年間で、一番幸せな選考会でした」林真理子などなど、直木賞選考委員諸氏が大絶賛ですが、どうにも期待外れでした。著者は台湾の生まれで、中国語に堪能であることは確かに特異な才能の一つでしょうし、台湾と中国・日本を舞台とし、中国・台湾語を作品中に駆使するのは武器として認めますし、それなりの効果をもたらしていることは確かです。しかし同時にやり過ぎ感もあることは確かでしょう。 加えて、歴史を自分の周囲に引き付けて、そこに自分史めいた私小説味を加えているため、どうにも話があちらこちらに広がってしまう。言い方を変えればエピソードを盛り込みすぎている感は否めません。ですから、当然物語の展開がぼやけると同時に、停滞してしまう。読まされる方は少々うんざりさせられ、「どこへ連れて行くつもりか?」という不満が残ります。ですから、その拡散の為、肝心の物語の中心がぼやけてしまい、最後の場面などは「やれやれ、やっとたどり着いたか・・・」と感動は薄れてしまいます。これは自分だけが感じたことでしょうか? どうしてこの作品が、選考委員諸氏のあれほどまでの賞賛を生んだのか?疑問です。 | ||||
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内容は良かった。ただ一つ。新品を買ったはずなのですが、至る所に赤ペンで印がしてありました。確かに新品を買ったはずです。 | ||||
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東山彰良さんの本です。wikipediaをみると、台湾の人のようです。 ただ、日本語で書かれていますし、ちゃんとした文章です。 日本と戦い、戦後は中共と戦ったおじいちゃんの葉尊麟。台湾に逃げてきたが、もとは山東省の出。 そこで、主人公の葉秋生が生まれて、「台湾人」として生きている。 このおじいちゃんがワイルドな人で、武闘派バリバリ。 そんなおじいちゃんが、主人公は大好き。 しかし、ある日、おじいちゃんが殺される。 主人公は、頭のどこかで、そのことを気にかけつつ、台湾での青春生活を過ごす。 やがて、おじいちゃんを殺した人間の目処がつき、山東省に赴くが…。 日本のことは、あまりでてこないです。あ、主人公が後半になると日本にちょくちょく行くようになるくらいです。 在日の外国人って、金城一紀みたいに「日本人が在日を差別して…」みたいな「怨み節」がある印象があるのですが、この作家さんには、あまりそういう「怨み」みたいなのは感じません。 確かに、日本は近代化以後は諸外国に迷惑をおかけしていましたし、そのことは常日頃から反省しているわけですが、 金城一紀みたいに、ネチネチと「日本人が差別を…」とか言われ続けると、「いいかげんにしてよ、どうしたいの?どうすれば許してくれるの?」となるわけです。 そういう、イライラはまったく感じませんでした。 あと、なんとなく中国っぽさというか、外国っぽさを感じたのが、 バカバカしいホラ話ですね。 主人公は途中からグレて、不良になるんですが、 その不良になってからのヤンチャ話が、いちいちホラ話っぽいというか、 話盛ってるよね、というか、そういう「いかにも作ってますよ」という感じが、 バカバカしくて笑えるんですよね。 金城一紀だと、ここいらへんの「話盛ってる」感じがわざとらしいというか、 どこかしら自慢話っぽくなって、鼻持ちならないのですが、 東山さんは、そこいらへんはきちんと「ホラ話」と割り切っているような、潔さがあります。 また、いちいち話がバカバカしいんですよね。 ゴキブリがよく発生するので、日本のごきぶりホイホイをしかけたら、押すな押すなで大量のゴキブリがひっかかる。 もう、たくさんひっかかりすぎていて、ホイホイがどこかに向かおうとしているとか(120㌻)、 笑っちゃうんですよ。 しかも、台湾人ならば、いろいろと意識する、政治動向なんかもきちんと描いていて、リアリティはあります。 ただ、話自体は、憑きものがでてきたりと、いささか土俗的なところもあります。 自分のルーツに対する希求や、恋愛話なども、なかなか面白いです。 | ||||
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素晴らしい文章力に引き込まれ、何度も笑わされ、匂いまで感じるような鮮明な情景を思い描くことのできる素晴らしい作品でした。 ただたくさんの著名人から書評が寄せられていて、最後の疾走感がすごい、一気に駆け抜ける青春の〜、などのスピード感のあるクライマックスを想像していたため、微妙にズレたベクトルに期待しすぎたことを少し後悔しました。 サスペンス要素では中盤で答えが見えてくるため後半はていねいな答え合わせという感じで、ジェットコースターのような派手な盛り上がりを期待して読むより普通にヒューマンドラマとして味わうのが正解かなと思います。 でも本当に、若い熱気とともに情緒と知性とユーモアがキラキラと織り込まれた名作でした。読んで良かった。 | ||||
