■スポンサードリンク


神々の乱心



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

神々の乱心の評価: 4.27/5点 レビュー 51件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.27pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全43件 41~43 3/3ページ
<<123
No.3:
(4pt)

松本清張の帝都物語?

最近のテレビドラマ(黒革の手帳、けものみち)で松本清張に興味を持ちいろいろと詠み始めました。
社会派推理作家と呼ばれていることを知っていたくらいで、なんとなく社会の底辺を行くような暗いイメージがあったのですが、すぐれた作品が多いのに今更びっくりしています。
が、清張の最後の未完の作品であるこの小説は異色です。
皇室に仕える女官が通う謎の組織、由緒ある神社の子女の自殺、巫女の素質がある家系の末裔の女性、皇居で起きるホラーめいた異変、舞台は満州国に移り・・・なんだ、なんだこれは?荒俣の帝都物語じゃないのか?と思うほど非現実的に物語は進行し「本当に松本清張!?」と思ってしまいました。
帝都物語が好きな人なら間違いなく気に入ると思います(笑)。
それに探偵の役どころを演じる旧華族の次男坊、萩園泰之がいい味を出しています。
教養と知識があるのに飄々として気取らず、大事な場面で冗談ぽく義太夫を口ずさんだりして、京都の芸妓出身である若い奥様を赤面させたりします。
あの時代にしては大変な愛妻家で男性としても魅力的。
このあたりの粋なユーモアも、とても松本清張らしくありません(笑)。
この人を探偵役にしてシリーズを書いてほしかったと思ってしまいました。
最初に思いっきりかきたてられた「この謎はいったいどこへ向かうのか??」という好奇心が、ラストに向かうにつれて「なんだ、ただそういうことだったのか」とやや盛り下がってしまうのが残念ですが・・・(ネタばれになるので書きませんが)。
未完とは言え、詳しい解説もついているので、結論はだいたい想像できるようになっています。
清張の異色作と言えると思います。
神々の乱心〈上〉Amazon書評・レビュー:神々の乱心〈上〉より
4163634703
No.2:
(4pt)

鮮烈な群像劇

強烈な信念をもって生きる登場人物。特高のやり手にしては生身の人間らしい吉屋謙介、行動的で、好奇心旺盛な華族の萩園泰之、そして謎の人物横倉健児・・・それぞれの男達に感情移入ができる。女性陣も強くてスゴイ!萩園の妻、まさ子は先斗町出の粋な京女、萩園の姉、彰子は毅然とした宮中の女官。広島の旅館の女将、川崎春子は随所に“名演技”を見せる。在満州では、頭がいい吉林省の旅館の女中、坂下キク、九臺に住む江森静子は不思議な霊力をもつ・・・加えて実在した、大本教の出口王仁三郎、張作霖、溥儀らが要所要所に登場し(もちろんセリフはないが)深みを与えている。まさに1933年から35年の日本にタイムスリップした気分になる。前半は、連続して死体が発見されるという展開。世情や風景が、目の前にあるような記述なので、臨場感に浸り読むことができる。そして、吉屋と萩園が、奈良、埼玉、広島、栃木をロードムービー風に、二人別々に謎を追うという因縁もおもしろい。中盤の「満州編」は異国情緒たっぷり。浪漫を感じさせる。この章のエピソードがあればこそスケールの大きい感動作になったと思う。終盤は、国際連盟脱退後、不穏さが漂う日本、事件の真相、意外な人間関係、一部の顛末が明らかになってくる。宮中の内情やしきたり、女官の同性愛、新興宗教の弾圧、阿片を介した満州支配、関東軍のテロ、実在した歌人・華族の醜聞、禁忌のオンパレードなので、まさに“今”だから著述できたのであろう。華族礼遇も特高警察も、古墳盗掘者も、そして「不敬罪」も今はない・・・過去を反省するのではなく、大戦前夜、激動の予兆を感じながらも逞しく生きた、有名無名の人生、(良くも悪くも)彼らの力強さにあやかりたい。未完の本作は、いくつかの疑問が明かされないまま終わる。しかし、彼らがその後どうなったか想像する楽しみは大いに残る。読後の感動や余韻はしばらく消えないだろう
神々の乱心〈下〉Amazon書評・レビュー:神々の乱心〈下〉より
4163634800
No.1:
(4pt)

清張未完の大作

一人の若い女性、幸子を死に追いやったのではと自責の念からつい捜査に走ってしまう特高の吉屋第一係長。不思議な破軍星紋の付いた通行証と半分に割れた鏡の追求が始まるのだが、女官の深町掌侍を姉にもつ華族の萩原泰之の存在が気にかかる。女官に仕えていた幸子の真の自殺の原因は何か。女官のしきたり、屈折した人間関係か、我々には、想像もつかない世界がそこには、詳しく描写されています。さらに、新たな第一、第二の遺体が発見され幸子との繋がりはあるのか。吉屋の行く先々に泰之がいた。自分には、複雑過ぎて難しかったです。関東軍、麻薬密売人、新興宗教、これらは、どう繋がるのだろうか。
神々の乱心〈上〉Amazon書評・レビュー:神々の乱心〈上〉より
4163634703

スポンサードリンク

  



<<123
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!