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神々の乱心
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神々の乱心の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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言わずもがなの巨匠の最後の作品。 昭和8年の事件からスタートするが、非常に難解。 元々、現在の小説ほど文体は読みやすくは無いのに、 更に題材に特高や宮中、家族、新興宗教、満州などなど 通勤の合間に読む小説では無かった。><! 469頁なので普段なら3日で読了出来るくらいのボリュームだが、 倍以上かかって1週間で読み終えた。 たぶん、この分野に詳しい人や頭が軟らかい人は、 そうでもないのだろうが、従来の著者の作品と感触が違っていて戸惑った。 在庫が無くて取り寄せだったが、 届いた本は2009年10月15日の第13刷で紙がパリパリとくっついている 状態だったので、おそらく取次に戻ってきて眠っていた本が回された のではないかと推察している。 巨匠の作品を増刷時に刷り過ぎたとも考えられるが 読み手を選ぶためと言えなくもない。 下巻で一応の終息はつくものの、未完で終えた作品であることを 考慮すると、敢えて読みたい少数の人以外にはお薦めしづらい作品。 上巻を読んだら下巻も読まずにはスッキリしないだろう事を 考えると、読むときは腰を据えるべきではないだろうか。 | ||||
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最後の部分を描ききれなかった無念を思うと、 著者の今迄の飽くなき探求心と努力とを鑑み 何とも言えない心境になってしまう。 188頁でその登場人物の本当の名前が明らかになるまで どういうつながりで、ストーリーが転がったのか さっぱり分からず2日程やきもきしながら通勤電車で読んでいた。 なので、気分的にはイライラしてしまったのだが そこが分かれば、また落ち着いて考えられる。 上下巻共に構成に振り回されてしまった感じが残った。 今回、著者は自分の書きたくて温めていた題材のために 読者の視点を割愛したのではないだろうかと考える。 勿論、ここまで数々の名作を世に出した著者の 最後のわがままともいうべき構成にケチをつける気は毛頭ないが、 読み手の努力や力量が必要になってくるだろう。 最後の440-446頁で編集部註として、未完部分の補足をしているが やはり消化不良である。 著者の言葉で語られず、誰が新興宗教を起こして、事件は・・・ といった事実の道筋が見えてきただけでの終了。 こことここを結び付けてきたのは安直ではないかとか、 ここがこう絡んできたのは、と想像するのは吝かではないが 所詮は素人で著者の深謀遠慮を推し量り切れるはずはない。 そういう視点で考えると、敢えて読むべき人もいるのだが、 趣味としての読書で、この上下巻を読むのは どうなのだろうと考えてしまう。 多分、世間を揺るがした大きな事件との関係や、主要人物達の 最後の思いや行動が交錯し、最後のサプライズにつながった筈だと 考えると、非常に残念で仕方がない。 | ||||
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文庫と思っていたら、単行本だった。私の注文ミスですね。本は上下とも欠点なしでした。 | ||||
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文庫と思っていたら、単行本だった。私の注文ミスですね。本は上下とも欠点なしでした。 | ||||
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物語の始まりは昭和8年10月10日.原武史氏の『松本清張の遺言(神々の乱心を読み解く)』では,この前年昭和7年3月に満州国が成立し,昭和8年12月23日には現天皇の昭仁親王が誕生するという歴史的な背景が年表に紹介されています. 埼玉県特高課係長吉屋謙介が東武東上線の沿線秩父に近い梅広にある謎の施設月辰会総合研究所から出てきた北村幸子に任意同行を求めたことが契機となります.彼女は皇后宮職深町女官(萩園彰子)の部屋子であることが判明.彼女に託された深町女官宛ての御霊示の内容は不問のまま,事件は静かに展開します.吉屋謙介に密命を暴かれそうになった北村幸子は,女官見習いを辞し故郷の奈良県吉野に戻った直後に,神官である父に鏡についての謎かけの言葉を残したまま吉野川に入水します.自殺の謎を巡って,萩園彰子の弟で子爵家の次男坊萩園泰之と特高係長の身分を秘した吉屋謙介が,それぞれ独自の調査を開始します.昭和8年末,渡良瀬遊水池で発見された2名の男性の他殺体の身元調査をきっかけに,大正10年に満州で起きた阿片密売と政友会への不正献金をめぐる疑惑に関連した人物が洗い出されます.事件は,私立探偵的な役割の萩園泰之と匿名捜査により月辰会の内偵を進める特高刑事吉屋謙介が交差しながら複雑さを増していきます.物語の本格的な展開は下巻からのお楽しみということでしょう. 松本清張らしくミステリー仕立てになっていますが,推理小説としての筋立ては少し詰めが甘く,強引な展開に感じられます.でもそのような仔細は気にせずに,昭和史の秘話をテーマにした作品として, 2.26事件前夜の時代の空気を感じながら読みすすむ余裕が必要です. | ||||
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