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直木賞受賞ということで期待して読んだのですが、物語性に今少しスケール感を感じず、主人公の成長と共にその周りの人たちの関わり合いがより膨らむかと思えばそうでもなく、その点が残念でした。 | ||||
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なかなか時代背景を深く知らない時代の台湾の話でしたが、主人公のキャラクターに一貫性がないように感じました。 不良高校でワルをねじ伏せるかと思えば、ウジウジ。繊細でごく普通な青年にしか見えないのに、いらないエピソードが多いように感じました。 あんまり、ドラマ性もなく、スリルもなく、細かな心理描写もないので、淡々としていました。 ま、でも一気読みしたいとは全く思いませんでしたが、仕事の昼休みにちょっとずつ読むには良かったです。 | ||||
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一言で言うと自分には合わなかったになると思う。文章力、表現力はあるし、作品としてはしっかり出来ている。 でも没入できなかったのは登場人物にあまり感情輸入できなかったから。 この作品における台湾の無秩序な感じはかつての日本もそうであったようで、 父、あるいは祖父の世代で、似たような話は聞いた事はあったが、 自分にとっての実体験ではないためいまいちピンと来ない。 実際にそうであったかそうでないかはともかくとして、 この時代の価値観が理解できなければ無論登場人物の心情も理解できないわけで。 つまりは読者の年代によって評価が割れる作品かと。 よくこういった作品は若者である主人公が現代の若者の代弁者で 過去の文化との認識の差異を埋めてくれるのですが、 この作品の主人公は現在ではすでに大人で、子供時代の話は過去の話となるため、 過去の文化に疑問を投げかける人物がいなく、その時代を知る人でないと置いてけぼりになってしまう。 良作ではあるのでしょうが、人を選ぶ作品だと思います。 | ||||
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今まで中国の歴史的な事情は沢山の著作物から知ることが出来ましたが、台湾の事情を知る機会がありませんでした。 新聞で書評を読み購入したのですが、さすが直木賞受賞作でした。若者の人生がパンチよく、切れ味良く表現されていて、読み進むうちにだんだんのめりこみました。人名はなかなか覚えられませんでしたが登場人物の説明シートが挟まれていたので助かりました。 | ||||
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台湾人の中国本土に対する感情や、 台湾の中にも「本省人」「外省人」という出生による微妙な差別があったり、 その歴史とともに「知り得なかった台湾」が話の舞台。 登場する中国名の人物がなかなか憶えられずに 手こずったものの、物語当時の台湾の街が内包する「古き良きカオス」それと、対となる中国本土の「イエローグレーの大地」がこの作品の魅力の中心。 主人公のイノセントな青春の背景に語られる、政治や大陸中国、一族、家への想いが、 昭和40年代の日本に生まれ、育った私には、 異質な感覚でもあり、純粋に感じ入ることのできるものでもあり、、、 作品として目新しさや突飛な仕掛けが一切無い、 深く純粋な良作らしい良作。 | ||||
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生まれ育った人だからこそ書けた小説なんでしょうけど・・・ ごめんなさい、登場人物たちがどれもこれも好きになれなくて なので最後まで小説の中に入りきれませんでした。 これほど絶賛されているのがなぜなのか、どうしてもわかりません | ||||
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初めての作家の初めての作品です。直木賞受賞作品ということで読みました。台湾を舞台にした良い話でしたが、スゴいとは思えませんでした。途中に笑いありの所があり、面白かったですが。 | ||||
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話の筋道は重厚なバックグラウンドを持ちながら、視点保持者である主人公を鈍感にすることで、物語を平易で分かりやすく描くことに成功でしている。 それが下らないユーモアがばっちり嵌まっていて、飽きさせないのもすごい。 | ||||
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私は台湾で過ごしたことがあり台湾人の友人も多い。日本人なので日本の感性も持つ。また中国にも友人は多い。 はてさて、この本なのだが、ストーリー的にはまあ普通に面白いのだが、切り口が台湾人の切り口とも若干違い、それは当然外省人から来るものかも知れないが、日本を若干怨んでるところもあり、純粋な中国人とも感性が違う感じがあり、何か複雑な感情を感じ取らずにはいられなかった。 そのため読後何か微妙な感じが残る本であった。 それがこの本の良さなのかもしれない。 | ||||
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台湾に生まれて台北で過ごし9歳で日本に移住した変わり種の血沸き肉踊る一大歴史変遷人間惑乱&世紀の悲恋物語ずら。題材とプロットが大きく、それなりに造型が魅力的に描かれているので直木賞を受賞したのだろう。 中国からやってきた外省人と台湾固有の人々、国民党と共産党の骨肉の争いを描いて、義理人情でたまたまそれらの党派に属しただけなのに無慈悲に殺戮しあったと総括しているくだりには驚かされるが、この感覚は大陸的というかちょっと日本にはないものだと思った。 祖父を殺した犯人捜しを軸に据えたお噺はミステリーとしても面白いしクライマックスは映画のように盛り上がるが、文章自体は微妙なところで日本人の日本語とは異なっているのが欠点。中国語か英語で書かれたものを優れた翻訳者の日本語で読みたかった。 | ||||
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「バナナも、臭豆腐も、マンゴーかき氷も、小籠包もブチ込んだ台湾ラーメンを、どや顔で出された」そんな気分になりました。 とにかく、「無駄にエピソードが多い」。 映画KANOもそうでしたが、このグダグダ感は台湾というエリアのDNAなのでしょうか。 そうだとすれば、気色の悪い感性です。 船戸与一氏は、小説の導入部を、わざと難解に書くそうです。 というのも、本当に自分の作品を読みたい人の為に書いているので、いい加減な読者は導入部で「ついていけない」とはじくようにしているそうです。 この「流」の作者が、そうした意図を秘めているとは思えません。 なぜなら、延々とグダグダが続くからです。 まだストーリーが面白いのなら、このグダグダ感も許せますが、内容的にも、おそまつ。 スパイ小説をそれなりに読んでいる方なら、犯人に意外感はないでしょう。 ネタバレになるので書名は書きませんが、この結末は結構古くからあるパターンです。 ただ、「日本は台湾を警戒しなければならない」と再認識させられたことは、収穫でした。 「台湾の親日なんて、幻想に過ぎない」これがこの作品の秘めたメッセージであるかも知れません。 「彼らが何を重んじるのか」「最後に頼るものは何なのか」を知ることは、日本人にとって重要であるはずです。 その意味では、多くの人に読んで欲しいです。 | ||||
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本はキレイで配達もすぐでした。 これからも利用していきたいと思っています。 | ||||
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祖父の殺害とその犯人探しが主人公の人生を狂わし、長い年月をかけて犯人の正体に迫るわけだが、 その間何があったとか本筋とあまり関係ない話があまりに多く、テンポが悪い。 半分くらいはばっさり切ってしまっていい話。 霊的な導きを書くなとは言わないが、必然性がなく、なくても成り立つ。 本筋そのものよりも中国と台湾の確執を書きたかったんだろう。 主人公の話が添え物である。 | ||||
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この前の台湾観光旅行で眷村文物館に行けず、残念な思いをしていた時に作品紹介内容を知り、購入しました。 この本は「主人公の青春物語」と「じいさんの大陸&主人公のアイデンティティー」が書かれていると思いますが、「青春物語」の方は映画の「艋舺」みたいで、台湾ドラマ「光陰的故事」風を期待していたのでちょっと残念です。 じいさんに固執したり、内省人の台灣國語の会話が面白い日本語になっているのに家族の会話は普通だったり。でも「自分は台湾人」で、アイデンティティーって難しいなあと思いました。 他の方が既に書かれていますが、女性登場人物の描写がいかにも男性が書く「女」で(叔母さんを除く)、女の人には物足りないのではと思いました。 | ||||
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